屍鬼(小説・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『屍鬼』とは、小野不由美作のホラー小説およびそれを原作とした漫画、アニメ作品。藤崎竜によるコミック版が『ジャンプスクエア』にて連載された。アニメは2010年7月より12月まで全22話が放送された。人口1300人の小さな集落である「外場村」は、周囲から隔絶されたような地であり、いまだに土葬の習慣が残っている。ある日、山入地区で3人の死体が発見されたが、村人達の判断で事件性は無いとされ、通常の死として扱われた。しかし、その後も村人が次々と死んでいき、異変は加速していく。

屍鬼である沙子は、人を襲わずに生きていければどんなにいいだろうと考えていた。だが、敵対を恐れれば生きてはいられず、生きていようと思えば敵対するしかない。沙子はこのどうしようもない気持ちを静信の膝に爪を立てながら「これが神様に見放される、ということよ…」と沙子は泣きながら、どうしようもない気持ちを伝える。屍鬼として甦った者にも人として生きていた頃と同じく意識や感情があるが、人と殺し合わなければ生きていけない。無理矢理起き上がりにされ、人の心を持ったまま殺人を強いられる屍鬼がとても哀れだが、沙子が人間らしい心を持っていたということの表れた描写となっている。

『屍鬼』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

登場人物は約150人

村単位で書かれているため登場人物が多く、その総数は名前だけの人物を含め約150人にも及ぶ。それに伴い、1つの出来事が多数の人物からの多角的な視点で書かれているのが本作の特徴ともいえる。
人と、人とどうしようもなく対立せざるを得ない人外という関係性の中で、人外や人自身に対して理解、逃避、親近感、拒絶などを示す人々が丁寧に描写されている一方、人や人外自身に対して羨望、罪悪感、嫌悪、軽蔑などを示す人外たちの心情もまた細かく書かれている。

モデルは実在する建物や観光スポット

本作は愛知県と長野県にある実在する建物や観光スポットをモデルとしている。
尾崎医院や沙子の実家のモデルになっているのは、愛知県にある「明治村」の建物。
外場村の小中学校は長野県にある「旧制松本高校」をモデルとしている。

『屍鬼』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング): BUCK-TICK「くちづけ」(第1話 - 第11話)

OP(オープニング):kanon×kanon「カレンデュラ レクイエム」(第12話 - 第22話)

ED(エンディング):nangi「walkの約束」(第1話 - 第11話)

ED(エンディング):BUCK-TICK「月下麗人」(第12話 - 第22話)

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