虐殺器官(Project Itoh)のネタバレ解説・考察まとめ

『虐殺器官』とは、作家・伊藤計劃(いとう けいかく)による小説、およびそれを原作とした漫画・アニメ映画の事である。ジャンルはSF。実在する国・ボスニア・ヘルツェゴビナの首都であるサラエボが、テロによりクレーターとなったIF世界観の現代が舞台となっている。アメリカの特殊部隊に所属する主人公・クラヴィスが、世界各地でテロを起こす虐殺の王・ジョン・ポールを捕獲するまでの様を描く。SFのプロが選ぶ「ベストSF2007」の国内篇と「ゼロ年代SFベスト」国内篇で第1位を獲得した、日本SF界を代表する作品。

アレックス

CV:梶裕貴
i分遣隊隊員。映画版に限り、少尉に昇格している。カトリックの修士号を持っており、信仰深い人物でもある。だがクラヴィスいわく、旧約聖書の神々をネタにした冒涜的ジョークをかます事もあるという。地獄の存在を信じており、「本当の地獄」は脳みその中にあると考えている。 小説版では、作中の冒頭で行われた特殊任務から2年後に自殺した。映画版では、感情調整のミスによって任務中にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を起こし、乱心したところをクラヴィスに射殺された。

リーランド

CV:石川界人
i分遣隊隊員。クラヴィスの部下にあたる人物。ウィリアムズ程ではないが軽口が多く、ノリがよい性格である。作中では、「ブルーボーイ」というコードネームも登場している。物語中盤で捕獲したジョン・ポールを輸送中に行われた銃撃戦にて、下半身を失い死亡する。

ロックウェル

CV:大塚明夫
アメリカ情報軍大佐。特殊検索群i分遣隊の指揮官でもある。かつては、アメリカ陸軍の対テロ特殊部隊・第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(通称:デルタフォース)に所属していた。 1979年に実際に起きたイランアメリカ大使館人質事件で、人質となった大使館員及びその家族を救出する為に1980年4月24・25日に決行された歴史的作戦・イーグルクロー作戦に参加していた設定となっている。

ジョン・ポールとその関係者

ジョン・ポール

CV:櫻井孝宏
本作で起きている、内戦・テロの主犯にあたるアメリカ人の男性。その事から、クラヴィスからは「虐殺の王」と呼ばれてもいる。何度も暗殺対象になっては、逃亡を果たしている。PR会社の社員として後進国に近づき、プロデュースする最中で国を混乱に陥れる。虐殺を引き起こすようになる前は、MIT(マサチューセッツ工科大学)で言語学者として研究をしていた。DARPAからも研究費が出るような研究をしていたとの事で、その中で虐殺を誘発できる文法を発見する。そうして、その文法を作り上げられる脳機能を「虐殺器官」と名付ける。各地の虐殺は、この時彼が発見した虐殺の文法を用いて行われている。 虐殺を引き起こすきっかけとなったのは、サラエボの事件で妻子を亡くした事にある。その時彼自身は、不倫相手の女性・ルツィア・シュクロウポヴァと過ごしていた。妻子を失った悲しみを味わったジョン・ポールは、このような悲しみが愛するアメリカで起きないようにしたいと考える。その後アメリカがテロの矛先にならないようにする為、テロの矛先を後進国に向けようと考え、虐殺を引き起こすようになる。

ルツィア・シュクロウポヴァ(小説版:ルツィア・シュクロウプ)

CV:小林沙苗
ジョン・ポールの愛人である女性。プラハにてチェコ語の教師をしている。MITにて言語学を学んでいた過去があり、ジョン・ポールともその際に出会った。作中ではジョン・ポールの行方を探るクラヴィスが、その手がかりとして近づくも彼女自身に惹かれてしまう。物語中盤では、ジョン・ポールと共にクラヴィスの前から去ってしまうが、ジョン・ポールの真意を知った後は彼に罪を償わせる為に、自分達のもとにやってきたクラヴィスに彼を逮捕するように告げる。その後、クラヴィスとは別に上層部からジョン・ポールとルツィアの暗殺命令を受けていたウィリアムズにより、射殺され死亡する。

元准将の男

(刃を突きつけられているのが元准将の男)

作中冒頭に登場する要人。作中で語られる一番最初の特殊任務で、クラヴィスが暗殺した相手である。元はとある中東の後進国の准将であったが、国を観光地としてPRする為に雇ったジョン・ポールにより狂わされ、虐殺を引き起こすようになってしまう。

ルーシャス

CV:桐本拓哉
反情報管理社会主義者達の集まり・計数されざる者たちのリーダー格にあたる人物。ジョン・ポールの逃亡の協力者でもある。普段はIDを利用しない、現金でのやり取りを行うクラブミュージックを運営している。ジョン・ポールとは、クライアントと顧客の関係にある。

そのほかの登場人物

クラヴィスの母

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