約束のネバーランド(約ネバ)の鬼まとめ

『約束のネバーランド』とは、白井カイウ(原作)、出水ぽすか(作画)による日本の漫画作品である。
エマは孤児院でママや他の孤児たちと一緒に楽しく過ごしていた。ある日、コニーという孤児が里子に出されることとなった。エマはコニーが忘れていった人形を届けようとするが、そこで目にしたのは死亡したコニーと鬼だった。エマは孤児院が鬼の食料である人間を育てる農園だったことを知る。エマ達は安住の地を求めて脱走する。鬼の中でも社会が形成され、様々な鬼が登場する。

大僧正

王を選定し、政治を助け、民から尊敬を寄せられる『寺院』の中の鬼。幼少のソンジュに『命は神が作ったものである事』『生きとし生けるもの全てに敬意を示し、奢らずに分け合う事』を教えた鬼である。
人間と鬼の間に『約束』が結ばれた後、寺院は力をなくしていった。そして人間を飼育する農園が作られ、『養殖された人間は食べてはならない』という『原初信仰』の教えは破られる事となった。しかし、大僧正はそれを許した。そしてその贖罪として『四賢者』と呼ばれる鬼と共にただひたすらに祈りを捧げた。大僧正と四賢者は1000年間もの間祈りを捧げ続けており、今ではミイラのようになっていた。しかし、死んでいるわけではなく、仮死状態になっていた。民の中では大僧正と四賢者のお陰で養殖の人間を食べられていると考えている鬼もおり、今でも敬意が払われていた。

女王と五摂家の鬼が死亡した後、ソンジュとムジカの血を与えられて起こされた。そして女王たちがいない鬼社会を立て直すために王になるように依頼された。女王と五摂家が死んだ事を聞いた大僧正は「「滅ぶしかなかった」「殺すしかなかった」というのは残念な事じゃ。1000年前、寺院の力及ばずソンジュ、そなたにも苦労をかけた。すまなかった。」とソンジュに詫びた。そして「生じた歪みは必ず返ってくる。最初は小さく見えずとも、積もり積もっていずれ必ず耐え切れず弾ける時が訪れる。こんな日が来るのではと思うておったのだ…。だがそれも必定。だからこそ、そなたのような者が生まれ、神は我々に生きる選択肢を残されるのだ。のう。特別な血の少女よ。700年よう生き延びてくれた。よう守ってくれた。我々は今、試されておるのだ。変われるかどうかを。話は解った。私にできることは何でもしよう。」と続けた。
その時、『女王や五摂家の鬼たちが死亡した事』『ソンジュとムジカがその事件を企てた張本人である事』が一般の鬼に伝えられた。それは女王たちが死亡した事で鬼を掌握しようとするピーター・ラートリーの指示によるものだった。ソンジュたちに追手がかかり、大僧正はソンジュたちと逃げるが、ソンジュたちが大僧正を起こすために大量の血を使っていた事、大僧正が起きたばかりだった事から、ソンジュたちは捕まってしまう。

大僧正やソンジュ達は処刑されそうになるが、そこにレウウィス大公が現れる。レウウィスは国民達に邪血の真の力を明かし、女王や五摂家が国民を騙していた事を話した。そうして五摂家家臣団と四大農園責任者は逮捕された。その後、レウウィスによりムジカが新王に推挙される。その時、大僧正は「私もムジカが王に相応しいと思う。ムジカは誰より民を思い、幾度となく民を救ってきた。誰より王に相応しい。寺院やソンジュもそなたを力を尽くして支えよう。王になってはくれまいかムジカ。我らの王に。」と話し、ムジカの背中を押した。それを聞いた国民が「そうだ、王になってくれムジカ様!」「あなたが王なら安泰だ!」「確かにそれでこそ新時代だ!」と沸き立つと、大僧正は「待て、それでは何も変わらぬぞ。レグラヴァリマが全て悪い?旧支配者が全て悪い?否、その支配を許したのは民達ぞ。王に任せておんぶにだっこ。だからかくも容易に踊らされるのだ。つい先程まで「邪血を殺せ」と暴れ狂っておったようにな。王だけでなく民も考え動かねば。新しい世界は皆で守り、つくり上げるのだ。」と話した。

ギーラン家

ギーラン卿

ギーラン家の長。
ギーラン家とは、鬼の貴族であり、かつては五摂家に数えられていた。しかし700年前に他の貴族の鬼たちから騙され、一族もろとも「野良落ち」の刑に処されて、鬼社会から追放された。かつてはもっと人型に近い姿をしていたが、今では随分、野良鬼に近づいている。今は農園や市井から人肉を盗んでかろうじてその知性を保っている。今では王族や貴族を恨み、その権力を奪おうと考えている。そのため、ノーマンたちと協力関係を結ぶことになった。しかし、計画が済めばノーマンたちを喰おうと企んでいる。

