機動戦士Vガンダム(ヴィクトリーガンダム)のネタバレ解説・考察まとめ
『機動戦士Vガンダム』(きどうせんしヴィクトリーガンダム)とは、1993年に放送されたロボットアニメ。『ガンダムシリーズ』の作品の1つで、「宇宙世紀」と呼ばれる時代の中で繰り広げられる戦争を描いている。物語後期の主人公機であるV2ガンダムは「光の翼」という特徴的な武装を持ち、その見栄えの良さから後に様々な作品で同様の装備が用いられた。
地球の不法居住者で暮らす少年ウッソ・エヴィンは、リガ・ミリティアとザンスカール帝国の戦争に巻き込まれ、その中でパイロットとしての類稀な素質を開花させていく。
ウッソ「おかしいですよ、カテジナさん!」
物語が進むに従い、カテジナは戦争の狂気に飲まれ、殺戮の悦楽に酔い痴れるようになっていく。何人ものウッソの仲間たちをその手にかけ、戦場で魔人のごとく振る舞うカテジナを見て、ウッソが発したのが「おかしいですよ、カテジナさん!」という言葉である。
カテジナは本来は優しい少女で、ウッソがリガ・ミリティアに利用されていることを案じ、彼に「戦争や殺し合いを好むような、恐ろしい人間にはならないで」とも釘を刺している。彼女自身がまさにそんな人間になってしまったという事実は、戦争というものがいかにおぞましいものかを端的に表している。
『機動戦士Vガンダム』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
「ウッソ・エヴィン」の名前の由来は「嘘・鋭敏」
13歳の少年ながらサバイバル技術とMS操縦技術に長け、優れたニュータイプでもあり、大人であろうと間違っていると感じたことには敢然と言い返す。そんな本作の主人公「ウッソ・エヴィン」の名前の由来は、「嘘・鋭敏」であることを総監督の富野由悠季が明かしている。
富野は「『ガンダムシリーズ』の主人公は、何かしら問題や欠点を抱えていることでリアリティを出してきたが、本作の主人公はそういう点であまりに“嘘くさい”ほど鋭すぎる」と感じており、そこから「ウッソ・エヴィン」という名前を考えたという。
「ウッソの祖父はシャア・アズナブルである」説
「本作の主人公ウッソ・エヴィンの祖父は、宇宙世紀屈指のニュータイプであるシャア・アズナブルである」という説が存在する。ウッソの母親のミューラ・ミゲルが、シャアの愛人であるナナイ・ミゲルと名字が同じだというのがこの説の根拠となっている。シャアは本作の物語の数十年前に死亡しているので、仮に血縁だとすれば祖父になるのが妥当である。
しかし、これについては総監督の富野が「違う」とはっきり否定しており、あくまでファンの妄想だとされている。
本作に参加した声優たちの裏話
主人公のウッソ・エヴィンの声を担当した阪口大助は、本作が「声優としての実質的なデビュー作」だった。「いつか『ガンダムシリーズ』の主役をやってみたい」と考えて声優の世界に飛び込んだ阪口は、いきなりその夢が叶ってしまったことで、以後しばらくモチベーションの維持に苦労したという。
また、当然ながら声優としてのキャリアをほとんど積んでいない阪口は、監督から毎度のように強烈なダメ出しを食らい、時には涙を流すことさえあったと語っている。
『機動戦士Vガンダム』では、次回作である『機動武闘伝Gガンダム』で主役を演じる関智一、そのさらに後の作品である『新機動戦記ガンダムW』で主人公のライバルを演じる子安武人など、後に大きな飛躍を遂げた声優たちが脇役やチョイ役で多く登場している。
ハードでシリアス、残酷にして荒唐無稽、総監督の富野由悠季をして「成功だったとは言いがたい」と評した『機動戦士Vガンダム』だが、本作に参加した若手声優たちにとっては後の活動のための貴重な糧となった。
アニメ版とは異なる漫画版『機動戦士Vガンダム』
本作は岩村俊哉によって漫画化されている。漫画版は「主人公のウッソを含め、登場人物の性格が本編とは大きく異なる」、「展開が過度に劇的になっている」、「決着シーンなど細部が別物になっている」と、アニメ版とは違う魅力を持った作品として知られている。
『機動戦士Vガンダム』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):川添智久(コーラス:田村直美)「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」(第1話 - 第31話)
作詞:井荻麟、みかみ麗緒
作曲:川添智久
編曲:神長弘一、川添智久、井上龍仁
OP(オープニング):RD「Don't Stop! Carry On!」(第32話 - 第51話)
作詞:西脇唯
作曲:小泉誠司
編曲:福田裕彦
ED(エンディング):infix「WINNERS FOREVER〜勝利者よ〜」(第1話 - 第31話)
作詞・作曲:長友仍世
編曲:板倉雅一、infix
ED(エンディング):KIX-S「もう一度TENDERNESS」(第32話 - 第51話)
作詞:浜口司
作曲:安宅美春
編曲:葉山たけし
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目次 - Contents
- 『機動戦士Vガンダム』の概要
- 『機動戦士Vガンダム』のあらすじ・ストーリー
- ポイント・カサレリアの少年たち
- 交錯する運命
- 光の翼の飛翔
- 父母との再会
- 天使の環の降臨
- 『機動戦士Vガンダム』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ウッソ・エヴィン
- シャクティ・カリン
- リガ・ミリティア
- ハンゲルグ・エヴィン
- ミューラ・ミゲル
- 地球連邦軍(ちきゅうれんぽうぐん)
- ロベルト・ゴメス
- ザンスカール帝国(ザンスカールていこく)
- マリア・ピァ・アーモニア
- クロノクル・アシャー
- カテジナ・ルース
- 『機動戦士Vガンダム』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ウッソ「僕らが出来なければ、次の世代がやってくれます」
- リーンホースJr.の特攻
- ウッソ「おかしいですよ、カテジナさん!」
- 『機動戦士Vガンダム』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「ウッソ・エヴィン」の名前の由来は「嘘・鋭敏」
- 「ウッソの祖父はシャア・アズナブルである」説
- 本作に参加した声優たちの裏話
- アニメ版とは異なる漫画版『機動戦士Vガンダム』
- 『機動戦士Vガンダム』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):川添智久(コーラス:田村直美)「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」(第1話 - 第31話)
- OP(オープニング):RD「Don't Stop! Carry On!」(第32話 - 第51話)
- ED(エンディング):infix「WINNERS FOREVER〜勝利者よ〜」(第1話 - 第31話)
- ED(エンディング):KIX-S「もう一度TENDERNESS」(第32話 - 第51話)