サイキックフォース・サイキックフォースEXのネタバレ解説・考察まとめ

『サイキックフォース』とは、1996年4月にアーケードで稼働した格闘ゲーム。発売元はタイトー。『サイキックフォースEX』は、本作稼働後同年7月にリリースされた、バージョンアップ作品となっている。
本作の大きな魅力は、重厚な物語と魅力的な登場人物たちであり、これらの要素が当時ゲームセンターに行かなかった女性ファンやアニメ好きに刺さったことで、人気を博した。
物語の舞台は21世紀の世界で、超常的な能力を持つ人間・サイキッカーを巡る物語が展開される。

『サイキックフォース・サイキックフォースEX』の概要

『サイキックフォース』とは、1996年4月にタイトーからリリースされた格闘ゲーム。リリース当時はアーケード用の作品となっており、ゲームセンターに赴かないと遊ぶことはできなかった。
その後、1996年7月に、追加キャラクターとゲームバランス調整が行われたバージョンアップバージョン『サイキックフォースEX』が稼働。同年10月4日には『サイキックフォースEX』をベースにした家庭用版が、PlayStationにて発売されている。

物語の舞台は21世紀の近未来(発売当時は近未来であった)。その世界には炎や風などを操る超常的な力を持った人類・サイキッカーが生まれていたが、強大な力を振るうサイキッカーは、恐怖の対象として迫害されていた。そんな力を持たない人間たちに対抗すべく、1人のサイキッカーが超能力集団・ノアを組織し、サイキッカーたちの理想郷を作り出そうと、人類への攻撃を開始する。そうして開始されたノアの人類への侵攻と、それを止めるべく戦うサイキッカーたちの戦いを描いていく。

本作の大きな魅力は、多くの人気アニメを手掛けたキャラクターデザイナー・大貫健一によって作られた美麗なキャラクターたちと、そのキャラクターたちが織りなす世界観。
当時の格闘ゲームのキャラクターとしては奇抜かつアニメ的、更に細身で美麗な顔立ちの人物が非常に多いのが本作の特徴。更に作り込まれたシリアスなストーリー性が、多くのアニメファンや女性ファンを魅了した。
また、常時宙に浮いた状態で戦う、派手なカメラアングルや画面映えする技の数々といった、当時の格闘ゲームとしては画期的で類を見ない面も多く、続編が途絶えても根強いファンは多い。

作品本編自体は1998年6月に稼働した『サイキックフォース2012』で途絶えているものの、本作のメディアミックス展開及びスピンオフは多彩。
1997年10月2日には、本作とタイトーのパズルゲーム『パズルボブル』がコラボしたタイトル『サイキックフォース パズル大戦』がPlayStationにてリリース。1997年に小説版がリリースされたことを皮切りに、1997年から1998年までにドラマCDがいくつも発売され、1998年にはOVA展開まで行われていた。格闘ゲーム愛好家以外にも作品が愛された証拠である。
また、本作と続編をまとめた『サイキックフォース COMPLETE』が2005年12月29日にPlayStation 2でリリースされたが、移植や再現が十分でないとファンの間では不評。

『サイキックフォース・サイキックフォースEX』のあらすじ・ストーリー

アーケード版『サイキックフォース・サイキックフォースEX』にはストーリーモードが搭載されていない。そのため、以下の各キャラクターのストーリーは、家庭用『サイキックフォース』内にて実装されたものである。
尚、キースは家庭用だと隠しキャラ扱いのため、ストーリーモードは存在しない。

プロローグ

時は21世紀。世界には未知なるパワーを扱う超能力者、通称サイキッカーが現れていた。
サイキッカーたちは人知を越えた力を扱うものの、その力は人々に恐れられ、迫害されてしまう。更にその強大な力を追い求める者たちによって捉えられ、人を人として扱わないような人体実験を受けることも。
そうして数多くのサイキッカーたちが命を落とす中、一人の男が立ち上がる。
男の名はキース・エヴァンス。
キースは追い詰められ、命を狙われるサイキッカーたちを保護し、その自由を勝ち取るための組織ノアを立ち上げた。ノアはサイキッカーのための理想郷を作り出すため、サイキッカーではない人類を支配する計画を遂行していく。
そんなノアに立ち向かうのは、キースの親友にして、炎を操るサイキッカーの青年バーン・グリフィス。
バーンは突如サイキッカーによる世界征服を掲げたキースの目を覚ますために、同じくノアの理念に疑念を抱くサイキッカーのウェンディー・ライアンと、エミリオ・ミハイロフと共に戦いに赴く。
サイキッカーたちの戦いは、様々な人間たちの野望や想いを乗せて、激化していくのだった。

