血界戦線(BBB/B3)のネタバレ解説・考察まとめ

『血界戦線』は、内藤泰弘の読み切り漫画を基に生まれた、SF伝奇アクション漫画である。2010年から『ジャンプSQ』で連載を開始。その後、幾度もの連載先の移動を繰り返しながらも連載を続けている。舞台は異界と人界が入り混じった元NYの「ヘルサレムズ・ロッド」。そこで世界の均衡を守る為に暗躍する秘密結社「ライブラ」の日々を描く物語となっている。「技名を叫んでから殴る漫画」というコンセプトに加え、無法地帯なんでもアリな突飛な世界観と色濃い性別年齢人種豊かなキャラクター達に、多くの反響が寄せられている。

『血界戦線』の概要

『血界戦線』は、2010年から内藤泰弘が『ジャンプSQ』で連載を行っていたSF伝奇アクション漫画である。元は同誌の2008年6月号にて、センターカラーで掲載された読み切り漫画だったが、反響からか翌年2009年2月号にて『血界戦線 -魔封街結社-』の連載を開始。同年4月号まで連載された。
その後、同年10月に『ジャンプSQ.M』のvol.002にて、再び読み切りが載る。『ジャンプSQ.19』2010年創刊号から再び連載が開始され、2015年に発売されたvol.18まで連載を続けることとなった。
『ジャンプSQ.19』が休刊に入ってからは、『ジャンプSQ.CROWN』に連載先を移す。『血界戦線 Back 2 Back』と改題し、改めて2015年に発売されたSUMMER号から連載を再開する。しかし2018年、『ジャンプSQ.CROWN』も休刊した為、その継続誌として発売された『ジャンプSQ.RISE』に移動。以降は同誌で連載を続けている。
2015年に、一度アニメ化。原作にて描かれたストーリー展開に加え、原作者監修のもと、アニメオリジナルキャラクター達の投入やオリジナルのストーリー展開も行われた。加えてOPにBUMP OF CICKEN、EDにUNISON SQUARE GARDENと音楽界において名を聞かぬことのない大人気バンドが起用されたこともあり、さらなる話題を呼ぶこととなった。
その反響が高じ、2017年再度アニメ化。第1期の世界観を受け継ぎつつ、第1期では放送されなかった原作エピソードが詰め込まれたものとなり、多くの人々から好評を得ることとなった。
漫画のコンセプトは「技名を叫んでから殴る漫画」。コンセプト通り本編内では一度の例外を除き、キャラクター達が技を使う際には必ず技名を名乗り上げる描写が入っている。『血界戦線』を語る上では外せない特徴となっている。

物語の舞台は、異界と人界が混じり合う無法地帯な昔ニューヨークと呼ばれていた街「ヘルサレムズ・ロッド」。語り部のレオナルドは、そんな街の外で暮らしていた平凡な少年だった。しかし、ヘルサレムズ・ロッドを訪れた際に異界の存在により、妹の視力を犠牲に「神々の義眼」と呼ばれる目を埋め込まれてしまう。妹の視力を取り戻す為にヘルサレムズ・ロッドへ乗り込んだ彼は、世界の均衡を守る為に暗躍する秘密結社ライブラと出会う。以降、ライブラメンバー達と共に、ヘルサレムズ・ロッドで起きる様々な事件に巻き込まれていくことになった。突飛な世界観を舞台に、個性も人種も豊かなライブラメンバー達の活動を描くSF伝奇アクション漫画である。

『血界戦線』のあらすじ・ストーリー

『血界戦線』

魔封街結社〜手はじめに世界を救え~

3年前、突然アメリカ合衆国の大都市NY(ニューヨーク)を襲った大崩落事件。その結果NYは、現世と異界が混じり合う街「ヘルサレムズ・ロット」へと変貌した。本作の語り手である「レオナルド・ウォッチ(レオ)」はどこにでもいる普通の青年だが、半年前にこのヘルサレムズ・ロットに観光として訪れた際に突如として現れた異界の生物により、超常の眼である「神々の義眼」を与えられていた。その代償として奪われた妹ミシェーラの視力を取り戻す手段を見つけるため、彼はフリーのジャーナリストとして、現在はヘルサレムズ・ロットで生活している。

