キン肉マン 完璧超人始祖編(パーフェクト・オリジン)のネタバレ解説・考察まとめ

『キン肉マン 完璧超人始祖編』とは、で、超人レスラーたちの三つ巴の戦いと彼らの起源に関する秘密を描いた、ゆでたまごによる漫画『キン肉マン』の長編エピソード。『キン肉マン』の物語中、最高傑作とされるほどに評価が高い。2011年から6年間連載され、2024年アニメ化を果たす。
長き戦いの果てに正義超人、悪魔超人、完璧超人が不可侵条約を結んだ後、“完璧超人の本隊”を名乗る者たちが乱入。自分たち以外の超人の殲滅を宣言し、キン肉マンを中心とする正義超人、悪魔将軍率いる悪魔超人たちと死闘を繰り広げる。

『キン肉マン 完璧超人始祖編』の概要

『キン肉マン 完璧超人始祖編』(キンにくマン パーフェクト・オリジンへん)とは、ゆでたまごによる漫画『キン肉マン』の長編エピソードの1つで、超人レスラーたちの三つ巴の戦いと彼らの起源にまつわる秘密を描いた作品。
2011年から2017年までWEB上で連載されたもので、かつてない戦いの規模、各試合の壮絶にして胸を打つ展開、そして明かされる衝撃的な過去の物語が絶賛される。「シリーズ最高傑作」との呼び声も高く、1987年に『週刊少年ジャンプ』誌上で最終回を迎えた『キン肉マン』が再評価される大きなきっかけともなった。

「今の技術でアニメになって動くところが見てみたい」というファンの声に応える形で、「アニメ『キン肉マン』40周年記念」として2024年にアニメ化することが決定。1991年に完結した第2期シリーズから実に33年ぶりのアニメ化であり、本作の根強い人気と『完璧超人始祖編』の評価の高さを改めて裏付けることとなった。

果てしなく長い戦いの果てに、それぞれの力を認め合った正義超人、悪魔超人、完璧超人(パーフェクトちょうじん)の3勢力は、「今後は正々堂々と戦い、競い、超人レスリングを盛り上げていこう」と不可侵条約を結ぶ。しかしその直後、“完璧超人の本隊”を名乗る者たちが超人レスリング界を襲撃。自分たち以外の超人の殲滅を宣言する。
キン肉マンを中心とする正義超人、悪魔将軍(あくましょうぐん)に率いられた悪魔超人たちがこれに立ち向かい、激烈な死闘を繰り広げる。そんな中、超人の誕生そのものに深く関わる完璧超人始祖の存在と、悪魔将軍もまたその1人であるという意外な事実が明らかとなり、三つ巴の戦いは混迷を深めていく。

『キン肉マン 完璧超人始祖編』のあらすじ・ストーリー

破られた不可侵条約

人知を超えた力を持つ超人レスラーたちが、リングの上で切磋琢磨しつつ世の平和を守っている世界。果てしなく長い戦いの果てに、それぞれの力を認め合った正義超人、悪魔超人、完璧超人(パーフェクトちょうじん)の3勢力は、「今後は正々堂々と戦い、命を懸けて競い、超人レスリングを盛り上げていこう」と不可侵条約を結ぶ。幾多の戦いの中で正義超人のキン肉マンが示した「友情パワー」は、彼らに互いへの敬意を抱かせるようになっていたのだった。
しかしその直後、“完璧超人の本隊”こと無量大数軍(ラージナンバーズ)を名乗る者たちが超人レスリング界を襲撃。自分たち以外の超人の殲滅を宣言する。これまでの戦いの負傷で正義超人の多くが動けない中、唯一戦える状態だった正義超人のテリーマンがこれを迎え撃つも、最初の1人を倒したところで自身も満身創痍となる。

