ハチミツとクローバー(ハチクロ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ハチミツとクローバー』は羽海野チカにより宝島社、集英社に2000年から2006年にかけて連載された漫画作品、及びそこから派生するテレビアニメ、実写映画、テレビドラマである。「ハチクロ」という略称で親しまれる。
テレビアニメ第一期が2005年、第二期が2006年に放送された。
美術大学を舞台に、不器用な大学生達の報われない恋や自分の才能や生き方について迷う若者達の姿を描いた青春群像劇

「そのたった一言が聞きたくて髪を結ってキモノを選んで大騒ぎして着付けして慣れない下駄を履いて ……… ドキドキして 、他の誰の為でもなく あなたのそのひと言のために願いを込めて。ほんの少しでも少しだけでもあなたの心が私にかたむいてくれないかって―――」

真山に浴衣姿を褒めて欲しくて一生懸命選んで浴衣を着た山田。花火大会で真山に会った途端に「ユカタ似合うな」と褒めてもらえる山田。山田はこの言葉を聞いて一瞬うれしそうな表情を浮かべるが、すぐに切ない表情に変わる。その理由は、浴衣を着たところで真山の気持ちが自分に傾いていないことに気が付いてしまったから。その後「どうして私は夢を見てしまうんだろう。くり返しくり返しあきもせず、バカのひとつ覚えみたいに」という思いがあふれ出て山田は真山のいないところで泣き出してしまう。

「数日たってベランダに出ると折れたシソが自分の重さに耐えかねて、土の上でのたうっていた。母さんの言うとおりだった。これは折れた所でちぎるしかなかった。そこでちゃんと区切りをつけて、新しく枝を伸ばすより他になかったのだ。それでもまだ私は迷ってしまうのだ。どうしようもなく」

花火大会で真山のために一生懸命浴衣を着て「浴衣似合う」と真山に褒めてもらった後の山田の気持ち。折れてしまった紫蘇に自分自身のどうしようもない真山への思いを重ねた比喩表現。その後、「この先楽しいことはいっぱいある。だけど折れてしまってるものは、元に戻って成長するどころかしまいには耐えられなくなって潰れてしまう。だから前もちゃんと諦めれてなかったからまた会った時に気持ちが動いちゃったんだ。やっとわかったよ。だから今回は潰れてしまって何度も繰り返さないよにぶっちぎんないとダメだ」とちゃんと客観的に自分の気持ちを考えることができているのに、山田はどうしても真山のことをあきらめきれないのである。

「本当に好きなら幸せを祈れるはずなのに、私はさっき車の中で言われた通りほんとは……こわれちゃえばいいってずっと…ずっと…。自分の幸せを願うということは、自分じゃない誰かの不幸せを願うこととオモテウラのセットになっている時があって。だとしたらじゃあ私はいったい何を祈ればいいんだろう」

自分の思いが真山に受け入れてもらえるということは、逆に真山が理花への思いをあきらめたということ。それは、真山が不幸せになってしまうと思いながらも、真山の幸せを願うこともできず、自分が幸せになるために真山の思いを無視することもできずに悩む山田の思い。

「わざと用を作っては会えそうな場所を何度も通った。ほんの少しでも姿が見たくて声がきけたらと思って」

文化祭で少しでも好きな相手と接触したかった山田のモノローグ。去年までは用を作って大学構内を歩いていれば真山の姿を見つけることができた。しかし、このことを考えている1年後の文化祭では、卒業してしまった真山の姿を見ることができない。一人で大学構内を歩き回りながら1年前の自分を振り返るシーン。

「人から見たら、どんなに情けなくても、みっともなくても、彼を思うこの気持ちが、そのたった一つが、冷たくて明るい私の宝物だった。神さま。私は救われたくなんかなかった。ずっと真山を想って泣いてたかった。10年でも20年でもずっと好きでい続けて、どんなに好きか思い知らせたかった。そんなことに意味がないのも分かってた。でも止められなかった。」

自身の片思い相手である真山が理花とうまくいきそうになることを知った山田。そんな山田が失恋でボロボロになっているときに野宮が会いに来て手を差し伸べてくれる。何度アプローチされても真山への思いから野宮を受け入れられなかった山田が、野宮を受け入れるきっかけとなった場面。しかし、野宮を受け入れてしまうと自分が真山を好きだった気持ちが嘘になってしまうのではないかと山田は葛藤する。真山への思いが届かないことを知りながらも、半分意地になって片思いをし続けた山田の切ない心境を表した台詞だ。

森田忍の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「親が子供に教えなければならないのは、『転ばない方法』ではなくむしろ、人間は転んでも何度だって立ち上がれるという事じゃないか!?」

竹本や真山の大学の先輩であり、同じボロアパートで暮らす仲間である森田忍の名言。山田が真山と理花と三角関係になってしまった際、竹本と真山が「山田が自暴自棄になるのでは」という話をしていた。しかし山田と真山の関係を客観的に見た森田が、山田が真山に振り向いてもらえないからと自暴自棄になるわけがない、山田の強さを信じるべきだ、と主張する。普段は普通の人間では理解できないような奇抜な行動を繰り返す森田がたまにまともなことを言うためこの言葉を聞いた竹本と真山はすごく驚いていた。

「何かを残さなきゃ生きてるイミがないなんて、そんなバカな話があるもんか。生きてくれればいい。一緒にいられればいい。オレはもう、それだけでいい」

学園祭中に強風で倒れたガラス板の下敷きになり、破片で利き腕の神経を切ってしまったはぐみ。病院で森田に会ったはぐみは、自身の腕の感覚が無いことを打ち明ける。「絵が描けなくなってしまったらどう生きていけばいいかわからない」というはぐみの苦悩を聞いた森田が病院からはぐみを連れ去り、自分のアトリエで彼女への思いを打ち明ける場面。

花本修司の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「子供が子供なのは 大人が何でもわかってるって思ってるところだ」

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