葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End

『葬送のフリーレン』は、山田鐘人原作、アベツカサ作画の漫画作品。『週刊少年サンデー』にて、2020年より連載が開始されている。「マンガ大賞2021」大賞や「第25回手塚治虫文化賞」新生賞を獲得するなど、さまざまな賞を受賞している作品である。物語は、魔王を倒した勇者一行のその後を描いたファンタジー作品で、主人公は魔法使いでエルフのフリーレン。魔王を倒すための10年間の冒険が終わり、勇者パーティーは解散。1000年以上生きるエルフのフリーレンにとっては、短い時間であったが、50年後に再会した勇者ヒンメルは年老いており、寿命により亡くなる。ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうともしなかったことに気付いたフリーレンは、人を知るための新たな旅に出る。旅の道中で出会ったフェルンという少女を弟子として仲間に引き入れ、さまざまな出来事を乗り越えながら、フリーレンはなにを思うのか。ほのぼのとしたシーンから敵との戦闘シーンまであり、引き込まれる、人の死について考えられる作品となっている。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's Endのレビュー・評価・感想

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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1000年以上生きるエルフの魔法使い・フリーレン

この物語は「魔王を倒す勇者」の話ではない。「魔王を倒した勇者の死後」の話だ。

1000年以上生きる、エルフの魔法使い・フリーレンは勇者一行として、旅に同行する。そして、勇者と共に魔王を倒し、国をあげて賞賛され、勇者や仲間は老いて死んでいく。

エルフのフリーレンは時間感覚が人とは違う。人はすぐ死ぬ、と自分と関わった人について、彼女なりの思いを心に秘めている。すぐ死ぬ、だけれども。だからこそ。

フリーレンは旅をする。様々な人と出会い、分かれ、各地で出会うかつての「勇者たち」との思い出に、新しい「仲間たち」との日常に、これからに、心が動く。

フリーレンの世界はとても静かで平穏だ。凪のような時間が過ぎていく。スポーツ漫画などでよくある「熱血」とは真逆の、「平熱」「涼しさ」を感じる。それはフリーレンの心に空いた穴ではなく、ささやかな幸せや、ささやかな寂しさや、ささやかな喜びのように私は思う。

もしあなたが千年生きるとして、周りの人が先にどんどんいなくなってしまうとしたら、生きる意味を何に定めるだろう?

彼女は何を思い、生きていくのか。
それは、悲しみなのか、さみしさなのか、喜びなのか。

フリーレンの旅は続く。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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絶対に読んでほしい!見てほしい!

魔法使いフリーレンが勇者一行として旅をし、勇者ヒンメルとの出会いによって人を知りたいと思い、また旅をする物語になります。
フリーレンが人を知っていく物語で、最初はそこまで興味なかったのにどうしてもっと知ろうとしなかったのかと涙したところはうるっときました。勇者ヒンメルの死後に新たな旅を始めたフリーレンは、かつて仲間であったハイターやアイゼンに会いに行きます。
そこでも出会いがあり、ハイターがお世話していたフェルンという少女、アイゼンの一番弟子のシュタルクと一緒に旅をすることになりました。旅をする中で途中でザインという僧侶とも出会います。
昔の勇者一行の影が重なり心に沁みた一面でもあります。
出会いもあれば別れもあります。僧侶のザインは先に旅立ったかつての友人を探すためフリーレンとともに同行していた為、友人が辿った道を追いかけるため、フリーレン達とは別の道に行くことになります。
またいつか出会うことはあるのでしょうか。

この物語はフリーレンの旅路ですが一緒に冒険している気分になります。正直もう今すぐにでも全巻読んでほしいです。アニメ化もされているため、是非アニメも観てください。
主題歌もエンディングもアニメの意味を考えるとすごく共感できる部分もありますので、ぜひ聴いて欲しいです。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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人生を感じれるファンタジー作品