ギーラン卿が五摂家だった時には、民を思いやる名君だった。
農園の生産が追い付かずに民が飢えている時には、国庫を開いて民に分け与えるように提案した。しかし、他の貴族や王族たちは下々の民にそこまで興味がなく、その提案が受け入れられることはなかった。そこで、『邪血の少女』の力で民を救おうと考え、当時、自身の配下だったドッザ卿にその行方を探すように申しつけた。しかしドッザ卿に裏切られ、『邪血の少女』を使って国家転覆を図ったとして捕らえられた。
イヴェルク公に無実を訴えたが、イヴェルク公はギーラン卿が無実だと知りつつもそれを助けようとしなかった。ギーラン卿の正しさは他の貴族や王族の鬼からすれば邪魔でしかなかったのである。そして、そのまま「野良落ち」の刑に処された。
家臣からの信頼は厚い。ギーランは野良落ちの刑が決まった時には家臣がその決定に異を唱え、家臣も野良落ちの刑を処されそうになる。ギーランは家臣の為に発言を撤回するように求めるが、家臣は共に野良落ちとなる事を選んだ。その後、ギーランは野良鬼になろうとするが、家臣は自らの肉を食べるように申し出た。

鬼の頂点に最上の肉を捧げる『儀祭(ティファリ)』が行われている最中、ノーマンの手引きにより鬼の王都に家臣を率いて侵入する。そして鬼を殺害しながら女王や五摂家の元に辿り着いた。ギーラン卿は配下の鬼に五摂家の家族を殺して食わせ、家族に成りすまして潜入させていた。そして五摂家の一人であるプポは母親だと思い込んでいたギーラン卿の手下に殺害される。ギーラン卿はプポを喰い、「野良落ち」する前の姿を取り戻す。そして女王や他の五摂家の鬼に宣戦布告する。
その後、母親を殺されて激情に駆られるバイヨン卿が襲いかかるが、それを返り討ちにし、ノウム卿の首も落とした。武人として力を蓄えてきたドッザ卿もギーラン卿に襲いかかるが、ギーラン卿の部下によって殺害された。

その他の鬼

鬼の頂点(仮)

鬼の頂点に立つ存在。超常の力を持ち、1000年前に鬼と戦いを繰り広げていたユリウス・ラートリーと約束を結び、人間と鬼の戦いを終わらせた。
名前はあるが、人間に読める名前で表記されていない。エマたちが名前を口にしているので、発声はできるようである。
子供の姿をしていることが多いが、青年、大人の姿に自在に変えることができる。

『七つの壁』を超えた先にいる。『七つの壁』は自身の意識(無意識も)が反映される空間で、自身が存在する時代や場所がコロコロ変わる。『鬼の頂点』のところへ行くには、その概念を理解し、「『鬼の頂点』のところへ行く」という意思を見せなければならない。エマとレイは『鬼の頂点』のところへ行こうとしたが、行けたのはエマだけで、レイは心のどこかで迷いがあり、アジトへと飛ばされた。

『鬼の頂点』は到底不可能と思える願いも叶えることができる。しかし、願いを叶える際に『鬼の頂点』からお願いをされる。その願いは拒否してはならないとされている。
1000年前、ユリウス・ラートリーは「人間は鬼を狩らない、だから鬼も人間を狩らない」「お互い世界を棲み分けよう」という約束を交わした。『鬼の頂点』はその願いを叶える代わりに、鬼に対して『その年に実った一番の人間を差し出すこと』、ユリウスに対して『鬼と人間の調停役になる事』を求めた。
ユリウスは鬼との戦いに疲れ、人間の世界に帰るために約束を結んだが、『鬼の頂点』のお願いにより、自身だけではなく、その子孫に渡って鬼と関係を持たなければならなくなった。

エマは「食用児全員で人間の世界へ行く」「それを最後に鬼と人間の世界の行き来を完全に不可能にすること」を願い、その了承を受けている。『鬼の頂点』がエマに何をお願いしたのかは明らかになっていない。

調停者であるピーター・ラートリーが自身で首を斬った時に姿を現しており(誰にも認知されていない)、「おもっていたより ながくたのしめたよ。1000年間ご苦労様。」と話していた。

グレイス=フィールド農園のボス

グレイス=フィールドを取りまとめる鬼。
体格は鬼としては小さく、大柄な人間と同じくらいである。エマたちが脱走したことがわかり、追っ手を差し向けた。

手下鬼

グレイス=フィールド農園で働く鬼であり、作中で最初に登場した鬼である。
グレイス=フィールドの食用児であるコニーを出荷するときに登場した。

追手鬼

エマたちがグレイス=フィールドから逃げ出した際に、追っ手として放たれた鬼。大木を容易く両断する力を持つ。
囮となって逃げるレイを追い詰めるが、ソンジュによってレイを取り逃がしてしまう。その後、食用児たちを逃がそうとするソンジュによって殺害される。

儀祭の鬼(仮)

鬼の会議の際に登場した鬼。会議を取り仕切っており、重要なポストについていると思われる。1000年前に登場した、バイヨンに農園管理を任せた鬼と酷似した仮面を被っている。

鬼の兄弟(仮)

エマたちが鬼の町に侵入したときに目撃した子供の鬼の兄弟。
二人仲良く買い物をしており、高級農園の人肉と量産された人肉がどう違うのかを話していた。ドンの足を目撃した弟が兄にその事を報告し、エマたちは姿を隠した。
エマは鬼も感情のある一個の生命体だと考えており、この兄弟のことを思い返している。

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