海の上のピアニスト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『海の上のピアニスト』とは1998年に製作された、あるピアニストの生涯を描いたイタリア映画である。船の中で生まれ育った、「1900」と名付けられた主人公のピアニストとして活躍、ともに演奏するトランペット吹きの男との友情、とある少女への恋などを巨匠エンニオ・モリコーネの作る音楽に乗せて描く。監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレで、主人公のピアニストをティム・ロスが演じ、プルイット・テイラー・ヴィンスらが共演した。
マックスがトランペットを売りに楽器屋に来た時、マックスが演奏する曲を聞いて楽器屋の店主が持ってきて流すレコード。ヴァージニアン号から回収したピアノに隠された割れたレコードを店主が繋ぎ合わせて何とか流せる状態になっている。「1900」の評判を聞きつけたレコード会社が「1900」の曲を世に広めようとヴァージニアン号内で録音することになる。「1900」はピアノを演奏していると、窓越しに1人の少女に一目惚れし、彼女のことを想って演奏した曲『Playing Love』が録音されている。「1900」は彼女にそのレコードを渡しそびれたことから割ってしまうが、その割れたレコードをマックスがピアノに隠していたことから楽器屋の店主に発見されることに繋がる。
ピアノ
「1900」が演奏するピアノは、ヴァージニアン号爆破に伴い売りに出され、マックスが訪れる楽器屋が引き取っていた。「1900」は少年時代にヴァージニアン号のダンスホールでピアノが演奏されている様子を見てピアノに興味を持ち、深夜にピアノを演奏し始めたことから才能が開花する。その後は、ダンスホールでバンドメンバーとともに「1900」が演奏する際に登場する。
『海の上のピアニスト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
1900「陸から見たいんだ」
「1900」が初めてヴァージニアン号から降りようと決意したことをマックスに話す。マックスは「1900」が一目ぼれした少女に会いに行くためだと分かっていたが、照れ隠しからか「1900」は船から降りる理由を「海が見たいからだ」と言う。マックスは「船からいくらでも見られるだろう」と返す。すると「1900」は「陸から見たいんだ」と答える。「陸から見たいんだ」というセリフは、生まれてからずっと船の中で育った「1900」にしか言えないセリフである。
マックス「何かいい物語があって語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない」
爆破の決まったヴァージニアン号から降りるように「1900」を説得に来たマックス。マックスは「1900」がいつも言っている「何かいい物語があって語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない」を引き合いに、「君には語る話がたくさんあるじゃないか」と言って説得する。「1900」は船の中で乗客との会話で世界中の色んな物語を聞いて生きてきた。船で生まれて船で育ってきたという「1900」にしかできない経験をしてきたことを知るマックスが説得に用いる言葉である。
1900「ピアノは無限ではない。弾く人間が無限なのだ」
爆破の決まったヴァージニアン号から降りるようにマックスから言われた「1900」はかつて船を降りようと決意したのに船に引き返した理由を話す。ピアノの鍵盤の数は88と決まっているが、彼が降り立とうとしたニューヨークという大きな町には無限の選択肢があった。無限の鍵盤のピアノを演奏することはできない。そして、「ピアノは無限ではない。弾く人間が無限なのだ」と話す。ピアノの鍵盤数が決まっているからこそ、その中で工夫して曲が生まれる。船の中で生活するという制約があったからこそ、「1900」は今まで生きることができた。そんな彼が信念を曲げるくらいなら死んだ方がいいと、「1900」が生き続けることを望む親友のマックスに言った言葉である。
『海の上のピアニスト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
決闘を挑む男はピアニストのジェリー・ロール・モートンがモデル
本作の中盤、「1900」のピアノの評判を知ったジェリー・ロール・モートンがピアノの決闘を挑むためにヴァージニアン号に乗り込んでくる。ジェリー・ロール・モートンとは1890年生まれのアメリカ人ピアニストである。本作でも語られるように彼のことをジャズの発明家と呼ぶ者もいるが、本作はフィクションなのであくまでモデルである。
実在した船のヴァージニアン号
ヴァージニアン号は1904年に建造され、1954年に廃船となった船で、本作にあるようにアメリカとヨーロッパを定期運航していた客船である。1912年にタイタニック号が沈没する前に発した救助信号を受信した船の1つとしても知られている。
『海の上のピアニスト』の主題歌・挿入歌
主題歌:ロジャー・ウォーターズ『ロスト・ボーイズ・コーリング』
エンドクレジットで流れる主題歌はロジャー・ウォーターズの歌う「ロスト・ボーイズ・コーリング」である。ヴァン・ヘイレンがギターで参加している。
挿入歌:『Playing Love』
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目次 - Contents
- 『海の上のピアニスト』の概要
- 『海の上のピアニスト』のあらすじ・ストーリー
- 終戦後に楽器屋で発見された1枚のレコード
- 「1900」の誕生
- ダニーの死と「1900」のピアノの才能
- マックスと「1900」の出会い
- ピアノの決闘
- レコードの録音とある少女との出会い
- 船を降りる決意
- ヴァージニアン号の爆破
- 『海の上のピアニスト』の登場人物・キャラクター
- 「1900(ナインティ・ハンドレッド)」(演:ティム・ロス)
- マックス・トゥーニー(演:プルイット・テイラー・ヴィンス)
- ダニー・ブートマン(演:ビル・ナン)
- 少女(演:メラニー・ティエリー)
- ジェリー・ロール・モートン(演:クラレンス・ウィリアムズ三世)
- 楽器屋の店主(演:ピーター・ヴォーン)
- 港長(演:ニール・オブライエン)
- 機械工(演:アルベルト・ヴァスケス)
- 農夫(演:ガブリエレ・ラヴィア)
- 『海の上のピアニスト』の用語
- ヴァージニアン号
- 割れたレコード
- ピアノ
- 『海の上のピアニスト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 1900「陸から見たいんだ」
- マックス「何かいい物語があって語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない」
- 1900「ピアノは無限ではない。弾く人間が無限なのだ」
- 『海の上のピアニスト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 決闘を挑む男はピアニストのジェリー・ロール・モートンがモデル
- 実在した船のヴァージニアン号
- 『海の上のピアニスト』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ロジャー・ウォーターズ『ロスト・ボーイズ・コーリング』
- 挿入歌:『Playing Love』