AIR(エアー)のネタバレ解説・考察まとめ
『AIR(エアー)』とは2000年にKeyによって制作された18禁恋愛アドベンチャーゲームであり、2005年に京都アニメーションによってアニメ化もされた作品である。舞台は寂れた田舎の港町そこに訪れた人形を操る青年国崎往人。彼は彼は密かに探しているものがあった。それは幼き頃、亡き母が語ってくれた「今も空にいるという翼を持った少女」。そしてそれは町に住むある少女神尾観鈴観によって成就することなる。
『AIR』の概要
『AIR(エアー)』とは2000年にKeyによって製作された18禁恋愛アドベンチャーゲームであり、2005年にアニメ化もされた作品。同社前作の『Kanon』に続いて少年少女の恋愛にファンタジーを絡めた作品である。
また、物語の完成度が高いうえに物語にあった高品質のイラスト・音楽も相まって、「泣きゲー」の代表格として現在も絶大な人気を誇っている。
2000年度の年間セールスで10万本を超える大ヒット作品となった。
2000年に発売されてからしばらくはメディア展開はされなかったが2004年になって、コミックの連載が開始された他、翌2005年には京都アニメーションによるTVアニメ化がなされ、BS-iにて全12話、総集編と特別編前後編が放送、東映アニメーションによる劇場映画化がなされた。
物語は第一部「DREAM編」・第二部「SUMMER編」・第三部「AIR編」の三部構成となっている。
第一部「DREAM」編は現代が舞台であり、ある寂れた田舎の港町を訪れた人形遣いの青年(国崎往人)がその町で出会った少女達と紡ぐひと夏の出来事が描かれている。
第二部「SUMMER」編は千年前の夏が舞台であり、主人公とヒロインの運命的な繋がりが描かれている。
第三部「AIR」編は再び現代が舞台だが、物語の視点が国崎往人ではなくカラスの「そら」視点から第一部の物語を見ることになる。
『AIR』のあらすじ・ストーリー
DREAM編
「法術」と呼ばれる不思議な力で人々に芸を見せながら旅を続けてきた人形使いである主人公の国崎往人。往人には密かな夢があった。それは亡き母から聞かされていた「この空のどこかにいる翼の生えた少女」を見てみたいというものである。
ある夏の日、海辺にある小さな田舎町へと辿り着いた往人は、そこでいつものように芸を見せる。だが子供たちにバカにされ全く稼げない。空腹のあまり堤防で行き倒れていた往人の前に、神尾観鈴という少女が現れる
観鈴と打ち解けた往人は、話の流れで観鈴の家で居候させてもらうことを彼女の母である神尾晴子に認められる。観鈴の家に住むようになった往人が、街で法術を用いて芸をしていると、先日出会った霧島佳乃という少女と再会する。
それもそのはず、往人が芸をしているその場所は佳乃の姉である霧島聖が開業した診療所の前だったからだ。往人を気に入った聖は「うちの診療所で働かない?」と往人を誘う。ある日、観鈴と堤防にやってきた往人は、観鈴から「自分は空にいるんだ」という不思議な言葉を聞いた。往人はその夜、虚ろな目をして何か奇妙なことを一人で喋っている佳乃を見つけ、その後を追い観鈴と共に神社にいくことにした。
その神社で、突然往人と観鈴は不思議な光景に包まれる。しかしその光景はすぐに見えなくなり、往人達は神社に戻っていた。すると佳乃はものすごい力で往人の首を絞め始め、そのまま唐突に倒れてしまう。肝心の佳乃は何があったのかを憶えていない。
ある日、往人は夢を見ていた。それは、亡くなった母親から聞かされた「肩に翼のある少女」の夢であった。往人はその夢が気になり、観鈴が見たという夢の話を聞き、より一層不安を抱くようになる。
ある日、往人は観鈴の同級生である美凪から「自分は妹がいるはずだった」という話を聞かされる。美凪の母は、美凪の妹となるはずの子どもを流産してしまった過去があった。そのショックから母親は精神を病んでしまい、やがて美凪自身も自分の居場所をなくしたという。居場所をなくした美凪を放っておけない往人は、観鈴の家を出て美凪と共に廃線で暮らすことにした。
その後、そこに美凪の友達であるみちるも加わった3人を観鈴が木陰から見ていた。そんなある日、観鈴は突然倒れてしまう。往人は、そんな観鈴に黙って日記を盗み見するが、あまりに日記に書く内容ではなかったため、往人はせつなくなり、「これからはやりたいことを書け」と観鈴に告げる。すると、「海に行きたい」と観鈴は言い出す。
しかし、その後も観鈴の体調は一向に治る気配がなく、往人はそれは自分のせいであると感じる。それと同時に往人は自らの体にも異変を感じる。そこで往人は「自分たちは、一緒にいたら二人とも救われない」と考え、一時的に彼女の元を離れる。しかし彼は観鈴のために何かできることがあるのではないかと思い直し、法術を使いこれからずっと彼女を笑わせることを誓う。その強い気持ちが、往人自身を犠牲にして観鈴の命を延ばすという奇跡を生み出す。
