かくりよの宿飯(やどめし)のネタバレ解説・考察まとめ
『かくりよの宿飯』とは、富士見L文庫より刊行された友麻碧のキャラクター小説。イラスト担当したのはLaruha。2018年には2シーズンに渡ってアニメ化された。アニメの制作はGONZO、監督は奥田佳子が務めた。
あやかしを見ることの出来る女子大生の津場木葵がかくりよにある老舗宿「天神屋」の大旦那を名乗る鬼神に連れ去られたことをきっかけに、料理の腕を活かして小料理屋を切り盛りしていく。料理を通してあやかしとの仲を深めていく様子が見どころとなっている。
第25話。本来なら折尾屋に攫われた葵は、大旦那と一緒に天神屋に帰ることが出来たが、葵はこれまでに深く南の地の儀式に関わってしまった。折尾屋のためだけでなく、好きになった南の地に暮らす人々に、災厄が起こって欲しくないという気持ちを強く感じるようになった。最後まで儀式をやり遂げたいという葵の強い意志が、大旦那にこの言葉を言わしめたのである。また、磯姫様から託された海宝の肴を今、乱丸から正式に依頼されたことで、乱丸との信頼関係も大きく前進する大切な儀式であるという認識が、葵の中に確かに芽生えていたのである。
チビ「葵さん、どうして海坊主さん1人にさせるですか?海坊主さんは、寂しがり屋さんです。僕と同じです、独りぼっちでいつもお腹が空いてて」
第26話。チビはきゅうりの匂いに釣られて、無邪気に御簾の中に入ってしまった。でもそこに見たのは、怒る海坊主ではなくて、寂しさに打ちひしがれた海坊主だった。チビはすぐに海坊主の相手になり、お腹を撫でてもらい海坊主に甘えた。海坊主も、儀式の意味など知る由もない無邪気なチビが、甘えてくれることを喜んだ。しかし今までの孤独が一遍に湧き上がり、うれしさと悲しみとが混ざった涙を流して、チビを驚かせてしまった。葵もチビに触発されて、海坊主の真の姿を知ることが出来た。海坊主の真実と、これからの儀式の在り方を乱丸たちに考えさせることになる、チビの渾身の言葉であった。
『かくりよの宿飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
アニメ化が正式に決定した時に初めてお酒を飲んだ原作者・友麻碧
アニメ化の話を少しずつじわじわと聞いていた作者は、アニメ化が正式に決定した時に、とてもうれしくて担当編集さんの前で初めてお酒を飲んだ。デビューから3シリーズ目であったので、やっと来たと言う思いがあった。また、劇中で葵の作る料理は、さっと作れる日常的なものが多いので、皆さんの献立に役立てばうれしいと語っている。
『かくりよの宿飯』に対する奥田佳子監督の思い
日常の日々の食事。それを一緒に共有した者同士が結んでいくことの出来る絆。『かくりよの宿飯』は、それがどれほど素敵なことかを、気づかせてくれる作品に仕上がっている。自分の中にある、味の思い出を振り返ることによって、人は幸せになれるのではないかと奥田監督は語っている。また、原作の中で使われる葵の独特な言葉遣い。その言葉が脚本によってどのように変わっていくのか、登場人物のセリフにも注目して欲しいと監督は視聴者に要望している。
『かくりよの宿飯』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング): 東山奈央『灯火のまにまに』(第1話 - 第9話、第11話 - 第14話)
オープニングテーマ「灯火のまにまに」(第1話~)
作詞・編曲 : ZAI-ON / 作曲: WEST GROUND / 歌:東山奈央
第14話までオープニングテーマとして使用された。
ED(エンディング): 沼倉愛美『彩-color-』(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話、第9話 - 第12話)
エンディングテーマ
