冒険が終わった、だらだらと過ごす時間
舞台は勇者一行が魔王を倒した後から始まる。
主人公は長寿であるエルフのフリーレンで、勇者であるヒンメルが亡くなってしまった後に旅を始める。
感情の起伏がなく、人間関係が淡白な彼女だったが、ヒンメルが亡くなったことをきっかけに「自分が大切にされていた」ことを知った。
もっと人間のことを知っておけばよかったと、激しい後悔をして「人を知る」ための旅に出るというものだ。
特に旅に目的はない。だらだらと穏やかな旅をする物語だ。
バトルものではないので「つまらない」と感じる意見もあるが、独特なテンポで繰り広げられる話で遅効性がある。ヒューマンドラマがメインとなっていて、人間関係の描写が細かく、丁寧であると話題だった。
人々の思い出や考え、価値観の違いに共感したり、理解ができなかったりとなかなか考えることが多い作品だ。あえて説明を省いている描写が多々あるので、自分で考えて理解を深めるとまた面白い。
たまにクスっと笑える描写もあるから、遊び心がくすぐられる。
たまに描写されるバトルには、独特な淡白さがあって意外と癖になる。
ここでも人間関係の思い出や駆け引きなどがふんだんに使われていて、あとから「ああ、なるほど」と腑に落ちる場面に遭遇する。
がっつりとしたバトルものもの魅力的だが、趣向を変えたいときになど1度見ておいても損はないかもしれない。