ファンタジーなのに自分の人生とリンクする。一言で表すならそんな作品です。一般的にファンタジー作品を楽しむときは、異世界での冒険やモンスターとの戦闘などに心を寄せるものですが、この作品はそうではありません。自分の人生と重ねるように楽しむ人間ドラマです。
主人公は1000年以上生きているエルフの女の子、フリーレン。彼女が勇者一行とパーティを組み、魔王を倒し、それから50年後の物語です。フリーレンは人間にあまり心を寄せません。「どうせすぐ死んでしまうから」と。しかし、その自前の価値観が崩れ去ったのは魔王討伐の冒険から50年後。10年旅を共にした勇者ヒンメルが亡くなります。フリーレンはそのとき初めて人間に心を寄せました。「もっとヒンメルを知ればよかった」と涙します。1000年も生きているフリーレンにとってみれば、勇者ヒンメルと共にし10年という時間はとても短いものですが、その10年がフリーレンを変えました。
この物語は、人間を知りたいと思い直したフリーレンが、勇者ヒンメルと共にした旅路を、愉快な弟子たちと共に歩み直す物語です。旅の途中、ヒンメルの言葉が幾度も蘇ります。勇者ヒンメルは大変な人格者で、死後50年が経過しても、自身が救った各村の人々から感謝され続けておりました。フリーレンはそんな村々を再度訪れる中で、ヒンメルの残り香を感じます。1周目の旅では人間に心を寄せることのなかったフリーレンが、2周目の旅では「ヒンメルならそうした」と、連れの弟子たちや村の人々に優しく接していくのです。他人の気持ちを組まない素直な言動から、相手を怒らせてしまうことも屡々ですが、彼女の人間を理解しようとする健気さに心惹かれずにはいられません。もちろん、物語は異世界ならではの刺激やモンスターとの戦闘もあり、お話としても一本の筋がしっかり通っているのですが、本作の楽しみ方はあくまで〝人間の心を理解しようとするフリーレンを通して人生を感じる〟というところです。本作には自分の人生と重なる描写が必ずあります。これまでの人生で、誰かを大想ったこと、怒らせてしまったこと、関係がうまくいかなかったこと、悔しかったこと、いろいろあるかと思いますが、本作品はそんな、いろいろあった人生に深く寄り添ってくれる作品です。当文を読んで作品に少しでも興味が湧きましたら、ご覧いただけると幸いです。

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アニメ「葬送のフリーレン」は勇者と魔法使いの絆と成長を描く感動作

アニメ「葬送のフリーレン」は、魔王を討伐した勇者ヒンメル一行の旅が終わり、エルフの魔法使いフリーレンの新たな旅が始まる物語です。このレビューではネタバレを含む内容で、このアニメの魅力をお伝えします。

概要
「葬送のフリーレン」は、エルフの魔法使いであるフリーレンが、勇者ヒンメル一行との10年間の旅を回想しながら、新たな仲間と共に過去の思い出や未解決の問題に向き合う姿を描いた作品です。フリーレンにとって10年間は短いものでしたが、その中での彼女の変化や成長が見どころとなっています。
尚、残酷なシーンは控えめで性的な表現も無いため、お子様にも安心してお勧めできます。

主題歌・挿入歌
音楽もこのアニメの魅力の1つです。特に主題歌であるYOASOBIの「勇者」は、物語のテーマに非常にマッチしており、少し寂し気な雰囲気を感じさせながら冒頭の盛り上がりを一層引き立てています。挿入歌も感情を盛り上げる役割を果たしており、視聴者を物語の世界に引き込みます。

フリーレンの成長
アニメの中で特に注目すべきは、フリーレンの成長と変化です。彼女はエルフの長寿ゆえに、人間の時間感覚とは異なり、ヒンメル一行との10年間を特に重要視していませんでした。しかし、ヒンメルの死後、彼女は初めて時間の重みと大切さを実感します。その後、新たな旅を通じて、フリーレンは人間の感情や絆の大切さを改めて学び、彼女自身も成長していきます。

減点理由
評価8とした理由は、制作予算が限られていたためか、動きの少ない回が多かった点です。特にストーリー自体がキャラクターの内面や感情に焦点を当てているため、アクションシーンが少なく、視覚的なダイナミズムが欠けていると感じる部分がありました。しかし、それでも物語の深さやキャラクターの成長描写は十分に引き込まれるものでした。

総評
「葬送のフリーレン」は、エルフのフリーレンが過去の旅を振り返りながら、新たな冒険に挑む感動的な物語です。キャラクターの成長や感情の変化に重点を置いたストーリー展開は、多くの視聴者に共感を呼び起こすことでしょう。動きの少ない部分もありますが、キャラクターの深みがそれを補って余りある作品です。

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今まで見たアニメの中で1番感動した

このアニメは、魔王を討伐した勇者一行の魔法使いで人よりはるかに長い時間を生きるエルフのフリーレンが、勇者ヒンメルの死をきっかけに、人類は寿命が短いからと深くかかわろうとしなかったことを後悔し、同じ過ちを犯さないようにするために、各地を旅する物語になっている。
作品の見どころは、美しい作画と繊細な人間の心理描写をとても奥深く描いているところにあると思う。旅の途中、過去の仲間に会い魔王討伐時に話さなかったり、理解できなかった心情を数十年越しに理解したり、新しい人と出会うことで、また新たな感情を覚えたりと、見ていてとても感動する内容なのだ。
また主人公が魔法を用いて戦うシーンは、作画と音の両方が見ていて手に汗握るとても壮大な出来になっている。
クスっと笑えるシーンも数多く存在し、戦闘シーン以外では、基本的にのんびり豊かな旅を送っており、ゆったりした気持ちで見ることができる。しっかり者だとおもっていたキャラクターが、ポンコツだったり、普段物静かなキャラクターがとあることが起こると、泣きわめき大騒ぎしたりと、個性豊かなキャラクターが多く登場する。キャラクターが話す言葉の一つひとつが心に響く、素晴らしい作品だと思う。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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RPG初心者でも楽しめる作品

