かくりよの宿飯(やどめし)のネタバレ解説・考察まとめ
『かくりよの宿飯』とは、富士見L文庫より刊行された友麻碧のキャラクター小説。イラスト担当したのはLaruha。2018年には2シーズンに渡ってアニメ化された。アニメの制作はGONZO、監督は奥田佳子が務めた。
あやかしを見ることの出来る女子大生の津場木葵がかくりよにある老舗宿「天神屋」の大旦那を名乗る鬼神に連れ去られたことをきっかけに、料理の腕を活かして小料理屋を切り盛りしていく。料理を通してあやかしとの仲を深めていく様子が見どころとなっている。
第一話。天神屋敷地内の閉店した小料理屋で、葵が作ったオムライスを食べた若旦那の銀次が、葵に向かって言った言葉。
何をやってもうまくいかなかった鬼門中の鬼門であるはずの場所に建つ既に閉店していた小料理屋。
余っていた食材を使って葵が作ったオムライスの味に感動した銀次が、この味ならと思って出た言葉。
そしてこの言葉によって葵はかくりよでの小料理屋を切り盛りしていくこととなる。
大旦那「目障りだ津場木葵、お前はこの天神屋にとって多額の借金を抱えた迷惑な人間でしかない」
第2話。天神屋で天狗たちと料理長が騒動を起こしていた時、駆け付けた葵に大旦那が言った言葉。
突き放すような言葉であるが、働いて1億円もの借金を返すなどと言わずに素直に私の嫁になれば、そんな苦労はしなくても済むのだという大旦那の葵への思いのこもった言葉でもある。
大旦那「しいて言うなら若い人間の生血とか臓物とか」
第3話。大旦那に食事をご馳走になっている時、葵が大旦那に好物は何かと聞いた時の大旦那の返事。
本当とも冗談ともつかぬ言葉だが、鬼は人間の娘を喰うと伝承されているため、葵も複雑な気持ちで聞いている。
借金が返せない時に嫁入りを拒否したら、本当に喰われるかもと心配している。
お涼「葵の料理には霊力を回復する特別の効果が備わってるの」
第4話。熱も下がり体力も回復してきたお涼が、傷ついた暁に葵の料理を食べるよう促した時の言葉。以前に天狗の長老も、葵の料理によって酔いつぶれた身体に元気を取り戻している。
大旦那「かくりよへまた来てくれるのかい」
第5話。鈴蘭を送ってうつしよへ来ていた葵を、大旦那が迎えに来て言った言葉。
鈴蘭は大旦那が葵をうつしよに返してくれたのではと考えたが、大旦那の真意は分からない。
葵がそのままうつしよに居たいと言えば、そうしたかも知れない。
しかし、葵が約束通り、借金を返すためかくりよに戻ると決心してくれたので、嬉しくて本心から出た言葉と思われる。
サスケ「葵殿、あなたはとてもよく似ているでござる、史郎殿に」
第6話。葵に食事を振舞われたカマイタチのサスケが、史郎との思い出話を葵に語って聞かせた時に、サスケが葵に言った言葉。
サスケ「拙者、生まれた時からかれこれ80年、天神屋に奉公しているでござる。若い頃それに反発したことがござって、その時史郎殿に支えてもらったでござる。つまみ食いしたり、お客を脅かしたり、女湯を覗いたり、ああ最後のは史郎殿のたしなみでござったが。何度も史郎殿と共に怒られたでござる。史郎殿は拙者の憧れでござった。あやかしを恐れぬ度胸、ねじ伏せる力、周囲を黙らせるほどの口達者、まさに男の中の男。カマイタチ顔負けの流水のごとき逃げ足の速さも見せつけてくれたものでござる」
そう聞かされた後で葵はこの言葉を聞いて、あまりに破天荒な祖父、史郎に自分が似ていることが、恥ずかしくなったのである。
大旦那「ついておいで」
第7話。裏山に行くと言う大旦那に葵は「一緒に言ってもいい?」と尋ねた。その言葉に照れながら大旦那が葵に言った言葉。
大旦那への嫁入りを断り、小料理屋をしながら史郎の借金を返すと気丈に言った葵。だが、事あるごとに大旦那に甘える葵。そんな葵に大旦那は戸惑いつつもうれしく、葵の甘えを受け入れてしまう。
