バガボンド(井上雄彦)のネタバレ解説・考察まとめ
『バガボンド』とは、スラムダンクの作者でもある井上雄彦による名作。宮本武蔵を題材としているが、従来ある歴史ものの古臭さは全くなく、むしろスタイリッシュな作品である。村一番の嫌われ者'武蔵'が剣に生き、天下無双を目指し旅を出る。強者たちと出会い、次第に本当の強さとは何かを追い求めていく内容。人の暗部を鮮明に映し出す心理描写はまさに圧巻。また、作画が非常に美しいのも魅力の一つである。
吉岡十剣の筆頭。
捨て子だったが拳法に拾われ、門弟・植田氏の養子となる。
幼少期は、周囲から清十郎、伝七郎と”三兄弟”のようだと言われていた。
武蔵と伝七郎の再戦を阻止するために代役を立てようとするが、それを知った伝七郎から怒りを買い破門にさせられる。
祇園 藤次(ぎおん とうじ)
吉岡十剣の一人。
自信過剰な性格で、自分の上に立つ器は清十郎のみだと思っている。
周囲からは高慢な天狗と嫌われているが、剣の腕は誰もが認めている。
”吉岡の刺客”と自称し、武蔵を切るため追いかける。
城太郎(じょうたろう)
武蔵の弟子。
奉公先の主人に「武蔵の弟子になれ」と半ば追い出された。
胤舜との闘いを見て、一度は武蔵の弟子をやめるが再び弟子になる。
柳生で武蔵とおいて行かれ、おつうと共に武蔵を追う旅を続ける。
おつうからは”たろちん”と呼ばれている。
宝蔵院 胤舜(ほうぞういん いんしゅん)
宝蔵院流槍術二代目。本名は満田 慎之介(みつだ しんのすけ)。
槍の天分は凄まじく、15歳の頃には院内で敵うものなしになる。
吉岡清十郎だけが己と同等の腕を持ってると自負している。
天賦の才の持ち主故、己の命を脅かすほどの敵がいなく心を磨きぬく試練に事欠く。
その強さゆえ初めは憧れの対象として周囲から見られていたが、強さの探求以外の感情がなかったため次第に恐怖の対象に変わり孤独になっていく。
宝蔵院二代目を襲名しているが、院内で反感を持つものも少なくはない。
宝蔵院 胤栄(ほうぞういん いんえい)
宝蔵院流槍術の創始者。
豪放磊落な性格。
自ら土を耕し、丹精込めて育てた瓜の漬物”宝蔵院漬”を毎年弟子達に届けている。
胤舜の敵である武蔵に稽古を付ける。
柳生 石舟斎(やぎゅう せきしゅうさい)
柳生新陰流の開祖。天下無双と称される。
趣味は囲碁。たかが遊びでも負けを認めない、子供のような性格。
自分の世話をしてくれるおつうを気にいっている。
おつうに孫自慢するなど、孫には甘い。
柳生 兵庫之助(やぎゅう ひょうごのすけ)
新陰流の後継者。石舟斎の孫。
幼い頃から、石舟斎の生き写しだと周囲から言われていた。
仕官に興味はなく、武者修行の旅を続ける。
”一族の最高傑作”だと石舟斎に言わしめた。
門弟たちから慕われている。風呂が嫌い。
龍胆(りんどう)
本物の宍戸梅軒の遺児。
人の愛情を知らずに育つ。
頭にバンダナを巻いている美少女。
辻風黄平と一緒に暮らしている。黄平曰く、鎖鎌の師。
佐々木 小次郎(ささき こじろう)
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目次 - Contents
- 『バガボンド』の概要
- 『バガボンド』のあらすじ・ストーリー
- 第一章 宮本武蔵編
- 第二章 佐々木小次郎編
- 第三章 地上最強編
- 稲作編
- 『バガボンド』の登場人物・キャラクター
- 宮本 武蔵(みやもと むさし)
- 本位伝 又八(ほんいでん またはち)
- おつう
- お甲(おこう)
- 朱美(あけみ)
- 新免 無二斎(しんめん むにさい)
- 沢庵 宗彭(たくあん そうほう)
- お杉(おすぎ)
- 辻風 黄平 (つじかぜ こうへい)
- 吉岡 清十郎(よしおか せいじゅうろう)
- 吉岡 伝七郎(よしおか でんしちろう)
- 植田 良平(うえだ りょうへい)
- 祇園 藤次(ぎおん とうじ)
- 城太郎(じょうたろう)
- 宝蔵院 胤舜(ほうぞういん いんしゅん)
- 宝蔵院 胤栄(ほうぞういん いんえい)
- 柳生 石舟斎(やぎゅう せきしゅうさい)
- 柳生 兵庫之助(やぎゅう ひょうごのすけ)
- 龍胆(りんどう)
- 佐々木 小次郎(ささき こじろう)
- 鐘巻 自斎(かねまき じさい)
- 草薙 天鬼(くさなぎ てんき)
- 伊藤 一刀斎(いとう いっとうさい)
- 夢想 権之助(むそう ごんのすけ)
- 不動幽月斎(ふどう ゆうげつさい)
- 本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)
- 小川 家直(おがわ いえなお)
- 伊織(いおり)
- 『バガボンド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 沢庵「お前はそんなふうにはできていない」
- 清十郎「ひき退がってくれれば戦いを避けられるからだ」
- 植田良平「泣くな。試練は何のために与えられると思う。もっと強く大きくなるためだろう」
- 沢庵「一枚の葉にとらわれては木は見えん。一本の樹にとらわれてはもりは見えん。どこにも心を留めず、見るともなく全体を見る。それがどうやら…「見る」ということだ」
- 胤栄「どんな剛の者でも真剣勝負は怖い。わしでもじゃ。じゃがその恐怖から目をそらさずに受けとめ、それを傍らにのけておくことができる。それが本当に強い者じゃ」
- 辻風公平「殺し合いの螺旋から 俺は降りる」
- 柳生石舟斎「でっかい熊か何かであってもそうだね」
- お杉「強くあろうとする人 おるのはそれだけじゃ」
- 武蔵「助けてくれ」
- 稲作を行う武蔵
- 伊織との出会い