「殿堂入り後」のおはなし
RPGゲームをやったことはあるだろうか?パーティの編成は、勇者、魔法使い、戦士、僧侶などが挙げられる。『葬送のフリーレン』は、勇者一行が魔王という名のラスボスを倒した後の話である。
この物語の主人公、実は「勇者」ではない。エルフの魔法使いである。エルフというのは人間よりも遥かに長く生きることが出来る。だからエルフにとって”時間”はそんなに大切なものではない。人はいずれ死ぬという終わりがあるからこそ「今」を充実させたい、生きたいと強く願うが、エルフにとって「今」とはただの時間の流れにすぎない。
エルフの名前はフリーレン。魔王を倒した一行の最強の魔法使い。フリーレンは魔王を倒して旅が終わった後、またいつか会うことを誓い、一人で旅に出かける。
数十年後、勇者に会いに来た時には、もうすでに勇者はおじいちゃんになっていた。そして、勇者の死を見届けることになる。勇者が死んだ時、フリーレンの心に初めて「悲しい」という気持ちが生まれたことに気づく。それまでは人の心など分からなかった、フリーレンが涙を流す。昔旅をしたときに楽しかった思い出をフリーレンは忘れてはいなかった。
勇者一行のみんなが息を引き取った時、フリーレンは弟子を取り、新たに旅に出かける。人間のことを理解しながら、どんどん成長するエルフに起こる試練とは?旅の結末に残るものは何?