血界戦線の流派・必殺技・武器・能力まとめ

『血界戦線』とは、漫画家の内藤泰弘による漫画、およびそれを原作としたアニメ・小説などのメディアミックス作品を指す。異界と人界が混ざりあい、さまざまな超常現象・超常犯罪が跋扈する街「ヘルサレムズ・ロット」を舞台に、街と世界の均衡を守る為に暗躍する秘密結社ライブラの戦いを描く。作中では、さまざまな流派・必殺技・武器・能力が登場。コンセプトの「技名を叫んでから殴る漫画」に則って、一部を除き、ほとんどのキャラクターが技名を叫びながら戦う描写がされている。

『血界戦線』の概要

『血界戦線』とは、漫画家の内藤泰弘による漫画、およびそれを原作としたアニメ・小説などのメディアミックス作品のことである。2008年に集英社の漫画雑誌「ジャンプスクエア」にて読み切りが掲載され、翌年2009年にそれを基にした漫画『血界戦線 -魔封街結社-』を同雑誌にて短期集中連載する。連載終了後、同会社の読み切り専門の漫画雑誌「ジャンプSQ.M」にて再度読み切りを掲載し、後に同会社の漫画雑誌「ジャンプSQ.19」の発行開始と共に「血界戦線」として本格的に連載を開始した。「ジャンプSQ.19」が休刊した後は「ジャンプSQ.CROWN」に掲載先を移す。その際、作品名を『血界戦線 Back 2 Back』に変更し、第2シーズンとして連載を始める。再び掲載誌が休刊した際は、後継誌にあたる「ジャンプSQ.RISE」に連載先を移動した。その後は同誌で連載を続け、2022年からは『血界戦線 Beat 3 Peat』にサブタイトルを改名し、第3シーズンにあたる連載を始める。また、その傍らで、2015年にアニメ『血界戦線』の放送がスタート。OPにBUMP OF CHICKEN、EDにUNISON SQUARE GARDENとアニメ界でも有名な2バンドが起用された事もあり、放送前から注目を浴びた。2017年には、第2期『血界戦線 & BEYOND』の放送も行われている。

物語の舞台は、かつて「ニューヨーク」と呼ばれていた街。ある日突然異界と人界が交わり、未知の超技術の流入や超常存在の介入が日常の一部と化したがために一晩にして「地球上で最も剣呑な緊張地帯」になってしまったそこは、以降「ヘルサレムズ・ロット」(略:HL)という新たな街として外界と隔離される事になる。異界・人界が共に生きる街は、日々さまざまな超常現象が発生し、なかには超常犯罪と呼ばれる人類の領域を越えた犯罪も行われていた。中の者達は普通に暮らしているが、外にいる者達からすれば異常極まりない街で、いつその脅威が外へ漏れ出してしまうか不安でしかない。
そんな街と世界の均衡を守るため、秘密裏に活動をしているのが「秘密結社ライブラ」と呼ばれる団体だ。彼らは自分達が持つさまざまな能力を使いながら、超犯罪を起こす異界の住人達や「血界の眷属」(ブラッドブリード)と呼ばれる世界に仇をなす者達との戦いをくり広げていく。

『血界戦線』では、このライブラのメンバーを筆頭に作中にてさまざまな流派や必殺技・武器・能力が登場する。名前のない武器や能力も一部存在するが、本作のコンセプトである「技名を叫んでから殴る漫画」に則って、作中ではほとんどのキャラクターが使用する技名を叫んでから戦う。

『流派』とは

『血界戦線』の戦闘シーン。画像右の男性が使用している技が、流派から誕生した技の1つ。

『血界戦線』に登場する『流派』は、主にライブラの敵である血界の眷属と戦う為に作られた対血界の眷属用戦闘術となっている。複数の流派が存在し、使用する技・能力・発揮できる効力はそれぞれの流派で異なるも「自らの血液を相手の細胞レベルまで侵食させる事でダメージを与える」という共通点を持つのが特徴だ。どのような流派であっても自らの血液を武器として使う仕様になっており、血液そのものに火や氷、電撃といった属性を付与している流派も多い。武器も血液で作り出す流派が多い為、いつどんな緊急事態であってもすぐに戦えるメリットがある。しかし、使用するのが自らの血液である場合が多い為、戦闘の度にある程度の出血が必須となってしまう。そのため、一度の技に多く血を使う流派ほど、使用者の貧血・出血死のリスクが発生する。
出血の方法は人それぞれの為、決まりはない。流派のスタイルにあわせて作られた専用の道具を用いる者が多いが、銃弾のような実物の武器に予め血液を仕込んで使う者もいる。どのような手段で出血しているか不明な者達も多い。

