聖剣伝説4(DAWN of MANA)のネタバレ解説・考察まとめ
『聖剣伝説』シリーズの4作目。プレイステーション2にて発売された、シリーズ初の3Dアクションアドベンチャーゲーム。従来のシリーズからシステムも一新され、ステージクリア型ゲームとなった。「原点回帰」をテーマとし、これまでのシリーズの登場人物の名前が使用されている。聖なる大樹から力を授けられた主人公エルディを通して、「マナの女神」や「聖剣」の誕生が描かれる。
エンブレムは、各章の開始時に装備できるアイテムである。
エンブレムには様々な種類があり、装備することで能力値がアップしたり、特殊効果が付与されるものなどがある。
1度装備したエンブレムは、そのステージが終了するまで変更できない。
1度に装備できるエンブレムの数は、総合リザルトの「取得HPメダル総数」「取得MPメダル総数」「取得POWメダル総数」の合計によって決まり、最初は2つまで装備可能で、最大で5つ同時に装備できる様になる。
各エンブレムには入手条件が設定されており、多くのエンブレムはリザルトの特定の項目で評価Sを得るか、総合リザルトの通算成績が一定以上に達する事で入手できる。
また、一部のエンブレムは特定の難易度の最終章をクリアする事で入手できる。
リザルトでの入手条件を満たすほか、チャレンジアリーナ(後述)の「ショップ」でエンブレムを買うこともできる。
最初から買えるエンブレムもあれば、特定の難易度の最終章をクリアしたり、総合評価でSを取ることなどでショップに並ぶエンブレムもある。
また、レアモンスターを倒した際に低確率で入手できるエンブレムもある。
すべてのエンブレムを手に入れることがやりこみ要素の1つとなっている。
チャレンジアリーナ
チャレンジアリーナとは、第2章クリア後にタイトル画面に出現するバトルモードのことで、直接ストーリーとは関係がなく、戦闘だけを楽しむモード。
全部で32ステージが用意されており、条件をクリアしていくことでステージが増加していく。
チャレンジアリーナの各ステージのBGMにはこれまでの『聖剣伝説シリーズ』の曲がアレンジされて使用されている。
チャレンジアリーナでは、ステージ内のモンスターを制限時間内に全滅させればクリアとなる。
エルディのHPが尽きるか、制限時間が過ぎると敗北となる。
戦闘時、ペットモンスターを3体まで連れていくことができ、一緒に戦うことができる。
ペットモンスターは「ペットエッグ」という卵から生まれる。
ペットエッグは、敵を倒したり、ショップで購入したりして入手できる。
チャレンジアリーナのショップでは本編やチャレンジアリーナで入手したルクを支払えば、「ペットエッグ」やエンブレム、MONOなどを購入できる。
購入したMONOは、最大3個までステージに置くことが出来る。
『聖剣伝説4』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
評価が低い理由
『聖剣伝説4』の評価が著しく低いのは、これまでのシリーズの「アクションRPG」ジャンルが「アクションアドベンチャー」に変更されたことに一因がある。
開発者の意図は、ゲームをプレイするのはゲームキャラクターではなく、プレイヤーである、ということに重きを置き、プレイヤーのスキルをアップさせることにあった。
プレイヤースキルが低くても時間をかけてキャラクターを育てればクリアできるゲームが多い昨今の現状に、新たな挑戦を仕掛けたともいえる。
そのため、RPG色が無くなり、アクション性の強いゲームとなった。
RPGでは普通用意されているはずのワールドマップがなく、ステージ制のゲームとなったために決まった場所しか移動することはできない。
そのため自由度も息抜きの場所もなく、ユーザーインターフェースもかなり不親切であった。
ステージをクリアするごとに、そのステージで得た成長要素などがすべてリセットされてしまい、1つのステージをクリアすると次のステージではまた1からやり直しになるという、RPGの醍醐味である主人公の成長がないゲーム性を、『聖剣伝説』シリーズのファンは受け入れられなかった。
自分の強さはリセットされるのに、ステージが進むごとに敵は強くなる。
つまり、ステージが進むにつれて敵は強化されるのに、主人公は弱体化されるということになり、その難易度の高さに途中でやめてしまうプレイヤーが続出した。
また、シリーズの特徴でもあった仲間の存在が今作ではないため、主人公のエルディしか動かせないことも、プレイヤーをがっかりさせた。
