海の上のピアニスト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『海の上のピアニスト』とは1998年に製作された、あるピアニストの生涯を描いたイタリア映画である。船の中で生まれ育った、「1900」と名付けられた主人公のピアニストとして活躍、ともに演奏するトランペット吹きの男との友情、とある少女への恋などを巨匠エンニオ・モリコーネの作る音楽に乗せて描く。監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレで、主人公のピアニストをティム・ロスが演じ、プルイット・テイラー・ヴィンスらが共演した。
日本語吹替:玄田哲章(VHS・DVD・テレビ東京版)、小松史法(Blu-ray版)
本作の語り手。トランペットを売りに来た楽器屋で「1900」が演奏した曲が録音されたレコードを発見したことからその楽器屋の店主に「1900」の話を始める。トランペット吹きとしてヴァージニアン号内での仕事をもらい、船酔いしているところを「1900」に助けてもらったことから親友になる。ヴァージニアン号が爆破されると知って、「1900」を船から降ろそうと試みるが、「1900」の船から降りられないという強い意志を尊重し、1人ヴァージニアン号を後にする。
ダニー・ブートマン(演:ビル・ナン)
日本語吹替:長島雄一(VHS・DVD・テレビ東京版)、山寺宏一(Blu-ray版)
ヴァージニアン号で機関士をしている。客が降りた船内で置き去りにされた赤ん坊を見つけ「1900」と名付けて、船内で育てる。「1900」が8歳になったころ、船内の事故で亡くなる。
少女(演:メラニー・ティエリー)
日本語吹替:樋浦茜子(VHS・DVD版)、新田恵海(Blu-ray版)、小林さやか(テレビ東京版)
ヨーロッパからアメリカに向かうヴァージニアン号の乗客。「1900」がレコードに録音するためにピアノを演奏しているときに、「1900」を窓越しに見つめていた少女。ヴァージニアン号から降りる際に「1900」から声をかけられ、「1900」が以前自分の父親とこのヴァージニアン号で会ったことを知らされる。去り際に「1900」に訪ねてくるようにと住所を教える。
ジェリー・ロール・モートン(演:クラレンス・ウィリアムズ三世)
日本語吹替:土師孝也(VHS・DVD版)、井上和彦(Blu-ray版)、磯部勉(テレビ東京版)
「1900」のピアノ演奏の評判を知って、「1900」とピアノの決闘をするためにマスコミを携えてヴァージニアン号に乗り込んでくる。周囲からジャズを発明した男と言われている。ピアノの決闘では3曲を演奏して大きな歓声を浴びるが、「1900」が最後に披露した熱のこもった演奏に敗れる。
楽器屋の店主(演:ピーター・ヴォーン)
日本語吹替:納谷悟朗(VHS・DVD版)、柴田秀勝(Blu-ray版)、滝田裕介(テレビ東京版)
マックスがトランペットを売りに来る楽器屋の店主。マックスが吹くトランペットの曲を聞いて、それと同じ曲がピアノで録音されたレコードを流す。割れていたレコードを何とかくっつけて保管しており、この曲を演奏しているピアニストについて教えてほしいとマックスに頼む。
港長(演:ニール・オブライエン)
日本語吹替:菊池康弘(Blu-ray版)
ヴァージニアン号が爆破されると知ったマックスによって、まだ船内に「1900」が残っているから探してほしいと依頼される男性。マックスの話を信じようとしない。
機械工(演:アルベルト・ヴァスケス)
日本語吹替:相沢正輝(VHS・DVD版)
ダニー・ブートマンと共にヴァージニアン号で働く機械工。ダニー・ブートマンに赤ん坊の名前を尋ねる。
農夫(演:ガブリエレ・ラヴィア)
日本語吹替:伊藤和晃(VHS・DVD版)、西垣俊作(Blu-ray版)
ヴァージニアン号の乗客で、イタリア人。「1900」が夜に1人でピアノを弾いていると、そのメロディに引き寄せられてやって来る。女房に逃げられ、5人の子供が熱病で死んでしまった。生き残った1人の末っ子の娘のために生き方を変えようとアメリカへ渡る決意をしている。
『海の上のピアニスト』の用語
ヴァージニアン号
ヴァージニアン号とは、ヨーロッパとアメリカを定期運航している豪華客船である。一度に千人以上を乗せることができ、ビジネス、移民、旅行へ行く者などを乗せている。主人公の「1900」は生まれ育った船でもある。第二次世界大戦後、ヴァージニアン号は老朽化により爆破された。
割れたレコード
Related Articles関連記事
