聖剣伝説4(DAWN of MANA)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖剣伝説』シリーズの4作目。プレイステーション2にて発売された、シリーズ初の3Dアクションアドベンチャーゲーム。従来のシリーズからシステムも一新され、ステージクリア型ゲームとなった。「原点回帰」をテーマとし、これまでのシリーズの登場人物の名前が使用されている。聖なる大樹から力を授けられた主人公エルディを通して、「マナの女神」や「聖剣」の誕生が描かれる。

『聖剣伝説4』の概要

今作は『聖剣伝説』シリーズ4作目にあたる。
プレイステーション2用ソフトとして、2006年12月21日に発売され、シリーズ初の3D化・ボイス付き作品となった。
ハードの特性を限界まで生かした美麗なグラフィック、オープニングは秀逸。
『聖剣伝説3』から、11年ぶりのナンバリングタイトルとなる今作のテーマは「原点回帰」となり、シリーズのキーワードとなる「マナの女神」と「聖剣」の誕生が描かれる。

本作はキャラクターやオブジェクトの動作を、Havok社の物理演算ソフトを採用することにより、リアルな動作が可能となった。ステージ上には「MONO」と呼ばれる様々な障害物が多く設置されており、「MONO」の種類によって、異なる動作をするギミックを活かし、戦いを有利に進めることが出来る。

これまでのシリーズのジャンルは、アクションRPGであったが、今作ではアクションアドベンチャーゲームとなっており、キャラクターの経験値やレベルアップなどのRPG的な仕様が廃止されている。
このゲーム仕様の変更の狙いは、ゲームのキャラクターの成長よりも、ゲームを操作するプレイヤー本人のスキルアップにある。

プレイヤーはステージ上の主人公を操作し、敵と戦う。
武器は主人公の右腕に寄生した大樹のツタで、それが剣やムチ、パチンコの3種類の武器に変化する。
主人公に同行する精霊「フィー」は「フィー魔法」で助けてくれる。
ツタとフィーにはレベルがあり、攻撃力が一定の値になるととツタレベルが上昇し、武器を使って行えるアクションの種類が増える。
またMPが一定の値になるとフィーのレベルが上昇し、フィー魔法の種類が増える。

ストーリーは、全9章からなり、チャプターごとに用意されたステージを主人公を操作してクリアして進めていくステージ制。
各章のステージ最奥部のボスを倒すことでステージクリアとなり、次のステージに進むという流れ。
最終章のステージのボスを倒せばゲームクリアとなる。
なお、ステージで稼いだキャラクターの経験値や拾ったアイテムなどはステージ毎にリセットされる。

このように今作では経験値の概念は無いが、「メダル」や「エンブレム」を入手することで主人公を強化できる。
メダルやエンブレムはステージ中に入手が可能で、集めたメダルはステージをクリアした時点でお金であるルクに換金され、さらにメダルによって強化された能力値も初期状態に戻る。
エンブレムはステージ開始前に装備し、様々な効果を得ることができる。

ゲームの難易度は5段階あり、基本は「EASY」「NORMAL」「HARD」「ULTIMATE」の4つ。
アクションが苦手なプレイヤーには難易度の低い「EASY」が推奨されているが、それでも全滅した場合は、そのステージを最初からやり直す場合のみ、プレイヤーへの救済措置として難易度が「EASY」よりもさらに難易度の低い「BEGINNER」に自動的に切り替わる。

音楽は最初の『聖剣伝説』を手掛けた伊藤賢治が担当している。
さらにメインテーマは世界的音楽家である坂本龍一が担当している。

物語の舞台は「ファ・ディール」という世界。
その中心には、全ての生命の源と言われる大樹がある聖なる島イルージャがあった。
大樹のふもとには「樹の村」があり、そこに住む人々は「樹の民」と呼ばれた。
ある日、村に大国ロリマー帝国が攻め入ってきた。
樹の村に住む少年エルディは、帝国にさらわれた幼馴染の少女リチアを救うため、大樹から授けられた力を用いて、ロリマー帝国とその陰で暗躍する黒幕たちと戦う。

『聖剣伝説4』の用語

聖なる島イルージャ

ゲームの舞台である「ファ・ディール」という世界の中心にある島。
イルージャ島には世界の全ての生命の源と言われる大樹が立っているため、聖なる島と呼ばれる。
その大樹のそばには主人公の住む樹の村がある。
島には遺跡の遺る塔がある。

大樹

イルージャ島に立つ巨大な樹で、世界の始まりから存在し、世界の全ての命の源であるとも言われている。
千年前に呪いにかかり、石化した状態になっている。

樹の村

イルージャ島の聖なる大樹のふもとにある村。
この村に住む者は樹の民と呼ばれる。
主人公とヒロインの住む村。
樹の民はその証として守護植物を持ち、それぞれの村での役目を表す。
大樹の巫女であるリチアは巫女の証である「タイジュノイノリ」という守護植物を持っている。
主人公のエルディは村の生まれではないため、守護植物を持たない。

聖剣

『聖剣伝説4』においては聖剣と呼ばれるものは2つ存在する。
ひとつは大樹の種子がエルディの右腕に宿り、種子から伸びたツタが剣となったもの。剣の他にも、ムチやパチンコに姿を変えることができる。
もうひとつは森の主トレント(後述)が自らの体内に隠し持っていた剣。
かつては聖剣と呼ばれていたが、トレントが体内に収めた時には闇に染まり、邪剣となっていた。

滅びのこだま

憎しみや悲しみといった、人間の負の感情を吸った大樹が生みだした闇の力の源。
滅びのこだまが解放され、地上にあふれだすと世界は闇に閉ざされるという。
滅びのこだまは、大樹の根の地中奥深くに封印されており、大樹自身が滅びのこだまの解放を押しとどめている。

邪精霊タナトス

滅びのこだまから生まれた邪悪な精霊。
地上のあらゆる生き物に憑りついて、不老不死の魔物に変えてしまう力を持っている。
大樹の祠にある魔界の扉の奥に封印されている。

ゴーレム

ロリマー王国軍の主要戦力となる、仮面の導師(後述)が作り出した魔法生物。
「精霊球」を動力源にして動き、人間並みの知能を持っている。
兵士としてのゴーレムには、槍を持つタイプや弓を持つタイプなどさまざまなタイプが存在する。

また、ゴーレムの中でも他のゴーレムよりも巨大で、ゴーレムたちを束ねるゴーレム将軍(CV:髙階俊嗣)がいる。
ゴーレム将軍もタナトスに憑依され、タナトスゴーレムジェネラルに変貌する。

氷の国ロリマー

北方にある、若きストラウド王の治める国。
イルージャ島への侵攻を行う。

火の国イシュ

マイスター・ワッツを王とする国。なにかとエルディを助けてくれる。
各国の王のなかで唯一登場している。

砂の国ジャド

ブラザー・モティ王の治める砂漠にある国。
ジャド城の外にはサボテン砂漠が広がっている。

緑の国ウェンデル

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