サイキックフォース2012・2・2012EXのネタバレ解説・考察まとめ

『サイキックフォース2012』とは、1998年6月にアーケードで稼働した格闘ゲーム。発売元はタイトー。
『サイキックフォース2』はアーケード版をベースに、追加要素を加えてPlayStationに移植した作品。『サイキックフォース2012EX』は、PlayStation2用ソフト『サイキックフォース COMPLETE』収録のタイトルだ。
『サイキックフォース』の続編であり、前作から2年後の世界を舞台に、ダイナミックな超能力技の応酬と、個性的なキャラクターが織りなす物語を売りとしている。
ストーリー:ウォン
第一次超能力大戦の際に、ウォンは自らが与していたサイキッカー組織ノアを裏切り、人類の軍と手を組んだ。そして、ノアの研究とサイキッカーの身柄を手土産にして、軍サイキッカー部隊を作り上げることに成功する。だが、ウォンは強大な地位と力を手にしても、まだ満足していない。自らの全てを盤石にするため、ウォンは司令室を開け放つと、自身の命を狙う存在を迎え撃つ準備を整える。
新生ノアの刺客、自身の行いに反発心を抱く者、そして裏切り者、全てを蹴散らした時、彼は現れた。新生ノアの総帥であり、自分が全てを手に入れるために利用していた存在、キース。かつてのウォンであればどうなるかわからない勝負だったが、ウォンは既に2年前の彼とは違っていた。ノアで研究していたサイキックパワー増幅装置を完成させていたウォンは、その装置の力を用いて、キースを下す。
そうしてとうとう、ウォンの覇道を阻むものは消え失せてしまう。最高の力と地位を手にしたウォンは、その冷徹な笑顔を深めるのだった。
ストーリー:刹那
父親との確執を抱えて従軍していた刹那は、ウォンの研究の被検体となり、サイキッカーとしての強大な力を手に入れた。その力に絶大な自信を持った刹那は、いずれは今まで自分を見下してきた存在を全て下すという野心を抱えて、軍サイキッカー部隊の任務を進めていく。
命令のまま、立ち塞がる生涯を打ち砕き、自分に恨みを持つ灌頂玄信(かんじょう げんしん)を下し、自らの力を誇示する刹那。そうなった刹那の次の標的は、同じ軍サイキッカー部隊に所属し、自身を見下してきた存在を打ち倒すことだった。凶暴な衝動のまま、ガデスを倒した刹那は、その矛先を軍サイキッカー部隊の指揮官ウォンへ向ける。
そうしてとうとうウォンを倒した刹那だったが、彼にトドメを刺そうとした瞬間、その身体が動きを止め、意識が闇の中へと落ちていく。刹那は、立ったまま事切れていた。人工サイキッカーであった彼は、力を使い過ぎた故に、命を削り切ってしまったのだ。無様にも立ったまま命を落とした男の横を通り過ぎ、ウォンは彼を嘲笑しながらその場を後にする。
ストーリー:ガデス
かつてノアに所属していたサイキッカーのガデスは、自らの欲望の赴くまま行動していた。ノアを裏切ったのも、ノアが転覆しそうだったのもあるが、ウォンについた方が楽しそうだと感じたからである。暴力と自由を好むガデスは、自分の力を存分に振るうことができる軍サイキッカー部隊という場所を得て、戦いに身を投じていく。
時にウォンの命令に従い、時に襲い掛かる火の粉を打ち払うために、ガデスは自らに備わった重力の超能力を使い続ける。顔見知りであった新生ノアのメンバーも、ノアの基地も、残らず全て破壊して、葬る。
そうして自分の快楽のまま、我儘に振舞う男は、軍サイキッカー部隊を脱退し、どこかへ単身立ち去っていく。そんなガデスの姿を捉えた記録映像を眺めるウォンは、彼に使い道も害も見出すことなく、彼らしいとして放置することに決めたのだった。
ストーリー:エミリオ
第一次超能力大戦の際、バーンとウェンディーと共に、ノアとの戦いに赴いていたエミリオだったが、ウォンの裏切りによって介入してきた軍に捉えられてしまう。軍で洗脳を受けたエミリオは、残忍で残虐な性格を植え付けられ、軍サイキッカー部隊所属のサイキッカーとして殺戮を行っていった。
そんなエミリオの前に現れたのは、かつて共に戦った、姉のような存在でもあるウェンディー。彼女の存在が、封じられたエミリオの心を揺さぶる。その心の痛みと不快感を拭い去るかのように、エミリオは強大な力をウェンディーにぶつけるのだった。ウェンディーは重傷を負いつつも、エミリオの説得を続け、とうとうエミリオの正気を取り戻すことに成功する。元の優しい心を取り戻したエミリオは、自分をこのように利用した諸悪の根源、ウォンを打ち倒すべく飛び立っていく。
ウォンの元に辿り着いた少年は、自分を、周囲を利用してきた相手に怒りをぶつけるが、ウォンはエミリオの洗脳を、本来の姿に戻しただけだと、いけしゃあしゃあと言い放つ。そんなウォンを強大な光の力で消し去ったエミリオだったが、気づけば彼は漆黒の闇の中に放り出されていた。闇の中に浮かび上がったのは、自身と全く同じ姿。エミリオの中に存在する、殺戮衝動が形を成して現れたのだ。見ないようにしていた存在が、自由を求めて襲い掛かってくるが、少年はその存在を拒絶するために戦う。打ち倒した殺戮衝動は、エミリオの否定の言葉を嘲笑いながら、闇の中へ消えていく。
軍サイキッカー部隊の司令室の中、立ちつくすエミリオを見つけたのは、彼の後を追っていたウェンディー。彼の無事を確認し、ともに帰ろうと促す。そんなエミリオの顔には、不気味な微笑みが浮かべられていた。
『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』のゲームシステム
基本ルール

