神のみぞ知るセカイ(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『神のみぞ知るセカイ』とは、2008年から2014年まで『週刊少年サンデー』にて連載していた、若木民喜によるラブコメ漫画である。コミックスの累計発行部数は700万部以上で、3度に渡ってアニメが放映された。恋愛シミュレーションゲーム、いわゆるギャルゲーをこよなく愛する高校生桂木桂馬が、悪魔のエルシィと共に駆け魂(かけたま)と呼ばれる悪人の魂を捕まえるため、現実の女子たちを恋に落としていく物語。現実の女性たちと関わっていく中で成長する桂馬や、桂馬を巡って繰り広げられる恋愛模様が見どころである。

CV:東山奈央
私立舞島学園高等部の2年B組に在籍する現役のアイドル。アイドル活動で多忙なため滅多に登校できないが、テストは受けるようにしている。また彼女が登校すると大勢の生徒が見にやって来るほど。デビューした時は「Citron」という3人組のグループの端のメンバーだった。当時はアイドル活動時も眼鏡をかけていたが、眼鏡を外した結果人気になり、センターに抜擢。さらに髪を切ってショートにしたところトップアイドルにまで上り詰めた。
普段は明るく振舞っているが、本当は地味でネガティブな思考の持ち主。外見も地味だった昔は人から忘れられることが多く、それがトラウマとなっている。心のスキマもまさにその点であり、駆け魂の影響からか、自分のことを知らない人がいると情緒不安定になり、スタンガンで攻撃するという極端な行動に出ていた。加えて駆け魂の力が強まると存在感が薄いというトラウマから、不安になったり落ち込んだりすると透明になるようになってしまった。また昔は存在感が薄かったせいで、トップアイドルとなった今は近寄りがたくなってしまったせいで友達がほとんどいない。そのためか桂馬とメールを交換した際は「ヨロシクネ」という文字で画面が埋め尽くされるメールを送り付けたり、1日に36回もメールで呼びつけたりして、読者からは「病んでるアイドル、すなわちヤンドル」と言われることになった。
女神をその身に宿す女の子の1人。女神アポロが出てくるようになってから攻略時の記憶を思い出した。学校でのテスト中に衆人環視の中で桂馬に告白するが、その直後にヴィンテージに襲われて昏睡状態となってしまった。女神編の終盤になってようやく他の女神の力で覚醒を果たす。
『マジカル☆スター かのん100%』では主人公を務める。漫画版でははぐれ魂の魔法で子どもの姿に変えられてしまい、中川かのんの親戚「中川まろん」と名乗って小学校へ通うことになる。OVA版では魔法少女の設定が少し異なるため、小学生のまま生活することはない。

汐宮栞(しおみや しおり)

CV:花澤香菜
私立舞島学園高等部の2年C組の女生徒。図書委員に属しており、駆け魂の影響もあった上でのことだが、図書館にあるすべての本を読んで記憶するくらい本が大好きである。生真面目な性格で話すことが苦手。人と話すことが嫌いなわけではなく、むしろもっと話したいと思っているのだが、それを口に出す勇気が持てない。心の中では多弁であり、言いたいことの半分も言葉にできない自分に絶望するあまり本に傾倒し心を閉ざしていった。図書館のことも「現実の喧騒から守ってくれる紙の砦」と考えており、一部の本を処分して図書館に視聴覚ブースが導入されるという話が出た時には、本を大切に思うあまり図書館を占拠するという大胆な行動に出た。本を大切にしない人に対しては多少強めの態度がとれる模様。
読んでいる本の登場人物の口調が移ってしまう癖がある。また言い回しや考え方が割と古風で少々理屈っぽい。自分に自信がないせいかマイナス思考でもある。その反面、物事を自分中心に捉えてしまう節があり、その点ではヒロイン体質と言える。
攻略後は小説を書き始める。女神編で桂馬が最初に見た小説は予想外にも星間戦争を描いたSFものだった。女神ミネルヴァを宿す影響で攻略時の記憶が朧気ながら残っていたのか、ストーリーは攻略中に起こった出来事に沿ったものだったが、かのんの告白騒動があった影響で桂馬に似たキャラクターが突然死んでいた。その後は桂馬の協力のもと小説を書き続けるが、妄想豊かな性格ゆえ完成までに話が二転三転した。

春日楠(かすが くすのき)

CV:小清水亜美
私立舞島学園高等部の3年A組の生徒。古式武術春日流羅新活殺術の伝承者で女子空手部の主将も務めている。ただし彼女が主将になってから2日で部員が0になった。春日流の道場では弟子たちに慕われている。
不良3人をものともしないほど強く、軟弱なものが苦手だと言っているが、本心では可愛らしいものを好んでいる。だがそれは弱い気持ちだと考えて必死に抑えつけていた。その「春日流当主として女を捨てて強くあらねばならない」という思いと本来の女らしい心との葛藤が心のスキマとなり駆け魂を呼び込んだ。駆け魂が成長した時には抑え込んでいた女らしい心が分裂するという能力を得た。
上述の「強くあらねばならない」、あるいは「強くありたい」というのは姉の檜の影響。元々弱虫で軟弱だった楠は、檜に憧れていた。その檜が駆け魂に心を乗っ取られた際には姉が好きであることに理由などないという思いをぶつけて檜を苦しみから解放した。その檜には逆らえないようで、よく彼女に振り回されている模様。また地獄の記憶修正を中途半端に受けたせいで攻略後に会った時には桂馬への印象は悪くなっていたが、檜編後はそれなりに好意を持っている様子が窺える。

小阪ちひろ(こさか ちひろ)

