チョコボの不思議なダンジョン2（ゲーム）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『チョコボの不思議なダンジョン2』の概要

『チョコボの不思議なダンジョン2』とは1997年にプレイステーションで発売された『チョコボの不思議なダンジョン』の続編となる作品。
入る度にランダムで生成されるダンジョンに主人公チョコボを操作して挑む作品。

制作はスクウェア（のちのスクウェア・エニックス社）。

本作もまた『FF』シリーズから等身を下げ、デフォルメされたキャラクター達が登場する。
前作と比べてストーリー性が大きく重視された作品となっている事も特徴。

前作は『FF』シリーズ発のスピンオフ作品であり、かつ初のローグライク系の作品であったが100万本を超えるセールスを記録した。
その影響もあって前作は日本のみの発売であったが、続編となる本作は北米でも発売された。

主人公であるチョコボとモーグリの性格設定は前作『チョコボの不思議なダンジョン』をベースとしているものの、前作の内容について触れられるシーンはない。
お宝を探して冒険する中で、チョコボや相棒のモーグリが人間の少女シロマと出会い、彼女の運命を巡る戦いに巻き込まれていく。

『チョコボの不思議なダンジョン2』のあらすじ・ストーリー

最初のダンジョン

チョコボはお宝が大好きな友人であるモーグリと一緒に冒険の旅をしている。

ある日、海に近い岬の近くで新しいダンジョンを見つけて探索を開始する。
用心深くダンジョンを進んでいく二人。
襲い来るにモンスター達をかいくぐり順調に探索していく。
ダンジョンを進んでいく中で仕掛けにひっかかりチョコボだけがダンジョンの外に飛ばされてしまう。

ダンジョンの近く、気絶していたチョコボが目を覚ますとそこには初対面の女の子が立っていた。
少女はシロマと名乗り、チョコボ達が探索していたダンジョン近くに建つ家に一人で暮らしている事を語る。
彼女は偶然にも倒れていたチョコボを見つけて、自宅へ運び介抱をしてくれていたのだった。

一休みしたチョコボは、罠のせいではぐれてしまったモーグリを探すために再びダンジョンへ挑む事にする。
モーグリの助言を参考にひとり慎重に探索を進めていくチョコボ。
ダンジョン探索の途中でチョコボとは別にダンジョンの探索に来ていたシロマと再会する。
彼女は仲間として一緒に探索していたデブチョコボとはぐれてしまった事をチョコボに語る。

二人は一緒に行動してダンジョンの奥を目指す事に。
ダンジョン最奥へたどりつくと、そこにはモーグリの姿が。
チョコボ達に気付かない様子で、目の色を変えて「お宝は俺のものだ」と一人で進んでいくモーグリ。

モーグリの後を追い、進んでいった部屋の中には謎のクリスタルがあった。
そこにはチョコボ達とはまた別の先客の姿があった。

クリスタルに近づく弱いモンスターであるグズグズをモーグリは追い払い、クリスタルを手に取ろうとする。
モーグリの手がクリスタルに触れようとした時、突如としてクリスタルが光を放ちはじめる。
轟音とともにダンジョンがまた突然崩れ、モーグリとチョコボ、シロマは命からがら脱出したのだった。

シドの塔

岬のダンジョンの崩壊に巻き込まれてシロマの家も壊れてしまった。
シロマを心配するチョコボに彼女は優しく微笑みかける。
気分を変えようとシロマはチョコボとモーグリを近くの村へと案内する。

村へたどり着くとそこにはモンスターであるボムとその子供達がいて、チョコボとモーグリを歓迎し村へ滞在する事を許してくれる。
だがシロマには「帰ってくるな。人間は疫病神だ」と拒絶する。
チョコボはシロマを心配するが「ボムおばさんは本当は優しい人だから」と語るシロマ。
優しい顔をしつつも寂しげに去っていくシロマをチョコボは気に掛ける。

実はシロマは元々は孤児であり、そんな彼女をこの村のモンスター達が助け、育ててくれたのであった。
だが岬にダンジョンが出来てからなぜか急に村の住民たちがみな人間に対して冷たくなり、そんな村の空気に居心地の悪くなったシロマは村を出て独りで暮らしていたのだった。

