マチルダ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『マチルダ』とは、1996年に公開されたアメリカ合衆国のファンタジー・コメディ映画。監督はダニー・デヴィート。脚本はニコラス・カザンとロビン・スウィコードが担当した。原作はイギリスの作家であるロアルド・ダールの児童文学作品『マチルダは小さな大天才』。
6歳半の天才少女・マチルダが、無知で愚かな大人たちに立ち向かうユーモラスな作品である。児童文学を下敷きにしているからこその強みを持った映画である。

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映画に散りばめられた象徴性

優しい担任の先生や友人に励まされ戦う少女マチルダ、と書くと何だか健気で可哀想だが、実は彼女はかなりの根性の持ち主である。物語全般にわたって、悲愴な感じはほんの少し。むしろ楽しげでかわいらしい。そして何より、誇張された少女の強さというものが垣間見える。映画は数多くの象徴性に彩られている。マチルダがその知性を発展させるに至った図書館は荘厳な印象で、マチルダのことを理解してくれない家族がいるリビングはテレビの明かりがないと真っ暗。優しいハニー先生の家はかわいらしい。校長の家は一見すると豪邸だが、中身は散らかり放題。そして、校長の砦とも言える学校は強制収容所を思わせる。校長室では子どもの写真がダーツの的になり、罰と称して料理人の唾液入り巨大チョコケーキを食べさせ、懲罰房まで用意する徹底ぶりだ。建物までが、マチルダや子供たちの心境を表しているように思える。
親や教師は子供にとって一番身近な大人だ。校長のメチャクチャぶりも、親の横暴ぶりも、すべて「嫌な大人の象徴」と見れば納得がいく。古い映画であるため「子供向けの映画じゃないのか」といった賛否両論はあるだろうが、象徴性という観点から見れば中々面白いだろう。

『マチルダ』の主題歌・挿入歌

挿入歌:ラステッド・ルート「Send Me on My Way」

マチルダが4歳のときに1人でパンケーキを作るシーンと、ミス・ハニーがトランチブルから家を取り戻してマチルダと共に暮らすモンタージュのシーンで使用されている挿入歌。

挿入歌:サーストン・ハリス「Little Bitty Pretty One」

マチルダが超能力の訓練をするシーンで使用されている挿入歌。

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