かくりよの宿飯(やどめし)のネタバレ解説・考察まとめ
『かくりよの宿飯』とは、富士見L文庫より刊行された友麻碧のキャラクター小説。イラスト担当したのはLaruha。2018年には2シーズンに渡ってアニメ化された。アニメの制作はGONZO、監督は奥田佳子が務めた。
あやかしを見ることの出来る女子大生の津場木葵がかくりよにある老舗宿「天神屋」の大旦那を名乗る鬼神に連れ去られたことをきっかけに、料理の腕を活かして小料理屋を切り盛りしていく。料理を通してあやかしとの仲を深めていく様子が見どころとなっている。
隠世(かくりよ)を形づくる八つの土地を治めている、八人のあやかしの実力者たちのこと。
また、その者が所属する一族や地名、経営する事業や店を指して言う。
現在の八葉は、氷人、鬼神、龍人、小豆洗い、犬神、一反木綿、天狗、文門狸の八人。
天神屋の大旦那は北東の地を治める鬼神の八葉である。
あやかし好みの味(あやかしごのみのあじ)
あやかしは甘党が多く、料理に関しても甘めで薄口の味を好む。
現世(うつしよ)での九州地方の味付けに近く、影響を受けた料理も数多い。
これは以前、出島の貿易時代に、現世と隠世を行き来していたあやかしたちが大量の砂糖を買い付け、そのときに伝わったとされている。
朱門山(しゅもんざん)
隠世(かくりよ)の西にある天狗たちの住む山の砦。
天狗の一族は“天狗の団扇”を始めとした多くの宝を持ち、それらを守るために厳しい戒律を定め修行に励んでいる。
保守的な土地柄であり、頑固な一面もあるが、天狗たちは酒好きで宴会が大好きである。
天狗の団扇(てんぐのうちわ)
天狗の長老の松葉が本来、津場木史郎に与えるものだったとして、史郎の孫娘の葵に渡した天狗の宝のひとつ。
一振りすると強力な突風を生み出すことが出来、相対する相手を吹き飛ばしてしまう。
葵は初めてこれを受け取った時、何に使うのかわからず、鍋敷きに使うのかと勘違いした。隠世(かくりよ)唯一の品物である。
宙船(そらふね)
隠世(かくりよ)の交通手段のひとつ。妖力によって空に浮かび、また飛ぶことも出来る船。
長距離の移動手段として使われることも多く、崖に囲まれている天神屋を訪れる客が使うことも多い。
また天神屋も何隻かの宙船を保有している。空中宴会を行う遊覧船、空閣丸(くうかくまる)、小型で最新の海閣丸(かいかくまる)、大旦那が個人的に使っている宙船、天神丸(てんじんまる)などがある。
椿の簪(つばきのかんざし)
第3話で大旦那が葵に送った髪飾り。まるで生きているかのように形を変える珍しい鉱石「紅水晶」(べにすいしょう)(*)で出来ている。
簪(かんざし)の先にある椿の蕾(つぼみ)は、ゆっくりと花が咲いてゆきこの花が散るまでが葵の借金返済期限とされる。
第1話でもこれと似たかんざしが、葵が鬼神の大旦那に与えた弁当の返礼として弁当箱と一緒に置かれていた。
*:紅水晶(べにすいしょう)とは、ローズクオーツの和名。薄いピンク色をした水晶。ロマンスの石とも呼ばれ、恋愛に関するパワーストーンでもある。
妖のお面(あやかしのおめん)
お面を被ると自身の正体を隠すことが出来る。また、弱点を知られないようにすることが出来る。
葵も天神屋の外の世界に出るときは、人間であることを隠すためお面を被る。
一方、あやかしたちにとってのお面は、人間にとっての帽子のように、ファッションとして付けられることも多い。
妖都(ようと)
かくりよの中心にある賑やかな街。かくりよを統一する妖の王(あやかしのおう)が住む神殿がある。あやかしの中の上流階級に位置する貴族たちが多く暮らしている。
高級料亭や芸妓屋、みやげ物屋も多く、観光客で賑わっている。
