闘将!!拉麵男(たたかえ!!ラーメンマン)のネタバレ解説・考察まとめ

『闘将!!拉麵男』(たたかえ!!ラーメンマン)とは、集英社『フレッシュジャンプ』で1982年から1988年にかけて連載された、原作者ゆでたまごによる日本の漫画作品。同作者の別作品『キン肉マン』に登場するキャラクターであるラーメンマンを単独の主役としたスピンオフ作品である。中国を舞台とし、超人拳法の継承者であるラーメンマンの修行と戦いの旅を描く。1988年にはアニメ化や劇場化され、さらにゲーム発売などのメディア展開がなされた人気作品である。

父を失ったラーメンマンは、拳聖・陳宗明に助けられて、12年間の厳しい修行を続ける事となる。その卒業試験、両腕だけでは釜が持ち上がらないと知ったラーメンマンの採った手段は、両手に加え、額でその煮えたぎった釜を支える事であった。こうして卒業試験を終えたラーメンマンは、師匠である陳宗明から、美来斗利偉・拉麺男(ビクトリー・ラーメンマン)という新たなる名前を授かった。これがラーメンマンとしての第一歩を歩み出す、重要なシーンである。

ラーメンマン「拳聖五歌仙と名乗る!」

ラーメンマンの宿敵玉王は、盗み出した位牌から暗器五点星を復活させる。ラーメンマン1人に対して敵は5人と、多勢に無勢の状態になってしまったが、ラーメンマンも拳魂復活の術を習得して反撃。かつての仲間たちチューチャイ、犬操、砲岩、蛾蛇虫の4人を位牌から復活させ、「拳聖五歌仙」として暗器五点星と対決してく事になる。

ラーメンマン「この者たちは正せい堂どうと闘って死んでいったのです...手厚く葬ってやるのが同じ武道家としての礼儀というものです」

陳老師の超人拳法と中国を二分する大流派、鴉群拳法なる流派。その鴉群拳法の正当な跡取りである春雨に、玉王の操る刺客たちが襲いかかる。ラーメンマンがその刺客達を倒した際に言ったセリフ。正々堂々闘った相手に対しては、敬意をもって接するラーメンマンの優しさとスポーツマンシップに溢れるセリフである。

ラーメンマン「破門は覚悟の上です!」

魔鬼幽利偉・叉焼男に秘伝書を奪われ、超人拳法を使うわけにはいかなくなったラーメンマンは、自分の両手を縛りあげる。無抵抗のまま魔鬼幽利偉・叉焼男の攻撃を受けるラーメンマンであったが、弟子であるシューマイにも暴行された事で、遂に怒りが沸点に対し、破門されることを覚悟で両手を縛っていた紐を切って反撃することを宣言した。弟子にまで手を出されたことで、全てを投げ打つことを覚悟した、正義感の強いラーメンマンの行動であると言える。

『闘将!!拉麵男』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『闘将!!拉麵男』はブルース・リーの映画に大きく影響を受けている

原作者であるゆでたまごはブルース・リーの大ファンであり、主演映画を多く観ていた事もあり、ストーリーやキャラクターなど大きく影響を受けていることが伺える。本作が企画された当時、本格的な中国拳法を題材としたマンガがなかった事もあり、当時『週刊少年ジャンプ』で人気を博していた『キン肉マン』に登場するキャラクターの中でも、ラーメンマンは読者人気が高かった。そんなラーメンマンを主役として中国拳法をテーマに『闘将!!拉麵男』を描くこととなった。ブルース・リーに似たキャラクターも登場する他、「王皇帝の肉体競技場編」は、玉王が悪の企みのもと、世界中から腕に覚えのある格闘家を島に集めて格闘技大会を開催し、ラーメンマンもこの調査のためにこれに参加するなど、ブルース・リーの代表作『燃えよドラゴン』に酷似したストーリー展開となっている。

連載当時ゆでたまごは伝説の執筆室にこもって描いていた

本作連載当時、ゆでたまごの2人は『キン肉マン』との2本同時連載であったため、執筆中はほとんど家には帰れず、コンタロウや江口寿史も常連になっていたという集英社の「伝説の執筆室」にこもりっきりで執筆をしていた。本人たち曰く、3年くらいはこもっていたとの事。連載初期は一話完結の読切形式だったが、このスタイルでは連載が難しくなっていき、徐々に続きものになっていったという経緯がある。またスタッフも1週間は家に帰れず、ほとんど合宿生活で執筆されていた。同時連載となった理由について、当時『フレッシュジャンプ』の副編集長が『週刊少年ジャンプ』に対抗心を抱き、自身が担当していたゆでたまごに本作の連載を強行させた事による。

ジャッキー・チェンから映画化を持ちかけられたことがある

原作者のゆでたまごが香港に取材に行った際に、世界のアクションスター、ジャッキー・チェンと面会し、本作を香港で実写映画化するという話を持ちかけられた。ジャッキー側がラーメンマンにそっくりな役者を用意して、制作予算は3000万円で制作するという話であった。しかし、その後具体的な進展はなく、結局実現することはなかった。

『闘将!!拉麵男』と『キン肉マン』とは直接の繋がりはない

ゆでたまごは「『闘将!拉麺男』は『キン肉マン』の何年前の話か?」という質問に対して、「パラレルワールドであり直接の繋がりはない」と回答している。ただし、ラーメンマンというキャラクターはキン肉マンの作中では「正義超人」という主人公であるキン肉マンと同じ志を持っている超人なので、得意技「キャメルクラッチ」など、双方に跨る描写が多く登場する。ただし、本作の連載が始まったという事もあり、物語がごちゃごちゃにならないように配慮した結果『キン肉マン』の作中では途中からラーメンマンは大幅に登場シーンが減って、覆面を被った「モンゴルマン」というキャラクターに扮して登場するようになった。『キン肉マン』シリーズの「キン肉星王位争奪編」以降は、ラーメンマンが登場している。

『闘将!!拉麵男』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):織田純一郎『輝け!ラーメンマン』

織田純一郎『輝け!ラーメンマン』

ED(エンディング):織田純一郎『希望への旅』

希望への旅

織田純一郎『希望への旅』

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