無量大数軍を率いるストロング・ザ・武道はテリーマンの奮闘を称賛しつつ、残る者たちに超人殲滅を続行するよう指示。なお戦おうとするテリーマンを「友のピンチ」と大急ぎで駆け付けたキン肉マンが止める中、代わってリングに立ったのは彼らのかつてのライバルたる悪魔超人たちだった。不可侵条約が破られた以上、悪魔超人たちが正義超人たちと肩を並べて戦う理由など無いはずだったが、彼らは「あの方の命令」と言って無量大数軍に立ち向かう。
それぞれに激しいトレーニングを重ね、かつて正義超人たちとの戦いで見せた以上の力を見せつける悪魔超人たちだったが、無量大数軍の実力はそれを上回るものだった。多くの者が破れ、リングの上で命を散らしていく中、「甘く見るな」となお奮起する悪魔超人たち。彼らの奮闘は無駄ではなく、キン肉マンを含む数人が勝利を収め、ストロング・ザ・武道も崖の下へと消える。

階段ピラミッドの戦い

無量大数軍との戦いが一段落したかのように思えたのも束の間、ネメシスやグリムリパーといった強豪を含むその第2陣が登場。あくまで自分たち以外の超人殲滅の野望を推し進めんとする。
ネメシスが自分と同じキン肉一族の出身であることに驚き、同時にそのすさまじい実力を感じ取ったキン肉マンは、悪魔超人たちに共闘を提案。しかし先の戦いを生き残った悪魔超人たちは「あの御方の命令は全てに優先する、完璧超人たちによって不可侵条約が破られた以上お前たちと手を組むつもりはない」と言ってこれを拒み、傷ついた体のまま無量大数軍とのさらなる戦いに赴く。その中には、悪魔超人としてキン肉マンと戦い、彼の他者を想う心と「友情パワー」に感銘を受けて正義超人の仲間となったバッファローマンの姿もあった。

キン肉マンとテリーマンが先の戦いで時間を稼ぐ間に治療を完了した正義超人の猛者たちもここに集い、それぞれに無量大数軍の超人と対決。舞台となった階段ピラミッドのリングで、熾烈な戦いが繰り広げられる。正義超人と悪魔超人はそれぞれに力を発揮し、傷つきながらも完璧超人たちを撃破していくが、彼らの中でも屈指の猛者であるロビンマスクはネメシスに敗れて力尽きる。
完璧超人には、「負けた者は自害する」という恐るべき掟があった。当然のこととしてこれを受け入れ、敗北を受け入れるなり淡々と自害していく完璧超人たちを見て、キン肉マンは戸惑う。そんな彼に、ネメシスは「我々がお前たちを滅ぼそうと決意したのは、キン肉マンが原因だ」との衝撃の言葉を告げる。実力的には遥かに上を行く自分たち無量大数軍が正義超人や悪魔超人にこうまで後れを取るのは、キン肉マンが“誰かを守りたい”との想いの下に発動し、敵味方を超えて広まっていった「友情パワー」が原因であり、だからこそ滅ぼすしかないのだとネメシスは忌々しげに言うのだった。

悪魔将軍の出陣

キン肉マンたちが階段ピラミッドで熾烈な戦いを繰り広げていた頃、悪魔超人たちの長である悪魔将軍は、先行して完璧超人たちの拠点である超人墓場に乗り込もうとしていた。ここには完璧超人の“始まりの11人”こと始祖(オリジン)と呼ばれる神のごとき実力者たちがおり、悪魔将軍もまたその1人なのだった。
始祖たちはかつての仲間の帰還を歓迎するも、悪魔将軍が「お前たちを殺しに来た」というと残念なことだとしつつ彼を迎え撃つ。悪魔将軍が弟のシルバーマンと共に超人墓場を去ったのは、彼らの師にして超人という種の大恩人でもあるザ・マンが生涯をかけて追い求めた「自分を超える超人」となるためであり、どれほど鍛えても自分を超えられない弟子たちへの失望と超人という種そのものへの愛情の狭間で少しずつ道を踏み外していった彼を救うためでもあった。