ストーリー:バーン

バーンは親友のキースの真意を問うため、キースの目を覚まさせるために、その身を戦いに投じた。
サイキッカーの殲滅を掲げる軍のサイボーグのゲイツ・オルトマンや、退魔師の六道玄真(りくどう げんま)を退け、突き進んでいく。その最中、ノアに利用された仲間のエミリオとウェンディーをもやむを得ず倒すが、その戦いでウェンディーが命を落とす。怒りをその身に宿したバーンは、キースを唆して利用していたリチャード・ウォンを倒し、ついにキースの元に辿り着いた。キースに「同志となれ」と誘われるものの、それを退けたバーンは、キースとの最後の戦いに挑む。
激しい戦いの末、キースを下したバーン。キースは「心のどこかで自分をバーンに止めてほしかったのかもしれない」と吐露すると、サイキッカーの未来を切り開くことをバーンに託し、その腕の中で息を引き取るのだった。大切な親友を失ったバーンは、冷たい亡骸となった親友を抱いて、慟哭する。

ストーリー:ウェンディー

ウェンディーは行方不明になった姉のクリス・ライアンが、ノアの研究施設に所属していたことを知り、彼女の手掛かりを探すために、ノアと敵対する道を選んだ。
サイキッカーの殲滅を目的とする退魔師の玄真や、軍のサイボーグであるゲイツ、ノアから差し向けられたエミリオの偽物をも倒し、邁進していく。
その戦いの中で、ノアの人造人間にして、サイキッカーのソニアと出会い、死闘を繰り広げるが、ソニアが最後にウェンディーの名を呼んだことが、ウェンディーの中に疑念を抱かせる。そうして突き進んだウェンディーはキースの元に辿り着き、彼の口からソニアが姉であったことを告げられた。クリスをソニアに改造するよう仕向けた人物は、キースと共にノアを立ち上げた男、ウォン。怒りのままにウォンと対峙したウェンディーは、とうとう姉の仇を取ることに成功したが、愛する姉を失い、生きる意味を見失ってしまう。
そんな彼女に声をかけたのは、生存していたソニアだった。ソニアはクリスとしての人格を取り戻し、ウェンディーと抱き合って、共に生きていくことを誓う。しかし、ソニアは、最早人造サイキッカーとなってしまった自分に、残された時間は多くないことを自覚していたのだった。

ストーリー:エミリオ

キースによって掲げられた、サイキッカーによる世界征服に疑念を抱いたエミリオは、バーンやウェンディーと共にノアから逃げ出した。
しかし、強大な光の超能力を持つエミリオを待っていたのは、更なる戦いであった。彼の力を危険視する玄真やゲイツ、幻影として現れる残酷なウェンディー、力に振り回されて暴走するブラド・キルステンを下す中で、エミリオは疲弊していく。立ち塞がる敵を強大な力で倒し続けたエミリオは、とうとう心が限界を迎え、力を暴走させてしまう。暴走するエミリオを止めるために、バーンは力を振るうのだが、そんなバーンすらもエミリオはとうとう打ち倒してしまった。
バーンの犠牲でエミリオの暴走は止まるが、エミリオの精神は崩壊の一途を辿り、突如現れた母の幻影に縋って、彼の物語は幕を降ろす。

