神のみぞ知るセカイ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『神のみぞ知るセカイ』とは、2008年から2014年まで『週刊少年サンデー』にて連載していた、若木民喜によるラブコメ漫画である。コミックスの累計発行部数は700万部以上で、3度に渡ってアニメが放映された。恋愛シミュレーションゲーム、いわゆるギャルゲーをこよなく愛する高校生桂木桂馬が、悪魔のエルシィと共に駆け魂(かけたま)と呼ばれる悪人の魂を捕まえるため、現実の女子たちを恋に落としていく物語。現実の女性たちと関わっていく中で成長する桂馬や、桂馬を巡って繰り広げられる恋愛模様が見どころである。

画像は桂馬ぐらいの年齢の頃の梨枝子。

桂馬の祖父母の家の近所に住むおばあちゃん。孫の愛梨がきっかけで桂馬たちと知り合う。小さい頃は食べ物がなくガリガリで目ばかり目立ったためギョロというあだ名だった。年を取って友人知人が次々といなくなってゆくことに寂しさを覚えており、それが心のスキマとなっていた。それでも1人で生きてきたわけではないと考え、スキマを受け入れている。

上本スミレ(うえもと すみれ)

鳴沢市立第3高校の2年2組の生徒。「上本屋」というラーメン屋の一人娘であり、父親を手伝って店で働いている。母親はいなくなっていて、スミレは父の力になりたいとラーメンを作る修行をしていたが、父親はこんな汚い店を継ぐよりももっと大きな幸せを掴んでほしいと思いスミレのラーメン作りに反対していた。攻略後は甘いラーメンで話題となり、お店も繁盛している様子。ラーメンの研究のために他店のラーメンを食すことが日常となっているが、そのせいで体重が増加し、本人もそれを気にしている。舞校祭ではB級グルメ大会に出店していた。

榛原七香(はいばら ななか)

舞島市立美里東高校の2年生で天理のクラスメイト。将棋が大好きな女の子で、奨励会に入りプロ棋士になることを目指している。髪をくしゃくしゃとするのが癖。極度の負けず嫌いで涙もろく、心のスキマができたのもディアナに将棋で負けたからである。負けず嫌いなのは血筋らしく、祖父はフランスの軍人で父は大阪の商売人。父親の影響からか関西弁を話す。ディアナと対局することになったのは、七香が天理を馬鹿にするからという話だったが、攻略後は天理と将棋をさすなど、決して仲が悪いわけではない模様。また攻略の影響で駒の桂馬を取られるとショックを受けるようになってしまった。

五位堂結(ごいどう ゆい)

CV:高垣彩陽
私立舞島学園高等部の2年A組に在籍する女子高校生。舞島一の旧家、五位堂家の次女。箱入り娘であり、母親には過保護に干渉されている。それをはねのけることもできず、自由になりたいという思いを抱えていた。所属していた吹奏楽部を母親に辞めさせられたその帰り道に桂馬と遭遇、お嬢様生活のストレスと攻略を開始した桂馬とのイベントが重なって、駆け魂を刺激し互いの体の中身が入れ替わってしまった。
音楽が好きで、リズムを取りながらドラムスティックを振り回している時がある。家は大きな日本家屋であり、結も和装でいることが多い。性格は大人しくて礼儀正しく、人に対して強く出られない。暖かい家庭というものに憧れているようで、桂馬の母の夕飯を食べた時は大変感動していた。
攻略後は桂馬と入れ替わっていた期間が長かったからなのか、性格や趣向が著しく変化し、男の制服を身に纏い「ボク」という一人称を使うようになった。とはいえ男になりたいわけではなく、家に縛られずに女として楽しく生きるという思いからのものである。また積極的に行動を起こすようになり、ドラムに困っていたちひろのバンドに進んで加入した。女神編では桂馬を女装させたがったり、中等部の女子からラブレターを貰ったりと女としていきたいという思いから段々と遠のいてしまっている。女神マルスを宿しており、あまり人の話を聞かずに突っ走る傾向にある結はマルスから注意されることもある。

春日檜(かすが ひのき)

