かくりよの宿飯(やどめし)のネタバレ解説・考察まとめ
『かくりよの宿飯』とは、富士見L文庫より刊行された友麻碧のキャラクター小説。イラスト担当したのはLaruha。2018年には2シーズンに渡ってアニメ化された。アニメの制作はGONZO、監督は奥田佳子が務めた。
あやかしを見ることの出来る女子大生の津場木葵がかくりよにある老舗宿「天神屋」の大旦那を名乗る鬼神に連れ去られたことをきっかけに、料理の腕を活かして小料理屋を切り盛りしていく。料理を通してあやかしとの仲を深めていく様子が見どころとなっている。
津場木 葵(つばき あおい)
CV:東山奈央(とうやま なお)
幼い頃、あやかしを見ることの出来る能力を母親に疎(うと)まれ置き去りにされたことがある。
そんな時、能面のような顔立ちをしたあやかしに命を助けられた。その時以来、お腹を空かせているものは誰でも放ってはおけない。
その後、施設に預けられていたところを祖父の津場木史郎に引き取られ育てられた。
その祖父も亡くなり一人になってしまうが、一人には慣れていたので真っすぐに育ち今は大学に通っている。
祖父譲りの料理上手で、かくりよでもこの特技が活きることになる。
津場木 史郎(つばき しろう)
CV:井上和彦(いのうえ かずひこ)
津場木葵の祖父、葵がかくりよに行く前に亡くなる。葵を引き取り一緒に暮らすようになるまで、各地を放浪し、うつしよとかくりよを自由に行き来していた。あやかし達にもよく知られており、各地で騒ぎを起こし、命を狙われ、殺されかけたこともある。史郎を嫌うあやかしも多いが、慕うあやかしもまた多い。天神屋の大旦那はじめ、お庭番のサスケも史郎と行動を共にした時代があり、一緒にふざけたり、遊んだりした史郎を今も慕っている。折尾屋の葉鳥も史郎とは気が合い、酒を酌み交わしたり、共に過ごした時代がある。天神屋で酔って騒ぎを起こし、ロビーにあった国宝級の壷を割ってしまい、一億円の借金を抱えてしまう。借金のかたに孫の葵を嫁にやると言う約束を、天神屋の大旦那と交わし、葵はかくりよへ連れて来られることとなった。
律子(りつこ)
CV:水橋 かおり(みずはし かおり)
うつしよからかくりよに嫁いできた人間の女性。
昭和初期に生まれた。長崎出身。女学生時代に住んでいた福岡で縫ノ陰と出会い、当時流行していた洋食屋で逢い引きを重ね、結婚。
あやかし
大旦那(おおだんな)
CV:小西克幸(こにし かつゆき)
鬼神(きじん)。かくりよの宿「天神屋」の主(あるじ)。長く生きる大妖怪で、かくりよを治める八葉(はちよう)(*)の一角を担っている。冷徹で残忍だが懐が深く、品格があり、本心は見せたがらない。
葵に好きなものは何かと聞かれた時も、「それを言うとそれが弱点になりかねない」と、言おうとしなかった。
天神屋の従業員からは慕われており、かくりよでも地位が高い。
かくりよと現世(うつしよ)の間を行き来していた葵の祖父、津場木史郎とは古くからの友人であり、かくりよで豪遊していた史郎に多額の金を貸すこととなった。
この借金のかたに葵を嫁に貰い受ける約束を史郎と交わしていた。
*:八葉(はちよう)とは隠世(かくりよ)をなす八つの土地を治めている、八人のあやかしの実力者たちのこと。詳しくは用語集を参照
銀次(ぎんじ)
CV:土岐隼一(とき しゅんいち)
九尾の狐(きゅうびのきつね)。天神屋の招き狐と呼ばれ、若旦那をしている。端正で物腰は柔らか、仕事もできて頼りにされている。 変化の術が得意で、九つの姿を使い分けられる。
葵には夜食を提供したり、食事処を開くよう提案したりと親切で何かと気遣って助けることになる。
お涼(おりょう)
CV:加隈亜衣(かくま あい)