「彩 -color-」(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話)
作詞・歌 : 沼倉愛美 / 作曲: WEST GROUND / 編曲 : ZAI-ON
ED(エンディング):大旦那(小西克幸)『願い花』(第3話)
エンディングテーマ 「願い花」(第3話)
作詞・作曲 : 伊藤直樹 / 編曲 : 伊藤直樹、伊賀拓郎 / 歌 : 大旦那(小西克幸)
ED(エンディング):暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)『時の砂』(第5話)
エンディングテーマ 「時の砂」(第5話)
作詞・作曲・編曲 :- 伊賀拓郎 / 歌 : 暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)
ED(エンディング): 白夜(田丸篤志)『My Sweet Sweet Love』(第8話)
目次 - Contents
- 『かくりよの宿飯』の概要
- 『かくりよの宿飯』のあらすじ・ストーリー
- あやかしの宿「天神屋」
- 小料理屋「夕がお」開店
- 妖王家夫妻の結婚記念日
- 静奈と時彦
- 折尾屋
- 松葉と葉鳥のけんか
- 海宝の肴
- 声と味覚を奪われた葵
- 儀式と海坊主
- 『かくりよの宿飯』の登場人物・キャラクター
- 人間
- 津場木 葵(つばき あおい)
- 津場木 史郎(つばき しろう)
- 律子(りつこ)
- あやかし
- 大旦那(おおだんな)
- 銀次(ぎんじ)
- お涼(おりょう)
- 暁(あかつき)
- 鈴蘭(すずらん)
- 静奈(しずな)
- チビ
- 春日(かすが)
- 松葉(まつば)
- 反之介(たんのすけ)
- 白夜(びゃくや)
- サスケ
- 薄荷坊(はっかぼう)
- 黄金童子(おうごんどうじ)
- 縫ノ陰(ぬいのいん)
- 千秋(ちあき)
- 葉鳥(はとり)
- 時彦(ときひこ)
- ノブナガ
- 砂楽博士(さらくはかせ)
- 乱丸(らんまる)
- 秀吉(ひでよし)
- 太一(たいち)
- ねね
- 戒(かい)、明(めい)
- 淀子(よどこ)
- 三成(みつなり)
- アイ
- 笹良(ささら)
- 雷獣(らいじゅう)
- 磯姫(いそひめ)
- 海坊主(うみぼうず)
- 『かくりよの宿飯』の用語
- 隠世(かくりよ)
- 現世(げんせ、げんせい、うつしよ)
- 妖(あやかし)
- 鬼人(きじん)
- 九尾の狐(きゅうびのきつね)
- 雪女(ゆきおんな)
- 土蜘蛛(つちぐも)
- 女郎蜘蛛(じょろうぐも)
- 濡女(ぬれおんな)
- 手鞠河童(てまりがっぱ)
- 化け狸(ばけだぬき)
- 天狗(てんぐ)
- 一反木綿(いったんもめん)
- 白澤、白沢(はくたく)
- 入道坊主(にゅうどうぼうず)
- 座敷童子(ざしきわらし)
- 管子猫(くだこねこ)
- 不知火(しらぬい)
- 送り犬(おくりいぬ)
- 鉄鼠(てっそ)
- 千年土竜(せんねんもぐら)
- 狛犬(こまいぬ)
- 夜雀(よすずめ)
- 火鼠(ひねずみ)
- 鶴童子(つるどうじ)
- 雨女(あめおんな)
- 天神屋(てんじんや)
- 鬼門中の鬼門(きもんちゅうのきもん)
- 八葉(はちよう)
- あやかし好みの味(あやかしごのみのあじ)
- 朱門山(しゅもんざん)
- 天狗の団扇(てんぐのうちわ)
- 宙船(そらふね)
- 椿の簪(つばきのかんざし)
- 妖のお面(あやかしのおめん)
- 妖都(ようと)
- 八幡屋(やはたや)
- 妖怪医学百科(ようかいいがくひゃっか)
- 牛車(ぎっしゃ)
- 妖都新聞(ようとしんぶん)
- 文通式(ぶんつうしき)
- 泉術(せんじゅつ)
- 『かくりよの宿飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 史郎「あやかしの見える人間は狙われやすい。気を付けるんだよ葵」