ある日レオは自分のカメラを盗んだ音速猿を追っている際に、異界の技術や生物による現世の汚染を防ぐためにヘルサレムズ・ロットで暗躍する超人秘密結社「ライブラ」のメンバー、ザップ・レンフロと出会う。新人構成員と勘違いされたレオは、神々の義眼に関する情報が得られることを期待してそのままライブラ事務所へとついていった。その直後、TVにヘルサレムズ・ロットの最危険人物の1人、堕落王フェムトが姿を現した。千年生きてあらゆる魔導を練り上げたという彼は、自身の退屈しのぎに世界を滅ぼしうる力を持つ邪神を召喚するという。

邪神召喚のタイムリミットは2時間。それまでに召喚ゲートを発見・破壊しなければならない。一刻を争う事態の中、ライブラのリーダー・クラウスはレオの持つ神々の義眼が事件解決に役立つと判断し、彼をライブラのメンバーとして迎え入れる。突如として世界全体に関わる大事件に巻き込まれ、目の前で多くの人が死んでいく現実に慄き、戸惑うレオ。しかし神々の義眼の能力とザップの助力、そして持ち前の勇気で音速猿についていたノミこそが召喚ゲートであることを看破し、これを退治することで世界は無事救われた。

己が拳と強い精神で道を切り拓くライブラのリーダー、クラウス・V(フォン)・ラインヘルツ。
ライブラの副官的存在にして氷属性の足技を振るう伊達男スティーブン・A(アラン)・スターフェイズ。
短気で粗暴だが面倒見がよく、戦闘時には刃状の血液を用いて戦うザップ・レンフロ。
不可視の人狼の能力を活かした諜報活動を得意とするチェイン・皇(すめらぎ)。
電撃を帯びた弾丸で敵を撃つ、姉御肌な超一流スナイパーK・K。
身の回りの世話から戦闘までこなすラインヘルツ家執事のギルベルト・F(フランケ)・アルトシュタイン。
個性的なメンバーが集うライブラの一員として、レオの新しい日々が始まる。

なお、アニメ版ではオリジナルキャラクターとしてホワイトという少女が登場する。
彼女は、街中やレオが入院していた病院など様々な場所に登場しレオと親しくなっていく。

Blood Line Fever~「血界の眷属」と「牙狩り」~(7話)

幻術により偽装された食用人体輸送トラックの捕獲、外界にまで出回る人体超強化麻薬の販売ルート撲滅と様々な事件に日々挑むライブラメンバーたち。その一員として馴染んできたレオだが、ある日街中で「美しい真っ赤な羽根のような光」をまとう人物を見かける。その正体は吸血鬼(ブラッドブリード)。彼らはたびたび人界に現れては数々の惨劇を引き起こしてきたという。

ヘルサレムズ・ロット初の吸血鬼発見の報告に殺気立つライブラの面々。実は、ライブラ自体が元々は人界の吸血鬼狩りの組織である「牙狩り」の派生組織だったのだ。クラウスやザップをはじめとするライブラメンバーの多くが血液を用いて戦うのは、血を糧とする吸血鬼に対抗するためである。吸血鬼出現の脅威と同時に、これまで探知する手段がなかった彼らを見つけた神々の義眼に期待が高まる。早速、外界の吸血鬼専門家エイブラムスを招いて、検証が行われた。
レオ、エイブラムス、クラウス、ザップの4人はヘルサレムズ・ロットの中央にある異界に直結する大穴「永遠の虚」に向かう。そこで、レオは異界に潜む1000を超える大量の吸血鬼たちの光を見る。ショックにより傷つく義眼。そこに、休む間もなくヘルサレムズ・ロットにエルダークラスのブラッドブリードが現れたという報告が入る。

そのブラッドブリードは強大な力を持っており、機動警官はもちろん、ライブラの主力であるスティーブンとK.Kの二人掛かりでも全く歯が立たない。とどめを刺されそうになったその時、クラウスたちが到着する。レオの神々の義眼により映し出された彼女の「諱名」を用いて、クラウスは奥義を放ちブラッドブリードの封印に成功する。実は吸血鬼にとって諱名を知られることは致命傷にも等しく、彼らはそれを知られることを極端に忌避していた。封印に成功したことで、諱名を読み取るレオの能力はブラッドブリードに対抗する上でのライブラの切り札となった。

Zの一番長い日~新たなるライブラメンバー~(15~16話)