キン肉マンと戦い、「友情パワー」によって圧倒的な力の差を覆されてまさかの敗北を喫した悪魔将軍は、「この力こそは、数億年をかけて追い求めた“自分が師を超える”ための手がかりになる」と期待。しかしザ・マンがそれを「密かに世界に干渉することで自分たちが築き上げた“超人の秩序”を狂わせる忌むべき存在」だと判断して排除しようとしていることを知り、そこまで狂ってしまった師を見てもなお何もしようとしないかつての仲間たちに失望し、超人の未来のために、善良だった頃のザ・マンの夢を叶えるために、彼らと決別する道を選んだのだった。
始祖を2人撃破した悪魔将軍は、超人墓場の結界を破壊し、悪魔超人の中でも選りすぐりの精鋭である悪魔六騎士をその内部に呼び込む。「完璧超人たちに、彼らが雑兵と見下す地上の超人の力を見せつけろ」と命じられていた悪魔六騎士の猛者たちは、それぞれに死力を尽くして始祖たちと対決。残った6人の始祖の内3人は彼らにより敗れ、「悪魔将軍の判断は正しかった。後はお前たちに託す、我らに代わってザ・マンの過ちを正してほしい」と言い残して散っていく。一方で残った3人、自分たち以外の超人殲滅強硬派のガンマン、グリムリパーとして暗躍していたサイコマン、悪魔超人も警戒する始祖屈指の実力者ジャスティスマンは「悪魔将軍が数億年をかけて選りすぐった精鋭でもこの程度なのか」と判断し、ザ・マンと共に歩む決意を新たにする。

許されざる世界樹の死闘

ザ・マンの正体は、「勝てないまでもせめて道連れに」と悪魔超人に組み付かれて崖下へと消えたストロング・ザ・武道だった。彼はまったくの無傷ではあったが、悪魔将軍への忠義のために命を懸けた対戦相手に敬意を示しつつ、始祖たちと合流。階段ピラミッドの戦いで1人生き残ったネメシスもここに現れ、同僚だと思っていたストロング・ザ・武道が自分たちの勢力のトップだったことに驚きながらも、改めて彼と共に戦う決意を述べる。
これまでの戦いで多くの人員を失ったザ・マンだったが、未だに完璧超人以外の超人の殲滅を諦めていなかった。ここに駆け付けた悪魔将軍は、「友情パワーの存続」のためにいよいよ師を殺すことを宣言するが、始祖たちとネメシスに阻まれて断念。正義超人と悪魔超人の代表と、始祖たち&ネメシスがそれぞれに対戦し、許されざる世界樹(アンフォーギブン・ユグドラシル)と呼ばれる地のリングで決着をつけることとなる。

「超人の未来のため、師である悪魔将軍の期待に応えるため」に再び悪魔超人の一員となったバッファローマンは、「何よりも師を敬愛し、だからこそ師が少しずつ変わっていってしまったことを認められなかった」ガンマンを撃破。ネメシスは正義超人を敗るも、ギリギリまで追い詰められた結果「散っていった仲間たちのために負けられない」との想いから友情パワーを発動してしまい、大いに戸惑う。
ジャスティスマンはテリーマンを終始翻弄するも、どれほど叩きのめされても立ち上がる彼の闘志と、それに共感していく若き超人たちの気配を見て「我々は自らの肉体を鍛え上げて永遠の規範となろうとしたが、この男が示したように“誰かに自分の意志を継承させていく”というスタイルでも永遠の規範を生み出すことができるかもしれない」と判断。悪魔将軍とシルバーマンの目指した方向性の正しさを認め、それを理由に試合を放棄し、なお闘志を燃やすテリーマンに勝利を譲る。

この状況にサイコマンは激昂。「まだ戦えるのに敗北を認めるとは何事か。結局始祖の未来とザ・マンのことを真剣に考えているのは自分だけだった、自分さえいれば完璧超人はいくらでもやり直せる」と主張して対戦していた正義超人を叩きのめす。しかし、ここに悪魔将軍とのイザコザで肉体を失ったはずのシルバーマンが現れ、「正義超人は自分の直弟子たちが源流となって生まれた者たち。その後始末は自分が請け負う」とサイコマンとの対戦を引き継ぐ旨を宣言する。
シルバーマンに対して「始祖の中でも特に優れた人物」との敬意を抱いていたサイコマンはこれを承諾し、ここに始祖同士の対決が実現。シルバーマンは「君は真面目過ぎた、だからこそザ・マンを止められずに師の暴走を率先して後押ししてしまった」と諭しつつもサイコマンに猛攻を加え、自身の編み出した文字通りの必殺技で彼を仕留める。

