BURN THE WITCH(バーン・ザ・ウィッチ)のネタバレ解説・考察まとめ
『BURN THE WITCH(バーン ザ ウィッチ)』とは、久保帯人による日本の漫画及びそれを原作とするアニメ作品。
ロンドンの裏側に存在する街リバース・ロンドンで、ドラゴンと呼ばれる異形の存在への対処を担う組織ウイング・バインド。ニニーとのえるはそこに所属する魔女であり、それぞれ実力は確かながら噛み合わない名物コンビだった。彼女たちの知己でドラゴン憑きでもある青年バルゴが処分対象とされたことを発端に、ニニーとのえるは組織の上層部や伝説の怪物を敵に回して大立ち回りを演じていく。
リバース・ロンドン
ロンドンの裏側にあるとされる、もう一つのロンドン。この街が破壊されるとロンドンの同じ場所でも同様の破壊が発生する、合わせ鏡のような存在。
この街にも人間が暮らしているが、ニニーやのえるのように普段は普通のロンドンで暮らしている者も少なくない。彼女たちのような生活をしている者は「最初はロンドンで暮らす普通の人間だったが様々な事情でリバース・ロンドンに来た」らしいが、詳細は不明である。
ウイング・バインド
リバース・ロンドンにおいて、ドラゴンへの対処を一手に担う組織。笛吹き隊、戦術隊、呪歌隊、聖務隊、魔陣隊、開発隊、経理隊、人事神罰隊の八つの部隊が存在し、それぞれに特化した業務を行っている。
それぞれの隊に上下は無いとされているが、組織の中の人間にとっては独自の憧れなどから優劣もあるようで、ニニーは「実績を上げて地味な笛吹き隊から戦術隊に異動する」ことを目標に掲げている。
魔女/魔法使い(ウィッチ/ウィザード)
試験を突破し、ウイング・バインドの所属となった者たちの総称。魔器と呼ばれる道具を利用して様々な超常現象を起こすことが可能で、ドラゴンに触れても負の感情を吸収されないようにする術を心得ている。
その力を使ってダークドラゴンの退治からリバース・ロンドンのライフラインを支えるドラゴンのメンテナンスなど様々な仕事を引き受けており、それぞれの隊ごとにかなり専門性の高い仕事をこなしている。そのため異動は簡単ではないようで、たとえば笛吹き隊から戦術隊に入りたい場合は相応以上の戦闘実績を挙げる必要がある。
トップ・オブ・ホーンズ
ウイング・バインドの最高意志決定機関。それぞれの隊の長が集い、重要案件を巡って議論する場だが、平和が続いたためかもともとの気質か各隊の長ごとに会議に対する温度差が激しい。
ウルフギャングがまとめ役として取り仕切っており、朝令暮改のような形になったとしても彼の最終判断に異を唱える者はいないようである。
セシルは二度死ぬ(セシル・ダイ・トゥワイス)
ロンドンを中心に活動するアイドルグループ。ニニーとメイシーが所属している。しかしメイシーは本来の自分と事務所に押し付けられたキャラクターの乖離に悩んでおり、ニニーと共にがんばりたい一心で耐えていたものの結局は離脱する。
マスコミの間ではニニーとメイシーの不仲説が囁かれていたこともあり、season1の時点ではメイシーの離脱がマスコミの最大の関心事となっている。
ドラゴン憑き
ドラゴンと長時間接した人間が陥る症状。無差別にドラゴンを呼び寄せる体質となってしまい、法律上は人間ではなくドラゴンとして扱われるようになる。
童話竜(メルヒェンズ)
リバース・ロンドンの誕生以前から存在する、強大な力を持つ七頭のドラゴンのこと。
その名の通り一頭ずつ童話の名前を冠しており、「スノーホワイト」、「レッドドレス」、「ゴールデンアックス」、「バブルス」、「シュガーハウス」、「バンド・オブ・アニマルズ」、「シンデレラ」が存在。season1ではシンデレラが登場し、リバース・ロンドンにすさまじい破壊をもたらした。
『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
バルゴ「お前が人を食うって言ってんのに、黙って置いてけるわけねえだろ!!!」
読み切り版にて、負傷したニニーを庇ったバルゴが、覆面竜としての正体を表したセルビーに向かって言い放ったセリフ。
本物のセルビーが七歳の時に死んだなら、目の前の怪物は本物のセルビーよりも長い間、自分の親友として過ごしてきたことになる。たとえ正体が人でなかったとしても、彼から感じた友情と優しさを本物だと確信しているからこそ、バルゴは危険を承知でセルビーを止めようと説得を試みる。
実際ここに至るまでセルビーはバルゴに逃げるよう勧めたり、バルゴが惚れているのえるは条件次第で見逃してもいいと譲歩したり、食い殺すつもりでニニーに放った攻撃が割り込んだバルゴに受け止められた際は骨までは砕けない程度のダメージしか与えなかったり(慌てて手加減したと思われる)と、何かと彼を気遣う素振りを見せている。
最終的には「魔女を食って不死身になる」という目的を優先させるも、怯んだのか呆気に取られたのか、このセリフを聞いて数秒ほどの間はセルビーは棒立ちになっていた。このわずかな時間にのえるの援護が間に合い、ニニーとバルゴは命拾いすることとなる。
