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SSSS.DYNAZENON（ダイナゼノン）のネタバレ解説・考察まとめ

『SSSS.DYNAZENON』とは、2018年に放送された『SSSS.GRIDMAN』と同じく、特撮番組『電光超人グリッドマン』を原作とするTRIGGERによるアニメ作品。同社のメディアミックスプロジェクト『GRIDMAN UNIVERSE』の中核作品の1つである。
高校生の麻中蓬は、ガウマという破天荒な少年の命の恩人となる。謎の怪獣が街を襲った時、ガウマは巨大ロボダイナゼノンを召喚。蓬はガウマ、同級生の南夢芽、無職の山中歴と共にダイナゼノンに搭乗し、これと戦うこととなってしまう。

蓬「俺は自由を失うんじゃないよ。かけがえのない不自由をこれから手に入れていくんだ」

怪獣優生思想との最終決戦で、「怪獣を利用すれば生死すら超越した世界が作れるのに、その自由を捨てるなんてどうかしている」と語るシズムに蓬が返した言葉。
人は成長していくに従い、次第に社会のシステムに組み込まれ、不自由な“大人”となっていく。しかしそれを「かけがえのないもの」と捉え、誰かを支える存在となることを誇りに感じる蓬という少年は、怪獣優生思想にとって最大の天敵だったともいえる。
大人になっていく少年少女と大人になり切れない大人たちを描いた、『SSSS.DYNAZENON』という物語のテーマが詰まった名セリフである。

『SSSS.DYNAZENON』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

シズムが最後に狙った“恋人との死別”という情動

蓬が夢芽に告白した現場に現れたシズム。

蓬が夢芽に告白した場面に現れ、2人に襲い掛かったシズム。視聴者からは「なんていいところで邪魔しに来たんだ」とブーイングの嵐を浴び、ついで今までどこか平和的な交流を続けていた蓬たちを本気で殺そうとする様に戦慄させたこのシーンだが、どうしてここでシズムがこんな行動に出たのかは作中で明確なアンサーが示されていない。
シズムが蓬たちに近づいた理由が、ダイナゼノンのパイロットである2人の抹殺だとしたら、もっと早く行動を起こしていても良さそうなものである。構図だけ見れば夢芽を力づくで奪おうとしたようにも見えるが、どちらかというとシズムは怪獣使いとしての素質の片鱗を見せていた蓬の方に執着している。

ファンの間で有力視されているのが、「夢芽の前で蓬を殺し、“恋人との死別”という極大の情動を生み出すことで、自分の中の怪獣にさらなる力を与えようとした」という説。結局これは失敗し、代わりに“仲間のガウマが目の前で致命傷を負って倒れる”様を蓬たちに見せることで得られた情動を起爆剤にしてシズムは己の内の怪獣を呼び出している。
仮にシズムの当初の思惑通りに事態が進んでいたら、蓬というパイロットを欠き、精神的なコンディション最悪の夢芽を抱えて戦うこととなるガウマたちは、恐らく敗北していたと思われる。蓬たちと当たり前のように交流しながら、目的のためには平然とそれを殺そうとするシズムの精神性こそ、究極の怪獣だったのかもしれない。

『SSSS.DYNAZENON』の主題歌・挿入歌

OP（オープニング）：オーイシマサヨシ『インパーフェクト』

ED（エンディング）：内田真礼『ストロボメモリー』

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