BLUE GIANT(ブルージャイアント)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『BLUE GIANT』とは、2013年から『ビッグコミックスピリッツ』において連載されている石塚真一による漫画である。ジャズを題材とする本作品は、世界一のサックスプレーヤーを目指す高校生・宮本大が、仙台、東京、ドイツと拠点を移しながら一歩ずつその階段を上っていく様が描かれている。本作には、「お前の音は人を圧倒できるんだ」、「オレはウマくてもヘタでも感動できればいい」など、ジャズだけでなく、音楽に携わっている人には特に心に響くであろうさまざまな名言・名セリフが登場する。

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シェリル・ハント「理由がないってことは、アナタは本気ってこと。そして、本当に音楽が好きってこと。」

アメリカが舞台となる第3部『BLUE GIANT EXPLORER』。「理由がないってことは、アナタは本気ってこと。そして、本当に音楽が好きってこと。」とは、ポートランドのカフェ店主であるシェリルが、世界一になぜなりたいか自分でもわからないと言う大にかけた言葉である。好きこそものの上手なれとは、ジャズにしろコーヒーにしろ、全ての原点になると言えるだろう。

ジャズをあきらめた老人「きっと本人が負けたと思わなかったら勝つんだね。 「オレなんて」、そう思った瞬間に終わるんだ。全てがね。」

「きっと本人が負けたと思わなかったら勝つんだね。 「オレなんて」、そう思った瞬間に終わるんだ。全てがね。」とは、かつて夢を叶えられなかった自分を顧みるように語った老人の言葉である。夢は逃げない。逃げるのはいつも自分なのだ。

宮本大「オレのサックスは全力です。『シリアスだ』ともよく言われます。オレの中の全部を出します。昨日も明日もない。お客の心を動かすにはそれしかない。計算なんかしない。」

「オレのサックスは全力です。『シリアスだ』ともよく言われます。オレの中の全部を出します。昨日も明日もない。お客の心を動かすにはそれしかない。計算なんかしない。」とは、ポーカーのゲーム中に「ステージでは、どんなプレーをするんだい?」と尋ねられた大が答えた言葉。ドラムで生きていくことから逃げているゾッドへ向けたメッセージである。大のプレーには何の計算もない。計算が混ざってしまえば、大の音ではなくなってしまう。そのことを大はわかっているのだ。

宮本大「負けることが前提にあって、小さく勝ちを重ねようとしてるんだ。そんな奴がオレ達を値踏みするだ?ふざけるな!!」

ゾッドをバンドに引き入れようと決意した大とアントニオは、彼が入り浸っているポーカーハウスを訪れる。説得のために自身の全財産をチップに変え、彼と共にポーカーの卓についた大は、ゾッドに「売れるジャズ」についての持論を展開されて激怒し、「負けることが前提にあって、小さく勝ちを重ねようとしてるんだ。そんな奴がオレ達を値踏みするだ?ふざけるな!!」と啖呵を切る。それを聞いたゾッドに「負けたことがないのか?」と尋ねられた大は、間髪入れずに「ないね」と答え、このやりとりで根負けしたゾッドはバンドへの加入を決意する。
たった1人で海外に飛び出し、勝つまでやり続けてきた大だからこそ、重みを感じる一言だ。

ジャック「Beautiful.(最高だ。)」

アメリカに来て初めてアルバイトをした自動車修理工場の社長のジャックは、旅立つ大のために探したホンダの車を、大の言い値で販売してくれる。
そのホンダ車を大切に乗り続け、旅をしてきた大だが、体の大きなゾッドが旅路を共にすることになったため手狭になってしまった。
そこで彼は車を大きなものに乗り換えることを決意。かつてのアルバイト先へ電話をかけ、ジャックにホンダを手放すことを報告する。ジャックは車を売った理由について「いい意味で?悪い意味で?」と尋ね、大が「いい意味だ」と答えると、彼は「Beautiful.(最高だ。)」と喜んでくれる。無骨で表情も乏しく、威圧感のあるジャックだが、大の門出を祝福し、彼の成功を心から祈ってくれていたことがわかる。
車を乗り換えて出発する間際、大はいつまでもホンダの前で頭を下げていた。彼にとってはただの車ではなく、ジャックとエディの愛情の象徴で、たくさんの思い出を共にした大切な仲間だったのだ。

衝撃的すぎるジョーの初登場シーン

フロリダに入った大たちは、自分たちの映像と観客の熱量の差のギャップに戸惑いを覚える。そこでゾッドは「伝手があるから、ベーシストを入れてみよう」と提案する。そうして初めてジョーの家を訪れた大たちは、酒臭い部屋と、その中であまりにもだらしのない体たらくで眠っていたジョーに驚く。この初登場シーンを見るだけでは、とてもいいベースを弾くとは思えない姿だ。
しかし、ベースを持たせると彼は別人のように素晴らしいプレイを見せ、「酒を飲むなと言わない」「酒でリズムを飛ばしたり、ライブを飛ばしたりしない」という誓約を互いに交わしながらではあるが、無事にバンドに加入することが決定するのであった。

不自由な右手でピアノを弾いた雪祈

アントニオの配慮により、自身で作曲し、大たちに提供した曲のピアノをライブ当日に急遽担当することになった雪祈。左手一本で見事なソロを披露した彼だが、それでは大たちの熱量に追いつけないことを悟り、「奇跡でもなければ動かない」と宣告された右手を鍵盤の上に運ぶのであった。始めは当然ながら動かず、苛立ちのあまり手をピアノに叩きつける素振りを見せる雪祈だが、「ここまで単身でやってきた大の努力に報いたい」という一心で食い下がり、とうとうメロディーを奏でることに成功する。
大は「メロディーだ…」と感動の声を漏らし、観客たち、そしてたまたま大たちのライブを見に来ていた、雪祈とは折り合いの悪い大学の同級生も、その奇跡を祝福するのであった。

『BLUE GIANT MOMENTUM』(ブルージャイアント モメンタム)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

宮本大「………アレ? 今 気付いたけど… 練習って、タダじゃね? 練習って凄えな…!! 練習って…………尊いな!!」

ニューヨーク編である第4部『BLUE GIANT MOMENTUM』。「………アレ? 今 気付いたけど… 練習って、タダじゃね? 練習って凄えな…!! 練習って…………尊いな!!」とは、突然「練習はタダ」という事実に気付いた大の変態的なセリフである。そしてその事実に気付いた大は、一層練習に励むのだった。

サム・ジョーダン「NYには無数のジャズプレーヤーがいるが、その誰もが“個性的”でありたいと思っている。だが…ライチはライチでしかない。それに自分で気づくのに何年もかかる。何年もかかって気づかないプレーヤーもいる。」

サム・ジョーダンは、ジャズ界の大御所である。「NYには無数のジャズプレーヤーがいるが、その誰もが“個性的”でありたいと思っている。だが…ライチはライチでしかない。それに自分で気づくのに何年もかかる。何年もかかって気づかないプレーヤーもいる。」という言葉は、サムがニューヨークへやってきたばかりの大に投げかけた言葉である。肯定的にも否定的にも受け取れる言葉である。

カーメロ・キャノン「世界一だっけ?一生かけて目指すことになるよ。」

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@hi_257

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