ハチミツとクローバー(ハチクロ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ハチミツとクローバー』は羽海野チカにより宝島社、集英社に2000年から2006年にかけて連載された漫画作品、及びそこから派生するテレビアニメ、実写映画、テレビドラマである。「ハチクロ」という略称で親しまれる。
テレビアニメ第一期が2005年、第二期が2006年に放送された。
美術大学を舞台に、不器用な大学生達の報われない恋や自分の才能や生き方について迷う若者達の姿を描いた青春群像劇

竹本の大学の先輩である真山が、はぐみに一目ぼれした瞬間の竹本を見た時に思ったセリフ。
物語通してのテーマの一つでもあり、作品きっての名言。

「だってせっかくのチャンスが巡ってきたときに『金がないから』とかで逃がすのくやしいじゃん?それにさ、もし好きな女に何かあった時さ 『何も考えないでしばらく休め』って言えるくらいは なんかさ 持ってたいんだよね」

デザイン事務所に就職したのにも関わらず、大学時代と同じ風呂なしボロアパートに住み続けているのかと竹本に聞かれる真山。真山は、いつか自分にチャンスが来たときに、それに「飛び込めるか」「飛び込めないか」は単純にお金の「ある」「なし」にかかってくることが殆どだと思う、と答える。さらに、「それにさ、もし好きな女に何かあった時さ 『何も考えないでしばらく休め』って言えるくらいは なんかさ 持ってたいんだよね」と付け加えた。

「頼むよ。 ちゃんと生きようとしてくれよ」

真山が想いを寄せる相手である理花は、最愛の夫である原田を事故で失ってしまう。その事故は仕事に疲れた夫を気遣って車の運転を理花が引き受けた直後に他者のスリップ事故に巻き込まれてしまったため起きてしまった。夫を失い、自身も杖がないと歩けないほどの後遺症が残る重傷を負ってしまう。理花はその事故の原因が自分にあるのではないかと自分自身を責め続け、他人と距離を置き生きることを放棄しているような生活をしている。真山はそんな理花を見続け、彼女への思いをこぼした。

「恋をすると女の子は綺麗になるっていうけれど…ダメだな男は」

理花への思いが募りすぎてストーカーまがいのことを繰り返してしまう真山。この言葉を考えているときも、理花のアパートを公園から眺め、部屋の電気が付いたことを確認しているというストーカー予備軍の行動をしていた。

山田あゆみの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「たくさんのコトバがおしよせたけど どれもあまりにわざとらしすぎて」

真山にずっと片思いを続ける美大生の山田のモノローグ。真山と出かけるための理由をいくつ考えてもしっくりくるものがない山田。なぜなら、出かける用事があるわけではなく、真山と一緒にいたいだけのため、結局何も言えなくなってしまうという山田の片思いの苦悩を表現した名言となっている。

「自分の一番好きな人が自分のことを一番好きになってくれる。 たったそれぽっちの条件なのに。 どうしてなの永遠に揃わない気がする」

自分に真山の気持ちが向いていないことを知っている山田が、片思いの難しさを吐き出したようなモノローグ。傍から見てもふりむいてもらうには難しい相手である真山に対し一途に恋する山田の様子を見て、修司までもが「どーしてあんなやっかいなのをまた」と思ってしまうほどである。

「わかんないのよもう。ずっと好きで、でももうずっと悪い所しか浮かんでこなくて。でも、声とか聞きたいし、手とか触りたいって、お…思うんだもん」

森田にどうして真山のことが好きなのかを聞かれたときの山田の答え。どうして真山のことが好きなのか山田自身が言葉にできないくらいで、人を好きになるということが理屈でないということがよく表現されている。

「『あきらめる』ってどうやればいいんだろう。『あきらめる』って決めて、その通りに行動するコトだろうか。そのアトの選択を全て『だってあきらめたんだから』で自分の本当の心から逆へ逆へといけばいいんだろうか」

山田が真山への想いを断ち切ろうと思い悩んでいるときのモノローグ。その後「そしたらいつかあの茶色い髪の匂いも、冷たい耳の感触も、シャツの背中の温かさも、全部、全部消えてなくなる日が来るんだろうか?こんな胸の痛さとかも全部、全部…跡形もなく、まるではじめから何もなかったみたいに」と続くモノローグが切なさを感じさせる。

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