ある日、正体不明の寒気に襲われるザップ。その正体は、彼の師匠である血闘神「裸獣汁外衛賤厳(らじゅうじゅうげえしずよし)」であった。彼は、インドからヘルサレムズ・ロットまで単身でエルダークラスのブラッドブリードと闘いながらやってきたのである。交戦していたブラッドブリードをいとも簡単にねじ伏せ、自閉形態である真胎蛋(行動不能の繭のような状態)になるまで追い詰めたのも束の間、ザップを連れ帰ると言う賤厳。ライブラメンバーが引き留めた結果、賤厳は交換条件としてザップが先ほどの真胎蛋を行動不能状態にできれば残ることを許可すると言い出す。

そのためには蛋から見える6つの眼球を同時につぶす必要があるが、コンマ1秒でもずれれば命の危険が伴う。窮地に追い込まれたザップだが、チェインの機転により試練を乗り越える。その後、封印を試みるがレオナルドがいくら見ても諱名が見えない。実はこの吸血鬼の本体は半身を欠損した状態で別の場所にいること、さらに、本体のところにはザップの弟弟子がいることを賤厳は伝える。

吸血鬼とザップの弟弟子は、飛行機に乗った状態で戦闘を繰り広げつつヘルサレムズ・ロットへとやってきた。半身と合体、回復した後に永遠の虚から異界への帰還を企む吸血鬼を阻むべく、ライブラメンバーたちは飛行機を待ち伏せて破壊し、そのままブラッドブリードと交戦する。戦いの最中、ザップは弟弟子ツェッドを助け出す。

彼は紳士的な人物だが、その正体は“ある吸血鬼の手によって造り出された、半魚人のような外見の生命体”だった。多くの異界の種族が集うヘルサレムズ・ロットにおいても他に類を見ない、この世で唯一無二の種族である。ツェッドは、同門であるザップと息の合った連携を見せ、ブラッドブリードに強力な一撃を加える。その後、レオナルドの眼で読み取った諱名を使いクラウスが封印することで激闘は終わりを告げた。一連の戦いを見ていた賤厳は、ツェッドにライブラに入るよう告げた後、突如としてその場を去る。13時間にわたるブラッドブリードとの交戦の疲労、そこに突然の師匠からの宣告によるショックが重なったことで、ツェッドはその場で卒倒してしまう。

かくして、ライブラは新たなメンバーを迎え更なる戦いの日々に奔走していくのであった。

Hello, world!~アニメオリジナルエピソード~

ライブラでの活動とは別に、レオはホワイトとの日常を楽しみ、時には一緒に映画を観るような間柄となっていた。
ある日、彼女はザップの見舞いに来ていたレオを病院近くの聖堂へ呼び出す。
彼女の双子の兄であるブラックがやってきたところで、ホワイトはレオに神々の義眼を貰うと告げる。

彼女は、代々超能力を扱う家系の生まれであった。
しかし、彼女にはその才能は全くなく、双子の兄であるブラックが二人分の力を持っていた。

二人は両親とともに3年前にヘルサレムズ・ロットを訪れ、その時にブラッドブリード最上位に位置する「十三人の長老(エルダーズサーティーン)」の一人である「絶望王」と遭遇。そこでブラックは絶望王に身体を乗っ取られていたのだ。

ブラックの身体に乗り移った絶望王は、自分の目的のためにブラックの身体と引き換えにレオを捕らえる様にホワイトに命じていたのだった。特殊な装置でレオの神々の義眼の能力を奪うと、絶望王はその能力を使ってヘルサレムズ・ロットを今の状態のまま維持する結界を次々と破壊していく。

その目的は、3年前に起きたNYの大崩落の再現であった。絶望王は、ヘルサレムズ・ロットを覆う最後の結界となるホワイトの心臓を拳銃で撃ち抜く。これをきっかけに、第二次大崩落が幕を開けた。町の崩壊とともに、絶望王たちが用意した大量のグールも現れヘルサレムズ・ロットは大混乱に陥る。
事態を察知したライブラメンバーはすぐさまグールの処理に当たり、クラウスは絶望王を止めるべく単身戦闘に挑む。

レオは、絶望王に捕らわれた後にその能力までも奪われてしまったショックにしばらく打ちひしがれていたが、ホワイトの言葉に奮起し立ち上がる。
取り戻した神々の義眼の能力を駆使して前へ進むレオは、ライブラの仲間たちのバックアップも受けて絶望王の元まで辿り着き、持ち前の勇気をもってブラックの身体から絶望王を引き離すことに成功する。

