ダンジョン飯(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。

土地

西側から順に、西方大陸、南中央大陸、北中央大陸、南方大陸、東方大陸、北方大陸、東方群島などのいくつかの大陸がある。
公式ガイドブックによると、肥沃で広大な土地はほとんどがエルフやノームなどの長命種のものになっており、短命種は貧しい土地で限られた資源を奪い合って暮らしている。

西方大陸

古代戦争の爪痕が最も多く残る土地。広大だが、迷宮後や魔物も多い。体の頑丈な短命種と亜人が大半を占める。エルフ文化の影響が濃い。迷宮から溢れ出てきた魔物によって壊滅したウタヤはここにある。

南中央大陸

2番目に大きいエルフの国家がある土地。北中央大陸と比べると移民の流入が多い。また後述の北中央大陸と同盟関係にあるが、とても友好的とは言い難い。

北中央大陸

エルフの女王が統治する最大の国家を有する大陸。「西方エルフ」は主にこの地のエルフを指す。最も安全で暮らしやすいが、人口減少による衰退の危機に瀕している。
カナリア隊の本拠地もここにある。
また、ミスルンが取り込まれた迷宮は、西方エルフの首都から近い場所にある。

南方大陸

ドワーフ最大の都市がある。ノームやドワーフの国は地下に広がっていることが多く、最下層は途方もなく深い。戦争が多発し国境付近は紛争が絶えない。

東方大陸

ノーム最大の国家がある。ドワーフとノームが住民の大半を占める大陸だったが、作中の時代では北方大陸や東方群島から単銘酒が流入し、人口は急激に増加している。
マルシルやファリンが在籍した魔術学校があるのも、この東方大陸。

作中の主な舞台である迷宮が領土内にある小さな島。東方大陸にある街カーカブルードから島へ行く船が出ている。

北方大陸

土地の半分以上が雪に覆われた極寒の大陸。住民は大半がトールマンをはじめとする短命種だが、人口自体が少ない。ドワーフによる文化の影響が残っている。
トーデン兄妹の故郷もここにある。その村は非常に古い因習が残っており、亡霊の声を聞き魔術を使えるファリンを迫害したり、「山の民に会ったら殺せ」という規範がある。

東方群島

短命種が住む土地。協定により、長らく長命種の介入がなかった。古代戦争による影響も少なく、魔術や迷宮による問題もほぼ見られない。しかし、人間同士で戦争を繰り返しているとのこと。

ダンジョン/迷宮

魔物や人食い植物、亡霊などが出現する建造物。膨大量の魔力に満たされており、それゆえ地上で行使するよりも強い効果を期待することができる。
「人工迷宮」「自然迷宮」の2種類がある。作中の舞台となっているダンジョンは、「狂乱の魔術師」によってかつて栄華を極めた亡国が取り込まれた人工迷宮である。
人工迷宮は「迷宮の主」が設計管理している。迷宮の主は悪魔を力の源泉としており、その力で迷宮を作っている。目的は外敵の排除などが多いが主によって様々。
自然迷宮は洞窟などに魔力が満ちて形成された人工迷宮に似た自然環境のことであり、魔物はいるが悪魔は潜んでいない。
迷宮は火山のように「生きているもの」「死んでいるもの」があり、成長もする。
迷宮の成長具合によって危険度も違い、作中では以下のように分類される。
迷宮育ち度LV.1:人に発見される
迷宮育ち度LV.2:金目の物が見つかり、冒険者や研究者が増える。交易が盛んになり、付近の街が栄える。
迷宮育ち度LV.3:発掘が進み、浅い階層での実入りが減る。腕の立つものは稼ぎを求めて深い階層に潜るが、新しい冒険者は減っていく。亜人が住み着いてトラブルになることもある。
迷宮育ち度LV.4:迷宮ないが変動して浅い階層で金目の物が再び発見され始める。全体的に強い魔物が増える。
迷宮育ち度LV.5:退治しきれなかった魔物が地上へ溢れ出る。

黄金卿

作中の舞台となるダンジョンの深層に存在する王国。元々は大陸に存在しており、紛争などから逃れるため、狂乱の魔術師によって王国がまるごと取り込まれた姿。
このため、この迷宮内では死を禁じられており、人々は老いや死のない永遠の生に疲弊している。
黄金卿には若い人々しか残っていないが、これは年かさの人々が迷宮での生活に耐えられず出て行ったか、意を唱えてシスルによって亡霊にされてしまったためである。
迷宮内は魔物で満たされているが、黄金卿の住民にだけはおとなしい。これは「黄金卿の民を傷つけてはならない」とシスルによって命令されているため。

魔術

作中の魔法体系には2種類あり、エルフ系とノーム系がある。
ノーム系は空気中の精霊に「お願い」をして現象を発生させるのに対して、エルフ系は精霊を強制的に動かして現象を発生させる。
ノーム系の魔術は結果が曖昧なことが多いが、それゆえ強力にもなり、術者の負担も少ない。エルフ系は良くも悪くも想定通りの結果しか起きない。
これは、エルフは精霊を自然現象の1つと捉えているのに対し、ノームは精霊に神性を見出しているためである。
作中では「魔術」と「魔法」は厳しく区別しない。

Kyazu0818t2
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@Kyazu0818t2

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