EMMA エマ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『EMMA エマ』とは、田舎で暮らしている貴族たちの恋愛事情を描くイギリスの映画である。公開は2020年。オータム・デ・ワイルドが本作で初の映画監督を務め、主人公のエマをアニャ・テイラー=ジョイが演じた。エマは、容姿の整った大貴族のお嬢様。自分に絶対の自信があったが、勘違いから大切な人を傷つけてしまう。いくつかの失敗をきっかけに自分のことを見つめ直し、本当の幸せを考え、成長していく物語。美しいイギリスのロケ地、ドレスなどの色彩美やアニャ・テイラー=ジョイの演技力にも注目の作品だ。
エマ・ウッドハウス(演:アニャ・テイラー=ジョイ)
日本語吹き替え:清水理沙
本作の主人公。もうすぐ21歳になるが、人生の苦しみや悲しみをほとんど知らずに生きてきた容姿端麗なお金持ちのお嬢様。自分に絶対の自信があり、自分のことが大好き。男女の仲を取り持ち、結婚まで導く「縁結び」を趣味としている。自身の家庭教師であるミス・テイラーもエマの縁結びにより、ミスター・ウェストンと結婚した。秋にゴダード夫人の学校に編入してきたハリエットが気に入り、一緒に過ごすようになる。エマはハリエットと神父のエルトンを縁結びさせようとして、失敗。ハリエットを悲しませることになってしまう。また、エマが小さい頃に可愛がってくれたミス・ベイツをみんなの前で侮辱してしまい、今までの自身の行動を省みる。色々な人と真摯に向き合い、成長していくエマ。自身の恋愛には全く興味の無かったエマにも気になる人が出来る。以前から家族ぐるみで付き合いのあったナイトリーだ。会えば皮肉を言い合う仲だったが、お互いの良いところが見えてきて、2人は両想いになり、結婚した。
ジョージ・ナイトリー(演:ジョニー・フリン)
日本語吹き替え:加瀬康之
貴族同士の付き合いを好まず、ハイベリー村の近く、ドンウェルの屋敷で暮らす男性。広い視野を持ち、とても優しい。ウッドハウス家とは付き合いがあり、夜に、ミスター・ウッドハウス、エマ、ナイトリーで読書に耽る日もある。エマの自信過剰な振る舞いには、小言を言っている。特に縁結びに関しては、よく言い合いをしていた。エマの縁結びの失敗やミス・ベイツへの失言を怒ってくれたのは、ナイトリーだった。バイオリンを嗜み、ジェインのピアノと合わせて、デュエットを披露。ジェインに好意を抱いていたが、フランクと婚約していたことが発覚し、断念。エマと言い合いを繰り返すうちに、エマの魅力に気付き、告白。自ら、エマの屋敷で暮らすことを提案し、結婚した。
ハリエット・スミス(演:ミア・ゴス)
日本語吹き替え:渡谷美帆
秋に、ゴダード夫人が営む学校に編入してきた寄宿生。本人を含め、誰も両親のことを知らず、生まれが分からなかった。愛想が良く、優しく可愛い女性。エマはすぐにハリエットのことを気に入り、連日屋敷に呼ぶ。ハリエットはエマのことを慕い始めた。ハリエットは早々にエマの縁結びに巻き込まれる。エマを崇拝するあまり、ロバートからのプロポーズを断り、エルトンと結ばれようとするが、エルトンはエマに想いを寄せていたことが分かり、激怒。一時は友情にヒビが入ったものの、ハリエットが次の恋に切り替えて、仲直り。しかし、次に好きになったナイトリーはエマが想いを寄せる人だった。エマとハリエットはまたぎくしゃくするが、エマがロバートに謝罪をし、再度プロポーズをさせたことで、ハリエットはロバートと結ばれ、また仲直りをする。物語の最後に、父親がガロッシュ職人であることが判明した。
ミスター・ウッドハウス(演:ビル・ナイ)
日本語吹き替え:野島昭生
エマの父。寂しがりやで、エマの姉のイザベラや、エマの家庭教師だったミス・テイラーの結婚式の日は、最悪の日だ、と取り乱すほどだ。屋敷で、エマと2人暮らしになり、エマにはずっと屋敷にいて欲しいと思っている。屋敷の隙間風に敏感で、風を感じると、使用人たちに衝立を持って来させる。
ミス・ベイツ(演:ミランダ・ハート)
日本語吹き替え:相田さやか
