かくりよの宿飯(やどめし)のネタバレ解説・考察まとめ
『かくりよの宿飯』とは、富士見L文庫より刊行された友麻碧のキャラクター小説。イラスト担当したのはLaruha。2018年には2シーズンに渡ってアニメ化された。アニメの制作はGONZO、監督は奥田佳子が務めた。
あやかしを見ることの出来る女子大生の津場木葵がかくりよにある老舗宿「天神屋」の大旦那を名乗る鬼神に連れ去られたことをきっかけに、料理の腕を活かして小料理屋を切り盛りしていく。料理を通してあやかしとの仲を深めていく様子が見どころとなっている。
CV:名塚 佳織(なづか かおり)
天狗の長老、松葉の妻。鷺(さぎ)のあやかし。今は故人となっている。亭主関白で、怒りっぽく、感情の起伏の激しい松葉に苦労をさせられる。病に臥せった時、三男の葉鳥が松葉に破門されたままだったので、なんとか家族が一緒になれるようにと願ったが、笹良が生きている間には叶わなかった。
雷獣(らいじゅう)
CV:日野 聡(ひの さとし)
葉鳥曰く、この世の全ての遊びを知り尽くし、気まぐれで、刹那的な、歪んだ快楽主義者。平気で残酷な真似をすることがある。雷を操ることが出来、黄金童子と同等の力を持つあやかし。南の地の儀式に必要な品物を知っており、折尾屋に賓客として迎え入れられているが、本心の見えないあやかしである。
磯姫(いそひめ)
CV:坂本 真綾(さかもと まあや)
黄金童子の来る以前に南の地を治めていた八葉の一人。標(しるべ)の巫女の異名を持つ、未来を予知する能力を持った人魚のあやかし。幼い頃の乱丸と銀次の育ての親であり、2人の神獣としての素質を見抜き、将来南の地の守護獣となるよう、南の地の災厄を封じる儀式を担う役割を与えた。300年前の儀式に失敗した時、災厄を一身に引き寄せて亡くなった。
海坊主(うみぼうず)
CV:水瀬いのり(みなせ いのり)
かくりよの南の地に災いをもたらすと恐れられたあやかし。しかし実際には、漏れ出た穢れによってもたらされる災いを、儀式の力を借りて押し戻す働きをする、孤独な寂しがり屋のあやかしだった。葵の眷属であるチビの無邪気な行動によって、本当の海坊主の姿を葵や乱丸たちは知ることが出来た。
『かくりよの宿飯』の用語
隠世(かくりよ)
隠世(かくりよ)とは、この世に対して向こう側の世界。彼岸(ひがん)とも言う。
永久に変わらない神の領域。死後の世界でもあり、黄泉(よみ)の国もそこにあるとされている。
「永久」を意味し、古くは「常夜(とこよ)」とも表記した。日本神話、古神道、神道などにおいて重要な二律する世界観の一方であり、対義語として「現世(うつしよ)」がある。
葵の祖父、津場木史郎は人間でありながら自由に現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)の間を行き来することが出来た。
現世(げんせ、げんせい、うつしよ)
葵やその他、人間たちが現在暮していると思っている普通のこの世界。または、その認識。日本語では「顕世(けんせ)」とも読み書きし、「この世」とも言い換えられる。
仏教用語としては「現世」は「げんぜ」と(も)読む。私たちが輪廻転生していくなかで今生きて属している(生を受けた)この世界のことを指す。彼岸(ひがん)に対する此岸(しがん)。
人間の世界ではあるが、あやかしたちも密かに存在しており、見える人には見ることが出来る。
妖(あやかし)
かくりよの住人達。人間の理解をはるかに超える奇怪で異常な現象や、あるいはそれらを起こす、不可思議な力を持つ非日常的・非科学的な存在のこと。
妖(あやかし)または物の怪(もののけ)、魔物(まもの)とも呼ばれている。強大な霊力を持つもの、変化を得意とするものなどとても種類が多い。
あやかしたちは皆、人間と同じように生き生きと日々の生活を営んでいる。