ストーリー:玄真

影高野という組織に所属する退魔師・玄真は、サイキッカーに対して脅威を感じていた影高野の命を受け、サイキッカー殲滅のために、戦火へと身を投じた。
その使命の通りに、玄真はノアに所属しているか、そうでないか関係なく、サイキッカーに勝負を挑み、下し続けていく。そうしてとうとう諸悪の根源であるノアの総帥、キースを打倒したはずだったのだが、玄真には未だ邪悪な気配が感じ取れていた。そんな玄真の前に現れたのは、キースを利用し、世界を思い通りにしようとしていたウォン。
彼が邪悪な気配の主であると察した玄真は、使命を果たすために戦いを挑み、倒すことに成功する。邪悪を全て討滅せしめた玄真は、一時平和になった世界が、そのまま続くことを願いながら、再び退魔師としての使命に勤しむのであった。

ストーリー:ゲイツ

ノアと人類の戦いに巻き込まれ、命を落とした妻と娘の仇を取るため、身体改造を受けて対サイキッカー用サイボーグになったゲイツ。
軍によって最優先指令として設定された「サイキッカーの消去」を実行するため、あらゆるサイキッカーの前に立ち塞がり、命を奪っていく。軍の命令に従いながら、愛する妻と娘、そして幸せな日常を奪い去ったノア、その総帥であるキースの元に辿り着いたゲイツ。復讐心を鋼の身体に滾らせながら、とうとうそれを果たす。
しかし、過剰な人間的感情に身を任せていたゲイツは、兵器として危険分子と見なされてしまい、ノアの基地の中で自爆させられてしまうのだった。

ストーリー:ウォン

キースを唆してサイキッカー組織ノアを作り出し、世界をその手中に治めようと暗躍するウォン。
自らの野望を妨害する存在を容赦なく跳ねのけて、その計画を推し進めていく。仲間であったブラドやソニアすらも、情の欠片を見せることなく排除すると、事の重大さを知ったキースが彼の前に立ち塞がる。
最後の障害となったキースを倒したウォンは、ソニアに搭載されたサイキックパワー増幅装置を始めとした研究結果や、各種データを持ち出し、世界を手中に治める計画を進めていく。故郷である香港の街を見下しながら、間近に迫った時を前にして、ウォンは邪悪な笑みを浮かべるのだった。

ストーリー:ソニア

ノアに作られた人造人間にして、サイキッカーであるソニアは、ノアの総帥であるキースのために戦いを選ぶ。
彼の理念に反する、彼の障害となる人物たちを排除していく最中、姉を探すウェンディーと出会うと、ソニアの中に既視感が生まれた。その既視感を覚えつつもウェンディーを下したソニアは、自らの中に眠っていた記憶を思い出す。なんとソニアは、ウェンディーが探していた姉、クリスだったのだ。
愛する妹をその手にかけてしまったソニア(クリス)は、立ち塞がったウォンから、自分が人造人間完成のために利用されていたこと、ノアへの忠誠心も全て作り物であったことを教えられる。ウォンを倒すも、自らの存在意義を見失いつつあったソニアは、忠誠を誓っていたノアの総帥キースの前に立ち、クリスとして彼の計画を止めんと戦いを選ぶ。
キースを倒して全てを終わらせたソニアは、ノアを失ったことで生きる術すら無くし、崩壊するノアの基地の中へ、結界から身を投げて消えていくのだった。

ストーリー:ブラド

強大なサイキッカーの力と、血に飢えた残忍なもう一つの人格に恐怖し、救いを求めてノアに身を寄せていたブラド。
しかしノアでの過酷な戦いの日々は、ブラドの内に秘められたもう一つの人格を日に日に強めていくだけであった。残忍な人格は次第にブラドの心を蝕み、仲間であるソニアを手にかけた時、その箍は完全に外れてしまう。穏やかな人格を押さえつけることに成功した残忍なブラドは、その衝動のままにウォンとキースへ牙を向く。
最後にはキースすらも打ち倒したブラドだったが、キースは彼の心を救うことを諦めず、息も絶え絶えに説得を続ける。しかし既に穏やかな人格はブラドの中に無く、キースにトドメを刺したブラドは、次の獲物を求めて笑うのだった。

『サイキックフォース・サイキックフォースEX』のゲームシステム

基本ルール

Amotan09160115
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