始祖たちは「自分が完璧超人以外の者に敗れ、その実力を認めた時、相手に“全て集めることでザ・マンを含む始祖を滅ぼすダンベル”を渡す」という掟があった。悪魔将軍たちが持つものも含めてここに全てのダンベルがそろい、彼らは消滅するはずだった。しかし、「数億年もの間この世を見守ってきた我ら始祖が、簡単に消えていいわけがない」と考えたサイコマンがこの仕掛けに密かに細工を施しており、彼だけがこの世から消えていく。
始祖たちとの友情に殉じる彼の姿にシルバーマンは涙し、しかし自身もまた力を使い果たして消えていく。もともと肉体を失っていたシルバーマンと悪魔将軍は、なんとか1人分の肉体を再生するだけの力を蓄え、それを「ザ・マンを正す」という目的のために悪魔将軍が使うことで話を付けていた。シルバーマンは始祖たちの中でも特に友情を感じていたサイコマンを止めるためだけに復活し、ザ・マンのことを兄に託して再び眠りにつく。生き残ったジャスティスマンも、テリーマンとの戦いで見出した新たな道を模索するためにザ・マンの下を去るのだった。

完璧超人始祖の秘密

かつて地上に超人という種が生まれた時、彼らはその有り余る力を己の欲望のままに振るい、悲劇と混乱を果てしなく広げていた。これを見た神々は「超人という種の横暴は目に余る、滅ぼすべきだ」と判断。超人だけを滅ぼす光線を地上に照射しようとするが、ここで1人の神が待ったをかける。「超人とて元はといえば我らが生み出した存在、それをこちらの都合で簡単に消すのはあまりに身勝手な話だ」と主張した彼は、自分が超人の可能性を見定めると言って神の座を捨てて地上に降りる。これが後のザ・マンだった。
ザ・マンは、当時の超人の中からその才能を見込んだ10人を自らの弟子とし、彼らに永遠の命を与えて徹底的に鍛え上げていく。10人の弟子はザ・マンの期待に応え、地上の他の超人とは比較にならない実力者として成長していくが、誰1人としてザ・マンを超えることはできなかった。

「超人は神々の想像を超える存在になりうる。それを示すことでこそ、自分を超える弟子を育てることでこそ“超人の殲滅”という神々の決定を完全に覆すことができる」と考えていたザ・マンはこれに失望し、別の形での超人の存続を追求していく。「地上の超人たちに密かに干渉し、彼らが暴れ過ぎないよう、増え過ぎないよう、自分たち完璧超人に制御できないほどの力を身に着けないよう導く」というのも、ザ・マンが超人という種を生き永らえらせるために苦渋の中で選んだ道の1つだった。
多くの始祖たちがザ・マンの変貌に心を痛める一方、「超人のために神の座を降りることまでしてくれた彼の期待に応えられない自分たちが悪い」との想いから唯々諾々と従う。しかし悪魔将軍だけは「なんとしても超人という種の恩人である師の期待に応える、仲間たちの下を離れてでもその方法を見付ける、何億年かかっても必ず“自分を超えてほしい”という彼との約束を果たす」と決意して出奔し、その弟のシルバーマンも「兄の考えは正しい」とこれに続いた。やがて悪魔将軍が育てた超人の一派は悪魔超人に、シルバーマンが育てた超人の一派は正義超人へと成長。しかし当の本人たちは「始祖たちへのけじめ」として殺し合いを演じることとなり、相打ちの形で肉体を失う結果となった。

「友情パワー」によって自分たちが築き上げた秩序が崩壊することを恐れたザ・マンが、これを消滅させるために動き出したことを知った悪魔将軍とシルバーマンは、少しずつ蓄えた力を使って新たな肉体を獲得。ザ・マンの目論見を潰すため、今度こそ彼を止めるために動き出したのだった。

キン肉一族の闇

数億年を共に過ごした弟子たちを失い、ザ・マンは「私は何か間違えていたのか、他にどんな方法があったというのか」と悩み始める。彼の下に残ったネメシスは、「あなたは間違っていない、完璧超人の強さと正しさに救われた者も大勢いる。私もその1人だ」と主張。それを証明するために、キン肉マンと戦うこととなる。
ネメシスの正体は、キン肉マンの大叔父にあたるキン肉サダハルという人物だった。キン肉星の王族の子として生まれた彼は、幼い頃から並外れた才能を発揮していた超人レスラーだったが、兄のタツノリを次代の王にしたい者たちの謀略によって処刑されそうになる。清廉潔白なタツノリは「弟を死なせるわけにはいかない」と彼を密かに逃がし、果ての無い政争を続ける国内の暗部に容赦なくメスを入れていく。