またストーリーも、ステージ間にイベントと語りだけで進行するなど、盛り上がりと演出に欠け、ナンバリングタイトルとしては物足りないものとなった。
シナリオの原案を手掛けた加藤正人は後に自身のブログで「自分のシナリオとは別物」と語っており、システムを優先するあまり開発中にかなりの描写が削り取られた可能性を示唆している。
評価が高いのはグラフィックと音楽だけであり、オリジナルサウンドトラックはプレミアがついて高値となり、ゲーム本体よりも高値で取引されるほどである。
リメイク版、アーカイブスが出ない理由
『聖剣伝説』シリーズは3までは、リメイク版や任天堂アーカイブス、『聖剣伝説コレクション』など、様々な形で発売や配信されたが、『聖剣伝説4』だけはナンバリングタイトルにも関わらず、リメイクや移植の話も全く聞かれない。
また、ゲーム発売後に価格帯を抑えた廉価版「アルティメットヒッツ(BEST版)」も発売されていない。
これは、ゲーム自体が低評価であったことから、発売直後に店頭で投げ売りされ、価格破壊が起こったためである。
一時期amazonでは94%オフの399円で販売されていたこともあった。
これでは廉価版やアーカイブスを出す意味がない。
ファンの間からも『聖剣伝説』は3で終わり、などと揶揄されるほど嫌われており、Nintendo Switchで発売された『聖剣伝説コレクション』からもはずされたことも頷ける。
Related Articles関連記事
聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-(FF外伝)のネタバレ解説・考察まとめ
『聖剣伝説』シリーズの第1作。当初は『ファイナルファンタジー(FF)シリーズ』の派生作品としてリリースされたアクションRPG。FFシリーズでおなじみのチョコボや飛空艇、魔法なども登場する。生と死、出会いと別れをテーマに描かれる重いストーリーの中にもコミカルな要素がありパズル的な謎解きも楽しめる。リメイク作品『新約 聖剣伝説』が作られ更に3Dでもフルリメイクされた。
Read Article
聖剣伝説 LEGEND OF MANA(LOM)のネタバレ解説・考察まとめ
1999年にスクウェアから発売されたPlayStation用ゲームソフト。 『聖剣伝説』シリーズ4作品目になるが、過去の作品とつながっていない独自の世界になっている。 ポリゴンを用いた3D画面が主流になり始めた時期に珍しく、2Dによる緻密で繊細なドット絵を使用した作品になる。 何もない土地に、町やダンジョンを自分で配置し世界を作ることで、世界に生きる人々に触れ、共に世界を作っていくRPG。
Read Article
聖剣伝説3(TRIALS of MANA)のネタバレ解説・考察まとめ
『聖剣伝説3』とは、1995年に発売されたアクションロールプレイングゲームで、『聖剣伝説』シリーズの3作目。シリーズ最後のスーパーファミコン用ソフトとなった。6人のキャラクターから3人を選んでプレイすることにより、ストーリーの一部が変化し、ラスボスも異なる。戦乱に巻き込まれた6人の若者たちが、それぞれの事情を抱えながらもマナの力に導かれ、世界の平和を取り戻すため戦う。
Read Article
聖剣伝説2(SECRET of MANA)のネタバレ解説・考察まとめ
『聖剣伝説2』とは、1993年にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたアクションRPG。 「モーションバトル」や「リングコマンド」といった新たなシステムを搭載した意欲作で、音楽においても評価が高く、この後のシリーズ化に繋がった作品である。 主人公ランディは、偶然聖剣を引き抜いてしまい、旅の途中で出会った仲間たちと共に世界を支える「マナ」を巡る帝国との争いに巻き込まれていく。
Read Article
聖剣伝説 HEROES of MANA(HoM)のネタバレ解説・考察まとめ
『聖剣伝説 HEROES of MANA』とは、2007年3月8日にニンテンドーDSにて発売された『聖剣伝説』シリーズの外伝的作品で、『聖剣伝説3』の19年前を舞台とした作品である。 本作はシリーズ初のRTS(リアルタイムストラテジーシステム)を採用したストラテジーRPG。 ワイヤレス通信でプレイヤー同士が戦う対戦モードが搭載されている。舞台は、『聖剣伝説3』の19年前の世界で、滅亡した国として登場した「いにしえの都ペダン」にまつわる物語が主人公ロジェを通して描かれる。
