かくりよの宿飯(やどめし)のネタバレ解説・考察まとめ
『かくりよの宿飯』とは、富士見L文庫より刊行された友麻碧のキャラクター小説。イラスト担当したのはLaruha。2018年には2シーズンに渡ってアニメ化された。アニメの制作はGONZO、監督は奥田佳子が務めた。
あやかしを見ることの出来る女子大生の津場木葵がかくりよにある老舗宿「天神屋」の大旦那を名乗る鬼神に連れ去られたことをきっかけに、料理の腕を活かして小料理屋を切り盛りしていく。料理を通してあやかしとの仲を深めていく様子が見どころとなっている。
第9話。お腹を空かせて腹をぐーっと鳴らした葵を、板前長が大笑いした後で葵に言った言葉。大旦那に見習い達磨たちの所業を詫びるために来ていた板前長だったが、破天荒だった史郎にそっくりな葵の物言いに思わず出た言葉。
律子「かくりよの食べ物を食べ続けることで、少しばかりあやかし的な存在に近づくのです」
第10話。夕がおを訪ねて来られた律子様が葵に仰った言葉。人間はあやかしより寿命が短く、先に逝ってしまう。けれども、かくりよの食べ物を食べ続けていると、少しではあるが、寿命が延び、あやかし的な部分を帯びてくる。律子様のかくりよでの長い生活体験から出たお言葉。
時彦「君が帰るべき場所はある、だから思うままに頑張れ」
第11話。静奈と時彦は一緒に料理を作ることで、折尾屋で昔一緒に働いていたころの一体感を取り戻すことが出来た。時彦の誘いを断ってばかりいた静奈も、いつか必ず戻ると言えるようになった。時彦もそんな静奈を遠くから見守ることが出来る気持ちになっていった。
大旦那「葵が作ったものなら何だって好きだよ」
第12話。葵に、うつしよから戻ったら何が食べたいかと聞かれ、答えた大旦那の伝書の言葉。相変わらず好物を言おうとしない大旦那だが、葵は心を込めて弁当を作った。
大旦那「僕は葵になら尻に敷かれてもいいと思っている」
第13話。うつしよから戻った大旦那は、葵の作ったお弁当を食べ満足していた。天神屋の皆をこれからもよろしくと頼んだ大旦那は、自分のこともよろしく頼むと言い、そしてこの言葉を葵に告げる。
葵のことを、僕の花嫁と言い続けている大旦那の、妥協ともとれるが、それだけ大旦那の切実な願いが現れている言葉。
葵「私は銀次さんを返せって言ってるのよ」
第14話。天神屋の大旦那が、頭を下げるほどの存在の折尾屋の大女将、黄金童子。その黄金童子が銀次に「もう折尾屋にお戻り」と言ったにもかかわらず、それに逆らって言った葵の言葉。
祖父の史郎譲りの大胆不敵ともとれる言葉。真っ直ぐな自分の思いを、抑えきれずに出た渾身の力が込められた言葉である。
葵「私、戻れないわ。銀次さんを置いては戻れないわ」
第15話。葵が乱丸や秀吉から手荒な扱いを受けたり、どう見ても自分で転んだとは思えない、葵の痛ましい足のあざを見て銀次は「私としては、一刻も早く天神屋に戻って頂きたいのです」と言った。
その言葉を聞いて葵は、この言葉を銀次に返した。自分だけが銀次を置いて天神屋に戻ることは出来ない。夕がおは、銀次無しでは成り立たないのだという、葵の強い思いの込められた言葉である。
戒と明「だから、うつしよのアイデアで助けて欲しい」
第16話。鶴童子の戒と明の言葉。葵を快く思わぬ者も多い折尾屋。乱丸のような、命令ではなく助けを求めて来た、葵にとって心強い味方となる言葉。雨女の淀子の我がままに、手を焼いていた板前の鶴童子たちが、真剣に葵に助けて欲しいと申し出た言葉である。
葉鳥「お嬢ちゃんは素直でいい子だ」
目次 - Contents
- 『かくりよの宿飯』の概要
- 『かくりよの宿飯』のあらすじ・ストーリー
- あやかしの宿「天神屋」
- 小料理屋「夕がお」開店
- 妖王家夫妻の結婚記念日
- 静奈と時彦
- 折尾屋
- 松葉と葉鳥のけんか
- 海宝の肴
- 声と味覚を奪われた葵
- 儀式と海坊主
- 『かくりよの宿飯』の登場人物・キャラクター
- 人間
- 津場木 葵(つばき あおい)
- 津場木 史郎(つばき しろう)
- 律子(りつこ)
- あやかし
- 大旦那(おおだんな)
- 銀次(ぎんじ)
- お涼(おりょう)
- 暁(あかつき)
- 鈴蘭(すずらん)
- 静奈(しずな)
- チビ
- 春日(かすが)
- 松葉(まつば)
- 反之介(たんのすけ)
- 白夜(びゃくや)
- サスケ
- 薄荷坊(はっかぼう)
- 黄金童子(おうごんどうじ)
- 縫ノ陰(ぬいのいん)
- 千秋(ちあき)
- 葉鳥(はとり)
- 時彦(ときひこ)
- ノブナガ
- 砂楽博士(さらくはかせ)
- 乱丸(らんまる)
- 秀吉(ひでよし)
- 太一(たいち)
- ねね
- 戒(かい)、明(めい)
- 淀子(よどこ)
- 三成(みつなり)
- アイ
- 笹良(ささら)
- 雷獣(らいじゅう)
- 磯姫(いそひめ)
- 海坊主(うみぼうず)
- 『かくりよの宿飯』の用語
- 隠世(かくりよ)
- 現世(げんせ、げんせい、うつしよ)
- 妖(あやかし)
- 鬼人(きじん)
- 九尾の狐(きゅうびのきつね)
- 雪女(ゆきおんな)
- 土蜘蛛(つちぐも)
- 女郎蜘蛛(じょろうぐも)
- 濡女(ぬれおんな)
- 手鞠河童(てまりがっぱ)
- 化け狸(ばけだぬき)
- 天狗(てんぐ)
- 一反木綿(いったんもめん)