危険を冒して自分を逃がしてくれた兄に感謝しながら国を後にしたサダハルは、レスラーとしての自分の力を極限まで試すべく、完璧超人になることを決意。試練を超えてその才覚を認められ、完璧超人の特権である永遠の命と「ネメシス」という新たな名を与えられる。しかしそんな時、サダハルは国の改革を断行するタツノリが同族によって捕らえられて拷問を受けていることを知り、「命懸けで自分を救ってくれた兄を、民と一族のために今も尽くしている若き王を、国が葬ろうというのか」と激昂。これによりキン肉星とそこで暮らす者たちに決定的に失望し、「完璧超人以外の超人を滅ぼす」というザ・マンの意志に賛同し、自ら母国を滅ぼそうとしていた。
キン肉マンとの戦いの中、ネメシスは「兄はなぜああまでされてまで国のために尽くしたのか、この男が兄から受け継いだものはなんなのか」と悩み、やがてそれこそが「友情パワー」の根幹である「他者に対する慈悲の心」であることに気付く。ただ自らが完璧な存在であることだけを追求する完璧超人からは生まれないその発想は、家族や仲間だけでなく戦う相手のことさえも想い、それを救わんとするために発揮されるものだった。

自分が今生きているのも、タツノリが命懸けで示した慈悲の心のお陰であることを悟ったネメシスは、目の前で必死に自分に食い下がるキン肉マンこそがそれを正しく受け継いだ存在であることも理解する。それが兄の想いを否定する行いであることを知りつつも、完璧超人としての誇りと仲間たちとの絆のために勝利をつかもうとするネメシスだったが、そんな彼をも救うために戦うキン肉マンの前に惜敗。兄の貫いた理想の正しさと、それを受け継いだキン肉マンの強さを称賛しつつ力及ばなかったことを認める。
この試合を見届けたザ・マンは、完璧超人の掟に従い惜しみながらもネメシスに死を要求。ネメシスはこれを受け入れようとするも、生き残りの完璧超人たちは「彼はこれからの完璧超人界に必要な人物、死なせたくない」と反抗する。ここに悪魔将軍が割って入り、「これで邪魔者は入らない。いよいよ自分たちの因縁に決着をつける時が来た」とザ・マンに挑戦状を叩きつける。

果たされる師弟の誓い

ザ・マンは悪魔将軍の挑戦を受け、ここに師弟対決が実現。キン肉マンやネメシス、バッファローマンたちが見守る中、もっとも神に近い超人とかつて神だった超人の頂上決戦が開始される。悪魔将軍はかつてキン肉マンを死の寸前まで追い詰めた以上の力を発揮して相手を攻め立てるが、ザ・マンはそれをことごとく受け切って激烈な反撃を叩き込む。
ザ・マンの奥義を食らってリングの上に倒れ伏す悪魔将軍を見て、キン肉マンは「私がもっとも恐れた男が、目の前で倒れている」と戦慄。完全に勝負あったかと思われたその時、即死してもおかしくないほどのダメージを受けた悪魔将軍はそれでも立ち上がり、「始祖たちの誰もがお前を救いたいと願っていた、我らの不甲斐なさがお前を狂わせた。数億年もの時間をかけて回り道をしてきたが、お前だけは私が救ってやらなければならない」と宣言。かつての仲間たちとの絆と、師を救うという強固な決意の下、「友情パワー」に限りなく近い新たな力に目覚める。

その状態の悪魔将軍を前にしても、ザ・マンはほとんど互角に立ち回るが、次第に劣勢に追い込まれていく。やがて悪魔将軍が「師との約束を果たす」ためだけに編み出して鍛え上げた必殺技が炸裂し、師弟の長き因縁は決着。ザ・マンは「ついに弟子が自分を超えた、私は間違っていなかった」との安堵と喜びの中で倒れ、悪魔将軍の手で介錯されんとする。
しかし、ここにキン肉マンが割って入る。彼は「戦いが終わり、全てのわだかまりが消えた今、命のやり取りをする必要は無い」と主張。「主義主張が違うだけで、誰もが自分の信じる正義のために戦った。そこに間違いはなかった、ただ擦れ違いがあっただけだ。それが正されてなおお前が師の命を奪うというなら、私は戦ってでもそれを止める」と決然と言い切るキン肉マンを見た悪魔将軍は、処刑を取りやめる代わりに「自分を含む完璧超人に与えられた“永遠の寿命”の永久廃止」をザ・マンに命じる。

