バガボンド(井上雄彦)のネタバレ解説・考察まとめ

『バガボンド』とは、スラムダンクの作者でもある井上雄彦先生による名作。宮本武蔵を題材としているが、従来ある歴史ものの古臭さは全くなく、むしろスタイリッシュな作品である。村一番の嫌われ者'武蔵'が剣に生き、天下無双を目指し旅を出る。強者たちと出会い、次第に本当の強さとは何かを追い求めていく内容。人の暗部を鮮明に映し出す心理描写はまさに圧巻。また、作画が非常に美しいのも魅力の一つである。

鐘巻流の開祖。小次郎の育て親。
中条流師範として道場を開き、全盛期は天下無双とも言われた。
ひたすら自らの剣を極めることのみに打ち込み、自分以外の人間に無関心であった。
弟子の伊藤 弥五郎(伊藤一刀斎)に敗北し、剣の道から退く。
村の子供らにからかわれ、大人たちからも変人と呼ばれ孤独な毎日を送っていた。
かつての弟子・佐々木佐康から息子の小次郎を頼むという手紙をもらい、小次郎を育てることになる。
不動幽月斎との死闘の際、右腕が切られ再起不能になる。
少年時代の小次郎に口では「剣は教えぬ」と言いながらも、剣を教えてもらおうと襲って来る小次郎を追い返す毎日が小次郎にとっての稽古になっていた。
老いてしまった自分に小次郎の器は手に余ると感じ、弥五郎に小次郎を託す。

草薙 天鬼(くさなぎ てんき)

鐘巻自斎の門弟。本名は亀吉(かめきち)。
己を「草薙天鬼」と自称する村の餓鬼大将。
”亀吉”と呼ばれるのを嫌っている。小次郎の幼馴染であり親友。
父が不動幽月斎に腕を切られて寝たきりの状態になったことから、復讐のために強くなることを切望していた。
小次郎と共に不動に夜襲を仕掛けるも失敗し、顔に傷を負わされる。
自斎から小次郎に宛てた免許皆伝の印可を託され、小次郎を追う旅に出る。

伊藤 一刀斎(いとう いっとうさい)

一刀流の開祖。本名は伊藤 弥五郎(いとう やごろう)。
鐘巻自斎の弟子。たった5年の師事で自斎をも倒すほどの剣技を身に付ける。
青年時代の小次郎の師であり、剣の道へ導いた人物。
性格は剛胆無比である。
剣を「遊び」と称し、人生の最大の楽しみと捉えている。
鉄砲の戦には興ざめし、士官・出世にも興味を示さない。
関ヶ原の戦時は52歳。

夢想 権之助(むそう ごんのすけ)

「兵法天下一」を名乗り、己の流派の設立を目指す。
顔に隈取をし、奇抜な格好をしている。元は百姓の子。
村で剣術の真似事をしたり悪さをしたりで周囲から疎まれていた。
一刀斎を師と仰ぎ旅を共にする。
関ヶ原の戦時は15歳。

不動幽月斎(ふどう ゆうげつさい)

鐘巻自斎と同じ村に住む剣士。己を不動明王の使いを自称する。
かつては村を救った”守り神”として崇められていたが、村の娘をさらうなど悪事を行うため、村人からは”疫病神”と呼ばれるようになる。
歪んだ目をしており、聞き取りにくいほどの小声で話す。上半身裸で無数の刀傷がある。

本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)

本阿弥本家九代目惣領。家業は代々刀の研ぎ。
徳川家康から指名で刀を研いでほしいと依頼されている。
京で屋敷で母と住み、牢人者達を受け入れたりもしている。
趣味は茶を立てること。

小川 家直(おがわ いえなお)

岩間角兵衛の配下。小倉細川家剣術指南役。
角兵衛には同じ小倉細川家剣術指南役の氏家孫四郎を凌ぐ腕前と目をかけられていた。
主の御供で来た初めての京で小次郎と出会い人生の一大事を迎える。
小枝を使う小次郎相手に真剣で挑むが敗れ、剣を置くことになる。
その後、残りの人生を小次郎に賭けると誓う。

『バガボンド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

お前はそんなふうにはできていない。

沢庵に「死に場所を選ばせてやる」と言われた武蔵は宮本村を一望できる山の麓を選ぶ。
声が戻り、自分を「殺せ」と言う武蔵に沢庵は問いかける。
「斬って斬って斬りまくっていつか力尽きて斬られるまでの人生、それが本当の望みだと?」
武蔵は「そうだ」と答え、自ら命を放り投げようとする。
《何故俺を生んだのだ。捨てるのなら、殺すのなら…、疎まれ、恐れられ、忌み嫌われ、殺して、殺して、殺されるだけの鬼の子なら…、何故俺は生まれてきたんだ。》
沢庵は武蔵を止めて、こう言い放つ。
「今までのお前をも見捨てるのか。殺すのみの修羅のごとき人生が本望か、武蔵。違うよ。」
そして、次の言葉が武蔵の心を救う。

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