ふしぎ遊戯（朱雀・青龍編）のネタバレ解説・考察まとめ

奥田永之介（おくだ えいのすけ）

CV：仲野裕（テレビアニメ） / 大川透（『玄武開伝』）

四神天地書の訳者。大陸で発見された謎の書物・四神天地之書の魅力に取りつかれ、日本語訳をした。友人の大杉高雄に宛てた手紙などから、娘の多喜子が天地書内部に吸い込まれ玄武の巫女となって生け贄同然に体を蝕まれていくことを深く悔いていたことが伺える。記録によると、多喜子を殺して自殺をしたとされていた。

榊真夜（さかき まよ）

CV：野田順子

『ふしぎ遊戯 外伝7～8ー永光伝ー』及び同名のOVAの主人公にして二代目の朱雀の巫女。魏に片想いをしている。魏と美朱の会話から四神天地書の存在を知り、美朱への嫉妬が暴走する。両親の不仲もあり、現実の世界に絶望していた。
魏と美朱の仲をなかったことにするべく天地書の内部に降り立った。朱雀の巫女としての様々な経験を経て、自身の過ちに気付き美朱と和解する。魏への想いも断ち切った。

紅南国

四正国の内南にある国。朱雀を守護神とする。皇帝の治世が行き届いており、四正国の中で比較的治安は良いが、近年倶東国による脅威に晒されていた。都は栄陽（えいよう）。
七星士は、朱雀の象徴色である朱色の字が体に浮き上がる。

鬼宿（たまほめ） / 琮鬼宿（そう きしゅく）

CV：緑川光

年齢：17歳
誕生日：6月28日
身長：180㎝
血液型：O型
字：「鬼」の字で額

美朱が初めて接触した朱雀七星士。鬼宿は七星士名で、琮鬼宿が本名である。二度美朱の危機を救っている。守銭奴でスレた性格だが、根は他人を守る為に自分を顧みない正義感を持つ。五人兄弟の長男で、病身の父も含めた家族を養う為にがめつい性格となったと思われる。
白虎七星士の奎宿により直々に鍛えられたため武術の腕は達人の域であり、複数のゴロツキを余裕で叩き伏せることができる。倶東国との関係がきな臭くなった時には、国境で用心棒や警備の仕事をしていた。
美朱に愛を告白された時は「俺にはそんな感情はない」と言ったが、美朱への愛を自覚し、本人がいる前で皇帝にして同じく美朱に想いを寄せる星宿に「美朱が好きだ」と宣言した。巫女は純潔を保たなくてはならないとの条件を美朱から聞かされた時はショックを受けるが、「朱雀を呼び出したら、世界一幸せな花嫁にしてやる」と美朱を守り、幸福にすることを約束する。美朱への想いは強く、心宿の策で汚された（と思い込んだ）時も自分を拒絶する美朱を変わらぬ愛と優しさで包み込んだ。

黙っていれば「そこらの芸能人よりカッコいい（奎介談）」と言わしめるほどの美青年だが、基本的な振る舞いはお調子者的でがめつい。しかし家族想いであり、父に結婚を勧められても皆の為に拒否している。星宿の勧めで家族を都に呼び寄せようとしたが、角宿により皆殺されていた。

唯が青龍にかけた二つ目の願いで美朱が元の世界に戻る時、美朱と共に鬼宿も現実世界へと訪れる。この時、自身が本の中の虚構の存在であることに衝撃を受ける。
現実世界で束の間、美朱とデートをするが心宿が現れた為に最終決戦を開始。この時、圧倒的な戦力差で追い詰められるが、残りの朱雀七星士が死者も含めて現実世界に現れたことや、美朱による朱雀召喚の実現と青龍封印の成功により心宿を撃破する。三つ目の願いで美朱が「永遠に離れない」と誓うが、鬼宿の肉体は現実世界から消滅した。
現実世界で「宿南魏（すくなみ たか）」として転生し、美朱とのデートで買ったペアリングを付けた状態で高校に入学した美朱と再会する。
額に浮き出る「鬼」の字は中国語で幽霊や魂を意味するため、幼少期は「オバケちゃん」とからかわれていた。今もオバケちゃんと言われると反射的に怒る。

星宿（ほとほり） / 彩賁帝（さいひてい）

CV：子安武人

年齢：18歳
誕生日：4月2日
身長：182㎝
血液型：A型
字：「星」の字で左の首筋

紅南国皇帝。皇帝・彩賁帝として国を守り、七星士・星宿として巫女を守る立場にある。絶世の美形であり、初登場時美朱から女性と間違われた。
幼少期から皇帝となるべく育てられ、皆にかしずかれる身であることに寂しさを感じていた折に、いずれ異界から自分が守るべき朱雀の巫女の話を聞く。「別の世界から来る少女なら、一人の人間として愛してくれるかもしれない」と期待を寄せており、美朱に好意を示す。鬼宿と美朱が相思相愛であること、操られた鬼宿が美朱の強い想いで正気を取り戻したことなどから身を引いた。
物越し柔らかだが自分の美貌には絶対の自信があり、「宮廷の女より私の方が美しい」を始めとするナルシスティックな発言が多い。柳宿が男だと知った時には「私の他にあんな綺麗な男がいたとは、信じられん」と言った。
柳宿に似た女性・鳳騎（ほうき）と結婚し一子を授かるが、妻が身籠っている時に倶東国との戦に自ら出向き、致命傷を負う。天地書越しに美朱たちから励まされ「世継ぎの顔を見るまでは死ねない」と一旦は持ち直すものの傷は思った以上に深く死亡した。美朱からは「星宿みたいなすっごい綺麗な男の子が生まれて来るよ」との言葉を贈られた。
第二部では魏の肉体を借りて息子と対面する。我が子を見た星宿は、「幼い頃の私に似て、愛らしく利発そうで才徳に長けていそう」と親馬鹿ぶりを発揮した。