モーグリは村から見える海沿いに崩れてしまった物とはまた別のダンジョンを見つけ、チョコボに探索する事を提案する。
ダンジョンに挑戦する為に、海を移動する乗り物を所有している人間であるシドをまずは訪ねる事にした二人。

シドもまた村を出て、その近くに塔を建てて住んでいた人間だった。
シドの住む塔にやってきたチョコボだったが、シドは悪いモンスターであるインプ達に塔を乗っ取られ追い出されてしまっていた。
彼は塔を取り返すためにチョコボと共に塔の最上階を目指す事に。

塔を探索している最中、チョコボとシドは召喚獣であるバハムートに出会う。
バハムートは「時の番人」を名乗り、チョコボ達には理解できない事を語ると姿を消す。

疑問を抱きつつも、インプ達から無事に塔を取り戻したシド。
お礼としてダンジョンまで到達できる潜水艦を出してくれる事に。

潜水艦での移動中にうっかり転んだチョコボのクチバシが壁に刺さってしまい潜水艦は浸水してしまう。
シドが急いで修理する中、チョコボは泳いで海沿いのダンジョンを目指す事に。
泳いでいる最中、海底に更に大きな建物が沈んでいるのをチョコボは見つけるが、ひとまず当初の目的である海沿いのダンジョン挑む事に。

シロマの秘密

海沿いのダンジョンを潜っていくチョコボは巨大な機械が見える部屋で再びバハムートに出会う。
バハムートはチョコボにいま世界で起きている事について語り始める。
彼が言うには遥か遠い未来、人間たちが支配する時代に突如として恐ろしいモンスター・グラスゴスが現れた。
人間たちはグラスゴスに戦いを挑むも、戦いは徐々に人間たちの劣勢となり自分たちの負けを確信した人間達は、なんとか子供だけでも平和な世界へ逃がしたいという願いを込めて1人の娘を機械をつかって過去に送る事を試みた。

実はその娘こそがシロマであり、彼女を過去へ送る時の事故によって凶暴なモンスターもまたシロマと共にチョコボ達の暮らす現代へ送られてきてしまった。
チョコボと同行していたシロマはバハムートの語った事実に強いショックを受ける。

その後もチョコボと共に奥を目指しながら、シロマは自分が周囲の皆と比べて何か違っているのを感じていたと語る。
しかし村のみんなが好きなことに変わりはなく、みんなも自分に優しくしてくれた過去を大切に想っている事をチョコボに吐露する。

海底のダンジョンから戻り、暫くたったある日。
チョコボがボムおばさんの家にいると、シドが現れてシロマが突然いなくなったことを告げる。

バハムートの話を聞いたシロマが未来から来たモンスターを自分と共に元の時代へ帰すために、姿を消したのだと悟ったチョコボとシド。
彼女一人に重荷を背負わせたくないチョコボとシドは村の近くの森を越えシロマを追いかける。

しかしシロマが通った雪道は大きな岩でふさがれており、進めなくなってしまう。
途方に暮れている二人の前にボムおばさんが現れ、シロマへの想いを語る。
話の最後にボムおばさんは「あの子を頼むよ」と語ると、先祖代々伝わる分裂爆発の魔法で岩を砕いてくれたのだった。

雪山を越えや二人は待ち構えていたグラスゴスと戦い、打ち破る。
グラスゴスは「まだだ…」と言い残し姿を消す。

シロマを探す最中、彼女のネックレスを拾ったチョコボが雪山の頂上へやってくると雪の向こうにシロマの姿を見つける。
彼女はチョコボに「帰らなきゃいけないの」と告げる。
その言葉をきいたチョコボの目からは涙がこぼれる。
シロマはチョコボのクチバシに優しくキスをする。
そして彼女はネックレスを手に空高く浮かび、消えていった。

空中要塞の出現

シロマとの突然の別れに元気をなくしてしまったチョコボ。
そんなある日、村の上空に突如として巨大な要塞が現れる。

チョコボは直感でその要塞が未来世界から来たもので、シロマも中に居るということを感じ取り、シドに要塞へ乗り込む手段を相談する。
実はその空中要塞は以前、海底でチョコボが見たものと同じ建物なのであった。