八幡屋(やはたや)
かくりよの一反木綿達が営む大呉服屋。扱う反物は値段が高いものが多い。
八葉の1人の一反木綿が営んでいるので、金と権力を持ち敵に回すと厄介な存在となる。
ここの若様は女好きで有名。天神屋でも嫌われている。
目次 - Contents
- 『かくりよの宿飯』の概要
- 『かくりよの宿飯』のあらすじ・ストーリー
- あやかしの宿「天神屋」
- 小料理屋「夕がお」開店
- 妖王家夫妻の結婚記念日
- 静奈と時彦
- 折尾屋
- 松葉と葉鳥のけんか
- 海宝の肴
- 声と味覚を奪われた葵
- 儀式と海坊主
- 『かくりよの宿飯』の登場人物・キャラクター
- 人間
- 津場木 葵(つばき あおい)
- 津場木 史郎(つばき しろう)
- 律子(りつこ)
- あやかし
- 大旦那(おおだんな)
- 銀次(ぎんじ)
- お涼(おりょう)
- 暁(あかつき)
- 鈴蘭(すずらん)
- 静奈(しずな)
- チビ
- 春日(かすが)
- 松葉(まつば)
- 反之介(たんのすけ)
- 白夜(びゃくや)
- サスケ
- 薄荷坊(はっかぼう)
- 黄金童子(おうごんどうじ)
- 縫ノ陰(ぬいのいん)
- 千秋(ちあき)
- 葉鳥(はとり)
- 時彦(ときひこ)
- ノブナガ
- 砂楽博士(さらくはかせ)
- 乱丸(らんまる)
- 秀吉(ひでよし)
- 太一(たいち)
- ねね
- 戒(かい)、明(めい)
- 淀子(よどこ)
- 三成(みつなり)
- アイ
- 笹良(ささら)
- 雷獣(らいじゅう)
- 磯姫(いそひめ)
- 海坊主(うみぼうず)
- 『かくりよの宿飯』の用語
- 隠世(かくりよ)
- 現世(げんせ、げんせい、うつしよ)
- 妖(あやかし)
- 鬼人(きじん)
- 九尾の狐(きゅうびのきつね)
- 雪女(ゆきおんな)
- 土蜘蛛(つちぐも)
- 女郎蜘蛛(じょろうぐも)
- 濡女(ぬれおんな)
- 手鞠河童(てまりがっぱ)
- 化け狸(ばけだぬき)
- 天狗(てんぐ)
- 一反木綿(いったんもめん)
- 白澤、白沢(はくたく)
- 入道坊主(にゅうどうぼうず)
- 座敷童子(ざしきわらし)
- 管子猫(くだこねこ)
- 不知火(しらぬい)
- 送り犬(おくりいぬ)
- 鉄鼠(てっそ)
- 千年土竜(せんねんもぐら)
- 狛犬(こまいぬ)
- 夜雀(よすずめ)
- 火鼠(ひねずみ)
- 鶴童子(つるどうじ)
- 雨女(あめおんな)
- 天神屋(てんじんや)
- 鬼門中の鬼門(きもんちゅうのきもん)
- 八葉(はちよう)
- あやかし好みの味(あやかしごのみのあじ)
- 朱門山(しゅもんざん)
- 天狗の団扇(てんぐのうちわ)
- 宙船(そらふね)
- 椿の簪(つばきのかんざし)
- 妖のお面(あやかしのおめん)
- 妖都(ようと)
- 八幡屋(やはたや)
- 妖怪医学百科(ようかいいがくひゃっか)
- 牛車(ぎっしゃ)
- 妖都新聞(ようとしんぶん)
- 文通式(ぶんつうしき)
- 泉術(せんじゅつ)
- 『かくりよの宿飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 史郎「あやかしの見える人間は狙われやすい。気を付けるんだよ葵」
- 大旦那「気分はどうだい、花嫁殿」
- 銀次「そうだ葵さん、ここで食事処を開きませんか?」
- 大旦那「目障りだ津場木葵、お前はこの天神屋にとって多額の借金を抱えた迷惑な人間でしかない」
- 大旦那「しいて言うなら若い人間の生血とか臓物とか」
- お涼「葵の料理には霊力を回復する特別の効果が備わってるの」
- 大旦那「かくりよへまた来てくれるのかい」