楠の姉で成人を迎えた女性。普段は海外を飛び回っている。本来は春日流を継ぐ立場にあったが、厳格な父親と対立の末、中学校を卒業と同時に家出した。天真爛漫でさばさばとした前向きな性格で、デザイナーや女優、アーティストと幅広く活動している。しかしそれは妹の期待に応えなければならないというプレッシャーに追い立てられた結果のもので、本当に自分がやりたいことを見つけられずにいた。それが心のスキマとなり、駆け魂に取り憑かれたことで肉体の一部が巨大化し始める。そして日本に戻ってきて楠が自分よりも立派になっていることを知り、ついには全身が巨大化するようになってしまう。当初は一般人には巨大化した姿が見えなかったが、フィオーレの策略により心のスキマがさらに広がってしまったことで巨大化した状態で実体を持つ。檜本人は駆け魂に飲み込まれ、舞島市もパニックに陥った。桂馬と楠の尽力によって駆け魂から解放された後は今いるところが自分で決めた場所だからと言って、桂馬にディープキスをして車で去っていった。なお桂馬にとっては恋に落とすことができなかった初の人物である。

倉川灯(くらかわ あかり)

CV:清水愛
私立舞島学園高等部の3年C組に在籍する、常に汚れたニット帽とマフラー、白衣を身に着けた小柄な女生徒。生物部の部員であり、汚い部室で寝泊まりしている。桂馬の攻略相手だが、エルシィの駆け魂センサーが灯の持つダミーに反応しただけで、灯に駆け魂が入っていたわけではない。人の名前を全然覚えられず、常に淡々とした性格で感情も表に出さない。桂馬とキスをしても一切表情が変化しないが、本人が言うには完全に冷静な気持ちであったわけではないとのこと。
ロボットの作成をしており、完全な人間にさせようと日々勤しんでいる。だが人間というものに理解が足りていないせいか、中に生肉を詰め込んだり段ボールにリアルな人間の頭を付けてみたりと迷走気味。完全な人間を作ろうとしているのは世界平和のためだったが、桂馬とのやり取りで「人間は不完全が理想」という考えを理解した。その正体はリミュエルという新悪魔。エルシィが育った孤児院「救命院」の首長イーマの実の娘であり、エルシィにとっては憧れの姉のような存在である。エルシィはテスト勉強で駆け魂狩りに参加しなかったため、灯として活動するリミュエルと顔を合わせることはなかった。より詳しくはリミュエルの項にて。

白鳥うらら(しらとり うらら)

桂馬が小学校1年生の時のクラスメイト。お金持ちのお嬢様であり、学校に化粧セットを持ち込んでいる。美生や結とは友達だった。大人びた態度を取ることが多いが、校内キャンプが中止になったことに泣くなど、本当は年相応の女の子。早く大人になりたがっているのは、両親を早くに亡くし、1人ぼっちになってしまった祖父を支えたいから。過去編ではこれが心のスキマとなり、かつて母を死に至らしめた駆け魂に取り憑かれてしまう。桂馬や祖父によって駆け魂が捕まえられた後は、祖父と遊園地へ行くなど、今までよりもずっと親密になった。現代では登場しないが、海外に留学しているようだということが写真から分かる。

女神

ディアナ

CV:名塚佳織
天理に宿る、ユピテルの姉妹の三女。ディアナが表に出ると目つきが鋭くなり、瞳も赤くなる。生真面目で古風な性格をしており、天理が眠っている時に桂馬と2人きりになると動揺する、口づけというものは生涯これと決めた1人だけに許すものだと考え実際に桂馬とキスするまではしたことがなかったなど、貞操観念も固い。一方で天理の恋を応援していて、奥手な天理を心配し、彼女の代わりに桂馬を押し倒したりキスを迫ったりなどの大胆な行動を起こすこともある。他の姉妹からは知恵者だと言われており、プロ棋士を目指している七香やゲームに絶対の自信を持つ桂馬相手に将棋で勝利を収めている。かつては海を割ったり天候を操ったりできるほどの力を持っていたらしいが、旧地獄を封印する際に肉体を失ったことにより弱体化した。
女神の中では1番初めに登場したものの、なかなか力が戻らず、他の姉妹たちが次々と翼を取り戻す中、自分にだけ翼が戻らないことに対して度々桂馬を詰っていた。また桂馬が攻略のために女性を恋に落としていることを不服としており、初めてそれを知らされた時は激怒した。本人曰く、奥手な天理に変わって桂馬と接するうちに桂馬を愛するようになってしまったとのことで、桂馬に対してヤキモチを焼く場面も多い。ウルカヌスからは重い女だと評された。
女神の中では唯一封印が解かれた直後からはっきりとした自我があり、大量の駆け魂から桂馬を守るため自らディアナを受け入れた天理とは10年来の付き合い。天理が趣味でやる手品にはいつも不思議がっている。

nishi_7a4
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@nishi_7a4

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