ふしぎ遊戯(ふし遊)の巫女・七星士・二十八宿まとめ

『ふしぎ遊戯』とは、1992年から1996年まで『少女コミック』にて連載されていた渡瀬悠宇の漫画。1995年にはアニメ化もされ、後に続編が出るほど人気を誇った。古代中国を舞台にした書物の中に吸い込まれた主人公・結城美朱が神獣である朱雀の巫女となり、七星士と呼ばれる仲間たちと共に朱雀召喚の為に必要な神座宝を探す旅に出るという物語だ。ここでは朱雀・青龍・白虎・玄武、各巫女や七星士たちのプロフィール、名前の由来だといわれている二十八宿について紹介していく。

『ふしぎ遊戯』の概要

『ふしぎ遊戯』とは、1992年から1996年まで『少女コミック』にて連載されていた渡瀬悠宇の漫画。1995年にはアニメ化もされ、後に続編が出るほど人気を誇った。
朱雀七星士の鬼宿(たまほめ)や星宿(ほとほり)、柳宿(ぬりこ)や翼宿(たすき)など、美形キャラクターが多数登場する今作。美朱を巡って、鬼宿と星宿が戦う姿など、乙女心をくすぐる展開が多い。
一方で、鬼宿の家族が惨殺されたり、朱雀七星士が旅の道中で次々と死亡したりと、トラウマレベルになる描写も多々登場する。

あらすじを紹介する。
主な舞台は『四神天地書』という書物の中。この書物は元々は唐の時代のものだ。大正時代に小説家・奥田永之介(おくだえいのすけ)によって訳された。書物の中の世界は、朱雀が守護する玄紅南国、青龍が守護する倶東国、玄武が守護する北甲国、白虎が守護する西廊国が存在する。時折、各国が祀る守護神獣の巫女が異世界から送り込まれてくるとの伝説がある。
図書館で偶然この本を見つけた主人公の夕城美朱(ゆうきみあか)は、『四神天地書』の中に吸い込まれてしまう。美朱は「どんな願いも叶う」という言葉につられて朱雀の巫女になり、巫女を守護する七星士を見つけながら、朱雀召喚の為に必要な神座宝を探す旅に出る。

ここでは朱雀・青龍・白虎・玄武、各巫女や七星士たちのプロフィール、名前の由来であるといわれている二十八宿について紹介していく。

巫女

作品に登場する巫女とは、本に吸い込まれた少女を指す。神獣を呼び出し3つの願いを叶えるという役目を担っているが、実際には強い精神力がないと願いを叶える度に神獣に体内を食い荒らされ取り込まれてしまう。
巫女である条件は、清らかであること。この条件があるため、美朱と七星士の1人・鬼宿(たまほめ)は、役目を果たすまでは想い人と結ばれることが出来なかった。
願いを全て叶え終わると、巫女は強制的に元の世界に戻される。作中では白虎の巫女が七星士と結ばれることを願ったものの、叶わなかったことが明かされている。

七星士

七星士とは、4つの国に生まれる巫女を守るための存在。巫女がやってくる時代に生まれ合うのは「運命」である。巫女とは違って清い身を保っていなければならないという条件はなく、結婚も許されている。朱雀七星士の1人・星宿(ほとほり)は結婚して世継ぎを残しており、青龍七星士の1人・房宿(そい)は元遊女だった。
二十八宿と同じ字が宿命の星、もしくは巫女を守るための証として体のどこかに浮かび上がり、何らかの能力を持つ。神獣が封印されるなどすると字が現れず、力も使えない。また、朱雀は赤、青龍は青、白虎は白、玄武は黒といったように、字の色は国によって異なる。

二十八宿

二十八宿とは、古代中国で生まれた28個の星座。二十八宿の「宿(しゅく)」は「星」や「星座」を意味する。月宿ともいう。
東西南北に青龍、白虎、朱雀、玄武の神獣を置き、七宿ずつに分けられた星々は神獣を形作るとされている。中国の天文学・占星術で用いられた。二十八宿は中国にて誕生し使用されていたが、インドへ伝わった後にヒンドゥー教の牛を神聖な存在とする宗教上の理由から牛宿が除外され、バビロニア占星術などが関わった上で、二十七宿となって中国に戻ってきたという。
二十八宿や二十七宿を利用した占いは「宿曜占星術(すくようせんせいじゅつ)」と呼ばれ、西洋発祥の「12星座占い」と同じように、対象者の生まれつきの性質や人生、気になる人との相性などを占うことができる。

本作に登場する七星士の名前は、二十八宿が元とされている。

朱雀の巫女

夕城 美朱(ゆうき みあか)

CV:荒木香恵

主人公にしてヒロイン。朱雀の巫女に選ばれた少女。明朗で大食いだが、女手ひとつで自分と兄を育ててくれた母の期待に応えるべく、最難関高校合格を目指し勉強に励んでいた。『天地書』内部で朱雀の巫女となった後は様々な苦難に遭うが、その中で成長をする。友人であり、青龍の巫女である本郷唯(ほんごうゆい)の願いで現実世界にやって来た時、食われることを知りながら朱雀を召喚。願いを叶える度に体内を食い荒らされる痛みに耐えながら、3つの願いを言い切った。

願いの内容は「唯を青龍から奪い返す、青龍の封印、鬼宿と結ばれること」。母とは和解し、「無理をしないで」と言われながらも受験に臨む。最難関高校は落ちたものの、唯と同じ高校に合格し、入学式の日に鬼宿の生まれ代わりと再会。『天地書』に関しては兄とその友人が現実世界から陰ながらサポートしていた。

