IA(VOCALOID)の徹底解説まとめ

IA(いあ)とは、音楽や映像、ソフトウェア等の企画・開発・販売を行っている会社「1st PLACE」から発売されている音声合成ソフト・デスクトップミュージック(DTM)用ボーカル音源の1種およびキャラクターである。1st PLACE所属のアーティスト・Lia(りあ)の声をもとに制作された。音声合成ソフトである他、1st PLACE所属の「バーチャルアーティスト」としてバーチャル空間プロジェクト「仮想惑星HABINA」に携わるなど、様々な活動を展開している。

IAのミュージックビデオ(MV/PV)

ワールド・コーリング

じん(自然の敵P)によるIA歌唱楽曲。公開日は2012年11月2日である。
歌や朗読、ドラマ、弾き語りなどの「ボイス(声)」にまつわる様々なものの発表を行えるフェスティバル『VOICE FES 2012 presented by NTT Communications』のテーマソングとして制作された。じん(自然の敵P)のダブルタイアップシングル「ワールド・コーリング / LIVEDRIVE」の収録曲でもある。ニコニコ動画・YouTube両方にてMVが公開されており、ニコニコ動画では投稿から約1日で殿堂入りを達成した。
じん(自然の敵P)いわく「誰かと繋がる曲。」。「ボイス(声)」にまつわるフェスティバルのテーマソングである事を意識してか、歌詞の中には誰かと会話をしているようなセリフじみた歌詞が多く取り入れられている。「Hello, hello」と繰り返されるサビの歌詞からは、挨拶という名の声を通して様々な人達が繋がり合っていくような光景をイメージできる。
イラストレーターの富岡二郎が制作を担当したMVは、IAと思しき少女が様々なことにチャレンジしたり、様々な場所へ旅をしたりなど、楽しい毎日を送るさまが描かれている。日々を楽しく生きるIAの可愛い姿に胸掴まれるアニメーションMVである。

六兆年と一夜物語

ボカロP KemuによるIA歌唱楽曲。公開日は2012年4月11日である。
kemuが中心となって作られた音楽サークル「KEMU VOXX」が作っていた物語音楽達と同世界観の楽曲となっている。公開から3ヶ月後の2012年7月1日に、ニコニコ動画にて公開した動画の再生回数がミリオンを達成。それから9年の月日が経った2021年時点でも多くの人から視聴され続けており、その再生回数はニコニコ動画で900万回超え、YouTubeにて3000万回超えという記録を出している。また同年、初音ミク公式ソーシャル音楽ゲーム『プロジェクトセカイ』にも収録が行なわれ、Twitterにてトレンド入りする程の話題となった。本楽曲を原作にした小説『六兆年と一夜物語』の発売もされている。
「忌み子」と呼ばれていた2人の少年少女の物語を歌った、疾走感溢れるハイテンポの1曲となっている。この「疾走感溢れるハイテンポ」はKemuの作品達の特徴の1つでもあり、ファンからは「Kemu節」と呼ばれていたりする。
MVの中には楽曲内に登場する「忌み子」と思われる少年少女の姿が描かれている。少年の顔は不明だが、少女の方はIAにそっくりな見目をしたキャラクターとなっている。なお、小説版の表紙はこのMVのイラストとは逆に、少年の方の顔が見え、少女の顔の方が隠されている形になっており、MV版と対になるデザインが行なわれている。

ロクベル

音楽ユニット「HoneyWorks」によるIA歌唱楽曲。公開日は2012年12月25日である。
HoneyWorksによると「自分を人間だと思っていた猫のお話」とのこと。その言葉通り、猫の「僕」が主人公の物語が綴られた楽曲となっている。自分の事を人間だと思っている猫目線で歌われている歌詞にあわせてか、MVの内容も前半は主人公が「猫」である事を一切隠し、後半でその正体を明かす叙述トリックに似た技巧を使ったものとなっている。イラストレーターである茶々ごまの優しく可愛らしいイラストが、楽曲のもつ切なくも暖かな物語に見事にマッチしたMVとなっており、泣いてしまう視聴者が続出した。ニコニコ動画では殿堂入りを達成しており、YouTubeでは490万回再生を超えてる。
なお、歌手のCHiCOとHoneyWorksが結成したコラボユニット「CHiCO with HoneyWorks」にて公開されている楽曲「幸せ」のMV内に、「六鈴(ろくべる)」というお店が登場している。本楽曲との繋がりは不明だが、HoneyWorksファンにとっては発見すると思わずテンションがあがる描写である事は確かだろう。

IAの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

第30回国際情報オリンピック日本大会(IOI 2018 JAPAN)の実行委員に選出

IA歌唱の第30回国際情報オリンピック日本大会(IOI 2018 JAPAN)のテーマソング(作曲者:じん(自然の敵P))「Euphoria」のライブMV。

音声合成ソフトおよびキャラクターとして人々から愛されがらも、1st PLACE所属の「バーチャルアーティスト」としての活動も行っているIA。そのアーティスト活動の一環として、2018年に開催された『第30回国際情報オリンピック日本大会(通称:IOI 2018 JAPAN)』の実行委員の1人として活動をしていた経歴を持つ。
『国際情報オリンピック』とは、高校生を対象としたプログラミング能力を競う大会の事である。1989年に開催されて以降、毎年様々な国で開催がされている。IAが実行委員を務めた2018年は、その大会名通り日本が大会会場として選抜された年であり、茨城県つくば市にある「つくば国際会議場」を舞台に開催された。IAはその大会に、グローバルに活動を展開している「バーチャルアーティスト」として、実行委員の1人に選出され、後に大会テーマソングの歌唱も務めることとなった。
なお、大会テーマソングとして制作された「Euphoria」は、『カゲロウプロジェクト』で人気を博した1st PLACE所属のボカロP じん(自然の敵P)が作詞作曲を担当した。

IAの妹分ボカロ・ONE(オネ)

IAの妹分にあたる1st PLACEのボカロ・ONE(オネ)。

IAには妹分にあたるボカロがいる事が判明している。それが、ONE -ARIA ON THE PLANETES。通称ONE(オネ)と呼ばれているボカロである。IA PROJECTがプロデュースする1stPLACEのボカロシリーズ「ARIA ON THE PLANETES」の第2弾にあたるソフトであり、IAの後継機として作られたキャラクターとなっている。声のもとは、歌い手のONE。1st PLACE所属のボカロP じん(自然の敵P)ともコラボをした事がある歌い手である。
なおIAと同じく「ボカロ」として扱われてはいるが、音源のエンジンとして使われているシステムはヤマハの『VOCALOID』シリーズではなく、複数の企業から成り立つプロジェクト「CeVIO」が制作した音声ライブラリであり、正確には「ボカロではない」事が明らかにされている。だがIAと同シリーズのソフトとして作られた事や、IAのように歌う機能を持ったソフトウェアである事から「IA(ボカロ)の妹分=ボカロ」として一般的には認知されている形になる。なお、機能面以外にも左右非対称のソックスや、デザインの似たブーツ、IAと同じチョーカーをつけているといったIAに通ずるデザインが行なわれたキャラクターともなっている。
ONEが誕生して以降、IAはONEがコラボしたイベントやライブを多く開催していくようになる。またYouTubeでもIAとONE、2人による公式チャンネルが開設されている。IAもONEもトーク(会話)ボイスを作れる専用のソフトが存在している為、それを用いたトーク番組などの公開が定期的に行なわれている。

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