ブルーバレンタイン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブルーバレンタイン』とは2010年公開のアメリカの恋愛映画。あるカップルの出会いから結婚、破局までを描く切ないストーリー。価値観の違い、気持ちの温度差、方向性の違い、仕事の格差から冷め切った夫婦をライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが演じ、過激な性描写や体重増量も辞さない迫真の演技で、2人とも第68回ゴールデングローブ賞にノミネートされた。デレク・シアンフランス監督は10年かけて脚本を練り上げ、第63回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に出品された。
シンディの元恋人のボビーから殴られたディーンだったが、夕食会に招かれシンディの家を訪れた。
そこでディーンはシンディの父から色々質問され、正直に答えていった。
ディーンの母は10歳の時に男と家を出てしまい、父は楽器が得意で雑用係をしていた。ディーンは高校を出ていなかった。
ディーンの生い立ちを聞いたシンディの母は、娘と環境が違い過ぎると感じた。母はシンディが勉強家で、コムストック教授に将来有望株だと言われていると話した。
ディーンは教授の名前が面白かったらしくそこで吹き出したが、シンディにも家族にも何が面白いのか分からなかった。
ディーンは「娘は医者志望だ」という父にシンディを褒めちぎり、2階の彼女の部屋へ向かった。
部屋でディーンは、「自分とシンディは釣り合わないが、ふさわしい男なんていないのだから立候補する」と言ってシンディにキスをした。
そして2人だけの曲だと1枚のCDを渡した。それは「未来ルーム」でディーンが持ってきたCDだった。この時がディーンとシンディの幸せの絶頂だった。
別れ

別れのとき。ディーンを追いかけてくるフランキーをシンディのもとに帰し、ディーンは一人立ち去る。
ディーンとシンディは、フランキーの待つシンディの父の家に向かった。
フランキーを抱きしめるディーンの指には、結婚指輪はなかった。
外に父とフランキーを残して、2人は話し合いをするため家に入った。
ディーンは小さな娘のことも考えなければと切り出すが、シンディは泣きながら「もう無理だ」と答えた。壊れた家庭で娘を育てることにディーンは反対したが、シンディは傷つけあう親の姿を見せたくなかった。
2人とも泣いていた。
ディーンは謝り、別れないように「言う通りにするから」と懇願したが、シンディは限界で別れることしか考えられなかった。
ディーンはシンディを抱きしめ、「結婚の時に誓いを立てた。もう一度チャンスをくれ」と詰め寄った。しかしシンディの心は変わらなかった。
家を出ていくディーンをフランキーが追いかけた。
「行かないで」と言うフランキーは、彼のそばを離れなかった。
「競争だ」とフランキーに後ろを向かせ、ディーンは背中を押した。待っていたシンディがフランキーを抱き上げた。
『ブルーバレンタイン』の登場人物・キャラクター
ディーン・ペレイラ(演:ライアン・ゴズリング)

子煩悩でユーモアがあり優しい性格。
歌や踊り、部屋の飾りつけなどが得意。
何よりも家族を大切にしているが、仕事はペンキ塗りで朝から酒を飲んで仕事に行く。全く今の生活を変える気はなく、向上心の強い妻のシンディとぎくしゃくしている。
妻のシンディとフランキーをとても愛しているが、フランキーは実の娘ではない。
生い立ちは父子家庭で、高校は出ていない。
ロマンチストであり、シンディと結婚する際には2人の曲だと言って、1枚のCDを渡す。
シンディ・ヘラー (演:ミシェル・ウィリアムズ)

向上心があり、常に新しい仕事に前向き。学生の頃から医学を目指し、医療現場で看護師として働いている。
生い立ちは仲の冷え切った両親のもとで育ち、両親のような夫婦にはなりたくないと思っている。
祖母のことが大好きで、祖母といる時が心安らぐときである。
大学時代、祖母の入所している老人ホームでディーンと出会う。
男性経験豊富なシンディは大学の時の元恋人ボビーの子を身ごもるが自分の子ではないとわかった上で家族になろうと言ってくれたディーンと結婚する。
現状に甘んじているディーンに不満を持っている。
意志が強く一度嫌いになったものは一貫して嫌いになる。はっきりした性格。
フランキー (演: フェイス・ワディッカ)