- サスケ「葵殿、あなたはとてもよく似ているでござる、史郎殿に」
- 大旦那「ついておいで」
- 大旦那「葵がそれで安心するのであれば、羽織りの皴(しわ)などいくら増えても構わないよ」
- 板前長「このわがまま、屁理屈、横暴な物言い、史郎の孫娘に違いねえや」
- 律子「かくりよの食べ物を食べ続けることで、少しばかりあやかし的な存在に近づくのです」
- 時彦「君が帰るべき場所はある、だから思うままに頑張れ」
- 大旦那「葵が作ったものなら何だって好きだよ」
- 大旦那「僕は葵になら尻に敷かれてもいいと思っている」
- 葵「私は銀次さんを返せって言ってるのよ」
- 葵「私、戻れないわ。銀次さんを置いては戻れないわ」
- 戒と明「だから、うつしよのアイデアで助けて欲しい」
- 葉鳥「お嬢ちゃんは素直でいい子だ」
- 笹良「家族は皆一緒にいなければ」
- 葵「これは私がやらなきゃならないことよ」
- 磯姫「海宝の肴はあなたが手掛けなさい]
- 葵「ねえ秀吉、あんたもしかしてねねのこと好きなの?」
- 雷獣「料理って言う武器が通用しない相手からは、どうやってその身を守るの?料理が出来なくなったら?」
- 乱丸「俺が行くほかねえ。山登りでも山越えでも、なんだってやってやる」
- 銀次「大丈夫ですよ葵さん。このまま食べ物の味が分からないなんて、そんなことあるはずがありません。そんなこと、あっていいはずがありません」
- 葵「あははじゃなくて、ねえ大旦那様。迎えに来てくれたのはうれしいけど、私今帰るわけにはいかないのよ。儀式の肴を作るの、私が任されたの磯姫様に、いえ乱丸に」
- チビ「葵さん、どうして海坊主さん1人にさせるですか?海坊主さんは、寂しがり屋さんです。僕と同じです、独りぼっちでいつもお腹が空いてて」
- 『かくりよの宿飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ化が正式に決定した時に初めてお酒を飲んだ原作者・友麻碧
- 『かくりよの宿飯』に対する奥田佳子監督の思い
- 『かくりよの宿飯』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング): 東山奈央『灯火のまにまに』(第1話 - 第9話、第11話 - 第14話)
- ED(エンディング): 沼倉愛美『彩-color-』(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話、第9話 - 第12話)
- ED(エンディング):大旦那(小西克幸)『願い花』(第3話)
- ED(エンディング):暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)『時の砂』(第5話)
- ED(エンディング): 白夜(田丸篤志)『My Sweet Sweet Love』(第8話)
- ED(エンディング):銀次(土岐隼一)『風』(第13話)
- OP(オープニング):ナノ『ウツシヨノユメ』(第2期第14話 - 第26話)
- ED(エンディング):中島愛『知らない気持ち』(第2期第15話 - 第17話、第19話、第20話、第22話、第24話、第26話)
- ED(エンディング):葉鳥(寺島拓篤)『ヤシホノハナ』(第2期第18話)
- ED(エンディング):秀吉(柿原徹也)『恋守唄』(第2期第21話)
- ED(エンディング):雷獣(日野聡)『刹那の煌めき』(第2期第23話)
- ED(エンディング):乱丸(石川界人)『永遠の絆』(第2期第25話)
- 挿入歌: 葵(東山奈央)『春色』(第2期第20話)