ターミネーター:ニュー・フェイト(T6)のネタバレ解説・考察まとめ

『ターミネーター:ニュー・フェイト』とは、2019年にアメリカで制作されたSFアクション映画。「ターミネーターシリーズ」の第6作目にして、『ターミネーター2』(1991年)の続編。「意思を持った機械と人類抵抗軍の最終戦争、未来から人類の命運を担う人物を殺すためにやってきたターミネーターとそれを阻止する兵士との闘い」というおなじみのテーマはこの作品にも健在。最新型ターミネーターREV-9と迎え撃つ女兵士グレースのアクションはシリーズ屈指。「時代は変わった。運命はどうだ。」がキャッチコピー。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』に限らず、ターミネーターシリーズを通して最も有名なセリフである、「すぐに戻る(I'll be back.)」。ターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーの代名詞ともなっているこの名セリフ、シリーズそれぞれの作品でセリフをしゃべる人物やセリフが使われる状況が異なっており、いつ出てくるか、どこで使われるのか、ファンにとっては作品を観る楽しみの一つになっている。この『ターミネーター:ニュー・フェイト』ではサラ・コナーにしゃべらせている。REV-9に襲われ絶体絶命のダニーとグレースを救うために駆けつけたサラが初めて登場するシーンで、橋の下に落ちたREV-9を手りゅう弾で爆破、REV-9にとどめを刺しに行くためにサラは「すぐに戻る(I'll be back.)」とクールに言い放つ、予告編でも使われた印象的な名場面である。

グレース「一緒に来なければ、30秒と持たないわよ(Come with me or you’re dead in 30 seconds.)」

シリーズを通して使われるセリフに「死にたくなければついてこい(Come with me, if yowanna live)」というものがある。『ターミネーター:ニュー・フェイト』では、自動車工場でREV-9に襲われたダニーに対してグレースが、「一緒に来なければ、30秒と持たないわよ(Come with me or you’re dead in 30 seconds.)」とややアレンジしてしゃべっている。人類のその後の命運を担う人物とその重大な使命を伝える人物が運命的に出会い、最初に放つセリフとなっている。

T-800「ジョンのために(For John.)」

T-800はかつてサラから最愛のジョンを奪ったが、その後、自身が家族を得たことにより、ターミネーターでありながら「家族愛」に目覚め、深い自責の念を感じるようになった。サラに生きる目的を与えようと、未来からターミネーターが送られてくる際に感じるタイムトラベルの予兆をサラにメールで伝えていたが、いつもそのメールを締めくくっていた言葉が、「ジョンのために(For John.)」である。それは「人間」となったT-800の「生きていくための証」でもあり、REV-9との最後の戦いでもこの「ジョンのために(For John.)」という言葉を残して、燃え尽きる。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『ターミネーター:ニュー・フェイト』はキャメロンとミラーの友情の証

製作のジェームス・キャメロン(左)と監督のティム・ミラー(右)

ひさしぶりに「ターミネーターシリーズ」の製作に復帰したジェームズ・キャメロンと監督のティム・ミラーは10年以上前からの知りあいで、キャメロンはマーベル・コミックをベースにしたスーパーヒーローである「デッドプール」の映画化を強く推していた。
ミラーの監督デビュー作となった『デッドプール』(2016年)はR指定映画としては異例の大ヒット、当然のことながら『デッドプール2』の製作もスタートしたが、ミラーは製作側との意見が合わず監督を降板してしまう。そんな傷心のミラーに救いの手を差し伸べたのが友人のキャメロンであり、「ターミネーター」の新作の監督としてミラーを抜擢した。ちなみに『ターミネーター:ニュー・フェイト』もシリーズで初めてR指定を受けている。

『ターミネーター』および『ターミネーター2』の正統な続編

製作のジェームズ・キャメロンが『ターミネーター:ニュー・フェイト』について、自分の関わった『ターミネーター』および『ターミネーター2』に続く正統な続編とうたっているだけに、『ターミネーター』および『ターミネーター2』との共通点が多い。そもそも、おおまかな筋立てが、「未来で機械と人類が戦争を起こし、カギとなる人間を殺害するためターミネーターが現代に送り込まれる。それを阻止するために未来から来た兵士は激闘の末、使命を果たすが自らは命を落とす」と、3本ともほぼ同じである。

キャメロン作品に共通するテーマ

容赦なくひたすら突き進むカー・チェイス

『ターミネーターシリーズ』のアクションシーンの代名詞である「壁にぶつかろうが壊れようがおかまいなし」「どこまでも追いかけてくるしつこさ」は、この作品にもしっかり継承されている。また、家族の絆、自己犠牲、力強く目覚めていく女性など、キャメロン作品らしい奥の深い感動も大きなポイントとなっている。さらに、国境問題や多様性、人間とAI(人工知能)関係と進化といった、アクションだけではないリアルタイムでの社会問題もこの作品には組み込まれている。

最新型ターミネーターREV-9

液体金属型とスケルトン型の2体に分離する最新型ターミネーターREV-9

敵となるターミネーターのREV-9を演じたガブリエル・ルナは優男で華奢な感じであまり強そうには見えないが、「一見すると貧弱そうな男が異様な強さを発揮する」というキャラクター設定は、『ターミネーター2』に登場し、ロバート・パトリックが演じたT-1000も同様である。実は、『ターミネーター』のT-800もジェームズ・キャメロンの当初の構想では、アーノルド・シュワルツェネッガーのような筋骨隆々のマッチョタイプではなく、キャメロン作品の常連俳優であるランス・ヘンリクセンを念頭にしていた。ちなみにシュワルツェネッガーは、カイル・リース役候補だった。なお、主役を交代したヘンリクセンは『ターミネーター』でブコビッチ刑事を演じT-800の銃撃を受けあえなく殉職したが、キャメロン監督の次作『エイリアン2』(1986年)でアンドロイドのビショップ役で強い印象を残す。

「カールのカーテン屋」の電話番号

背後の車の側面に注目

本作に登場したT-800は、ジョン・コナーを殺害後、人間として「カールのカーテン屋」を営んでいる。そのカーテン屋の車の側面に店名の下に電話番号が記されているが、その番号が、「888-512-1984」。「888」はアメリカのフリーダイヤル番号で日本の「0120」にあたるが、「512-1984」は実は『ターミネーター』がロサンゼルスにタイムトラベルしてやってきた日付が、1984年の5月12日である。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』の主題歌・挿入歌

mori1210b4
mori1210b4
@mori1210b4

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