『血界戦線』に登場する対吸血鬼用の流派の必殺技・武器・能力

クラウス・ラインヘルツ/ブレングリード流血闘術

ブレングリード流血闘術の使い手であるクラウス・V・ラインヘルツ。

秘密結社・ライブラのリーダーであるクラウス・V・ラインヘルツが使う流派。蹴りや投げといった近接格闘の技を徹底に排除し、「拳」のみに戦い方を集約させた血闘術となっている。戦闘中は片腕を盾に、もう片腕を槍に見立て、重装歩兵に似た構えで戦う。武器はナックルとグローブの2種類で、クラウスの場合は左手にナックル、右手にグローブをつけていた。どちらもブレングリード流血闘術専用に作られたもので、十字架がモチーフのデザインとなっている。
能力の「性質」については不明とされているが、一部のキャラクターからは「何かを燃やしたり、凍らせたりする他の対血界の眷属用の戦術とは“段階”が違う」ものであること、時間を操り経年劣化で全てを滅ぼす敵を相手に食い下がれたことから「時に手をかける能力」であることが推測されている。後者については、一体どのようなものであるかは詳しくは不明だ。また、「自らの血液を相手の細胞レベルまで侵食させる事でダメージを与える」という対血界の眷属用戦闘術根本のスタイルは変わらない。殴る以外に、剣や十字架を血液で生み出し、それらを用いて敵に攻撃を仕掛ける事も可能だ。防御の際にも血液を用いて巨大な盾を生み出す方法が取られる為、攻防共に多くの血液を消費される。それにより長時間戦闘を続けてしまうと貧血や失血死するリスクを持ち、作中でも貧血が原因で使い手のクラウスが苦戦する姿も描かれた。

本流派に近しい現実の戦闘スタイルとして、ナイジェリアの民族・ハウサ人に伝わる格闘技「ダンベ」が存在する。左手を盾、右手を槍に見立てて戦う打撃系の格闘技だ。槍である右手は拳に布や縄を巻き付けて戦うのが基本だが、なかにはガラス片が入った樹脂をつけておく者もおり、武器に決まりはない模様。また、鎖を左足に巻き付け、攻防の両方で使用する。

02式 散弾式連突(シュロートンフィッシャー)

血液で無数の小型の十字架を作り、前方に発射する技。 『血界戦線』本編ではなく、週刊少年ジャンプにて『出張番外編』が掲載された際に初出された。

39式 血楔防壁陣(ケイルバリケイド)

血液で複数の巨大十字架を作り、バリケードを生み出す技。
作中では対象を十字架で囲い、身動きを取れないようにさせる戦法で使われた。

111式 十字型殲滅槍(クロイツヴェルニクトランツェ)

血液で巨大な十字架を生み出し、相手に突き刺す技。 あまりにも巨大なため、対象物以外の周囲のものも巻き込んでしまうリスクがある。

117式 絶対不破血十字盾(クロイツシルトウンツェアブレヒリヒ)

血液で巨大な十字架型の盾を生み出す技。
作中屈指といわれる強度を持っており、これを破った者はヴィランのキュリアスのみである。キュリアスがこの技を破れた理由としては、作中では彼が時間を操作する技を用いて戦っているからとされていた。これがブレングリード流血闘術が「時間に手をかける能力」、つまりは「ほぼ永遠不変の存在」と推測される理由なのではないかと、ファンの間では推測される。

アニメ版でも第1期『血界戦線』にて描かれた。なお、アニメ版では「117式」ではなく、「74式」の技として登場している。

999式 久遠棺封縛獄(エーヴィヒカイトゲフェングニス)

血液で生み出した十字架の中に血界の眷属を密封する技。血界の眷属を密封した十字架は手のひらサイズにまで縮まり、血界の眷属を永久的に封印し続ける。秘密結社ライブラの番頭役であるスティーブンいわく、「現人類が唯一血界の眷族に対抗できる技」とのこと。発動には対象となる血界の眷属の「諱名」(いみな)が必要であるが、血界の眷属側は諱名を隠している為、まずはこれを探るところから始めなければいけない。初出の際は、「神々の義眼」を持ったライブラの構成員のレオナルドが義眼を用いて血界の眷属の諱名を偶然当てた為、発動できた。以降この技を発動する時は、まずレオナルドが血界の眷属の諱名を当て、それをクラウスに伝える手段が取られている。
なお、諱名を当てる必要があるのは、それにより対象の「存在」を捉える事ができるためだ。血界の眷属は窓や鏡といった姿形を写し取るものに写らないので、「存在」を物理的に捉えにくい生き物である事が理由と推測される。言い換えれば、使い手が対象の「存在」さえ捉えられているのであれば、血界の眷属以外にも使用は可能。しかし、血界の眷属以外に使う事は固く禁止されている事も作中では明かされた。

??式 十字血棺掩壕(ディバンカーフォンクロイツザーグ)

1215chika
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