チョコボとシドは再びシドの塔へ向かう。
塔はまたしてもインプの軍団に乗っ取られてしまっていたが二人は再度インプ達を蹴散らす。
そうして無事に飛行機の元へたどりついたシドとチョコボは作戦を用意する。
シロマが自分を犠牲にして村を守ろうとした事を知ったモンスターの村の仲間たちもチョコボ達の作戦に協力をしてくれる事になった。

更にモンスター達だけでなくバハムートまでもがチョコボ達に助力してくれたおかげで、空中要塞を地上へと墜落させることに成功する。
シロマを探して急ぎ要塞へ向かおうとするチョコボのもとにモーグリが駆け寄る。
お宝を探したい、と口実を口にするも心の底ではチョコボを心配していたモーグリ。
チョコボはモーグリとのコンビで要塞を探索する事に。

探索の最中にまたしてもあらわれたバハムートがチョコボとモーグリに真相を告げる。
未来からやってきた恐ろしいモンスター、グラスゴスがどうして誕生したのか。

要塞の一室に備えられていたスクリーンに写されたのはチョコボ達が最初に攻略した岬のダンジョンであった。
モーグリに追い払われた弱小モンスターであるグズグズにクリスタルが語りかける。

「力が欲しいか」

その語り掛けに応えたグズグズが悠久の時を経て力を蓄えた結果、人間にあだなすグラスゴスとなったのだった。

決着と旅立ち

要塞の奥深くでグラスゴスをなんとか倒したチョコボはシロマの姿を探す。
無事にシロマを見つける事が出来たものの、要塞に不気味な振動が響き渡る。
崩れ落ち始めた要塞、チョコボはシロマを背に乗せ走る。

崩落の中、気絶してしまったチョコボが目を覚ますと傍には仲間たちの姿が。
そしてそのすぐそばにクリスタルの力が無くなり、元の姿に戻ったグラスゴス（グズグズ）の姿もあった。
シロマがグラスゴスに手をかざすと、彼の額から不思議な光が現れシロマの手にした人形の中に入っていった。
グラスゴスは恐ろしい破壊の魔獣の体から解放されたのだった。

しばらくした夕暮れ時。
モーグリはチョコボを置いて独りで再び宝探しの旅へ向かおうとしていた。
そんな彼をシロマが引き止める。
モーグリは宝探しを続けるものの、チョコボにとってはモンスター達の村が安息の地であると思い独りで旅立つつもりであった。

歩き出したモーグリの引くリヤカーにチョコボが駆け寄り、飛び乗った。
チョコボはシロマのほうを振り向くと、手を振るように翼を振った。
驚きつつ、どこか嬉しそうなモーグリ。
シロマは笑顔で2人を見送った。

ストーリークリア後のダンジョン

クリア後のオマケ要素としてストーリー中に登場したダンジョンを再度、攻略していく事となる。
ストーリー中とは異なったルールも存在し、特にレベルに関してはダンジョンを脱出するたびに1へと戻る。
これは『不思議のダンジョン』シリーズの仕様である。

ストーリー終盤で訪れた時空要塞ダンジョンにはモーグリが一人で挑む事になる。
モンスターからアイテムを盗む特殊能力を駆使して最深部のボスの撃破を目指す。

海底遺跡ダンジョンはシロマが一人で挑む。
シロマは回復魔法を使う事のできるキャラクターではあるが、プレイヤーが操作する際は回復魔法を使えない状態となっている。
得意の魔法を駆使してダンジョン踏破を目指す。

シドタワーには持ち主であるシドが挑む。
シドは特殊能力として地雷を設置する事ができる。
迫り来るインプ軍団を地雷を使って蹴散らしていく。

ストーリー中ではチョコボ達がシロマを追って攻略した山岳地帯。
このダンジョンにはクリア後に登場したクルクル（グラスゴスをシロマが救った姿）が挑む。
彼はモンスターに変身する特殊能力を持っている。
モンスターごとの特殊能力を組み合わせてダンジョンを進んでいく。

そしてもう一つ、秘密のダンジョンと呼ばれるダンジョンにも挑む事が可能。
このダンジョンにはチョコボを操作して挑む事となり、パートナーとなるNPCを任意で選択する事ができる。
クリア後の最終目的とも呼べるダンジョンであり、強力なモンスターやここでしか入手できない強力なアイテム等がたくさん用意されたダンジョンである。

『チョコボの不思議なダンジョン2』の登場人物・キャラクター

チョコボと冒険の仲間たち

チョコボ