- 白澤、白沢(はくたく)
- 入道坊主(にゅうどうぼうず)
- 座敷童子(ざしきわらし)
- 管子猫(くだこねこ)
- 不知火(しらぬい)
- 送り犬(おくりいぬ)
- 鉄鼠(てっそ)
- 千年土竜(せんねんもぐら)
- 狛犬(こまいぬ)
- 夜雀(よすずめ)
- 火鼠(ひねずみ)
- 鶴童子(つるどうじ)
- 雨女(あめおんな)
- 天神屋(てんじんや)
- 鬼門中の鬼門(きもんちゅうのきもん)
- 八葉(はちよう)
- あやかし好みの味(あやかしごのみのあじ)
- 朱門山(しゅもんざん)
- 天狗の団扇(てんぐのうちわ)
- 宙船(そらふね)
- 椿の簪(つばきのかんざし)
- 妖のお面(あやかしのおめん)
- 妖都(ようと)
- 八幡屋(やはたや)
- 妖怪医学百科(ようかいいがくひゃっか)
- 牛車(ぎっしゃ)
- 妖都新聞(ようとしんぶん)
- 文通式(ぶんつうしき)
- 泉術(せんじゅつ)
- 『かくりよの宿飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 史郎「あやかしの見える人間は狙われやすい。気を付けるんだよ葵」
- 大旦那「気分はどうだい、花嫁殿」
- 銀次「そうだ葵さん、ここで食事処を開きませんか?」
- 大旦那「目障りだ津場木葵、お前はこの天神屋にとって多額の借金を抱えた迷惑な人間でしかない」
- 大旦那「しいて言うなら若い人間の生血とか臓物とか」
- お涼「葵の料理には霊力を回復する特別の効果が備わってるの」
- 大旦那「かくりよへまた来てくれるのかい」
- サスケ「葵殿、あなたはとてもよく似ているでござる、史郎殿に」
- 大旦那「ついておいで」
- 大旦那「葵がそれで安心するのであれば、羽織りの皴(しわ)などいくら増えても構わないよ」
- 板前長「このわがまま、屁理屈、横暴な物言い、史郎の孫娘に違いねえや」
- 律子「かくりよの食べ物を食べ続けることで、少しばかりあやかし的な存在に近づくのです」
- 時彦「君が帰るべき場所はある、だから思うままに頑張れ」
- 大旦那「葵が作ったものなら何だって好きだよ」
- 大旦那「僕は葵になら尻に敷かれてもいいと思っている」
- 葵「私は銀次さんを返せって言ってるのよ」
- 葵「私、戻れないわ。銀次さんを置いては戻れないわ」
- 戒と明「だから、うつしよのアイデアで助けて欲しい」
- 葉鳥「お嬢ちゃんは素直でいい子だ」
- 笹良「家族は皆一緒にいなければ」
- 葵「これは私がやらなきゃならないことよ」
- 磯姫「海宝の肴はあなたが手掛けなさい]
- 葵「ねえ秀吉、あんたもしかしてねねのこと好きなの?」
- 雷獣「料理って言う武器が通用しない相手からは、どうやってその身を守るの?料理が出来なくなったら?」
- 乱丸「俺が行くほかねえ。山登りでも山越えでも、なんだってやってやる」
- 銀次「大丈夫ですよ葵さん。このまま食べ物の味が分からないなんて、そんなことあるはずがありません。そんなこと、あっていいはずがありません」
- 葵「あははじゃなくて、ねえ大旦那様。迎えに来てくれたのはうれしいけど、私今帰るわけにはいかないのよ。儀式の肴を作るの、私が任されたの磯姫様に、いえ乱丸に」
- チビ「葵さん、どうして海坊主さん1人にさせるですか?海坊主さんは、寂しがり屋さんです。僕と同じです、独りぼっちでいつもお腹が空いてて」
- 『かくりよの宿飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ化が正式に決定した時に初めてお酒を飲んだ原作者・友麻碧
- 『かくりよの宿飯』に対する奥田佳子監督の思い
- 『かくりよの宿飯』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング): 東山奈央『灯火のまにまに』(第1話 - 第9話、第11話 - 第14話)
- ED(エンディング): 沼倉愛美『彩-color-』(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話、第9話 - 第12話)
- ED(エンディング):大旦那(小西克幸)『願い花』(第3話)
- ED(エンディング):暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)『時の砂』(第5話)
- ED(エンディング): 白夜(田丸篤志)『My Sweet Sweet Love』(第8話)
- ED(エンディング):銀次(土岐隼一)『風』(第13話)
- OP(オープニング):ナノ『ウツシヨノユメ』(第2期第14話 - 第26話)
- ED(エンディング):中島愛『知らない気持ち』(第2期第15話 - 第17話、第19話、第20話、第22話、第24話、第26話)
- ED(エンディング):葉鳥(寺島拓篤)『ヤシホノハナ』(第2期第18話)
- ED(エンディング):秀吉(柿原徹也)『恋守唄』(第2期第21話)
- ED(エンディング):雷獣(日野聡)『刹那の煌めき』(第2期第23話)
- ED(エンディング):乱丸(石川界人)『永遠の絆』(第2期第25話)
- 挿入歌: 葵(東山奈央)『春色』(第2期第20話)