雪女(ゆきおんな)。天神屋の若女将。 気性は激しく、高飛車な態度とわがままな振る舞いが目立つ。 容姿に気を配っているが意外と大食いである。大旦那を慕って、玉の輿を秘かに狙っている。
葵にはつらく当たるが、のちに葵に助けられてからは少し距離が縮まったようである。
暁(あかつき)
CV:内田雄馬(うちだ ゆうま)
土蜘蛛(つちぐも)。天神屋の番頭。 頭に血が上りやすく荒っぽいが真面目 。大旦那を慕い若くして登用された期待される幹部である。 妹には弱い一面も持ち合わせている。
鈴蘭(すずらん)
目次 - Contents
- 『かくりよの宿飯』の概要
- 『かくりよの宿飯』のあらすじ・ストーリー
- あやかしの宿「天神屋」
- 小料理屋「夕がお」開店
- 妖王家夫妻の結婚記念日
- 静奈と時彦
- 折尾屋
- 松葉と葉鳥のけんか
- 海宝の肴
- 声と味覚を奪われた葵
- 儀式と海坊主
- 『かくりよの宿飯』の登場人物・キャラクター
- 人間
- 津場木 葵(つばき あおい)
- 津場木 史郎(つばき しろう)
- 律子(りつこ)
- あやかし
- 大旦那(おおだんな)
- 銀次(ぎんじ)
- お涼(おりょう)
- 暁(あかつき)
- 鈴蘭(すずらん)
- 静奈(しずな)
- チビ
- 春日(かすが)
- 松葉(まつば)
- 反之介(たんのすけ)
- 白夜(びゃくや)
- サスケ
- 薄荷坊(はっかぼう)
- 黄金童子(おうごんどうじ)
- 縫ノ陰(ぬいのいん)
- 千秋(ちあき)
- 葉鳥(はとり)
- 時彦(ときひこ)
- ノブナガ
- 砂楽博士(さらくはかせ)
- 乱丸(らんまる)
- 秀吉(ひでよし)
- 太一(たいち)
- ねね
- 戒(かい)、明(めい)
- 淀子(よどこ)
- 三成(みつなり)
- アイ
- 笹良(ささら)
- 雷獣(らいじゅう)
- 磯姫(いそひめ)
- 海坊主(うみぼうず)
- 『かくりよの宿飯』の用語
- 隠世(かくりよ)
- 現世(げんせ、げんせい、うつしよ)
- 妖(あやかし)
- 鬼人(きじん)
- 九尾の狐(きゅうびのきつね)
- 雪女(ゆきおんな)
- 土蜘蛛(つちぐも)
- 女郎蜘蛛(じょろうぐも)
- 濡女(ぬれおんな)
- 手鞠河童(てまりがっぱ)
- 化け狸(ばけだぬき)
- 天狗(てんぐ)
- 一反木綿(いったんもめん)
- 白澤、白沢(はくたく)
- 入道坊主(にゅうどうぼうず)
- 座敷童子(ざしきわらし)
- 管子猫(くだこねこ)
- 不知火(しらぬい)
- 送り犬(おくりいぬ)
- 鉄鼠(てっそ)
- 千年土竜(せんねんもぐら)
- 狛犬(こまいぬ)
- 夜雀(よすずめ)
- 火鼠(ひねずみ)
- 鶴童子(つるどうじ)
- 雨女(あめおんな)
- 天神屋(てんじんや)
- 鬼門中の鬼門(きもんちゅうのきもん)
- 八葉(はちよう)
- あやかし好みの味(あやかしごのみのあじ)
- 朱門山(しゅもんざん)
- 天狗の団扇(てんぐのうちわ)
- 宙船(そらふね)
- 椿の簪(つばきのかんざし)
- 妖のお面(あやかしのおめん)
- 妖都(ようと)
- 八幡屋(やはたや)
- 妖怪医学百科(ようかいいがくひゃっか)
- 牛車(ぎっしゃ)
- 妖都新聞(ようとしんぶん)
- 文通式(ぶんつうしき)
- 泉術(せんじゅつ)
- 『かくりよの宿飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 史郎「あやかしの見える人間は狙われやすい。気を付けるんだよ葵」
- 大旦那「気分はどうだい、花嫁殿」
- 銀次「そうだ葵さん、ここで食事処を開きませんか?」
- 大旦那「目障りだ津場木葵、お前はこの天神屋にとって多額の借金を抱えた迷惑な人間でしかない」
- 大旦那「しいて言うなら若い人間の生血とか臓物とか」