ブラックとホワイトの二人は再会するも、ホワイトの肉体を現世に留めるだけの力はもはやブラックに残っておらず、ホワイトは消滅してしまう。ただ、ブラックの最後の力、そして超能力者たちの奮闘により結界は無事修復、大崩落は免れたのであった。

妖眼幻視行~狙われた神々の義眼~(29~33話)

奪われた妹の視力を取り戻す。そう決意してヘルサレムズ・ロットに訪れたレオナルドだったが、希望は見られず歯がゆい日々を送っていた。

そんな折、妹のミシェーラからの突然の結婚報告、そして婚約者を連れてレオナルドに会いにヘルサレムズ・ロットに訪れるという連絡があった。兄弟の再会そして妹の婚約者との対面だが、婚約者は何者かに取りつかれていた。
妹の護衛にあたっていたライブラのメンバーが気づいた様子はなく、見えているのは神々の義眼を持つレオだけであった。

それはDr.ガミモヅと名乗り、神々の義眼の研究を行っているという。自身も神々の義眼保有者であること、更なる研究のためにレオに協力してほしいと告げる。妹とその婚約者を人質に取られた状態で成す術のないレオのもとに、ブラッドブリード出現の報告が届く。すぐさまライブラメンバーと対処に向かうが、ガミモヅはレオの監視を続け、戦いの一部始終とレオがブラッドブリードの諱名を読めること、その能力をライブラが頼りにしていることを知る。

ライブラのメンバーとして最前線で戦うレオの立場を奪うことで研究の効率を更に高めることができると考えたDr.ガミモヅは、協力ではなく、レオの身体を一方的に奪うと言い放つ。人質を利用し、ガミモヅはレオにライブラメンバーと離れ一人で妹のもとへ戻ること、そして、道中で携帯電話を捨てる様に命令する。言われるままに従うレオだが、ソニックのお陰で逆転の可能性に気づく。頂上的な力を持つガミモヅだが、彼自身は戦士というわけではなく、その振る舞いにはスキがあったのだ。

ホテルへ戻ると、Dr.ガミモヅの傍らに気を失ったミシェーラの姿があった。レオは妹を取り戻すべくDr.ガミモヅに戦闘を挑む。だが、眼以外は普通の青年であるレオが敵うはずはなく、じわじわと追い詰められていく。戦闘による時間稼ぎのかいあって目覚めたミシェーラに対して、逃げる様叫ぶレオ。だが、ミシェーラは逃げ出さずにDr.ガミモヅに決死の体当たりを仕掛ける。予想外の事態に戸惑うDr.ガミモヅのスキをついて、二人は彼が持つ神々の義眼の破壊に成功する。激昂するDr.ガミモヅの眼前に現れたのは、ライブラのメンバーたちだった。実は、ブラッドブリードとの戦いの際にレオはSOSを残していたのだ。

助けに来たクラウスの一撃により、Dr.ガミモヅは粉砕。レオとミシェーラ兄妹は助かったのだった。
戦いの後、孤独な戦いに耐え妹を守り抜いたレオをたたえるクラウス。その言葉に励まされ、新たな希望を胸に、レオはまたヘルサレムズ・ロットでのあわただしい日々に身を投じるのであった。

『血界戦線Back2Back』

深夜大戦~終焉の書をめぐる争い~

ある日レオがバイクで移動中に血の海と化したバスと遭遇する。それは、世界崩壊幇助器具の一つ、ナクトヴァの微笑みの仕業だった(世界崩壊幇助器具とは、“この世界を終わらせる力を持つ”とされる42のアイテムのこと)。
すぐさまHLPD(ヘルサレムズ・ロットの警察組織)により米国への輸送が決まったが、そこにヘルサレムズ・ロットで名高い次元怪盗ヴェネーノからナクトヴァの微笑みを狙う予告状が届く。

ヴェネーノの魔の手からナクトヴァの微笑みを守るためにライブラも護衛として参戦するも、ヴェネーノの空間を斬る能力と彼の協力者の駆使する空間編成の術に翻弄され、ナクトヴァの微笑みは盗まれてしまう。
しかしその直後、何者かが現れヴェネーノを殺しナクトヴァの微笑みを強奪してしまう。

