天使にラブ・ソングを2(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『天使にラブ・ソングを2』とは、1993年に公開されたアメリカのコメディ映画で、1992年に公開された『天使にラブ・ソングを』の大ヒットを受けて制作された続編だ。前作で殺人現場を目撃したことから尼僧へ身を扮していた歌手のデロリス・ヴァン・カルティエが、シスター達からの要請により再びシスター・メアリー・クラレンスとなり廃校寸前の学校と生徒たちを救っていく物語である。前作はサスペンス風だったのに対し、今作では学校がメイン舞台となり青春的な要素も含んでいる。

デロリスとの再会

ベガスでショーをしているデロリスは、院長が精神的に参っていると聞いてフランシスコへ飛んでいく。前作では価値観の違いから幾度となく衝突したデロリスと院長が本作で再会する場面では、まるで生き別れの友と再会したかのようにお互いに喜び抱き合っている。思わず胸が熱くなるシーンだ。

聖歌隊を辞めたリタ

なぜ聖歌隊を辞めたのかをクラスメイトから聞かれるが、リタは理由を言わなかった。

夢半ばで死んでいった父親のような苦労はしてほしくないフローレンスと、どうしても歌を歌いたいリタは聖歌隊について対立してしまう。フローレンスはリタを思っているからこそ将来性のない仕事には就いてほしくないと考えているが、リタはどうしても諦めきれない。母親の言っていることも一理あり、そして何より最愛の母の言う事だからと聖歌隊を辞めることを承諾。その証拠にリタはデロリスやクラスメイト、親友のタニアにさえ聖歌隊を辞める理由を決して言わなかった。お互いがお互いを思ってこその行動なのにも関わらず、すれ違う様子に思わず胸が苦しくなる。

音楽コンクールの表彰式

音楽コンクールでの表彰式が始まり、第3位、第2位と発表されていく中、生徒達は緊張と不安が入り混じり表情がどんどん暗くなってしまう。聖フランシス高校と同じ曲を歌ったグラント高校が第1位で発表された時には、生徒達だけではなくシスターや神父達も諦めたような表情になってしまう。しかし、聖フランシス高校が最優秀賞を勝ち取った瞬間、ベートーヴェン作曲の交響曲第9番「歓喜の歌」がBGMとして流れ、生徒達は飛び跳ねて喜びトロフィーを受け取る。ソロを歌ったリタは特別大きなトロフィーを受け取り、デロリスもステージへ登場する。デロリスは生徒一人一人とハグをしたあと、審査員から花束を受け取ると天高く掲げ、生徒全員もそれに続いた。授業ができない程に荒れていた音楽クラスから、音楽コンクールで優勝するまでになる過程も本作で見てきたからこそ、小さな子供のようにはしゃいで喜ぶ生徒達の姿は何度見ても涙を誘う感動シーンとなっている。

『天使にラブ・ソングを2』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

エンドロールでシスター・メアリー・ロバート演じるウェンディ・マッケナの歌声が聞ける

『天使にラブ・ソングを』シリーズでは多くの俳優が歌唱パートも担当しているが、シスター・メアリー・ロバート演じるウェンディ・マッケナは通常のセリフのみで、歌唱パートはアンドレア・ロビンソンの声に変更してある。しかし、本作エンドロールではウェンディ・マッケナの歌声で収録されているのだ。

「Oh happy day」のアドリブの噂

校内コンサートで歌われた「Oh happy day」でソロを務めたアマール。前半は緊張のため上手く声が出ていなかったアマールも、後半へ続くにつれ段々と緊張がほぐれにこやかに伸び伸びと歌うようになった。そのソロの中でホイッスルボイスと呼ばれる高音域の歌声を披露した際、デロリスや観客達の反応があまりにも自然だったため、アマールのホイッスルボイスはアドリブだったのではないかと噂されている。

本作出演をきっかけに有名になった生徒役

リタ・ルイス・ワトソン役 ローリン・ヒル

本作ラストの音楽コンクールでは見事なソロを歌い切ったリタ役のローリン・ヒル。本作をきっかけに歌手として大ブレイクし、現在はボブ・マーリンの息子ローハン・マーリンと結婚し、5人の子宝に恵まれながら歌手活動を続けている。

ウェスリー・グレン・"アマール"・ジェームズ役 ライアン・トビー

校内コンサートで見事はハイトーンボイスでソロを歌い切ったアマール役のライアン・トビー。本作上映後、ボーカリストとして活躍した後、現在はプロデューサーなど裏方として音楽業界に携わっている。

マーガレット役 ジェニファー・ラブ・ヒューイット

音楽クラス一お洒落好きで、いつも鏡を開いてはメイクをチェックしていたマーガレット役のジェニファー・ラブ・ヒューイット。本作では歌のパートでは目立っていなかったものの、本作をきっかけに数々の作品に出演し、現在も女優として大活躍している。

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