- 大旦那「気分はどうだい、花嫁殿」
- 銀次「そうだ葵さん、ここで食事処を開きませんか?」
- 大旦那「目障りだ津場木葵、お前はこの天神屋にとって多額の借金を抱えた迷惑な人間でしかない」
- 大旦那「しいて言うなら若い人間の生血とか臓物とか」
- お涼「葵の料理には霊力を回復する特別の効果が備わってるの」
- 大旦那「かくりよへまた来てくれるのかい」
- サスケ「葵殿、あなたはとてもよく似ているでござる、史郎殿に」
- 大旦那「ついておいで」
- 大旦那「葵がそれで安心するのであれば、羽織りの皴(しわ)などいくら増えても構わないよ」
- 板前長「このわがまま、屁理屈、横暴な物言い、史郎の孫娘に違いねえや」
- 律子「かくりよの食べ物を食べ続けることで、少しばかりあやかし的な存在に近づくのです」
- 時彦「君が帰るべき場所はある、だから思うままに頑張れ」
- 大旦那「葵が作ったものなら何だって好きだよ」
- 大旦那「僕は葵になら尻に敷かれてもいいと思っている」
- 葵「私は銀次さんを返せって言ってるのよ」
- 葵「私、戻れないわ。銀次さんを置いては戻れないわ」
- 戒と明「だから、うつしよのアイデアで助けて欲しい」
- 葉鳥「お嬢ちゃんは素直でいい子だ」
- 笹良「家族は皆一緒にいなければ」
- 葵「これは私がやらなきゃならないことよ」
- 磯姫「海宝の肴はあなたが手掛けなさい]
- 葵「ねえ秀吉、あんたもしかしてねねのこと好きなの?」
- 雷獣「料理って言う武器が通用しない相手からは、どうやってその身を守るの?料理が出来なくなったら?」
- 乱丸「俺が行くほかねえ。山登りでも山越えでも、なんだってやってやる」
- 銀次「大丈夫ですよ葵さん。このまま食べ物の味が分からないなんて、そんなことあるはずがありません。そんなこと、あっていいはずがありません」
- 葵「あははじゃなくて、ねえ大旦那様。迎えに来てくれたのはうれしいけど、私今帰るわけにはいかないのよ。儀式の肴を作るの、私が任されたの磯姫様に、いえ乱丸に」
- チビ「葵さん、どうして海坊主さん1人にさせるですか?海坊主さんは、寂しがり屋さんです。僕と同じです、独りぼっちでいつもお腹が空いてて」
- 『かくりよの宿飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ化が正式に決定した時に初めてお酒を飲んだ原作者・友麻碧
- 『かくりよの宿飯』に対する奥田佳子監督の思い
- 『かくりよの宿飯』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング): 東山奈央『灯火のまにまに』(第1話 - 第9話、第11話 - 第14話)
- ED(エンディング): 沼倉愛美『彩-color-』(第1話、第2話、第4話、第6話、第7話、第9話 - 第12話)
- ED(エンディング):大旦那(小西克幸)『願い花』(第3話)
- ED(エンディング):暁(内田雄馬)、鈴蘭(内田真礼)『時の砂』(第5話)
- ED(エンディング): 白夜(田丸篤志)『My Sweet Sweet Love』(第8話)
- ED(エンディング):銀次(土岐隼一)『風』(第13話)
- OP(オープニング):ナノ『ウツシヨノユメ』(第2期第14話 - 第26話)
- ED(エンディング):中島愛『知らない気持ち』(第2期第15話 - 第17話、第19話、第20話、第22話、第24話、第26話)
- ED(エンディング):葉鳥(寺島拓篤)『ヤシホノハナ』(第2期第18話)
- ED(エンディング):秀吉(柿原徹也)『恋守唄』(第2期第21話)
- ED(エンディング):雷獣(日野聡)『刹那の煌めき』(第2期第23話)
- ED(エンディング):乱丸(石川界人)『永遠の絆』(第2期第25話)
- 挿入歌: 葵(東山奈央)『春色』(第2期第20話)