貧しい生まれで、母と2人で暮らしている。おしゃべりが好きで、話しだすと止まらない。姪のジェインのことをとても可愛がっている。エマも幼い頃に、可愛がってもらっていた。ボックス・ヒルで、エマから侮辱ともとれるきつい言葉をかけられるが、寛大な心で許す。
ミスター・ウェストン(演:ルパート・グレイヴス)
日本語吹き替え:志村知幸
フランクの父で、フランクは自慢の息子。再婚はしないと言っていたが、エマの縁結びによって、ミス・テイラーと結婚した。夫婦仲は円満で、2人ともエマのことを気にかけてくれる。
ミセス・ウェストン(演:ジェマ・ウィーラン)
日本語吹き替え:加納千秋
エマの家庭教師をしていた女性。エマにとって親友であり、無二の相談相手であり、母親のような存在のミス・テイラー。エマの縁結びにより、ミスター・ウェストンと婚約し、ミセス・ウェストンになった。結婚してからもエマのことを気にかけ、エマを優しく諌めることもある。
ミスター・エルトン(演:ジョシュ・オコナー)
日本語吹き替え:近松孝丞
ハイベリー村の結婚式で神父を務める。エマとハリエットと初めて会った時は、優しく、エマのことを立ててくれて、エマは好印象を受けた。貴族としての地位も高いエルトンと、ハリエットを結ばせようとエマが手を回すが、エルトンはエマに想いを寄せていた。エマとエルトンが2人きりになった馬車の中で、エルトンはエマに告白。エマにきっぱり断られる。機嫌を損ねたエルトンはそこで馬車を降りた。季節をまたぎ、エルトンは、会って何週間も経っていないオーガスタと突然結婚。オーガスタの変わった言動を全て肯定する立場をとり、村の中でも浮いていく。
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目次 - Contents
- 『EMMA エマ』の概要
- 『EMMA エマ』のあらすじ・ストーリー
- 家庭教師ミス・テイラーの結婚式
- ハリエットとの出会い
- ハリエットとエルトンの縁結び
- ロバート・マーティンの告白
- エルトンの真実
- ハイベリー村にやってきたジェイン
- フランクとの出会い
- エルトンの結婚式
- エマの失敗
- エマの恋愛
- 『EMMA エマ』の登場人物・キャラクター
- エマ・ウッドハウス(演:アニャ・テイラー=ジョイ)
- ジョージ・ナイトリー(演:ジョニー・フリン)
- ハリエット・スミス(演:ミア・ゴス)
- ミスター・ウッドハウス(演:ビル・ナイ)
- ミス・ベイツ(演:ミランダ・ハート)
- ミスター・ウェストン(演:ルパート・グレイヴス)
- ミセス・ウェストン(演:ジェマ・ウィーラン)
- ミスター・エルトン(演:ジョシュ・オコナー)
- ミセス・エルトン(演:ターニャ・レイノルズ)
- フランク・チャーチル(演:カラム・ターナー)
- ジェイン・フェアファクス(演:アンバー・アンダーソン)
- ロバート・マーティン(演:コナー・スウィンデルズ)
- 『EMMA エマ』の用語
- 縁結び
- ピアノ
- 衝立
- 『EMMA エマ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- エマ「あなたと。申し込んでくれれば」
- ナイトリー「これほど君を愛していなければ、饒舌になれただろう」
- ミスター・ウッドハウス「隙間風を感じないか?」
- 『EMMA エマ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 最大の魅力は映像の色彩美
- 絶賛されるアニャ・テイラー=ジョイの演技力
- 尊敬しあうキャスト
- 『EMMA エマ』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Johnny Flynn「Queen Bee」
- 挿入歌:Isobel Waller-Bridge・David Schweitzer「Emma Woodhouse」
- 挿入歌:Isobel Waller-Bridge ・ David Schweitzer「Emma And Mr. Knightley (A Kiss Before They Wed)」