『葬送のフリーレン』は、RPG好きのひとにはもちろん、RPG初心者でも楽しめる素晴らしい作品です。
魔法使い、戦士、僧侶といったRPGではおなじみのキャラクターが登場し、魔物に対して力を合わせて戦う戦闘シーンは迫力があります。
また、登場人物それぞれに魅力的な個性があります。中でも、主人公であるフリーレンは人ではなく何千年も長く生き続けるエルフで、トップクラスの魔法使いでもあります。フリーレンの戦闘シーンはもちろんのこと、そのセリフにも心打たれるシーンがあります。
魔王直属の七崩賢のひとりでもあるアウラとの戦闘シーン。アウラは500年以上生きておりその年月を全て鍛錬に費やした強力な魔法の使い手です。自分の魔力のほうが圧倒的に勝っていると信じているアウラでしたが、フリーレンが自身の魔力を制限していたことを伝えると、焦りを見せます。そんな相手に、フリーレンが「お前の前にいるのは、千年以上生きた魔法使いだ」と言いながら、魔力を開放するシーンには鳥肌がたちました。
フリーレン以外の個性的なキャラクターも多く、それぞれが放つ技や魔法も作品を観る上での楽しみの1つ。
皆様も、『葬送のフリーレン』を是非ご覧になってはいかがでしょうか。

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斬新かつ心温まるストーリー

魔王を討伐した勇者パーティーの一員、フリーレンが魔王討伐後の世界をもう1度旅しながら、仲間と過ごした”たった10年(長命種のフリーレンにとってはわずかな時間)”が、実はかけがえのない貴重な時間であったことに気付いていくという話です。

長命種のエルフであるゆえに1000年以上を生きるフリーレンは、勇者パーティーのメンバーをはじめ、そのほか多くの人の死を見送ってきました。そんな孤独な身の上になるフリーレンのため、勇者パーティーのメンバーはフリーレンに弟子を託したり、銅像を残したりと実体を残してくれていました。フリーレンは新しい仲間となったパーティーメンバーの弟子たちとの旅を通して、心優しい勇者パーティーのメンバーたちとのふざけ合いや何気ない会話を思い出し、人の心の動きに関心を持つようになっていきます。

敵とのバトルシーンが少なめでハラハラドキドキすることはほとんどありませんが、淡々と進んでいくストーリーの中で描写される、思い出のひとコマひとコマに温かさと切なさが込められており、思わず涙すること間違いなしです。
またギャグ要素もあり、笑えるポイントがいろいろなところに散りばめられているので、観ていて退屈しないのも好ポイントでした。

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「殿堂入り後」のおはなし

RPGゲームをやったことはあるだろうか?パーティの編成は、勇者、魔法使い、戦士、僧侶などが挙げられる。『葬送のフリーレン』は、勇者一行が魔王という名のラスボスを倒した後の話である。

この物語の主人公、実は「勇者」ではない。エルフの魔法使いである。エルフというのは人間よりも遥かに長く生きることが出来る。だからエルフにとって”時間”はそんなに大切なものではない。人はいずれ死ぬという終わりがあるからこそ「今」を充実させたい、生きたいと強く願うが、エルフにとって「今」とはただの時間の流れにすぎない。

エルフの名前はフリーレン。魔王を倒した一行の最強の魔法使い。フリーレンは魔王を倒して旅が終わった後、またいつか会うことを誓い、一人で旅に出かける。
数十年後、勇者に会いに来た時には、もうすでに勇者はおじいちゃんになっていた。そして、勇者の死を見届けることになる。勇者が死んだ時、フリーレンの心に初めて「悲しい」という気持ちが生まれたことに気づく。それまでは人の心など分からなかった、フリーレンが涙を流す。昔旅をしたときに楽しかった思い出をフリーレンは忘れてはいなかった。

勇者一行のみんなが息を引き取った時、フリーレンは弟子を取り、新たに旅に出かける。人間のことを理解しながら、どんどん成長するエルフに起こる試練とは?旅の結末に残るものは何?