『サイキックフォース2012』、『サイキックフォース2』、『サイキックフォース2012EX』のゲームジャンルは格闘ゲーム。
プレイヤーは操作キャラクターを1人選び、制限時間内に対戦相手の体力を0にするのが目的。1試合はラウンドという単位で仕切られており、先に体力を削り切って0にした方がラウンドを取ることになる。既定のラウンド数を先に獲得した方が勝者と定められ、ゲームを続行。敗者はその場でゲームオーバーとなってしまう。
試合はまるでガラスのようにも見える結界で仕切られた、立方体のフィールド内で行われる。キャラクターはこのフィールド内を浮遊した状態をデフォルトとし、縦横無尽に移動して戦闘を行っていく。従って、本来の格闘ゲームにはほぼ絶対にある地面の概念や、ジャンプ操作といったものは本作には存在しない。地面がなく、上下左右自由に浮遊及び飛行することで戦闘を進めるという特性から、3D格闘ゲームだと思われがちだが、本作には奥行きの概念はないため、3Dで描画された2D格闘ゲームというのが正しい。
ライフゲージとサイコゲージ

画面端に表示されているゲージ。前作では分離してそれぞれ管理されていたが、今作では両方が同じゲージ内で管理されることとなる。
ゲージ内上部に表示されている緑色から黄色の領域がライフゲージであり、この部分が全てなくなると敗北。ゲージ内下部に表示されているピンク色から紫色の領域がサイコゲージであり、キャラクターの必殺技使用や、特殊ガードアクション等で消費する。サイコゲージは使用していなければ時間経過でゆるやかに回復するものの、コマンド入力をすることで、任意で回復が可能。サイコゲージの量は『サイキックフォース』シリーズでの立ち回りにおいて非常に重要な役割を担っているため、消費と供給を管理して戦いを進める必要がある。
また、本作では新たな仕様として、ライフが攻撃などで減少していくにつれ、サイコゲージの最大量が比例して増加するというものが存在。ライフがなくなれば当然追い込まれていくものだが、その分サイコゲージが多く使えるようになり、ライフが多い状態ではできない立ち回りも行えるようになるのだ。
結界

結界にぶつかった状態
『サイキックフォース2012』、『サイキックフォース2』、『サイキックフォース2012EX』における戦闘ステージは、透明なガラスにも似た結界というもので立方体に仕切られている。
この結界に自分から触れても何の影響もないのだが、相手の攻撃を受けたり、防御のノックバックで結界に触れてしまうと、一瞬無防備な状態になり、隙を晒してしまう。その間ガードなどもできなくなってしまうため、結界に当てた側が追撃を加えるチャンスとなる。追撃をされている中で再び結界に触れてしまうと、キャラクターはダウンして当たり判定が消失し、ステージ下部に向けて落下していく。
尚、今作からは硬直の最中にレバーや方向キーを素早く入力することで、硬直からの復帰が早くなるという仕様が追加された。また、硬直中やダウン中にのみ使用可能な特殊ガードも追加されたため、攻撃側だけが絶対的な優位を取れるということはない。
サドンデス
CPU戦では発生せず、VS MODEでしか発生しないルール。
両者プレイヤー同士の対戦において、試合時間が0になるまでに決着がつかなかった場合に突入。結界の大きさが通常よりも一回り小さく、両者ライフ0、サイコゲージ200%の状態となり、一撃で勝負がつくような状況で決着をつけることとなる。この状態でも勝負がつかない場合は、両者共に1ラウンド分の勝利ポイントがつく。
ちなみに一度でもサドンデスに突入した場合、以降の試合でも結界の大きさが一回り小さい状態となってしまう。また、サドンデスの末に決着がつかず、両者同時に勝利規定ラウンドへ到達した場合、両者共にゲームオーバーになる。
尚、CPU戦で試合時間が超過した場合、最終的に残りライフ数で勝敗が決するため、サドンデスは発生しないのだ。
超能力技とコマンド入力