基本的に夜型であることが多く、夕方頃から活動し始める者が多い。
鬼人(きじん)
頭に二本、または一本の角が生え、頭髪は細かく縮れ、口に牙が生え、指に鋭い爪があり大男の姿であることが多い。
変身能力があり、美青年や美女の姿になって若い男や女を誘ったり、化かす相手の家族や知人に化けることも出来る。
人に危害を加え、さらに人を食べる存在とも考えられていた。
葵にも本気かどうか定かではないが、「霊力の高い人間の娘は喰うととても旨いんだ。」と脅かしていたことがある。
九尾の狐(きゅうびのきつね)
目次 - Contents
- 『かくりよの宿飯』の概要
- 『かくりよの宿飯』のあらすじ・ストーリー
- あやかしの宿「天神屋」
- 小料理屋「夕がお」開店
- 妖王家夫妻の結婚記念日
- 静奈と時彦
- 折尾屋
- 松葉と葉鳥のけんか
- 海宝の肴
- 声と味覚を奪われた葵
- 儀式と海坊主
- 『かくりよの宿飯』の登場人物・キャラクター
- 人間
- 津場木 葵(つばき あおい)
- 津場木 史郎(つばき しろう)
- 律子(りつこ)
- あやかし
- 大旦那(おおだんな)
- 銀次(ぎんじ)
- お涼(おりょう)
- 暁(あかつき)
- 鈴蘭(すずらん)
- 静奈(しずな)
- チビ
- 春日(かすが)
- 松葉(まつば)
- 反之介(たんのすけ)
- 白夜(びゃくや)
- サスケ
- 薄荷坊(はっかぼう)
- 黄金童子(おうごんどうじ)
- 縫ノ陰(ぬいのいん)
- 千秋(ちあき)
- 葉鳥(はとり)
- 時彦(ときひこ)
- ノブナガ
- 砂楽博士(さらくはかせ)
- 乱丸(らんまる)
- 秀吉(ひでよし)
- 太一(たいち)
- ねね
- 戒(かい)、明(めい)
- 淀子(よどこ)
- 三成(みつなり)
- アイ
- 笹良(ささら)
- 雷獣(らいじゅう)
- 磯姫(いそひめ)
- 海坊主(うみぼうず)
- 『かくりよの宿飯』の用語
- 隠世(かくりよ)
- 現世(げんせ、げんせい、うつしよ)
- 妖(あやかし)
- 鬼人(きじん)
- 九尾の狐(きゅうびのきつね)
- 雪女(ゆきおんな)
- 土蜘蛛(つちぐも)
- 女郎蜘蛛(じょろうぐも)
- 濡女(ぬれおんな)
- 手鞠河童(てまりがっぱ)
- 化け狸(ばけだぬき)
- 天狗(てんぐ)
- 一反木綿(いったんもめん)
- 白澤、白沢(はくたく)
- 入道坊主(にゅうどうぼうず)
- 座敷童子(ざしきわらし)
- 管子猫(くだこねこ)
- 不知火(しらぬい)
- 送り犬(おくりいぬ)
- 鉄鼠(てっそ)
- 千年土竜(せんねんもぐら)
- 狛犬(こまいぬ)
- 夜雀(よすずめ)
- 火鼠(ひねずみ)
- 鶴童子(つるどうじ)
- 雨女(あめおんな)
- 天神屋(てんじんや)
- 鬼門中の鬼門(きもんちゅうのきもん)
- 八葉(はちよう)
- あやかし好みの味(あやかしごのみのあじ)
- 朱門山(しゅもんざん)
- 天狗の団扇(てんぐのうちわ)
- 宙船(そらふね)
- 椿の簪(つばきのかんざし)
- 妖のお面(あやかしのおめん)
- 妖都(ようと)
- 八幡屋(やはたや)
- 妖怪医学百科(ようかいいがくひゃっか)
- 牛車(ぎっしゃ)
- 妖都新聞(ようとしんぶん)
- 文通式(ぶんつうしき)
- 泉術(せんじゅつ)
- 『かくりよの宿飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 史郎「あやかしの見える人間は狙われやすい。気を付けるんだよ葵」
- 大旦那「気分はどうだい、花嫁殿」
- 銀次「そうだ葵さん、ここで食事処を開きませんか?」
- 大旦那「目障りだ津場木葵、お前はこの天神屋にとって多額の借金を抱えた迷惑な人間でしかない」
- 大旦那「しいて言うなら若い人間の生血とか臓物とか」
