ルパン三世 ルパンVS複製人間（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

警視庁に所属する敏腕警部。
銭形平次の子孫であり、ルパンを逮捕することに命を掛けている。
有能な刑事として活躍することもあり、ルパン一味からは手強い相手と認識されているものの、ルパンとライバルの関係でもあることからお互い信頼しあい、時折協力し合うこともある。
本作でも、死刑になったルパンを疑い、エジプト、フランス、カリブ海、果てはコロンビアと、地元警察に無理やり協力を依頼し、ルパンの出没するところへひたすらルパンを追い続ける執念の男となっている。上司の警視総監が尋ねて来た際には、ルパン逮捕を諦め一緒に日本に帰ろうと説得する総監に対し、「ルパンを逮捕するまでは絶対に帰らない」と叫びながらご馳走になっていた日本料理店を飛び出した。

マモー（CV：西村晃）

賢者の石を手に入れようと目論む謎の怪人物。
薄灰色の肌、カールを巻いた頭髪で、子供のような背格好という人間離れした不気味な特徴を持つ男。
自称天才科学者であり、クローン技術によって自分自身を生み出し、不老不死を実現して1万年を生き抜いてきた。
カリブ海の孤島に城を構え、ヒトラー、ナポレオン、古代中国時代の哲人など歴史上の優秀な人間をクローン再生している。さらにコロンビアの古代遺跡の地下に巨大な原子力発電所と多数の核ミサイルを配備した秘密基地も持っている。
峰不二子の美貌を気に入っており、永遠の美貌を約束する取引をして最後まで彼女を手元に置こうとしていた。不二子を通じてルパンに盗ませた「賢者の石」の提供を拒否したことでルパンと敵対。アジトを潰すなどしてルパンを精神的に追い詰めようとする。

フリンチ（CV：飯塚昭三）

マモーの手下で、用心棒をしている大男。
ヘリや巨大トレーラーを駆使してルパン一味を襲い、ルパンのアジトの一つを破壊した。不二子を使ってルパンを騙し、マモーの住むカリブ海の島へ連れて行った。その後、ルパン一味が島から逃げようとする際、海岸で五ェ門と1対1の決闘をする。特殊合金製の防弾チョッキの着用で五ェ門の斬鉄剣の剣先を折るものの、無防備だった顔を斬られ海に転落死した。
なお、カリブ海のマモーの島には同じ外見のクローンが大勢いた。

スタッキー補佐官（CV：大平透）

アメリカ合衆国大統領特別補佐官。
米国へ脅迫してきたマモーの本拠地を探るため、次元と五ェ門を米国海軍施設に拘束し取調べをするが、二人が何も知らないことがわかると、二人を釈放する。だがその裏で偵察衛星からしっかりと二人の行動確認をしていた。マモーの正体が判明すると、マモーの本拠地への空爆を開始し、最後には全ての秘密を揉み消すために、対策本部を部下のゴードンもろとも爆破することを命じた。

ゴードン（CV：柴田秀勝）

スタッキーの部下。
スペインで次元を尾行し、五ェ門も一緒に捕らえるとそのまま米国海軍の施設に送り込み、スタッキーと共に取り調べた。
横暴で典型的なアメリカ主義者。マモーの死亡後は全ての秘密を揉み消すために、「殺せ！殺せ！秘密を知ってる者は一人残らず抹殺するんだ！」と狂喜しながら各国が発射したミサイルの指揮を執った。

警視総監（CV：富田耕生）

銭形警部の上司である警視総監。
カリブ海の島で米国空軍の空爆を受けてボロボロになった銭形警部を助けに現れた。
日本料理店に入り銭形に和食を食べさせながら、彼にルパン逮捕を辞めさせようと説得する。

『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「またつまらんものを斬ったか…」

街のカフェテラスにいたルパン一味を、突如上空からヘリが機銃掃射で攻撃して来た。ルパンと次元は何とか愛車に飛び乗りその場を脱出。散々街中を逃げ回った末、「もう逃げ場は無いのと違うか?」と諦めかける次元の言葉に「地の底にでも潜るさ」と言葉通りに下水道に逃げ込んだルパンだったが、ヘリはしつこく狭い下水道まで追いかけてくる。だが、五ェ門はこのピンチを予め予期していたかのように、下水道に先回りしていた。「五ェ門カッコいい！」と冷やかすルパンの声と同時に、追って来るヘリに正面から飛び上がり斬鉄剣で一撃を加える。その手応えを感じて言った五ェ門のセリフ。

居合の達人が見せる見事なアクションにピッタリの名セリフである。このセリフは後の映画やTVシリーズで五ェ門の決め台詞となるが、最初に言ったのが本作のこのセリフだった。

「俺ぁ、夢ぇ、盗まれたからな… 取り返しに行かにゃぁ」

滞在中のコロンビアで巨大な地震が起こり、町は崩壊。「もう逃げよう、コリゴリだ」という次元に、ルパンは考えがあるといい敵の本拠地に乗り込む準備をする。「マモーが神様とは言わんが、並みの人間にはかないっこない、今度こそは絶対に行かない」と言い切る次元に、「いいよ、信心深い奴には向かない仕事だ」と言い、一人で廃墟になった町を歩き始めるルパン。追いかける次元はルパンの足元の空き缶を撃ち抜くと、「行くなルパン！！」と力の限り叫ぶ。それに対してルパンが言った言葉。

不二子のおかげで散々な目にあった次元にしてみれば、もうマモーに関わりたくないと思うのは当然の事。だが、本気で愛している不二子がマモーにさらわれた事がルパンにとっては一大事。不二子を「夢」と例えた名セリフである。二人の意見は真っ向から対立しているが、二人の確かな友情を感じさせてくれる名シーンでもある。

「返してもらいに来たぜぇ いろいろとなぁ」