ウイングマン(桂正和)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウイングマン』とは1983年に少年ジャンプで連載開始された桂正和原作の漫画、それを原作としたヒーローコメディアニメ、アドベンチャーゲーム作品である。広野健太は憧れの強さから都合のいい解釈のヒーロー活動をしていた。突如謎の女の子アオイが異空間から現れる。持っていたノートにウイングマンをラクガキすると、本当にウイングマンに変身してしまった。そのノートは描いたことが現実になるドリムノートだった。ドリムノートを狙う異次元からの敵と戦い、成長していく健太の姿を描くヒーローアクション学園ラブコメディ作品。

健太「もう一度 もう一度この体に力を…力を!!」

健太の巨大化したいという願いとみんなの声援と祈りが奇跡を呼び巨大化したウイングマン(右)

健太は残り僅かなドリムノートの空きスペースにニューウイングマンの記述を加えてしまった。そのためかねてより巨大化について考えていたのだがドリムノートには描けなくなってしまっていた。
「もう一度 もう一度この体に力を…力を!!」
巨大化したいという健太の強い思いとみんなの声援と祈りがドリムノートに奇跡の異変を起こした。すべてのニューウイングマンのパワーをウイングマンに収束させる事で燃える炎の赤いウイングマンの姿で巨大化した。みんなの思いが集まれば奇跡を起こせるという感動のシーン。

アオイ「わたしってダメね…ちょっとケン坊の顔を見にきただけなのに気持ちがゆれちゃって…」

生き返ったアオイ(左)は出会ったあの日の健太(右)に別れのキスをした。

ウイングマンのすべてと引き換えにアオイを生き返らせようとドリムノートの全ページに「アオイさんは生きかえる」と書いた健太。その願いを叶えるためにドリムノートによりアオイと健太が出会う時に時間が巻き戻される。
健太にはアオイとの記憶がないが、なんとなく気になる。黒髪の姿になったアオイはいきなり健太の頬にキスをする。別れのキスを。
いきなりのキスで健太がパニくっている間にカバンをすり替え、健太のカバンをその場に置いていく。
「わたしってダメね…ちょっとケン坊の顔を見にきただけなのに気持ちがゆれちゃって…」
後で美紅が拾って健太の家に届けるからだ。
生き返ったアオイには健太と共に過ごした日々の記憶がある。文字通りウイングマンのすべてと引き換えに生き返ったのである。
感謝と健太への愛情を胸にアオイはポドリムスへ帰っていった。

はじめての強敵キータクラーとの戦闘シーン

はじめてのキータクラー(2段目コマ奥)との戦闘。健太(下段左コマ左)はキータクラーを羽交い締めして、その場で武器を考え、アオイ(下段真中コマ)にドリムノートにかいてもらう。

健太はウイングマンに変身しさえすれば強くなれると思っていた。
だがドリムノートは書いたことしか現実にならないというのが、戦ってみて初めて分かる。
健太はとにかくキータクラーを羽交い絞めにして動きを止め、その場で武器を考え出す。
振り払われながらもアオイにドリムノートに書いてもらい、とりあえずその場の危機を回避することが出来た。
この後からウイングマンの武器や必殺技などが順番に登場するようになる。

ザシーバの怪光線でみんながヌードになってしまうシーン

ザシーバ(2段目左コマ)の怪光線でみんなヌードになってしまう。(上段手前左から、美紅、ウイングマン、アオイ、桃子)

ザシーバとの戦いにおいて、みんなの動きを封じるためにザシーバは怪光線を放ち、みんなをヌードにしてしまう。
TV局の番組内で起きた戦闘なので、ヌードになったみんなの姿は放送されてしまう。
このシーンに限らず、作中には時々お色気シーンが挟まれる。
作品として明るく描かれることで、ギリギリの性描写ではあるがカラッとしたイメージになっている。

ヒーローとしての矜持が現れるシーン

ボクシングで神矢麗一、麗人のふたりに健太(右上コマ)はボロボロにされてしまう。そこにヒロダー(左上コマ中央)が助っ人として現れるシーン。

ヒロダーがヒーローとして2対1は卑怯で見逃せないと、健太を助太刀する事を決める。ヒーローだから卑怯な事は見逃せない、勝負は公平にするべきだというヒロダーのヒーローとしての矜持が見えるシーン。
腕力が強い訳でも、ボクシングの経験があるわけでもないがためらわずにリングに上がる勇気がある。
健太に負けず劣らずしっかりヒーローしていて好感が持てるシーンである。

『ウイングマン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

特撮ヒーロー番組の影響

桂正和自身が特撮ヒーローなどが好きで多大な影響を受けている。物語中や表紙イラストやおまけページなどに描かれるコスチュームなどにそれがよく表れている。もちろんクリーチャーデザインもしっかり影響をうけていて基本的にヒト型スタイルである。
また条件が整わないと発動しない武器や必殺技などもヒーローの醍醐味として取り入れている。

桃子の愛犬あいしー

「ハッピーベルの巻」で桃子が幼少時に飼っていた愛犬あいしーがバイク事故で死んでしまった時に現れた正義の味方と名乗る少年に心惹かれるというエピソードがある。このあいしーの名前の由来は『科学戦隊デンジマン』に登場する「ロボットのデンジ犬アイシー」が元ネタとなっている。

100万円のコスチューム

原作者桂正和は100万円かけてウイングマンのコスチュームを特注・作成している。コミックスにはその写真が目次などで使用されている。中身は桂正和本人で撮影されたものが使用されている。

実現したウイングマンの超合金発売

「遂に登場!超銅金ウイングマン、『ホヒー』より発売!!」とジャンプコミックスのおまけページで大ウソの広告を描いたところ、後に本当にポピーから超合金が発売されることになった。しかも広告が桂が描いた大ウソ広告の構図やキャッチコピーなどがそのまま再現されたものであったため、桂自身も非常に驚いた。

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