大旦那「葵がそれで安心するのであれば、羽織りの皴(しわ)などいくら増えても構わないよ」
第8話。雷に怯えた葵は思わず大旦那の羽織をつかみ、身体を震わせた。ぎゅっと握りしめたままの葵の手を咎めることなく、大旦那は優しく葵に声をかける。
板前長「このわがまま、屁理屈、横暴な物言い、史郎の孫娘に違いねえや」
目次 - Contents
- 『かくりよの宿飯』の概要
- 『かくりよの宿飯』のあらすじ・ストーリー
- あやかしの宿「天神屋」
- 小料理屋「夕がお」開店
- 妖王家夫妻の結婚記念日
- 静奈と時彦
- 折尾屋
- 松葉と葉鳥のけんか
- 海宝の肴
- 声と味覚を奪われた葵
- 儀式と海坊主
- 『かくりよの宿飯』の登場人物・キャラクター
- 人間
- 津場木 葵(つばき あおい)
- 津場木 史郎(つばき しろう)
- 律子(りつこ)
- あやかし
- 大旦那(おおだんな)
- 銀次(ぎんじ)
- お涼(おりょう)
- 暁(あかつき)
- 鈴蘭(すずらん)
- 静奈(しずな)
- チビ
- 春日(かすが)
- 松葉(まつば)
- 反之介(たんのすけ)
- 白夜(びゃくや)
- サスケ
- 薄荷坊(はっかぼう)
- 黄金童子(おうごんどうじ)
- 縫ノ陰(ぬいのいん)
- 千秋(ちあき)
- 葉鳥(はとり)
- 時彦(ときひこ)
- ノブナガ
- 砂楽博士(さらくはかせ)
- 乱丸(らんまる)
- 秀吉(ひでよし)
- 太一(たいち)
- ねね
- 戒(かい)、明(めい)
- 淀子(よどこ)
- 三成(みつなり)
- アイ
- 笹良(ささら)
- 雷獣(らいじゅう)
- 磯姫(いそひめ)
- 海坊主(うみぼうず)
- 『かくりよの宿飯』の用語
- 隠世(かくりよ)
- 現世(げんせ、げんせい、うつしよ)
- 妖(あやかし)
- 鬼人(きじん)
- 九尾の狐(きゅうびのきつね)
- 雪女(ゆきおんな)
- 土蜘蛛(つちぐも)
- 女郎蜘蛛(じょろうぐも)
- 濡女(ぬれおんな)
- 手鞠河童(てまりがっぱ)
- 化け狸(ばけだぬき)
- 天狗(てんぐ)
- 一反木綿(いったんもめん)
- 白澤、白沢(はくたく)
- 入道坊主(にゅうどうぼうず)
- 座敷童子(ざしきわらし)
- 管子猫(くだこねこ)
- 不知火(しらぬい)
- 送り犬(おくりいぬ)
- 鉄鼠(てっそ)
- 千年土竜(せんねんもぐら)
- 狛犬(こまいぬ)
- 夜雀(よすずめ)
- 火鼠(ひねずみ)
- 鶴童子(つるどうじ)
- 雨女(あめおんな)
- 天神屋(てんじんや)
- 鬼門中の鬼門(きもんちゅうのきもん)
- 八葉(はちよう)
- あやかし好みの味(あやかしごのみのあじ)
- 朱門山(しゅもんざん)
- 天狗の団扇(てんぐのうちわ)
- 宙船(そらふね)
- 椿の簪(つばきのかんざし)
- 妖のお面(あやかしのおめん)
- 妖都(ようと)
- 八幡屋(やはたや)
- 妖怪医学百科(ようかいいがくひゃっか)
- 牛車(ぎっしゃ)
- 妖都新聞(ようとしんぶん)
- 文通式(ぶんつうしき)
- 泉術(せんじゅつ)
- 『かくりよの宿飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 史郎「あやかしの見える人間は狙われやすい。気を付けるんだよ葵」
- 大旦那「気分はどうだい、花嫁殿」
- 銀次「そうだ葵さん、ここで食事処を開きませんか?」
- 大旦那「目障りだ津場木葵、お前はこの天神屋にとって多額の借金を抱えた迷惑な人間でしかない」
- 大旦那「しいて言うなら若い人間の生血とか臓物とか」
- お涼「葵の料理には霊力を回復する特別の効果が備わってるの」