鑑定士と顔のない依頼人(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『鑑定士と顔のない依頼人』とは、ジェフリー・ラッシュが演じる、すご腕の美術品鑑定士だが、人嫌いで女性と縁のないヴァージルが姿を見せない謎めいた依頼人クレアに心惹かれていくミステリードラマ。 ヴァージルとクレアの恋の裏では、ヴァージルの長年のパートナーが用意周到に計画した復讐劇が進められていた。 「ニュー・シネマ・パラダイス」などを手がけたジュゼッペ・トルナトーレ監督・脚本による作品である。
Read Article
パルプ・フィクション(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パルプ・フィクション』とは、クエンティン・タランティーノ監督による1994年公開のクライム映画である。主演はジョン・トラボルタ、共演はサミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン等。アカデミー賞脚本賞とカンヌ映画祭パルムドール賞を受賞した。ギャングであるヴィンセントと相棒ジュールズは、ボスからの命令でスーツケースを取り返すべく、アパートに潜入する。3つの異なる犯罪エピソードから構成されており、ストーリーの時系列と映画の時系列が異なる構成が話題を呼んだ。バイオレンスと乾いた笑いに満ちた傑作群像劇。
Read Article
【ショーシャンクの空に】一度は必ず観たい!ヒューマン系の名作映画まとめ【海の上のピアニスト】
映画には様々なジャンルがありますが、中でも人間ドラマを描いた作品は心の琴線に触れるものが多く、映画史上に残る名作がたくさんあります。この記事では、そんなヒューマン系映画の中から絶対に一度は観たいものをピックアップしてまとめました。誰でも知ってる有名なものばかりを厳選しています。映画にあまり馴染みがないという方にこそ観ていただきたいラインナップ!
Read Article
【映画紹介】タランティーノの真骨頂!『パルプ・フィクション』の色褪せない名シーン3選
クエンティン・タランティーノといえば、ずばり『パルプ・フィクション』ですよね!1994年に公開され、気付けば21年も経ってしまいましたが、何回観ても、何年経っても色褪せない面白さ&スタイリッシュさ。賛否両論ある作品ではありますが、改めて本作の魅力を名シーンと共に振り返りたいと思います。
Read Article
唐突なダンスシーンが印象的な映画8選!パルプ・フィクションやナポレオン・ダイナマイト(バス男)といった名作ばかり!
ここではミュージカル映画ではないのに突然始まるダンスシーンが印象的な映画をまとめた。クエンティン・タランティーノ監督による『パルプ・フィクション』、『バス男』という日本語題が物議をかもした『ナポレオン・ダイナマイト』など、名作ばかりだ。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『海の上のピアニスト』の概要
- 『海の上のピアニスト』のあらすじ・ストーリー
- 終戦後に楽器屋で発見された1枚のレコード
- 「1900」の誕生
- ダニーの死と「1900」のピアノの才能
- マックスと「1900」の出会い
- ピアノの決闘
- レコードの録音とある少女との出会い
- 船を降りる決意
- ヴァージニアン号の爆破
- 『海の上のピアニスト』の登場人物・キャラクター
- 「1900(ナインティ・ハンドレッド)」(演:ティム・ロス)
- マックス・トゥーニー(演:プルイット・テイラー・ヴィンス)
- ダニー・ブートマン(演:ビル・ナン)
- 少女(演:メラニー・ティエリー)
- ジェリー・ロール・モートン(演:クラレンス・ウィリアムズ三世)
- 楽器屋の店主(演:ピーター・ヴォーン)
- 港長(演:ニール・オブライエン)
- 機械工(演:アルベルト・ヴァスケス)
- 農夫(演:ガブリエレ・ラヴィア)
- 『海の上のピアニスト』の用語
- ヴァージニアン号
- 割れたレコード
- ピアノ
- 『海の上のピアニスト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 1900「陸から見たいんだ」
- マックス「何かいい物語があって語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない」
- 1900「ピアノは無限ではない。弾く人間が無限なのだ」
- 『海の上のピアニスト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 決闘を挑む男はピアニストのジェリー・ロール・モートンがモデル
- 実在した船のヴァージニアン号
- 『海の上のピアニスト』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ロジャー・ウォーターズ『ロスト・ボーイズ・コーリング』
- 挿入歌:『Playing Love』