ディーンとシンディの娘。ディーンとは血が繋がっておらず、シンディの大学時代の恋人のボビーが実の父親。
ディーンのことが大好き。
ボビー・オンタリオ(演: マイク・ヴォーゲル)

シンディの大学時代の元恋人。アメフト選手だったが、現在は低所得層労働者。
7年前シンディが自分の子を妊娠していると知らず、シンディがディーンに単に心変わりしたと思いディーンをボコボコに殴った。
今でもシンディが自分の子供を育てていることを知らない。スーパーで偶然シンディと会い声をかける。
シンディの祖母(演:マリアン・ブランケット)

シンディが家族の中で唯一大好きで信頼しているおばあちゃん。
老人ホームに入所している。
ジェリー・ヘラー(演:ジョン・ドーマン)
シンディの父。かつては亭主関白で妻に厳しく当たっていた。現在は穏やかになり孫のフランキーの面倒をよく見ている。
病気で酸素マスクが離せない。
サム・フェインバーグ(演:ベン・シェンクマン)
シンディの上司で医者。シンディが既婚者と知りながら好意を寄せている。
シンディを新しい仕事に誘うが下心あってのことでシンディを落胆させる。
酔って職場に乱入してきたディーンに殴られる。
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目次 - Contents
- 『ブルーバレンタイン』の概要
- 『ブルーバレンタイン』のあらすじ・ストーリー
- 犬の失踪
- 7年前・ディーン
- 未来ルームへ
- 7年前・シンディ
- 未来ルームで
- 7年前・出会い
- 再び未来ルーム
- 7年前・妊娠
- 未来ルームの朝
- 7年前・シンディの部屋
- 別れ
- 『ブルーバレンタイン』の登場人物・キャラクター
- ディーン・ペレイラ(演:ライアン・ゴズリング)
- シンディ・ヘラー (演:ミシェル・ウィリアムズ)
- フランキー (演: フェイス・ワディッカ)
- ボビー・オンタリオ(演: マイク・ヴォーゲル)
- シンディの祖母(演:マリアン・ブランケット)
- ジェリー・ヘラー(演:ジョン・ドーマン)
- サム・フェインバーグ(演:ベン・シェンクマン)
- 『ブルーバレンタイン』の用語
- メーガン
- キューピッドの入り江
- 未来ルーム
- 『ブルーバレンタイン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ディーン 「男は女よりロマンチストだ 。結婚する時は1人しか目に入らない。この女を逃したら俺はバカだと思う 。でも女は男を値踏みし選り好みする 。王子様を待ち続けるが結局選ぶのは稼ぎのいい男さ」
- シンディ「いつか消える感情なんて信じられる?」 シンディの祖母「愛を見つけるには感情を持たなくちゃ 。愛を信じる権利がある。 自分を信じるの」
- ディーンとシンディが偶然同じバスに乗り合わせバスを降りて並んで歩き、ブライダルサロンのショーウインドウの前でディーンのウクレレに合わせてシンディが踊るシーン。
- 花火とともに幸せだったころの映像が浮かび上がるエンドクレジット
- 『ブルーバレンタイン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画はある年の7月3日から4日の独立記念日にかけての話である
- 脚本を書いた理由はデレク・シアンフランス監督が20歳の時に経験した両親の離婚
- デレク・シアンフランス監督はしっかりした脚本があるにも関わらず、ディーンとシンディの口論のシーン、歌とダンスのシーンなどは即興でやってくれと頼んだ
- 『ブルーバレンタイン』は2部作の予定だった
- 主演のライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズは1ヶ月の共同生活で夫婦としての役作りに備えた
- 『ブルーバレンタイン』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Grizzly Bear『Alligator』
- 挿入歌:Penny and the Quarters『You and Me』
- 挿入歌: The Mills Brothers『You always hurt the one you love』