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命の美しさを改めて考えさせられました

『葬送のフリーレン』は、魔法と冒険に満ちたファンタジーアニメです。この作品は、かつての英雄たちが魔王を討伐し、平和が訪れた世界を舞台にしています。主人公となるのはフリーレンという名のエルフの魔法使いで、彼女はかつての英雄パーティの一員でした。物語は魔王討伐から数十年後、彼女が旅を続けながら新しいパーティを築き、自らの存在と長い寿命をどう生きるかを模索する様子が描かれています。

フリーレン自身は魔王討伐後も変わらず若々しい姿を保っていますが、人間の仲間たちは老いていきます。この寿命のギャップにより、フリーレンは彼らとの別れの重みと永遠の命の孤独を感じつつあります。その中で彼女はフェルンという若い魔法使いの少女に出会い、彼女と一緒に冒険をすることになります。フェルンはフリーレンとの冒険から多くを学び、成熟した魔法使いへと成長します。

英雄たちの冒険が終わった後の人生を通して、視聴者はいのちの価値や人間関係の深さを考えるきっかけを得ることができます。また、フリーレンとフェルンの師弟関係からは、成長と教育の重要性も学べると思います。美しいアニメの描写と感動的な物語でとても満足度の高いアニメでした。

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異世界系が不得意でも面白い!アニメ版『葬送のフリーレン』

今回ご紹介するのは、アニメ放送していた『葬送のフリーレン』です。原作は絵をアベツカサさん、原作を山田鐘人さんが担当している少年漫画です。
異世界系に前向きになれずアニメ鑑賞から遠ざかってた私でも、面白いと思える作品でしたのでレビューいたします。

第1話では勇者パーティの冒険が終わった場面からスタートします。私たちがよく知る勇者パーティが魔王を倒して平和をもたらした後どんな思いで暮らしていくのか、番外編を見ているような気持ちになり、1話だけではやめられなくなってしまいます。
また、主人公がすごく魅力的です。レベル0や弱いわけでもなく、能力面では右に出る者がいないほどの強さです。冷徹な部分とお茶目な部分のギャップも見どころです。感情面で不足している部分もあり、勇者パーティとの思い出と共に新しい旅での経験で成長していく場面が、視聴者の心を温かくしました。

音楽にも力が入っています。YOASOBIやmilet、ヨルシカなど話題のグループが『葬送のフリーレン』に沿った歌を提供しており、歌詞からもストーリーが連想されます。キャラクターのより深い想いを知ることができ、考察をするのもおすすめです。
続きが気になり、ついつい原作も購入しようと思える作品でした。

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『葬送のフリーレン』の面白さとは?

『葬送のフリーレン』は小学館『週刊少年サンデー』にて連載されている漫画です。原作は山田鐘人、作画はアベツカサが行っています。数々の賞を受賞していて、2023年9月にアニメ化がスタートした人気作です。
内容は、魔王を倒した勇者一行の1人であるフリーレンの後日譚を描くファンタジー作品となっています。フリーレンが勇者ヒンメルたちとの思い出を振り返りつつ、新しいパーティーメンバーと新たな旅を始める物語です。

フリーレンは長寿種のエルフであるため、時間の感覚が人とは違います。そのために、取りこぼした人の感情などを旅の中で学んでいきます。派手なアクションや大掛かりな陰謀などは少なく、日常の出会いや別れなどに重きを置いた作品と言えます。
そのため、物語の抑揚が少なく面白みを感じれない人もいます。
特に最初は登場人物も少ないことや、主人公であるフリーレンの感情の起伏があまり無いことからそう感じる人もいます。
しかし派手な物語はありませんが、心動かされる話が多くあり、余韻を楽しむ漫画です。
またシリアスな場面でも一定のギャグが入っており、どこか脱力した雰囲気を楽しめる漫画でもあります。
物語が進むにつれ、強敵や個性的なキャラも増え、ますます面白くなっています。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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人生の尊さと儚さを感じる物語

『葬送のフリーレン』は、ファンタジー漫画の中でも独特のポジションを占める作品です。アベツカサによる原作と山田鐘人による作画で、長い戦いを終えた魔法使いフリーレンの旅を描いています。
彼女はかつて世界を救った英雄たちの1人でしたが、その仲間たちは既に人間の寿命で亡くなっており、長寿の彼女だけが残されます。その仲間が残した弟子などと旅をする、魔王討伐の後日談が書かれています。

アニメでは、その静かな美しさと深い感情表現で心を掴む作品となっています。
そこではフリーレンというキャラクターが非常に魅力的に描かれており、彼女の長い時間を超えた旅と、亡くなった仲間たちへの思いが繊細に表現されています。
特に印象的なのは、彼女の孤独と内面の葛藤が、美しい風景や静かな音楽と共に描かれるシーンです。フリーレンが過去の戦友との思い出を振り返りつつ、新たな弟子との関係を築いていく過程がとても感動的でした。
また魔法と冒険の要素も見事に取り入れられており、迫力のあるかっこいい戦闘シーンや、異世界の美しい風景が視覚的に楽しめてとても最高です。
それから、フリーレンの内面的な成長と結びついており、彼女の人間としての成熟が感じられるのです。