『サイキックフォース2012』、『サイキックフォース2』、『サイキックフォース2012EX』では、方向とボタン入力の組み合わせで、それぞれのキャラクター固有の必殺技、超能力技が使用可能。この超能力技にはそれぞれコマンドが設定されているのだが、他の格闘ゲームにはない独特の仕様が実装されている。
その仕様というのが、コマンドは入力の要素さえ同じであれば成立する、というもの。例えばキャラクターの一人である刹那の必殺技・ミラーズコフィンのコマンドは「←→+強攻撃」となっている。しかし、このコマンドは「→←+強攻撃」でも「↑↓+強攻撃」でも、「↓↑+強攻撃」でも成立して発動されるのだ。地面の概念がなく、常に空中浮遊して目まぐるしく方向が変化する本作シリーズならではの仕様となっていた。
初心者でもコマンドがわかりやすいため、気軽に爽快感のある戦いを演出できるようになっている。
キャラクターの重量
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目次 - Contents
- 『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』の概要
- 『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- ストーリー:マイト
- ストーリー:パティ
- ストーリー:ウェンディー
- ストーリー:玄信(げんしん)
- ストーリー:バーン
- ストーリー:キース
- ストーリー:カルロ
- ストーリー:レジーナ
- ストーリー:ゲイツ
- ストーリー:ウォン
- ストーリー:刹那
- ストーリー:ガデス
- ストーリー:エミリオ
- 『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』のゲームシステム
- 基本ルール
- ライフゲージとサイコゲージ
- 結界
- サドンデス
- 超能力技とコマンド入力
- キャラクターの重量
- 各種超能力技の方向指定
- プレイスタイル
- 基本操作
- ショット
- つかみ
- ダッシュ
- クイックダッシュ
- スライドダッシュ
- サイコチャージ
- ハイパーチャージ
- バリアガード
- 回避バリア
- バリアブレイク
- PSYインパルス
- コンボ
- 家庭用版のゲームモード
- ARCADE MODE
- STORY MODE
- TRANING MODE
- VS MODE
- GROUP VS MODE
- SURVIVAL MODE
- RECORDS
- ALBUM MODE
- PSY-EXPAND MODE
- OPTION MODE
- PSYCHICCERS NETWORK
- 『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』の登場人物・キャラクター
- 第三勢力に所属する人物
- マイト
- パトリシア・マイヤーズ
- ウェンディー・ライアン
- 灌頂玄信(かんじょう げんしん)
- バーン・グリフィス
- 新生ノアに所属する人物
- キース・エヴァンス
- カルロ・ベルフロンド
- レジーナ・ベルフロンド
- ゲイツ・オルトマン
- 軍サイキッカー部隊に所属する人物
- リチャード・ウォン
- 刹那(せつな)
- ガデス
- エミリオ・ミハイロフ
- ストーリーモードのないプレイヤーキャラクター
- ソニア
- ブラド・キルステン
- 六道玄真(りくどう げんま)
- サブキャラクター
- パティの母
- クリス・ライアン
- 栞(しおり)
- ティーナ
- 刹那の父
- 『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』のアイテム
- 影高野の退魔師が扱う武器
- 呪符
- 数珠
- 車輪
- 巻物
- 独鈷(どっこ)
- その他のアイテム
- サイキックパワー増幅装置
- 対サイキッカー用サイボーグ
- 『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』の用語
- サイキッカー
- 第一次超能力大戦
- 人工サイキッカー
- 人造サイキッカー
- サイキッカーハンター
- 対サイキッカー用サイボーグ
- 退魔師(たいまし)
- 神妃(しんき)
- 禁呪(きんじゅ)
- 組織
- ノア
- 新生ノア
- 軍サイキッカー部隊
- 影高野(かげこうや)
- 『サイキックフォース2012・サイキックフォース2・サイキックフォース2012EX』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 隠しキャラクターはバーン・キース・ウォンの3人
- 『サイキックフォース2』・『サイキックフォース2012EX』の追加隠しキャラクターはソニア・ブラド・玄真
- 『サイキックフォース2』にある隠しカラーの存在
- 勝利で結界破壊
- 同キャラ対戦で無効化される超能力技の存在
- 「サイ・エキスパンドモード」で習得不可能な超能力技は34種類
- 「サイ・エキスパンドモード」で習得した超能力技の色はキャラクターによって変動
- ポーズメニューでボイスが再生されるキャラクターの存在