- 大旦那「かくりよへまた来てくれるのかい」
- サスケ「葵殿、あなたはとてもよく似ているでござる、史郎殿に」
- 大旦那「ついておいで」
- 大旦那「葵がそれで安心するのであれば、羽織りの皴(しわ)などいくら増えても構わないよ」
- 板前長「このわがまま、屁理屈、横暴な物言い、史郎の孫娘に違いねえや」
- 律子「かくりよの食べ物を食べ続けることで、少しばかりあやかし的な存在に近づくのです」
- 時彦「君が帰るべき場所はある、だから思うままに頑張れ」
- 大旦那「葵が作ったものなら何だって好きだよ」
- 大旦那「僕は葵になら尻に敷かれてもいいと思っている」
- 葵「私は銀次さんを返せって言ってるのよ」
- 葵「私、戻れないわ。銀次さんを置いては戻れないわ」
- 戒と明「だから、うつしよのアイデアで助けて欲しい」
- 葉鳥「お嬢ちゃんは素直でいい子だ」
- 笹良「家族は皆一緒にいなければ」
- 葵「これは私がやらなきゃならないことよ」
- 磯姫「海宝の肴はあなたが手掛けなさい]
- 葵「ねえ秀吉、あんたもしかしてねねのこと好きなの?」
- 雷獣「料理って言う武器が通用しない相手からは、どうやってその身を守るの?料理が出来なくなったら?」
- 乱丸「俺が行くほかねえ。山登りでも山越えでも、なんだってやってやる」
- 銀次「大丈夫ですよ葵さん。このまま食べ物の味が分からないなんて、そんなことあるはずがありません。そんなこと、あっていいはずがありません」
- 葵「あははじゃなくて、ねえ大旦那様。迎えに来てくれたのはうれしいけど、私今帰るわけにはいかないのよ。儀式の肴を作るの、私が任されたの磯姫様に、いえ乱丸に」
- チビ「葵さん、どうして海坊主さん1人にさせるですか?海坊主さんは、寂しがり屋さんです。僕と同じです、独りぼっちでいつもお腹が空いてて」
- 『かくりよの宿飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ化が正式に決定した時に初めてお酒を飲んだ原作者・友麻碧
- 『かくりよの宿飯』に対する奥田佳子監督の思い
- 『かくりよの宿飯』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング): 東山奈央『灯火のまにまに』(第1話 - 第9話、第11話 - 第14話)
- ED(エンディング): 沼倉愛美『彩-color-』(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話、第9話 - 第12話)
- ED(エンディング):大旦那(小西克幸)『願い花』(第3話)
- ED(エンディング):暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)『時の砂』(第5話)
- ED(エンディング): 白夜(田丸篤志)『My Sweet Sweet Love』(第8話)
- ED(エンディング):銀次(土岐隼一)『風』(第13話)
- OP(オープニング):ナノ『ウツシヨノユメ』(第2期第14話 - 第26話)
- ED(エンディング):中島愛『知らない気持ち』(第2期第15話 - 第17話、第19話、第20話、第22話、第24話、第26話)
- ED(エンディング):葉鳥(寺島拓篤)『ヤシホノハナ』(第2期第18話)
- ED(エンディング):秀吉(柿原徹也)『恋守唄』(第2期第21話)
- ED(エンディング):雷獣(日野聡)『刹那の煌めき』(第2期第23話)
- ED(エンディング):乱丸(石川界人)『永遠の絆』(第2期第25話)
- 挿入歌: 葵(東山奈央)『春色』(第2期第20話)