ニニーを守るため、親友を救うため、命懸けで立ち向かったバルゴの姿に、のえるも「今のはちょっとカッコ良かった」と珍しく称賛を送っていた。
のえる「責められるようなことしてませんけど」 ニニー「よく言ったって褒めようとしたのよ!」
メイシーを利用し、策略をもってバルゴを捕らえようとしたブルーノのファッションセンスを小気味よく嘲って激昂させたのえると、それに対するニニーの言葉。二人のやり取りは、より正確には以下の流れである。
ニニー「ニーハ!」
のえる「なんですか。責められるようなことしてませんけど」
ニニー「違う!よく言ったって褒めようとしたのよ!」
のえる「褒められるようなこともしてませんけど」
じゃじゃ馬で跳ねっ返りのニニーと、ローテンションでマイペースなのえるのそれぞれのキャラクター性、そして二人の関係性がよく見えてくるシーンである。
硬軟織り交ぜた手でニニーたちの先手を打ったブルーノに対する痛烈な返しの余韻と、ここから始まる大逆転を予感させる。そして実際に、ここから二人はトップ・オブ・ホーンズの一人であるブルーノ相手に大立ち回りを演じていくこととなる。
ニニー「魔法が途中で解けるのは、それが自分の力じゃないからよ」
圧倒的な力を持つ童話竜シンデレラを前に、自分が説得すると無謀なことを言い出したメイシーに対し、ニニーが「おとぎ話みたいなことを言うな、あんな途中で解ける魔法なんか意味がない」と言い放った直後に続けた言葉。
ここでいうおとぎ話とは、話の内容からもシンデレラのことだと思われる。自分以外の者の力で前に進もうとしたメイシーと、自分の力で進むニニーの対比であり、眼前に迫る“シンデレラ”との対比でもある。ニニーはさらに「あたしたちは魔法をかける側でしょ」と言葉を続け、メイシーに自分の力で立ち上がることを促した。
結局ニニーとのえるは独力でシンデレラを倒すことはできず、その意味ではやや片手落ちとなった印象もある。しかしこれは二人がまだ未熟な存在だという演出と捉えることも可能で、「本作をseason2以降も作り続け、二人が自分だけの力で歩き出すところまで描きたい」という製作者サイドの意思表示とも受け取ることができる。
いずれにせよ、season1のクライマックスとも言うべき名シーンである。
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目次 - Contents
- 『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)の概要
- 『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)のあらすじ・ストーリー
- 『BURN THE WITCH #0.8』(2018年 読み切り版)
- 『BURN THE WITCH season1』(2020年 短期連載版)
- 『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)の登場人物・キャラクター
- 笛吹き隊(パイパーズ)
- ニニー・スパンコール
- 新橋 のえる(にいはし のえる)
- ビリー・バンクスJr.(びりー・ばんくす・じゅにあ)
- バルゴ・パークス
- メイシー・バルジャー
- トップ・オブ・ホーンズ
- ブルーノ・バングナイフ
- ウルフギャング・スラッシュハウト
- サリバン・スクワイア
- ロイ・B・ディッパ―
- キュントナイア・ミリーヴ
- トロンボーン・タッキネン
- サカ・リン
- ハリー・シェイク
- ドラゴン
- オスシ
- セルビー
- エリー
- シンデレラ
- リッケンバッカー
- 『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)の用語
- ドラゴン
- ダークドラゴン
- リバース・ロンドン
- ウイング・バインド
- 魔女/魔法使い(ウィッチ/ウィザード)
- トップ・オブ・ホーンズ
- セシルは二度死ぬ(セシル・ダイ・トゥワイス)
- ドラゴン憑き
- 童話竜(メルヒェンズ)
- 『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- バルゴ「お前が人を食うって言ってんのに、黙って置いてけるわけねえだろ!!!」
- のえる「責められるようなことしてませんけど」 ニニー「よく言ったって褒めようとしたのよ!」
- ニニー「魔法が途中で解けるのは、それが自分の力じゃないからよ」
- オスシ「ノエルチャンパンツミセテ」
- 『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- リバース・ロンドンは尸魂界の一部である
- 『BURN THE WITCH』(バーン ザ ウィッチ)の主題歌・挿入歌
- 主題歌:NiL『Blowing』(『BURN THE WITCH』)
- 主題歌:NiL「PROVE」(『BURN THE WITCH #0.8』)