CV:阿澄佳奈
私立舞島学園高等部の2年B組の生徒。桂馬や歩美のクラスメイトであり、桂馬曰く「ギャルゲーならモブキャラ」。特に目立った能力があるわけではない、その他大勢の女の子を代表するような普通の女子である。ただし桂馬への悪口は鋭い。
恋することが多く、いい加減に生きているが、それは自分に自信がなく真剣になれないため。攻略後はバンドを結成し、エルシィや親友の歩美を誘って真剣に活動を始めた。かのんの告白騒動後は桂馬に対して怒りを見せて女神候補の1人に数えられたが、後に攻略時の記憶がないことが判明。攻略より前の春ぐらいから桂馬のことを好きになっていたと語り、攻略とは関係なく行為を抱かれていたことを知って動揺した桂馬に手酷く振られてしまった。ヴィンテージとの戦いに巻き込まれる最中で桂馬が必死になって何かを遂げようとしていることを知り、不器用ながらも歩美の再攻略を手伝った。桂馬が過去編を経て現代へ帰ってきた後は彼から告白をされる。1度は断ったものの、その後ちひろの方から桂馬を喫茶店へ誘った。

長瀬純(ながせ じゅん)

CV:豊崎愛生
鳴沢教育大学の4年生。母校の舞島学園には教育実習でやって来る。プロレスが大好きな熱血教師。好きなレスラーの影響で「お」を「オー」と伸ばしてしまう癖がある。理想を追い求めるあまりそれを他人に押し付けてしまう傾向があり、それが原因で高校時代にはバスケ部を休部に陥らせてしまった。舞島学園に教育実習生として赴任してきた際には理想と現実のギャップに悩み、それが心のスキマとなって駆け魂に入り込まれた。攻略後は桂馬のことを心配だった問題児の生徒としてだけ覚えていた。

九条月夜(くじょう つきよ)

CV:井口裕香
私立舞島学園高等部の2年A組の生徒で天文部の部長。屋上から天体望遠鏡で月を見上げていることが多く、当初はベンチに敷物を敷いて専門の天文台としていた。敷物の内側への立ち入りは常に携えているルナという人形以外認めていない。友達もおらずいつも1人で、授業も休みがち。とても小柄な体格で「……なのですね」が口癖。
デザイナー九条陽子の娘だが両親とは仲が良くない。父親と母親も仲が悪く、両親の喧嘩を間近で見ていた月夜は人間関係や現実世界を醜いと思うようになり、月のような美しいものを好むようになった。いつかルナと一緒に月で暮らすことが夢。また人間への嫌悪が心のスキマとなったため、駆け魂が力を持った際には体が縮んで人形のようになった。
攻略後は敷物を敷かなくなったが、かのんの騒動後に敷物が復活。桂馬を無視するようになった。女神ウルカヌスをその身に宿す影響で攻略時の記憶があり、全然会いに来なかった桂馬に怒っていたが、ウルカヌスに痛めつけられても「月夜を守る」と言う桂馬を今一度信じることに決める。ウルカヌスに関しては、彼女がルナを自在に動かしていることから、ルナが動きだしたようだと喜んでいる。

生駒みなみ(いこま みなみ)

CV:櫻井浩美
私立舞島学園中等部の3年C組の女子生徒。水泳部に所属しているが、中学最後の大会もほぼ出られないことが決定し、熱中していた水泳があっさりと終ってしまったことへの悔しさや寂しさから心のスキマが生まれた。夜に桂馬が泳いでいる場面を見かけたことから桂馬のことが気になりだし、桂馬に夏祭りに誘われたことから恋心を自覚する。イベントが少なかったせいか攻略後の記憶修正は簡易的に行われたようで、桂馬のことは完全に忘れていた。
プールの塩素で髪が全体的に茶色くなり、毛先がぼさぼさになっている。本人も気にしているようで、朝は毎回いうことを聞いてくれない髪と格闘している。また小さな弟がおり、その弟からは「バード」と呼ばれ、いつもくだらないやり取りをしている。

鮎川天理(あゆかわ てんり)

CV:名塚佳織
舞島市立美里東高校の2年生。桂馬の幼馴染であり、小学生の頃から桂馬の何ものにも流されない強さに憧れて桂馬に好意を持っていた。桂馬自身はまったく覚えていなかったが、桂馬とは幼稚園の入園式で初めて会い、それから小学校1年生の時に起きた地震のせいで両家が倒壊して天理が引っ越すまで一緒だった。
前髪で目元を隠していることからも分かる通り、引っ込み思案で内気な性格。いつもおどおどとしていてすぐに赤面する。このように人と話すことが得意ではないが、友達がいないわけではなく、時には自分の思いをはっきりと述べる強い意志を見せることもある。マジックが趣味でよくディアナを相手にマジックを見せている。
10年前の時点で過去へ戻った桂馬から駆け魂や女神に関する情報を与えられており、その手紙で「お前とのエンディングはない」と事実上振られている。しかしそれでも桂馬のことを想い、自分の意思で女神ディアナを受け入れて10年間備え続けていた。桂馬との関係が一向に進展しなくても現状で幸せだと語るのはこの辺りに理由がある模様。なお地獄の記録では天理の駆け魂はノーラが処理したことになっており、厳密には桂馬の攻略対象というわけではなく、作中でも桂馬の攻略対象者がヴィンテージに狙われた際には彼女は襲われなかった。

日永梨枝子(ひなが りえこ)

画像は桂馬ぐらいの年齢の頃の梨枝子。

nishi_7a4
nishi_7a4
@nishi_7a4

目次 - Contents