- お涼「葵の料理には霊力を回復する特別の効果が備わってるの」
- 大旦那「かくりよへまた来てくれるのかい」
- サスケ「葵殿、あなたはとてもよく似ているでござる、史郎殿に」
- 大旦那「ついておいで」
- 大旦那「葵がそれで安心するのであれば、羽織りの皴(しわ)などいくら増えても構わないよ」
- 板前長「このわがまま、屁理屈、横暴な物言い、史郎の孫娘に違いねえや」
- 律子「かくりよの食べ物を食べ続けることで、少しばかりあやかし的な存在に近づくのです」
- 時彦「君が帰るべき場所はある、だから思うままに頑張れ」
- 大旦那「葵が作ったものなら何だって好きだよ」
- 大旦那「僕は葵になら尻に敷かれてもいいと思っている」
- 葵「私は銀次さんを返せって言ってるのよ」
- 葵「私、戻れないわ。銀次さんを置いては戻れないわ」
- 戒と明「だから、うつしよのアイデアで助けて欲しい」
- 葉鳥「お嬢ちゃんは素直でいい子だ」
- 笹良「家族は皆一緒にいなければ」
- 葵「これは私がやらなきゃならないことよ」
- 磯姫「海宝の肴はあなたが手掛けなさい]
- 葵「ねえ秀吉、あんたもしかしてねねのこと好きなの?」
- 雷獣「料理って言う武器が通用しない相手からは、どうやってその身を守るの?料理が出来なくなったら?」
- 乱丸「俺が行くほかねえ。山登りでも山越えでも、なんだってやってやる」
- 銀次「大丈夫ですよ葵さん。このまま食べ物の味が分からないなんて、そんなことあるはずがありません。そんなこと、あっていいはずがありません」
- 葵「あははじゃなくて、ねえ大旦那様。迎えに来てくれたのはうれしいけど、私今帰るわけにはいかないのよ。儀式の肴を作るの、私が任されたの磯姫様に、いえ乱丸に」
- チビ「葵さん、どうして海坊主さん1人にさせるですか?海坊主さんは、寂しがり屋さんです。僕と同じです、独りぼっちでいつもお腹が空いてて」
- 『かくりよの宿飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ化が正式に決定した時に初めてお酒を飲んだ原作者・友麻碧
- 『かくりよの宿飯』に対する奥田佳子監督の思い
- 『かくりよの宿飯』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング): 東山奈央『灯火のまにまに』(第1話 - 第9話、第11話 - 第14話)
- ED(エンディング): 沼倉愛美『彩-color-』(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話、第9話 - 第12話)
- ED(エンディング):大旦那(小西克幸)『願い花』(第3話)
- ED(エンディング):暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)『時の砂』(第5話)
- ED(エンディング): 白夜(田丸篤志)『My Sweet Sweet Love』(第8話)
- ED(エンディング):銀次(土岐隼一)『風』(第13話)
- OP(オープニング):ナノ『ウツシヨノユメ』(第2期第14話 - 第26話)
- ED(エンディング):中島愛『知らない気持ち』(第2期第15話 - 第17話、第19話、第20話、第22話、第24話、第26話)
- ED(エンディング):葉鳥(寺島拓篤)『ヤシホノハナ』(第2期第18話)
- ED(エンディング):秀吉(柿原徹也)『恋守唄』(第2期第21話)
- ED(エンディング):雷獣(日野聡)『刹那の煌めき』(第2期第23話)
- ED(エンディング):乱丸(石川界人)『永遠の絆』(第2期第25話)
- 挿入歌: 葵(東山奈央)『春色』(第2期第20話)