柳宿（ぬりこ） / 迢柳娟（ちょう りゅうえん）

声：坂本千夏

年齢：18歳
誕生日：3月10日
身長：166㎝
血液型：B型
字：「柳」の字で左胸

怪力を武器とする朱雀七星士。後宮に入ってきた当初はその美貌で鬼宿に色仕掛けをしていたが（鬼宿自身は困惑していた）、本心では星宿に想いを寄せており、彼の心を射止めた美朱に対するあてつけだった。
星宿の側室として入ったが実は男性で、幼い頃に失くした妹の死を弔う為に彼女の名・康琳（こうりん）を名乗り女装をするようになった（本名は迢柳娟で、柳宿は七星士名である）。女装姿では美朱を守りづらいと髪を切り、男の服を着るようになる。それでも酒場で「別嬪の姉ちゃん」と絡まれるほどの美貌、女顔である。
男だと発覚した後は美朱に恋する女（？）の先輩としてアドバイスや縁起物の人形を贈るなどしていたが、次第に男として美朱を愛するようになっていく。
神座宝を手に入れた矢先に青龍七星士の尾宿と一騎打ちとなった。野生の力を持った尾宿とほぼ互角の戦いをし、腹部を貫かれて命を落とす。戦闘の場となった雪原に墓を作られた。朱雀七星士初の死者である。
現実世界での心宿との戦闘の時、死亡した他の朱雀七星士と共に一時復活して美朱たちを守り、朱雀召喚に一役買った。
第二部では、鬼宿の記憶の石を持った兄が登場した。

翼宿（たすき） / 侯俊宇（こう しゅんう） / 幻狼（げんろう）

CV：林延年（テレビアニメ） / 八尾一樹（CDブック）

年齢：17歳
誕生日：4月18日
身長：178㎝
血液型：B型
字：「翼」の字で右腕

関西弁のような言葉で話す元山賊。侯俊宇が本名で、幻狼は通称である。女傑ぞろいの女系一家で育ち、恐ろしい姉を持つせいか、「女は好かん」と公言する女嫌いである（しかし、作者によれば女性経験はあるらしい）。彼の所属する盗賊団に朱雀七星士がいると神勅が下ったが、それは死んだお頭だと嘘をついた。頭の跡目を友人の攻児（こうじ）に任せ、七星士の役目を果たすべく、自分が七星士の翼宿だと名乗り、美朱たちの仲間になった。
武器はハリセンのような形状の鉄扇で、炎を操る。太一君によって、鉄扇が金剛石のように輝く立派なものとなっている。熱血漢で喧嘩っ早いが、男気にあふれ情に脆いお人好しな面もある。表裏のない素直な性格だがそれだけに空気を読まない発言をして鬼宿や柳宿にどつかれることも多い。柳宿、張宿といった仲間の死に立ち会った際に涙を流している。
生きた状態で現実世界に現れ、井宿と共に心宿と戦う。

第二部では、鬼宿の記憶の石を集めるのに協力する。美朱への想いを飛皋に付け込まれて美朱を力づくで我がものにしようとしたが、魏に止められている。「ダチは裏切らんぞ」と叫び、自身を鉄線の力で焼くことで飛皋を追い出した。井宿の力で火傷は追わずに済んだ。井宿と飛皋の因縁を知り、魏と美朱への詫びの意味もあって井宿と共に飛皋を追うことを申し出る。

軫宿（みつかけ） / 妙寿安（みょう じゅあん）

CV：石井康嗣（テレビドラマ） / 小杉十郎太（CDブック）

年齢：22歳
誕生日：5月7日
身長：199㎝
血液型：O型
字：「軫」の字で左掌

治癒能力を持った医者。妙寿安が本名で、七星士名は軫宿である。医術だけではなく、自身の体力と精神力を使い怪我を治す。名医ともてはやされ、遠方の診察も請け負っていたが最愛の人・少華（しょうか）の発病に間に合わず病死させた過去を持つ。その後は人里離れた山で猫のたまと暮らしており、美朱たちが接触した時には浮浪者のようないでたちをしていた。
太一君から、治癒能力がアップする聖水を授かった。この聖水に浸けた手で治療をすると服まで再生し、飲ませると患者の体力や回復力が上がる。
青龍七星士との戦闘で傷を負いながらも負傷者の治療を続け、少華と同じ名を持った赤ん坊を治療し息を引き取る。アニメでは、赤子も仲間も救えない己の無力さに嘆くが、在るだけの気を与えればと最後の力を振り絞り、周囲の人々の怪我を治した。
現実世界での朱雀、青龍の戦いの中、命を落とした他の七星士たちとともに現れ、美朱をサポートした。死後も治癒能力は健在で、美朱の体に生じた傷を治したが、体内の朱雀には手出しができなかった。
第二部では霊魂のみの姿で登場している。

『永光伝』では、長生という少年に転生していた。

井宿（ちちり） / 李芳准（り ほうじゅん）