『葬送のフリーレン』は、ファンタジーの枠を超えて、時間、友情、そして自己発見について深く考えさせる作品であり、多くの感情を呼び起こします。それはただの冒険物語ではなく、人生の旅を象徴しているかのようで、とてもおすすめできるアニメです。

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『葬送のフリーレン』アニメ版の魅力:魔法が彩る鮮やかな戦いと心温まる成長・思い出の物語

漫画『葬送のフリーレン』のアニメ化により、フリーレンの冒険と思い出、成長の物語に新たな命が吹き込まれました。原作の漫画が持つ繊細かつ深い、そして時々クスッとさせるストーリーテリングはそのままに、アニメ版では更に戦闘シーンや登場キャラクターのやり取りに漫画とは違った楽しみ方ができるようになっています。

アニメならではのダイナミックな戦闘シーンは、迫力満点です。色鮮やかな色彩と流れるような動きが、魔法の世界観を視覚的にも魅力的に映し出しています。フリーレンが展開する壮大な魔法や、フェルンやシュタルクが見せる敵との緊張感あふれる対決は、漫画では表現しきれなかった動きや光の演出等が追加されており見応えたっぷりです。

またこのアニメは海外でも高い評価を受けていて、特にフリーレンの複雑な感情や、仲間の死を受け入れつつも生き続ける強さがファンからの共感を呼んでいます。また魔法が日常的に使われる世界観や、巨大な魔物との戦闘シーンなど、ファンタジー要素も人気の1つです。

総じて『葬送のフリーレン』は魔法と冒険の世界を美しく、かつ迫力ある形で表現しており、フリーレンやフェルン、シュタルクの心の成長。そして勇者ヒンメルの言葉など多くの瞬間が心に残る作品です。原作ファンはもちろん、これからこの物語に触れる方々にも、心からお勧めしたいと思います。

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これは1人のエルフが人を知る物語

物語は1000年以上生きる長寿エルフのフリーレンが、勇者ヒンメル率いる勇者パーティの仲間に加わり、長い旅路の末に魔王を討伐したところから始まる。
10年間という時間は私たち人間にとってはとても長い期間だが、エルフであるフリーレンにとってはほんの一瞬の出来事だ。
勇者一行の凱旋パーティが開かれる中、50年に1度降るというエーラ流星を見た勇者一行は、また50年後に皆でみようと約束してパーティーを解散した。

時は移り変わり50年が過ぎた頃、フリーレンはヒンメルに預けていた暗黒龍の角の事を思い出し、ヒンメルのいる街へ赴いた。そこでは年老いたヒンメルやハイター、アイゼンと再会する。
勇者一行はフリーレンが好きなエーラ流星スポットを見に行く為に、1週間旅をすることになった。

道中ヒンメルは魔王討伐の旅を思い出し感傷に浸っている。
スポットについた一行は夜空いっぱいに広がるエーラ流星群を見る。ヒンメルは「全員が揃うこの日を待ち望んでいたんだ。ありがとうフリーレン。君のお陰で最後にとても楽しい冒険ができた」と言い残し長い眠りにつく。
彼の葬式でフリーレンは涙を流しながら、自分がヒンメルの事を何も知らないことを悔いた。人間の寿命は短いとわかっていたのに。
その後フリーレンは人間を知るために弟子のフェルンを連れ、魔法収集をしながら勇者一行と旅をした魔王城のあった大陸北端の地「エンデ」へ向かうのであった。

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「最高」の一言に尽きるアニメ

アニメ史上で初めて『金曜ロードショー』の枠を使っての放送し、1話目は2時間。1クール目の主題歌を「アイドル」で社会現象を巻き起こしたYOASOBIを起用するなど、放送開始前からとても力が入っているなと感じました。実際に放送が始まると、高まった期待値以上の出来栄えでした。アニメーションがとても綺麗で、キャラクターも1人1人が細かいところまで力が入っていて漫画を読んでいた私からすると「アニメ化してくれてありがとう!」と心の底から思いました。
話の中で1番印象に残っているのは、時間の価値観についての話。時間は有限とわかっていたのになぜ大切にしなかったのだろうと主人公のフリーレンが気付かされる場面があるのですが、その場面でハッと自分に当てはめて考えさせられました。私にとって小さい我が子がすぐ大きく成長することは分かりきったことです。なのに、遊ぶのをサボってしまう自分がいました。後悔しないように、この話を見てからは子供と遊ぶのはもちろん、自分が成長するためにコツコツ頑張ることを継続するようにました。
1期の放送終了後に特別編も放送されたので、こちらもぜひ見てほしいです。フリーレンの声優をしている種﨑さんは『SPY×FAMILY』のアーニャも担当しているので、そのギャップも楽しんでください。

