ワイルドアームズ アドヴァンスドサード(WA3)のネタバレ解説・考察まとめ

『ワイルドアームズ アドヴァンスドサード』とはメディア・ビジョンが開発したPlayStation 2用のロールプレイングゲーム(RPG)。2002年3月にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売。略称は『WA3』。文明と環境が荒廃化した惑星「ファルガイア」を舞台に、荒野を旅する「渡り鳥」同士の対立と世界を巡る戦いを描いた物語となっている。シリーズで最もウェスタン色という側面が強調されており、各シリーズのキーワードでもある「渡り鳥」の要素が前面に押し出されている。

カミの言葉を預かりし預言者を名乗り、立場と志を同じくするマリクとミレディをまとめる中心人物。歴史から失われた機械操作に精通し、特殊言語を駆使する術式士(プログラマ)。魔族が残した智慧を絶対視しており、カミから得た技術でファルガイアの変質を目論む。ユグドラシルの暴走事故で肉体の大半を損傷しているが、肉体の修復を必要最低限に留め、肉体の強化を優先して行った結果、肌は生気を失い、声帯は損傷したままであるため笑う際には「シュシュシュ」と不気味な笑い声を出す。七人委員会時代に、ヴァージニアの母「エカテリーナ」に想いを寄せていたため、ウェルナーに強いコンプレックスと劣等感を抱いている。ヴァージニア一行に一度敗れた後、ジークフリードによって魔族アンドロの力を得て復活。以降はジークフリードに従い再びヴァージニア一行と対峙するが再度敗北。最後はジェットの逆鱗に触れ、彼の書き換えによって消滅させられた。

マリク・ベンディック

預言者のひとり。遺伝子操作に通じる生化学者。「仕事は楽しく、でも手は抜かない」をモットーに、嫌みな笑みを浮かべながら軽薄な行動を好む男。重度のマザーコンプレックスで、智慧を使って亡き母のクローン再生に取り組んでいる。ヴァージニア一行に一度敗れた後、ジークフリードによって魔族ヒエラコの力を得て復活。人間だった頃の面影を失い、鳥形の姿に変貌を遂げる。ストーリー終盤、母をクローン再生させることに成功するが、自らが魔族化していたため息子と認識してもらえず拒絶されてしまう。その結果、ショックのあまり精神に異常をきたしてしまい、最後はヴァージニア一行に敗北し、絶望しながら狂死を遂げる。

ミレディ・ヴァレンティ

預言者のひとりで機械工学者。かつてユグドラシルの事故で肉体の大半を失ったミレディは、自分の地味な外見を嫌い、智慧を用いて延命処置を施すと同時に自らの容姿を「美しい」存在へと改造した。以来、美しさに憑かれた彼女は、荒廃化したファルガイアを醜いサナギと捉えて、自らの手で美しい蝶へと羽化させることを目論む。ヒステリックかつ執念深い性格で、自分の美しさを否定したクライヴを執拗に付け狙う。ヴァージニア一行に一度敗れた後、ジークフリードによって魔族クリオの力を得て復活。以降はジークフリードに従い行動するが、マリクと共にヴァージニア一行と戦い再度敗北。最後はクライヴに己の美しさを叫びながら浮上するデウスエクスマキナの炎に焼かれて絶命した。

アースガルズ

ミレディが智慧により建造した機械兵ゴーレム。「神々の砦」のコードネームで呼ばれ、創造主である預言者達の守護を最優先するようプログラムを施されている。学習機能を備え、戦闘データを蓄積することでより強くなる。また、戦闘データが蓄積されていくことで心に近いものを得ていき、ストーリーが進むにつれて徐々に自らの意志で喋るようになっていく。自らの意志でヴァージニア一行と戦うことに歓びを感じており、最期は同じ作られた存在の立場からジェットに助言を与え、機能を停止させた。

魔族

ジークフリード

はるか昔、ファルガイアの覇権を賭けて人間、エルゥ、ガーディアンと戦った魔族のひとり。一度は敗れ去ったものの、自らを電子データ化し保存することで消滅を免れ、再び復活する日のために眠りについていた。預言者達の降魔儀式によって蘇り、デウスエクスマキナからナノマシンを散布してファルガイアを魔星ファルガイアに改造することを目的とした。しかしヴァージニア一行に敗北し、最後は竜機ファフニールと合体し「ドラグナージーク」となって戦うが、竜機ロンバルディア力を得たヴァージニア一行に敗れ去った。

ベアトリーチェ

電子信号の世界に生きる「夢魔」と呼ばれる魔族。幼い少女の姿をしているが実体を持たず、電子情報の操作や人の夢への侵入が行える。自分が住むための世界を創り出すことを望み、夢を通じて七人委員会のメンバーであるデュランを操り、10年前にユグドラシル暴走事件を引き起こした。その後も、もう1つのファルガイアを創造するため、運命の箱舟教団の教祖ラミアムの夢に現れて啓示を行い、様々な遺跡を発掘させたり、シェーンの夢に現れて「夢の中の君」として「蒼の脅威」を警告し、預言者やジークフリードの計画を妨害するよう暗躍した。Chapter4にて遂に表舞台に姿を現し、柱であるシェーンを唆して、生け贄の祭壇で創星のためのエネルギー源となるガイアのうねりを確保しようと目論むが、ギャロウズがシェーンを説得したことで失敗。その後、魔界柱にて魔獣を生み出し、人々の恐怖から星の構成情報となる想い出を引き出そうとするも、ヴァージニア一行によって魔界柱が破壊される。ヴァージニア一行を倒すべくナイトメアキャッスルへ導いた後、ナイトメアキャッスルを自爆させ、その爆破で生じたエネルギーを創星のエネルギーとして確保し、ファルガイア中の人々から「想い出」を奪い去る。その後、ディスティニーアークの結界内でヴァージニア一行を電脳25次元に引きずり込み、もう1つのファルガイアのマザーとして最後の戦いを挑む。激闘の末、ネガ・ファルガイアと同化するが敗北し、消滅した。

その他の登場人物

ウェルナー・マックスウェル

ヴァージニアの父親でかつては七人委員会の一員だった環境科学者。ヴァージニアと同じく二丁拳銃の使い手で愛娘にARMの手ほどきをしている。また、一時期はジェットにARMの扱い方、荒野での生き方を教えており、彼の育ての親でもあった。10年前にユグドラシルシステムを暴走させたのが夢魔ベアトリーチェだったことに気づき、彼女を追うため、ユグドラシル暴走の真相を知るために幼いヴァージニアと妻を残して失踪した。ヴァージニアと再会を果たすも、多くは語ろうとしなかったが、実は暴走事故の段階で死亡しており、現在の彼は生前に電子データ化されていた人格が三次元世界に投影された存在である。終盤、ベアトリーチェの野望を阻止するため、自身の存在を支える球体の情報端末をヴァージニアに撃たせ、三次元世界から姿を消した。

シェーン・キャラダイン

ギャロウズの弟で、バスカーの神官候補。17歳。真面目な性格でお調子者の兄をたしなめる一方で、奔放なギャロウズを誰よりも慕っている。夢の中で未来視を行う「夢見」の資質を持ち、幼い頃から有事の際に星を守る「柱」として育てられてきた。本人も「柱」の務めとして命を投げ出す覚悟ができているが、自由に生きる兄に対して、里の外を全く知らない自分に負い目を感じている。

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