ハリー・ポッターシリーズの魔法薬まとめ

『ハリー・ポッター』とは、イギリスの作家J・K・ローリングが原作のファンタジー小説、および映画・ゲームなどのメディアミックス作品である。1990年代のイギリスと魔法界を舞台に、主人公ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校での学園生活と、両親を殺害した強大な闇の魔法使いヴォルデモート卿との戦いと因縁を描いた物語である。
「魔法薬」とは、魔法学校での授業やその他の魔法界の生活で登場する多種多様の効能を持つ薬のこと。それぞれの魔法薬に特徴的な名前がつけられている。

開発者:言及されておらず不明
材料:月長石(ムーンストーン)の粉末、ヘレボルス(クリスマスローズ)のエキス、一角獣の角、山嵐の針
不安を鎮め、動揺を和らげる。成分が強すぎると飲んだ者は深い眠りに落ち、ときにはそのままになる。飲む前によく混ぜる必要がある。O.W.L試験でしばしば出題される。材料は正確な量を正確な順序で大鍋に入れなければならず、かき混ぜ方や次の材料を入れるタイミングなどの指示が細かい。
第5巻で5年生の最初の魔法薬学の調合課題として登場した。また、O.W.L試験を前に神経質気味になっている多くの5年生に校医のポピー・ポンフリーが処方していた。

愛の妙薬(Love Potion)

劇中で登場した愛の妙薬「アモルテンシア」

材料:アッシュワインダーの卵、薔薇のトゲ、ペパーミント、月長石の粉、パールダスト
いくつか種類があり、上述の材料は主に使用されるもの。第2巻、第6巻に登場。第4巻にも名前が登場する。効果を継続させるためには、定期的に飲ませなければならない。
→魅惑万能薬/アモルテンシア(Amortentia)
開発者:ラバーン・ド・モンモランシー(Laverne de Montmorency)
材料:言及されておらず不明
第6巻に登場する世界一強力な愛の妙薬。真珠貝のような光沢に、螺旋を描く湯気があがる。この薬は「魅惑万能薬」とも言い、薬の臭いを嗅ぐとその人が一番好きな臭いがする。
メローピー・ゴーントがトム・リドル・シニアにこの薬を飲ませることで結婚したが、飲ませることをやめたために効果が切れてしまった。
原作者J・K・ローリングによると、魔法省神秘部の「愛の間」には部屋の中心にアモルテンシアの泉があるとのこと。

→ワンダーウィッチ製「惚れ薬」
開発者:フレッド・ウィーズリー、ジョージ・ウィーズリー
材料:言及されておらず不明
ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ(悪戯専門店)の魔女向け製造ライン「ワンダー・ウィッチ」から販売されている、惚れ薬。「愛の媚薬」とも翻訳される。1回で最大24時間、相手を魅了させる効果が持続する。時間は、男の子の体重や、女の子の魅力度にもよる、とのこと。第6巻でロミルダ・ベインからハリーに贈られた食べ物に仕込まれており、誤って食べたロンが送り主を好きになってしまった。使用期限を過ぎたものは効果が強く出すぎることが多い。ロンが食べてしまった問題の食べ物も長らく放置されていたものであり、ロンは送り主への執着で正気を失い暴れださん限りの状態だった。

万年万能薬(Everlasting Elixir)

開発者:言及されておらず不明
材料:サラマンダーの血液他
第6巻に登場。名前から、何かに対する永久的な万能薬であることは推察できるが、効能や効果については言及されておらず詳細は不明。ハリーは図書室で、この薬についてノートを取る。混合液を正しく調合していれば週末には熟成しているという表記があるので、調合に1週間はかかる模様。

陶酔薬/陶酔感を誘う霊薬(Elixir to Induce Euphoria)

開発者:言及されておらず不明
材料:萎び無花果、山嵐の針、ハッカの葉、催眠豆の汁、ニガヨモギ
第6巻に登場。太陽のように輝かしい黄金色の薬で、薬の完成時には7色が発する。甘く、香り高い。陶酔感を誘う霊薬。幸福感を与え、うつ病を治す効果がある。たまに歌を歌いまくったり、人の鼻を摘んだりする副作用が起こるらしい。正統派ではないが、副作用は調合にハッカの葉を入れることで相殺できる。
何か面白いものを作れというスラグホーンの出題に対してハリーが作ったもの。あわよくばスラグホーンに味見をさせて気分を良くさせた上で、分霊箱の情報を得ようとしたが、ハリーと2人きりになるのを避けたスラグホーンにより、企みは失敗に終わった。

しゃっくり咳薬(Hiccoughing Solution)

開発者:言及されておらず不明
材料:言及されておらず不明
第6巻に登場。詳細は言及されておらず効果・効能については不明だが、名前から「しゃっくりを誘発する薬」であることが推察される。何か面白いものを作れというスラグホーンの出題で、ドラコ・マルフォイが調合した。評価は「まあまあ」に終わっている。

フェリックス・フェリシス(Felix Felicis)