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冒険が終わった、だらだらと過ごす時間

舞台は勇者一行が魔王を倒した後から始まる。
主人公は長寿であるエルフのフリーレンで、勇者であるヒンメルが亡くなってしまった後に旅を始める。
感情の起伏がなく、人間関係が淡白な彼女だったが、ヒンメルが亡くなったことをきっかけに「自分が大切にされていた」ことを知った。
もっと人間のことを知っておけばよかったと、激しい後悔をして「人を知る」ための旅に出るというものだ。
特に旅に目的はない。だらだらと穏やかな旅をする物語だ。

バトルものではないので「つまらない」と感じる意見もあるが、独特なテンポで繰り広げられる話で遅効性がある。ヒューマンドラマがメインとなっていて、人間関係の描写が細かく、丁寧であると話題だった。
人々の思い出や考え、価値観の違いに共感したり、理解ができなかったりとなかなか考えることが多い作品だ。あえて説明を省いている描写が多々あるので、自分で考えて理解を深めるとまた面白い。
たまにクスっと笑える描写もあるから、遊び心がくすぐられる。

たまに描写されるバトルには、独特な淡白さがあって意外と癖になる。
ここでも人間関係の思い出や駆け引きなどがふんだんに使われていて、あとから「ああ、なるほど」と腑に落ちる場面に遭遇する。
がっつりとしたバトルものもの魅力的だが、趣向を変えたいときになど1度見ておいても損はないかもしれない。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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勇者の去った世界に、たった1人残されたエルフの少女の物語

『葬送のフリーレン』は、長い戦いの後に平和が訪れた世界を舞台にしたアニメです。主人公のフリーレンは、不老不死の魔女として、戦いから解放された後の人生をどう生きるかというテーマを探求します。彼女の旅は過去の戦友との絆、新たな仲間との出会い、そして自身の存在意義を見つめ直すことに焦点を当てています。

アニメはその独特な世界観と、キャラクターたちの心理描写に深みを持たせています。フリーレンの内面の葛藤や成長が、視聴者に共感を呼び、多くの人々を引き込む要素となっています。また魔法と剣の戦いが織りなすアクションシーンは、スリリングでありながらも美しく描かれており、ファンタジーの世界に没入させます。

物語の進行に伴い、フリーレンが直面する道徳的なジレンマや、彼女の長い生涯を通じての人間関係の変化が視聴者にとって考えさせられるポイントです。アニメはただのエンターテイメントに留まらず、人生の意味や時間の価値についての哲学的な問いを投げかけています。

音楽もまた、このアニメの魅力の1つです。背景音楽はシーンの雰囲気を高め、キャラクターの感情を表現するのに一役買っています。オープニングとエンディングの楽曲は、物語のテーマを反映しており、多くの視聴者に愛されています。

総じて『葬送のフリーレン』は、アニメファンにとって見逃せない作品です。その緻密なストーリーテリングと、感動的なキャラクターの旅は、多くの人々にとって心に残る体験となるでしょう。戦いの後の平和をどう生きるかという問いかけは、私たち自身の人生にも重要なメッセージを投げかけています。

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『葬送のフリーレン』の魅力とは?

魔王討伐をした勇者一行の仲間の1人である、エルフの魔法使いフリーレン。そんな彼女が作品の主役である『葬送のフリーレン』は、「漫画大賞2021」で大賞に選ばれています。記念すべきアニメの初回放送では、なんと『金曜ロードショー』で4話まで一挙放送され、これまで作品を見たことが無かった人々からも非常に大きな注目を集めました。

エルフであるフリーレンは寿命がとても長く、彼女からしたらあまりにも寿命の短い人間に対して興味を持つことはありませんでした。しかし共に旅をしてきた勇者ヒンメルの死をきっかけに、「なぜもっと知ろうとしなかったのだろう」と涙を流しながら後悔し、彼女の中で何かが変わり始めます。

1000年以上の時を生きるエルフにとって人間の寿命はあっという間であり、仲間の死もごく当たり前のものですが、そんな仲間の死と彼女がどう向き合っていくのかがこの作品の最大の見どころと言えるでしょう。
ストーリーはもちろんですがこちらの作品はキャラクターもとても魅力的で、エルフにドワーフ、魔族など人種が様々というところも見る人を引き付ける要素の1つとなっています。X(旧Twitter)ではアニメ放送開始から連日のように推しキャラクターのファンアートを投稿する人々で溢れかえりました。