Read Article
聖剣伝説DS CHILDREN of MANA(CoM)のネタバレ解説・考察まとめ
『聖剣伝説』シリーズ初のニンテンドーDS向けソフト。 DSワイヤレスプレイによる最大4人までのマルチプレイが可能となった。 時系列では『聖剣伝説4』の10年後のストーリーとなり、外伝的作品である。 従来のシリーズのシステムに、ジェムという新たなシステムを加えたアクションRPG。 ファディールという世界を舞台に、出身も立場も違う4人の主人公たちを中心に、誕生して間もないマナの女神と聖なる剣をめぐる物語が描かれる。
Read Article
天才プログラマーのナーシャ・ジベリが手掛けた作品まとめ【FF1~3】【聖剣伝説2】
日本を代表する有名なRPG作品の『ファイナルファンタジーシリーズ』や『聖剣伝説2』の開発に携わっていたのが、【天才プログラマー】と称賛されるイラン出身のコンピューターゲームプログラマ、ナーシャ・ジベリである。重大なバグの修正コードを電話で伝えたなど、伝説的な才能を誇った彼が手掛けた作品たちをご紹介する。
Read Article
【これだけはやっておきたい】スーパーファミコンのおすすめ名作ソフトまとめ
SFCの名作ソフトを、ジャンル別でシリーズの中でも特に面白い・高評価のものをまとめていきます。今プレイしても色あせないスーファミ。バーチャルコンソールで登場しているものもあります。
Read Article
【名作】死ぬまでにもう一度やりたい!スーパーファミコンゲーム【オススメ】
死ぬまでにもう一度やりたい!スーパーファミコンのゲームタイトルをまとめています。スーファミのゲームソフトは、1000タイトル以上あるので、時間をかけてまとめました。大体、後ろにいくほど発売が古くなっています。
Read Article
「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」の攻略サイト・Wikiまとめ【LOM】
ここでは『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』の攻略サイト・Wikiをまとめた。本作はフリーシナリオ形式が採用されている。自由にシナリオを進めても良いが、攻略サイトでそれぞれのイベントの関連性を知っておくとより楽しめるだろう。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『聖剣伝説4』の概要
- 『聖剣伝説4』の用語
- 聖なる島イルージャ
- 大樹
- 樹の村
- 聖剣
- 滅びのこだま
- 邪精霊タナトス
- ゴーレム
- 氷の国ロリマー
- 火の国イシュ
- 砂の国ジャド
- 緑の国ウェンデル
- 水の国トップル
- 竜の紋章
- 『聖剣伝説4』のあらすじ・ストーリー
- 序章:二人
- 1章:精霊と巫女
- 2章:森の主
- 3章:聖獣と大地の顔
- 4章:リチア
- 5章:砂漠の友と
- 6章:愚者と剣
- 7章:希望の戦士たち
- 最終章:大樹
- 『聖剣伝説4』の登場人物・キャラクター
- エルディ(CV:柿原徹也)
- リチア(CV:紗川じゅん)
- フィー(CV:落合祐里香)
- ストラウド(CV:近藤隆)
- レキウス(CV:石原浩樹)
- 仮面の導師(CV:大川透)
- ゴーレム将軍(CV:髙階俊嗣)
- トレント(CV:佐藤正治)
- ガイア(CV:楠見尚己)
- フラミー
- 村長ビロバ(CV:長嶝高士)
- チット
- プック
- マイスター・ワッツ(CV:チョー)
- ブラザー・モティ
- ミリオネア・ニキータ
- レディ・ルサ・ルカ
- アニス(CV:小松由佳)
- ノーム(CV:井上和彦)
- ウンディーネ(CV:中山依里子)
- サラマンダー(CV:金田晶代)
- ジン(CV:たかはし智秋)
- ドリアード(CV:藍川千尋)
- ルナ(CV:川瀬晶子)
- ウィスプ(CV:大野藍子)
- シェイド(CV:滝知史)
- 『聖剣伝説4』のゲームシステム
- ステージ制
- リザルトシステム
- MONO
- フィー魔法
- パニックレベル
- メダル
- エンブレム
- チャレンジアリーナ
- 『聖剣伝説4』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 評価が低い理由
- リメイク版、アーカイブスが出ない理由