かくして限りある命を持つただの超人として、完璧超人たちは新たな道を歩み始める。悪魔将軍はキン肉マンの示した力と度胸を称賛しつつ、生き残った悪魔超人たちを率いて撤収。結果として共闘してくれた彼らに心からの感謝を述べたキン肉マンは、ザ・マンから「過ちと回り道の末に弟子によって救われた。そのきっかけとなってくれたお前は、私のように間違えるな」との助言を贈られる。「そうなったら自分がお前を止めてやる」と嘯くネメシスに、「その時は分かり合うために互いの力を尽くそう」と言葉を返し、キン肉マンは彼と拳と拳を合わせて戦士としての誓いを交わすのだった。

『キン肉マン 完璧超人始祖編』の登場人物・キャラクター

正義超人

キン肉マン(キンにくマン)/キン肉スグル(キン肉スグル)

キン肉星の若き王。超人としては「キン肉マン」の名で活動しているが、本名は「キン肉スグル」。
強敵を前にすると「怖い」、「戦うのは嫌だ」と連呼して逃げ出すヘタレな性格だが、自分以外の誰かのためならいくらでも勇気と力を振り絞る。彼が“誰かのために”と発揮した不可思議な力は「友情パワー」と命名され、敵味方を超えて様々な超人に影響を与えていった。

テリーマン

アメリカ出身の超人。キン肉マンとは無二の親友であり、最高のタッグパートナー。
普段は冷静だが、本質的には血気盛んな性格で、猛烈な闘志を武器に次々と強敵を下してきた。

シルバーマン

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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漫画作品はストーリーを生み出し、世界観にあったキャラクターを創り上げて原稿を仕上げるという、大変な苦労と努力の末に成り立っている。週刊漫画誌に掲載されている作品であれば、なおさらその苦労は計り知れない。一方で原案・作画などに担当を分け、同じペンネームを使用して共同作業を行っている漫画家も存在しているのだ。本記事では実は2人組で活動をしている漫画家の情報をまとめて紹介する。

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【ドラゴンボール】人気漫画ONE PIECEが影響を受けたと思われる作品まとめ【キン肉マン】

【ドラゴンボール】人気漫画ONE PIECEが影響を受けたと思われる作品まとめ【キン肉マン】

今や日本だけではなく海外でも高い人気を誇る漫画『ONE PIECE』。その作風を見ていると、様々な作品に影響を受けていることがわかります。この記事では、作者・尾田栄一郎氏の漫画制作に影響を与えたと思われる作品についてまとめました。『ドラゴンボール』や『キン肉マン』がその中に含まれているのは納得ですね!

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JCのみの紹介が惜しい、超人募集の力作

JCのみの紹介が惜しい、超人募集の力作

週刊少年ジャンプの1986年の50号 、王位争奪編の93話「ビッグ・タスクの秘密!!」(マンモスマンのビッグ・タスクがその意思と無関係に獲物を追って伸びるようになった理由が分かる回)の扉絵で紹介された作品群。 受賞作の発表は本来この頃の予定であったが、絵から分かるように投稿葉書のあまりの多さに審査に時間がかかり、翌年の10号(「皮肉な師弟対決!」)に持ち越しとなった。

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【年代順】週刊少年ジャンプの短命・糞漫画まとめ【創刊1968年~1999年】

【年代順】週刊少年ジャンプの短命・糞漫画まとめ【創刊1968年~1999年】

1968年の創刊から少年たちに夢と希望を与え続けている『少年ジャンプ』。しかしその中には、あまり人気が得られず連載わずかで終わってしまった作品も。作者都合や短期集中連載などもあるため、必ずしも糞漫画だけではありませんが、ここでは創刊から1999年の歴史の中で短命に終わってしまった漫画をまとめました。

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