作品が人気な理由はまだまだ沢山ありますが、なにより主役のフリーレンの愛らしい見た目と、淡々とした冷静な口調。そして最強の魔法使いでありながらも、ミミックという魔物にすぐに引っかかってしまうという、意外とマヌケなところが多くの人を魅了しているのでしょう。そんなフリーレンと仲間達が旅の途中でどう成長を遂げ、旅の最後をどう迎えるのか非常に気になるところです。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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衝撃的な第1話

『葬送のフリーレン』は魔法使いのフリーレンが仲間たちと協力しながら冒険をしていく物語。ですが、第1話のサブタイトルは「冒険の終わり」という衝撃的なもの。
なんとフリーレン率いるパーティが魔族のボス「魔王」を倒した後から始まるという斬新なスタートから始まります。そして、魔王を倒した後の平和な世界で50年に1度のエーラ流星をフリーレンとその仲間たちが目にします。街の高台から見ていたフリーレン達ですが、もっときれいに見える場所を知っているフリーレンが50年後にその場所に案内するから、みんなで見に行こうと誘うのです。フリーレンの仲間たちは50年なんて長すぎると呆れますが、フリーレンは「50年なんてあっという間だよ」と発言するのです。
このフリーレンの発言は、彼女が寿命1000年以上のエルフという種族であるからこそ。それゆえにフリーレンは仲間と10年以上旅をしてきましたが、人間にすら興味がなく仲間のことすらほとんど知らなかったのです。なんとか50年後のエーラ流星をかつての仲間たちと見ることができましたが、その直後仲間の1人が死んでしまいます。そして、フリーレンは仲間のことを何も知らなかったことに気付き、人間の心を知るための新たな旅に出るのです。
ここまで全てが第1話に詰め込まれています。エーラ流星をはじめ、美しい演出も多数含まれており、初めて見る方でも夢中になってしまうと断言できるアニメです。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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悠久の魔法使い”フリーレン”がたどる勇者一行の足跡と自分探しの旅

魔王討伐を終えたフリーレンは、自分たちが成し得た魔王退治の足跡をたどりながら、自分自身を探す旅に出ます。この旅のきっかけは、仲間である勇者ヒンメルの死。ヒンメルは、仲間思いで正義感あふれる人間の勇者で、フリーレンにとって人間の価値とは何か、時間の意味を再考させるきっかけを与えました。その痛みから自分が何を重視し、学び、どう生きるべきかを見つめ直すことを決意します。

フリーレンの旅に同行する弟子、フェルン。フェルンは単なる弟子ではなく、フリーレンにとってかけがえのない家族のような存在になっていきます。フェルンを通じてフリーレン自身も成長し、彼女は過去の後悔から学び、自身の新たな旅立ちを果たすのです。

旅の途中で仲間となるシュタルクは、フリーレンの旅に新たな色を加える重要なキャラクター。シュタルクは、内向的ながらも非凡な才能を持つ戦士で、フリーレンとフェルンにとって弟のような存在になっていきます。

『葬送のフリーレン』は、単なるファンタジー冒険物語を超え、時間、生と死、そして人との繋がりについて深く考えさせられる作品です。フリーレンとその仲間たちの物語は、勇者一行の足跡を辿りはその伝説の中の人物もまた1人の人間であることを思い出させます。傑出した人物の人間的な一面がみえることも本作の魅力の1つといえます。

セリフがないコマやコマごとに場面が変わる描写が多く、テンポよく物語は進みます。おそらく1000年以上生きると言われるエルフの感じる描写を表現するため、作家が意図していることだと思います。いわゆる間や行間で感じさせるコマ割りのため、セリフなどで感情表現や細かいアクションシーンを期待している方には期待はずれになるかもしれないと思い、マイナス1点で9点としました。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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見どころ多数!人生最高のアニメです。

『葬送のフリーレン』はアドベンチャー要素のあるアニメです。
かつて魔族が人間を脅かす世界で魔王を倒し、英雄となった勇者一行の魔法使いフリーレンが主役となり、勇者亡き後の平和な世界で魔王討伐の道筋を新たな仲間たちと追体験する話です。

この旅の途中で、勇者ヒンメルとフリーレンの思い出話が登場し、ギャグ要素もありつつも純愛物語のような満足感があります。また、新たな仲間として魔法使いのフェルン、戦士のシュタルクが加わります。この2人もかつての勇者一行のメンバーに縁のある登場人物で、エルフとして寿命の長いフリーレンだからこそ知っている勇者一行の新たな一面を知ることになります。
さらにフリーレンと旅をすることで絆も深まり、紆余曲折を経て技術的にも大きく成長していきます。その成長といった部分も少年誌としての魅力が込められていて推したい一面です。

