約束のネバーランド(約ネバ)の邪血まとめ

原作:白井カイウ、作画:出水ぽすかによって執筆された大ヒット漫画『約束のネバーランド』に登場した鬼の少女ムジカは、「人間を食べなくても人間の形態や知能を失わない」という非常に稀な性質を持った「邪血の一族」の生き残りである。「邪血」の効果は血を飲むだけで他の者に簡単に広めることができる為、「肉の供給量によって民を支配する」王家・五摂家からはその能力を危険視され、「邪血の一族」は滅ぼされた。ムジカは処刑寸前でソンジュに救われ、以降700年に渡る王家からの逃亡生活を送っている。

『約束のネバーランド』の概要

『約束のネバーランド』とは原作:白井カイウ、作画:出水ぽすかによって執筆され、2016年より『週刊少年ジャンプ』にて連載が開始されたダークファンタジー漫画である。全20巻のコミックスは総発行部数4400万部を超える大ヒット作となっており、テレビアニメ・小説・実写映画も制作された。

孤児院(ハウス)で暮らしていた11歳の少女エマは、運動神経・学習能力が非常に高いとても優秀な人物だった。ある日エマは「ハウス始まって以来の天才」である親友のノーマンと共に、「ハウス」が抱える大きな秘密に偶然気が付いてしまう。「ハウス」とは「食人鬼」が管理している農園であり、エマたちは鬼が食べるための「商品」だったのだ。更に子供たちが「ママ」と慕う優秀な女性「イザベラ」は、鬼の味方であることが判明する。
エマとノーマンは二人と同様にけた外れの頭脳を持つ少年「レイ」に協力を仰ぎ、共に過ごす子供たち全員を連れて「ハウス」からの脱出に挑む。しかしそれは「ノーマンの犠牲」という大きすぎる代償の上に成り立つものだった。鬼の協力者「ムジカ」「ソンジュ」の力を借りながら、エマたちは「1000年前」に交わされた約束を結び直すため、様々な試練に挑むこととなった。

ストーリーは大きく分けると「ハウスからの脱出まで」を描いたものと、ハウス脱出後の「約束を結び直す」ための戦いを描いたものの2部構成になっている。特に「ハウスからの脱出」までのストーリーではミステリーやホラーテイストな演出が読者の心を掴み、非常に人気が高い。「約束を結び直す」ための戦いでは「鬼と人間との友情」に焦点を当てたストーリーが楽しめるほか、激しい銃撃戦などインパクトあるシーンが増えてくるので、前半とはまた一味違った楽しみ方をすることができる。

作中ではハウスから脱出したエマやレイたちの危機を救ってくれた「ムジカ」と「ソンジュ」という鬼が登場している。「なぜ鬼が食料である人間を助けたのか」とレイは尋ねるが、その答えは「信仰の為に人間を食べない」というものであり、ムジカとソンジュはさらに「ずっと旅をしながら暮らしている」と答えた。後にムジカは「邪血」という特殊な血を持つ一族の生き残りであることが判明し、ストーリーに深く関わることとなった。

邪血について

「邪血(じゃけつ)」とは、人間を食べなくても人間の形態と知性を維持することができる、特殊な体質をした一族の者が持つ血の事である。その血の効力は飲むだけで簡単にほかの鬼に広げることが可能であり、人肉を食べなくても人型を保てることから、飢饉の解消手段として非常に有用である。

邪血の存在はおよそ700年前の飢饉の頃に確認済で、「邪血の少女」ムジカを始めとした一族の者たちが、人肉不足によって知性を失いかけた鬼たちを救った。家臣のドッザからムジカたちの噂を聞いた「五摂家」のメンバーだったギーランは、今後「邪血の力が飢饉を救う手立てになるかもしれない」と考えて女王や五摂家のメンバーに報告する。
しかし王家・五摂家は、邪血の能力は人肉の供給量を調整して民を支配するのに邪魔になると考えて、邪血の一族を探し出すと皆殺しにしてその血肉をすべて喰らいつくしたのである。ムジカも食われる寸前だったがソンジュによって救われ、以降700年に渡り身を隠しながら旅を続けていた。

またノーマンが鬼を滅ぼすために立てた作戦は「農園を潰して人肉を食べられないようにする」という作戦だった為、邪血の一族の生き残りであるムジカたちの能力があれば計画が根底から破綻するとして、ムジカはノーマンたちからも命を狙われる結果となった。

『約束のネバーランド』の邪血を持つ鬼

邪血の少女

ムジカ

「邪血」の力を持つ一族の少女である。彼女たち一族の存在が初めて確認されたのは700年前で、飢饉にあえぐ村人たちに血を分け与えて退化から救い出した。邪血を飲んだ鬼はそれ以降人間を食べずとも退化することなく、人間の知能を維持したまま活動することができる。そして血を飲んで退化から免れた鬼の血液にも同様の効果が存在する為、ムジカたちが血を少量分け与えるだけで大勢の人々の命を救うことが可能なのだ。
ところが邪血の能力が王家・五摂家に知られてしまい、王たちは「邪血は民を支配するのに邪魔だ」と判断すると、ムジカたちの一族を悉く捕らえて食い殺してしまったのである。ムジカも王家・五摂家によって食べられる寸前だったが、ソンジュによって牢から助け出され、以降王家から逃げ続ける旅を700年にわたって続けていた。

グレイス=フィールドハウスから脱出してきたばかりのエマたちを助けたムジカとソンジュは、彼らと別れて以降も王家から逃げ続けていたが、鬼を全滅させたいノーマンの依頼でムジカたちを探していたドンとギルダに再会する。ギルダからノーマンの「退化毒による鬼殲滅作戦」を聞かされて協力を求められたムジカは、ソンジュと共に退化毒に脅かされた多くの人々に邪血を飲ませて助けた。
しかし王家・五摂家の滅亡後すぐ、ピーター・ラートリーの策略によって「国家転覆を謀った」という疑いでソンジュと共に捕縛されてしまう。処刑される寸前となったが、駆け付けたレウウィスはソンジュとムジカを「国を救おうとした英雄」と称え、レイウィスの力添えもあって鬼の女王として即位することとなった。

女王の一族

レグラヴァリマ

鬼社会において女王の地位についていた女性。700年前の飢饉の際に知らされた「邪血」の存在を自分たちの統治に影響が出ると懸念し、能力を独占するために邪血を皆殺しにして五摂家のメンバーと共に喰らいつくした。
ムジカも食われる寸前だったがソンジュによって逃がされ、生き延びることに成功する。

レウウィス

レグラヴァリマの実の弟であり、ソンジュの兄。政治には興味を持たずにフラフラと各地を歩きまわっていた。ピーター・ラートリーの策略によって捕らえられてしまったムジカとソンジュのもとに駆け付け、処刑を中止させる。縛り上げられていた弟・ソンジュの血液を大勢の前で飲み干し、「邪血は毒などではない」と言うことを証明してみせた。

ソンジュ

レグラヴァリマとレウウィスの弟である。狩猟という神が認めた方法で「命を戴く」原初信仰のため、人間を食べないことを決めている。農園システムによって作り出された命を食べることに反対し、退化寸前だったところをムジカに救われた為ソンジュは彼女に対して大きな恩を抱いているようで、ムジカに危害を加えようとするものに対しては一切の躊躇が無い。

五摂家

イヴェルク

古くから治世に関わっており、莫大な権力を保持している鬼。700年前の飢饉の際に知らされた「邪血」の存在を自分たちの統治に影響が出ると懸念し、能力を独占するために邪血を皆殺しにして、女王及び五摂家のメンバーと共に喰らいつくした。

バイヨン

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