SUMMER編
舞台は大きく変わり1000年前の夏。
神奈備命(神奈)は当時生き残る唯一の翼人である。当時、翼人はその強大な力で不幸をもたらすものと考えられていた。そのせいで、神奈は邸に閉じ込められていた。そんな彼女の守護を任されたのは、柳也という青年である。柳也はそんな彼女を不憫に思い、神奈を神奈の母と合わせようと神奈の女官である裏葉とともに決意した。追っ手から逃れついに紀州の霊山に封印されてい神奈の母に出会えた三人。神奈の母は柳也にむかい「神奈を連れて今すぐ山を下りなさい」と命じるが、突然神奈は霊山の僧に呪いをかけられてしまった。その呪いはそばにいる人が苦しんでいる夢をみて、ひとりさびしく死んでゆくというものだった。また、翼人の記憶は人間が受け継ぐにはあまりにも大きく、体がもたない。そこで柳也と裏葉は、それを救おうと自分の子孫たちに神奈の生まれ変わりを探して法術で救うように指示する。しかし彼らの子孫は神奈の生まれ変わりを救うことができず、神奈の生まれ変わりたちは、みな苦しんで不幸のうちに死んでいくことになる。
AIR編
そして再び現代に転生。
往人はカラスの「そら」となり、あらためて観鈴の人生を見届ける。観鈴と晴子は本当の親子の絆で結ばれ、観鈴は翼人の記憶を受け継ぐことに成功する。そして、観鈴は晴子やそらに見守られながら満足して死ねたことで、1000年前の呪いは遂に終わりを迎える。観鈴が満足して人生を終えたことを見届けたそら(往人)は、観鈴の魂を迎えに、空に飛び立つ。
場面は変わり観鈴と往人の出会いのシーン。
海辺にいる2人の子供のうち、男の子は往人、女の子は観鈴の魂の継承者である。呪いはもう断ち切られているため当然彼らには呪いはかかっていない。このように翼人に関する長い長い物語が終わったのである。
『AIR』の主要人物
DREAM編 / AIR編
国崎往人(くにさき ゆきと)
CV:小野大輔
念を込めた物を自由に動かす力「法術」を使い、人形を動かす芸を糧に1人旅をしている。目的は少年時代に亡き母から聞かされた「この空の何所かにいる翼の生えた少女」に出会う事だが、必死に捜し求めている分けでは無く、頭の片隅に留めている程度。観鈴に目付きの悪さを指摘される様なぶっきらぼうな態度だが本当は心優しい青年。身長は高い。小さい頃から旅をしている為、稀に一般常識に欠けている部分をのぞかせる時も有るが、思考は比較的常識的な方である。
神尾観鈴(かみお みすず)
CV:川上とも子
本作のヒロイン。主人公が最初に出会う少女。少々浮世離れしているが、いつもにこにこと笑っている明るくて素直な少女。叔母の晴子と二人暮らしで、仕事で忙しい晴子に代わり家事を切り盛りしている。人と仲良くしようとすると癇癪を起してしまうため友人があまりいない。子供の頃から恐竜好きで、恐竜のぬいぐるみ、グッズ類を収集している。困ったことがあると恐竜のように「がお…」と言うのが口癖だが、晴子には禁止されている。
翼人の転生者であり、物語が進むごとに体が弱っていく。
霧島佳乃(きりしま かの)
CV:岡本麻見
観鈴・美凪とは、学年が1つ下。魔法を使えるようになるために、右手に巻いた黄色いバンダナを外さない、明るく元気な少女。両親は他界しており、主人公が辿り着いた街の繁華街で開業医を営む姉の聖と2人暮らしをしている。
遠野美凪(とおの みなぎ)
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目次 - Contents
- 『AIR』の概要
- 『AIR』のあらすじ・ストーリー
- DREAM編
- SUMMER編
- AIR編
- 『AIR』の主要人物
- DREAM編 / AIR編
- 国崎往人(くにさき ゆきと)
- 神尾観鈴(かみお みすず)
- 霧島佳乃(きりしま かの)
- 遠野美凪(とおの みなぎ)
- 神尾晴子(かみお はるこ)
- 霧島聖(きりしま ひじり)
- みちる
- ポテト
- そら
- SUMMER編
- 柳也(りゅうや)
- 神奈備命(かんなびのみこと)
- 裏葉(うらは)
- 八百比丘尼(やおびくに)
- 『AIR』の用語
- 翼人
- 神奈にかけられた呪い
- 法術
- 『AIR』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 神奈が空に昇るシーン
- 夕方の砂浜で晴子を「ママ!」と叫ぶ観鈴
- 観鈴「もうゴールしてもいいよね」
- 『AIR』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):Lia『鳥の詩』
- ED(エンディング):Lia『Farewell song』
- 挿入歌:Lia『青空』