また戦闘シーンもたくさんあり、魔法の光やキャラクターの微細な感情の動きなど映像の美しさも大満足です。しかしそれ以上にストーリーの次の展開がついつい気になってしまうような面白さがあり、これまでたくさんアニメを見てきた私としても最高のアニメと言わざるを得ません。
漫画版にも勿論良さがありますが、是非アニメも見て頂きたいです。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
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勇者ヒンメルの死から〇〇年後という表現から始まるストーリー

長い間、人々は勇者ヒンメルの伝説を語り継ぎ、その勇気と英雄的な行動に感銘を受けてきました。彼が魔王との戦いに挑んだとき、世界は混沌と闇に包まれていました。人々は絶望の中で生きることを余儀なくされ、希望は失われつつありました。しかし、勇者ヒンメルはその暗闇の中に光を差し込むように現れ、勇敢にも魔王との決戦に臨んだのです。

そのとき、勇者ヒンメルの心には何があったのでしょうか?彼は恐れや不安を感じたのでしょうか?それとも彼の心にはただ一つの思いしかなかったのでしょうか?彼の旅は単なる冒険ではなく、人々の命運を左右する重大な使命でした。彼は自らの魂をかけて、世界を救うために戦ったのです。

そして、フリーレンはその伝説を胸に刻みながら、勇者ヒンメルが旅した場所を訪れます。彼らはヒンメルの足跡を辿り、彼の勇気や決意に敬意を払いながら、新たな冒険に挑むのです。人間の寿命はエルフのフリーレンに比べてはるかに短いとされていますが、彼らはその限られた時間の中で、勇者ヒンメルの遺産を受け継ぎ、世界を守るために戦い続けるのです。彼らの旅は永遠に続くのかもしれませんが、彼らの心には勇者ヒンメルへのリスペクトと、世界を守るという使命が刻まれています。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
9

泣ける日常系

かつて勇者と共に魔王を倒したエルフの魔法使いフリーレンが、勇者の死後、勇者との旅の記憶を辿るために再度冒険に出かけるというストーリー。

悠久ともいえる寿命を持つため感受性に乏しいフリーレンが、かつての勇者との旅の記憶を思い出す中で何を感じ、新たな仲間に何を伝えるのか、細かな心理描写で描かれるフリーレンの感情の機微に着目です。

人間の寿命は短く、時間は有限です。
大切な人と共有する一時一時を大事にしなければならなりません。
あたりまえのようですが、人間はどこか自分勝手に生きていて、こういった感情もいつの間にか忘れてしまいます。

そういった誰もが一度は想像する「後悔」が、緩やかな世界観の中で絶妙に表現され、共感できる作品となっています。

まずは、人間とエルフの寿命の違いと時間の感じ方に着目し、このような繊細なテーマを描き出すことに成功した原作が素晴らしいと思います。
これに加えて、アニメは、臨場的な音楽、カメラワーク、感情豊かなキャラクター、そしてどこかエモーショナルでノスタルジックな雰囲気作りによって、この漫画原作の良さを120%引き出しています。

YOASOBIが担当するオープニングテーマも、原作への理解とリスペクトに基づいた素晴らしい楽曲です。

映像も音楽も楽しめる総合作品です。

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
10

登場人物の変化と成長が綺麗に描写されているアニメ

このアニメは千年以上を生きる魔法使いのエルフ「フリーレン」が、勇者たちと共に魔王討伐をした「その後」の物語です。

魔王討伐後の物語というのも斬新な切り口ですが、何より驚いたのは勇者が1話で死んでしまうことです。千年以上生きるエルフのフリーレンにとって時間の流れはとても早く、魔王討伐後も50年後に会おうと言ってあっさりと解散してしまいました。そして50年後に勇者と再会したとき、勇者はとても老いており、その後すぐに死を迎えてしまいます。その姿を目の当たりにしたフリーレンは、人を知ろうとしなかったこと、勇者を知ろうとしなかったことを後悔しました。その後悔から、人を知る旅を始めたのです。

ここまでが1話で描かれることにとても衝撃を覚えました。まず、勇者が1話で死んでしまうアニメは他に見たことがありませんでしたし、あっさりと場面が50年後に移るので、主人公のフリーレンが体感している時の流れの再現のように感じ、展開の早さの中に少し神秘的なものを感じます。

2話以降の人を知る旅では、魔王討伐時の仲間との再会や、新たな旅の友など、様々な人との出会いがあります。最初はあっさりと50年後に場面が移り変わっていましたが、徐々に数年後、1年後、数ヶ月後と場面が移り変わる際の年数が少なくなっていき、時の流れの感覚が人間に近づいていることがわかります。フリーレンが人を少しずつ理解していることが丁寧に表現されており、盛り上がる感動よりも、しんみりくる感動があります。