8 Mile(エイトマイル)のネタバレ解説・考察まとめ

『8 Mile』とはラッパー、エミネムの半生を題材としたアメリカの映画。貧困層として生きる主人公ジミーがラップを通じてどん底の生活から這い上がろうとする様を描いたヒューマンドラマである。90年代後半、格差社会の広がったアメリカのミズーリ州デトロイトにあった貧困層と富裕層、黒人と白人を隔てる境界線「8マイルロード」を貧困層側から富裕層側へ超えようとするジミーの信念、家族、恋、友情、そして成長を描いている。2002年公開。

挿入歌:レーナード・スキナード「スウィート・ホーム・アラバマ」

レーナード・スキナード「スウィート・ホーム・アラバマ」1977年 実際のパフォーマンス映像。

作詞・作曲:エド・キング、ゲイリー・ロッシントン、ロニー・ヴァン・ザント。
ジミーが母から譲り受けた廃車を修理している際流れていた楽曲(本編で明確に描かれていないが、おそらくラジオかテレビから流れているという設定だろうと推測される)で、その節に乗せてジミーがーフューチャーとラップ遊びをしている。ロックンロール、カントリー、そしてブルースといった音楽要素を盛り込みアメリカ南部で広がりを見せた「サザン・ロック」の70年代代表として知られるバンド、レーナード・スキナードの作品で、1974年のアルバム『セカンド・ヘルピング』からシングルカットもされている。バンド自身初のビルボードチャート最高8位を記録した作品でもあり、本作のみならず『フォレスト・ガンプ/一期一会』『怪盗グルーの月泥棒 3D』『メラニーは行く!』など多くの映画で使用され、また、スポーツやテレビゲームといった幅広い分野で使用されている。

挿入歌:ノトーリアス・B.I.G.「ジューシー」

ノトーリアス・B.I.G.「ジューシー」の公式MV。

作詞・作曲:クリストファー・ウォレス。
ジミーとその仲間たちが車に乗りながらペイントガンで街中を撃っている際に流れている。各年代を通してもラップ界の偉人として名高いノトーリアス・B.I.G.のファーストアルバム『Ready To Die』からシングルカットされた楽曲である。残念なことにノトーリアス・B.I.Gは1997年に銃撃事件で亡くなっているが、西海岸産ヒップホップが盛り上がりを見せている中で、ニューヨークを拠点に活動し東海岸ヒップホップ/ラップの勃興に大きく寄与した功績を持つ。「ジューシー」はローリングストーン誌の「史上最高の500曲」の424番目に入っており、BBCの「史上最高のヒップホップ曲」の1番目に記述されたことをはじめ、数々のメディアで高く評価されている。

挿入歌:ノーティー・バイ・ネイチャー「フィール・ミー・フロー」

ノーティー・バイ・ネイチャー「フィール・ミー・フロー」の公式MV

作詞・作曲:アンソニー・クリス、ヴィンセント・ブロウン、キアー・ジスト、ジギー・モデリステ、アート・ネヴィル、シリル・ネヴィル、レオ・ノセンテリ、ジョージ・ポーターJr.。
ラッパーのたまり場の駐車場でフリーワールドと衝突したあと、ジミーと仲間たちが飲んでいたバーでかかっていた曲。この曲で踊っているアレックスをラビットが見つめていた。1995年、ニュージャージー州イーストオレンジで結成された3人組ヒップホップグループ、ノーティー・バイ・ネイチャーの作品。彼らの4枚目のアルバム『ポバーティーズ・パラダイス』からシングルカットされ、同アルバム内で最も商業的成功を収め、全米ビルボードホットで最高17位を記録した楽曲である。また、1995年グラミー賞最優秀ラップパフォーマンス賞(2人以上のグループ)にノミネートされた。

挿入歌:アウトキャスト「プレイヤーズ・ボール」

アウトキャスト「プレイヤーズ・ボール」の公式MV。

作詞・作曲:アンドレ・ベンジャミン、パトリック・ブラウン・レイ・ムラーイ、アントワン・パットン、リコ・ウェイド。
ジミーとそのグループと、アレックスとそのグループが一緒に車に乗っているシーンで、車内のBGMとして流れている楽曲。グラミー賞やMTV賞などの受賞あるいはノミネート経験が豊富で、ヒップホップシーンに史上最も影響を与えたアーティストの一組として認知されているアメリカ南部出身のアウトキャストのデビューアルバム『Southernplayalisticadillacmuzik』からシングルカットされている。アメリカの南部地域でヒップホップとともに生きるとはどういうことかということが主題となっており、「サザン・ヒップホップ」と呼ばれた。後のヒップホップ楽曲に大きな影響を与えることになったアメリカ南部独自のヒップホップの流れの中で生まれた楽曲と言える。

挿入歌:ウータン・クラン「C.R.E.A.M.」

ウータン・クラン「C.R.E.A.M.」の公式MV。

作詞・作曲:ウータン・クラン。
劇中終盤、ジミーがラップバトルチャンピオンシップに再挑戦する直前、チェダーを前にしてラップ練習をしている際、環境音的に挿入されている楽曲。アメリカのハードコアヒップホップグループ、ウータン・クランが1994年にリリースした作品で、彼らのデビューアルバム『燃えよウータン』からシングルカットされている。1曲を通じて1967年R&B/ソウルのジャンルで活動していたThe Charmelsが発表した楽曲「As Long As I've Got You」のイントロ部分をサンプリングしていることでも知られ、ローリングストーン誌が選ぶ史上偉大なヒップホップ50曲の11番目に記述がある。ウータン・クランは9人組のヒップホップグループで、ニューヨークを拠点に活動。1998年のグラミー賞でセカンドアルバム『ウータン・フォーエヴァー』が最優秀ヒップホップ曲賞にノミネートされるなど、90年代の東海岸ヒップホップの人気拡大と発展に大きく寄与したことで知られる。

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