開発者:ジグムント・バッジ
材料:言及されておらず不明
第6巻に登場。別名「幸運の液体」。その名の通り幸運を呼ぶ薬。朝に大さじ2杯飲むだけで最高の1日になるらしい。溶かしたような金色の液体で、大釜に入れると魚のように液体が飛び上がる。調合法は非常に複雑。作るのに6か月かかる。調合に失敗した結果について詳細は不明。「悲惨なことになる」とだけ言及されている。
過剰に摂取すると自己過信や傲慢さ、無謀さを引き起こす。効能故にクィディッチで選手がこの魔法薬を使用することは禁止されている。
「魔法薬学」の授業中、ハリーは「半純血のプリンス」の書き込みを参考にして上述の「生ける屍の水薬」の調合に成功し、スラグホーンから褒美としてこの薬をもらい受けた。のちにハリーはこの薬を使い、分霊箱についてスラグホーンから情報を聞き出す。

その見た目と名前・効能のよさから、グッズとしてもファンの間で人気。

命の水/命の霊薬(Elixir of Life)

命の水の材料となる賢者の石

開発者:ニコラス・フラメル、ペレネレ・フラメル、(共同研究者として)アルバス・ダンブルドア
材料:賢者の石、他
第1巻に登場。寿命を伸ばす薬で、「賢者の石」から作られる。不滅の命を保つには定期的に飲み続ける必要がある。本当に「永遠の命」を望む者にとっては非常に他力本願で不安定な薬。
甘く、香り高い味がする。
難易度は明確には言及されていないが、材料となる「賢者の石」そのものを製造する難易度が高いため、間違いなく上級以上。

難易度:不明

煙突飛行粉/フルーパウダー(Floo Powder)

煙突飛行粉により緑に燃え上がる暖炉

開発者:イグナチア・ワイルドスミス
材料:言及されておらず不明
暖炉の炎をエメラルド色の特殊な炎に変える。見た目はきらきらと光る粉。魔法界では一般的な移動方法のひとつ。暖炉を介して遠く離れた場所へ移動できる。使用には、「出口」と「入口」の両方の暖炉が煙突飛行ネットワークに組み込まれている必要がある。ネットワークは魔法省に常時監視されており、魔法使いの家にある暖炉は、殆どが登録されている。マグルの暖炉は登録されていないこと殆どで、大抵の場合はアクセスすることが出来ない。しかし、技術上は可能であり、第4巻でクィディッチ・ワールドカップを見に行くため、ウィーズリー家の面々がダーズリー家にいるハリーを迎えに来ようと、ダーズリー家に無断で一時的にネットワークへ組み込んだ。
使用方法は「入口」の暖炉の炎に粉をひとつまみ振りかけ、炎の中へ入り、望む「出口」の場所名を叫ぶだけ。ただし、出口の場所をはっきり発音しなかったり、途中でむせたりつかえたりすると、「ずれた」場所に出てしまう。粉を入れた炎に、体の一部(大抵は頭)を入れることで、部分移動も可能。全身を入れた場合はもう一度煙突飛行粉を使わなければ元の暖炉に戻れないが、部分移動の場合はその部位を炎から抜くことで、元の暖炉に戻れる。頭のみの部分移動は、マグルの電話のようなものだが、緊急連絡時以外には使われないようである。

第2巻でハリーが、ロン・ウィーズリーの実家からダイアゴン横丁へ新学期の買い物に行くときに初めて登場する。初めて使ったハリーは出口の場所を叫ぶときにむせてしまい、夜の闇横丁(ノクターンよこちょう)の店ボージン・アンド・バークスへ移動してしまった。
第4巻では、クィディッチ・ワールドカップを見に行くため、ウィーズリー家の面々がダーズリー家にいるハリーを迎えに来たときに、使用された。この際アーサーが魔法省の伝を使って勝手にダーズリー家の暖炉を登録した。ダーズリー家の暖炉は電気ストーブだったため、到着したウィーズリー家の面々は外へ出られず詰め込まれた状態で登場し、やむを得ず暖炉を魔法で破壊した。

元気爆発薬(Pepperup Potion)

開発者:リンフレッド・ポッター
改良者:グローバー・ヒップワース
材料:二角獣の角、マンドレイクの根。
第2巻に登場。主に風邪薬として使用される。ただしこれを服用した場合、体温が上がって耳から煙が数時間出続ける。
元の薬はポッター家の創始者リンフレッド・ポッターが開発したもので、17世紀になってこれをグローバー・ヒップワースが改良したものが、1990年代の舞台で流通しているもの。

惚れ薬の解毒剤(Love potion antidote)

開発者:言及されておらず不明
材料:リコリスの根、ひまし油、ガーディルートの絞り汁(ゲーム『ハリー・ポッターと謎のプリンス』より)
惚れ薬を解毒する作用のある薬。ハリーに助けを求められたスラグホーンが、惚れ薬で正気を失っているロンが抵抗なく飲むよう「神経強壮剤(tonic for the nerves)」と偽り飲ませた。実際の神経強壮剤は作中には登場せず、魔法界ではどんなものなのか不明。

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