朱雀七星士

鬼宿(たまほめ)/琮 鬼宿(そう きしゅく)

CV:緑川光

美朱と唯が街で男たちに絡まれていたところを助けた、朱雀七星士の1人。貧乏で子だくさん家庭の長男坊なためか、金にがめつく飄々とした性格をしている。しかし白虎七星士に鍛えられた武術の腕はかなりのもので、七星士の力を抜きにしてもゴロツキ数名は簡単にのしてしまえる力を持つ。
ヒロインにして朱雀の巫女・美朱と恋仲になるが、神獣召喚の条件のため清い交際にとどまっている。
敵である青龍七星士側の卑劣な罠により家族を皆殺しにされるなど、辛い出来事にあう。
非常に美形。原作では現実世界にやって来て町を歩くシーンで、道行く女性が皆見惚れている描写があった。美朱の兄・夕城奎介(ゆうきけいすけ)曰く、「そこらの芸能人よりカッコいい」とのこと。

文字が現れる位置は額。額という目立つ箇所に字が現れる上、幽霊や魂を意味する「鬼」の字である為、少年時代は「オバケちゃん」とからかわれた過去を持つ。原作、アニメ共に鬼宿として美朱と結ばれることはなかったものの、転生という形で再会が叶った。転生後の名は宿南魏(すくなみたか)。

鬼宿はかに座のθ(テータ)にあたる星で、朱雀の目に相当する。古代ペルシャでは、この星は「人の魂が行き来する通り道」とされていた。勇猛果敢な獅子座の影響を一番強く受けている。七曜においては「日」。栄光を表し、バイタリティーや優越願望を表す。海蛇座の中央6つの星からなる星座であり、ギリシャ神話に置いては女神ヘラに使わされた化け蟹。暦の中での意味は万事、進むのに大吉の日である。
目は大事な部分であり、巫女と相思相愛である鬼宿がいかに重要なキャラクターなのかを表わしている。また、鬼宿とギリシャ神話の蟹は、望みが叶わないと知りながらも自分のすべきこと(美朱を守る、女神の命令を守る)に命を懸けるところが似ている。

星宿(ほとほり)/彩賁帝(さいひてい)

CV:子安武人

紅南国の皇帝であり、七星士の1人でもある。「星」の字が左の首筋に浮かび上がる。美朱が女性と間違え、自ら「宮廷の女より自分の方が美しい」と言ってのけるほどの美形。ナルシストでもある。剣術が得意。
国も巫女も守らなくてはならない重要な立場にいる人物であり、それ故に人知れぬ孤独を抱えている。異界から来るという「巫女」なら、自分を1人の人間として見てくれるだろうかと期待をかけていた。
美朱に想いを寄せていたが、鬼宿と相愛であることを知って身を引く。その後七星士の1人・柳宿(ぬりこ)に似た女性と結婚し、子供を授かる。しかし青龍側の国、倶東国との戦で、我が子の顔を見ることなく致命傷を負う。鬼宿と共に現実世界に戻っていた美朱から『四神天地書』越しに「星宿みたいな綺麗な男の子だよ」と伝えられ、息を引き取った。原作第2部で魏の体を借りて息子と対面を果たしており、「私に似て利発で愛らしい」と親馬鹿ぶりを発揮していた。

星宿は朱雀の喉にあたる。十二星座ではしし座の足に属し、しし座の意欲的かつ勇猛果敢な影響を最も強く受ける星。七曜においては栄光を象徴、優越願望やバイタリティーを表すとされる。
星座としての星宿は孤独な者を表すそうだ。作中でも星宿は孤独な皇太子時代を送っていたようで、本編では語られなかった孤独もあったはず。二十八宿の特徴をうまく当てはめたキャラクターだ。

柳宿(ぬりこ)/迢 柳娟(ちょう りゅうえん)

CV:坂本千夏

朱雀七星士の1人。「柳」の字が左胸に浮かび上がる。性別は男だが、そこらの女性には負けない美貌の持ち主。星宿曰く「私の他にあんな綺麗な男がいたとは、信じられん」とのこと。登場したばかりのころは女装していたため、アクシデントで胸元がはだけるまで男性だと分からなかった。女装を始めたのは、死んだ妹を想ってのこと。
馬車を軽々と持ち上げるほどの怪力の持ち主で、鬼宿からは「お前の小突きは普通の人間の鉄拳」と称されていた。初期は星宿への思慕の情から巫女である美朱へ嫉妬し、報復として鬼宿を誘惑していたこともあった。男性として生きることになって以降は美朱に好意を寄せるようになる。
酒場で絡まれて「女に見えなきゃいいんでしょ」とあっさり断髪するなど、結構思い切りはいい方だ。青龍七星士・尾宿(あしたれ)と戦い、死亡。安らかで満足げな死に顔だった。

柳宿は朱雀の嘴にあたり、料理の味付けを司る。母性的で目的意識の強いかに座の影響を受ける。七曜においては変化する心、繊細で敏感な感受性を表す。海蛇座、ヒドラの頭部に位置する。
言葉巧みに鬼宿を誘惑するなど、初期の頃に「嘴」に関する箇所が描かれていた。登場人物は皆それなりに成長・変化しているが、柳宿は女から男へ戻る時、「変化する心」が特に分かりやすく描かれていた。また、亡くなった妹と共にいるという意味でしていた女装も「繊細で敏感な感受性を表す」という部分を表わしている。

翼宿(たすき)/侯 俊宇(こう しゅんう)

えどまち
えどまち
@edono78

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