それは他の世界崩壊幇助器具、時を操る終天圧縮時計の適合者のキュリアスであった。世界幇助器具の蒐集を目的とするキュリアス世界幇助器具を収集するキュリアスは、HLPDとライブラの追及からも逃れ街中の人混みにまぎれていた。そこに堕落王フェムトが現れる。
彼の興味の対象はナクトヴァの微笑みではなく、幇助器具に適合したキュリアスの方であった。二人の衝突のスキをついてクラウスはナクトヴァの微笑みを奪い返す。なおもナクトヴァの微笑みを狙うキュリアスの猛追を受けたクラウスは、これを守ったまま逃げ切ることは不可能だと判断し、キュリアスの攻撃を利用する形でナクトヴァの微笑みを破壊。これに激怒したキュリアスはクラウスに襲い掛かるが、そこにヴェネーノの相棒の空間編成の術が発動し、キュリアスは異界送りとなった。
彼を捕らえていたレオやチェインらの脅し、そしてヴェネーノの敵を討つためという2つの理由から、彼は一時的にライブラに協力していたのだ。かくして、幇助器具による世界崩壊の危機は免れたのであった。

災蠱競売篇~終焉の書をめぐる争いその2~

世界崩壊幇助器具、カロプス人蟲がオークションに出展されることとなる。世界の破滅を導く道具を金で買えるという一大ニュースはヘルサレムズ・ロット内外に広まりたちまち大混乱を引き起こした。
ライブラもオークション前から構成員総出で情報収集と対策に当たるが、アメリカ政府直轄の特殊部隊による事務所強襲によりリーダーのクラウスが捕らえられてしまう。

そして迎えたオークション当日。クラウスを捕らえた特殊部隊、そしてキュリアス率いる「強欲の狂人達(グリーディナッツ)」がそれぞれカロプス人蟲の強奪のため会場入りするも、警備にあたっていた二人組ブラッドブリード、「タイクーンブラザーズ」に阻まれる。
水面下で2つの戦いが行われる中でもオークションは粛々と進み、リチャード・インセイン・フーが2000億ドルでカロプス人蟲を落札する。その時、次元怪盗ヴェネーノからその能力を受け継いだ娘のヴェネランダが現れ、オークション会場の外から会場を建物ごと両断。その余波でカロプス人蟲も切断され呪いの力があふれ、会場の周囲は未曽有の大混乱となる。
危機を察した各勢力の面々は撤退し、一時休戦となった。

際限なく広がるようにも思えた呪いの力だが、落札者であるフーの手によりあふれた呪いはツボの中に再度引き戻されていった。
混乱の後、はぐれていたソニックが奇妙な生命体を見つける。それは、ツボの中にあった呪いの実体の回収漏れした個体であった。ライブラメンバー行きつけのブラッドベリ総合病院の診察、そして神々の義眼の能力により、それらが元「人間」であることが判明する。

カロプス人蟲の発動を食い止めるために、破壊を目論むスティーブンに対して反発するレオ。元とはいえ、人間を破壊するという選択を受け入れられなかったのだ。
そこへ、呪いの残滓を取り戻すべくタイクーン・ブラザーズが現れ、ライブラと交戦する。リーダー不在の状態での高次元のブラッドブリードとの戦闘となり終始苦戦を強いられるが、ライブラ御用達の武器商人パトリックや賤厳の支援もありなんとか全滅を免れる。戦闘の途中で、カロプス人蟲を奪うためフーのいるオークション会場に現れたグリーディナッツ撃退のため、タイクーン・ブラザーズはライブラの元から撤退する。

レオたちの手に渡った呪いの実体の回収に失敗したオークション主催者のデナルド・バートラーは、多額の賞金を懸けてそれを手に入れようとする。たちまちレオはヘルサレムズ・ロット中の住民から追われることとなるが、神々の義眼の能力、そして彼自身の勇気と根性により追手たちから辛くも逃れる。デナルドは、疲労困憊で動けなくなったレオに空間編成術式を発動し捕らえる。
絶体絶命のピンチに、事態収束のために釈放されたクラウスが駆けつける。その後、ライブラメンバーたちとグリーディナッツも到着し、ライブラ、グリーディナッツ、タイクーンブラザーズの三つ巴の混戦となる。レオの視界共有能力により、クラウスにもタイクーンブラザーズの諱名が見えるようになり、かつてない高次元の吸血鬼を封じる準備が整った。

『血界戦線』の登場人物・キャラクター

ライブラ主要構成員

レオナルド・ウォッチ

deepbalderick0
deepbalderick0
@deepbalderick0

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