- お涼「葵の料理には霊力を回復する特別の効果が備わってるの」
- 大旦那「かくりよへまた来てくれるのかい」
- サスケ「葵殿、あなたはとてもよく似ているでござる、史郎殿に」
- 大旦那「ついておいで」
- 大旦那「葵がそれで安心するのであれば、羽織りの皴(しわ)などいくら増えても構わないよ」
- 板前長「このわがまま、屁理屈、横暴な物言い、史郎の孫娘に違いねえや」
- 律子「かくりよの食べ物を食べ続けることで、少しばかりあやかし的な存在に近づくのです」
- 時彦「君が帰るべき場所はある、だから思うままに頑張れ」
- 大旦那「葵が作ったものなら何だって好きだよ」
- 大旦那「僕は葵になら尻に敷かれてもいいと思っている」
- 葵「私は銀次さんを返せって言ってるのよ」
- 葵「私、戻れないわ。銀次さんを置いては戻れないわ」
- 戒と明「だから、うつしよのアイデアで助けて欲しい」
- 葉鳥「お嬢ちゃんは素直でいい子だ」
- 笹良「家族は皆一緒にいなければ」
- 葵「これは私がやらなきゃならないことよ」
- 磯姫「海宝の肴はあなたが手掛けなさい]
- 葵「ねえ秀吉、あんたもしかしてねねのこと好きなの?」
- 雷獣「料理って言う武器が通用しない相手からは、どうやってその身を守るの?料理が出来なくなったら?」
- 乱丸「俺が行くほかねえ。山登りでも山越えでも、なんだってやってやる」
- 銀次「大丈夫ですよ葵さん。このまま食べ物の味が分からないなんて、そんなことあるはずがありません。そんなこと、あっていいはずがありません」
- 葵「あははじゃなくて、ねえ大旦那様。迎えに来てくれたのはうれしいけど、私今帰るわけにはいかないのよ。儀式の肴を作るの、私が任されたの磯姫様に、いえ乱丸に」
- チビ「葵さん、どうして海坊主さん1人にさせるですか?海坊主さんは、寂しがり屋さんです。僕と同じです、独りぼっちでいつもお腹が空いてて」
- 『かくりよの宿飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ化が正式に決定した時に初めてお酒を飲んだ原作者・友麻碧
- 『かくりよの宿飯』に対する奥田佳子監督の思い
- 『かくりよの宿飯』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング): 東山奈央『灯火のまにまに』(第1話 - 第9話、第11話 - 第14話)
- ED(エンディング): 沼倉愛美『彩-color-』(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話、第9話 - 第12話)
- ED(エンディング):大旦那(小西克幸)『願い花』(第3話)
- ED(エンディング):暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)『時の砂』(第5話)
- ED(エンディング): 白夜(田丸篤志)『My Sweet Sweet Love』(第8話)
- ED(エンディング):銀次(土岐隼一)『風』(第13話)
- OP(オープニング):ナノ『ウツシヨノユメ』(第2期第14話 - 第26話)
- ED(エンディング):中島愛『知らない気持ち』(第2期第15話 - 第17話、第19話、第20話、第22話、第24話、第26話)
- ED(エンディング):葉鳥(寺島拓篤)『ヤシホノハナ』(第2期第18話)
- ED(エンディング):秀吉(柿原徹也)『恋守唄』(第2期第21話)
- ED(エンディング):雷獣(日野聡)『刹那の煌めき』(第2期第23話)
- ED(エンディング):乱丸(石川界人)『永遠の絆』(第2期第25話)
- 挿入歌: 葵(東山奈央)『春色』(第2期第20話)