BADON(バードン)のネタバレ解説・考察まとめ

『BADON』とは、2019年より『月刊ビッグガンガン』にて連載された、オノ・ナツメによる漫画作品である。前科持ちの男たち四人が刑務所で出会い第二の人生を歩もうと意気投合し奮起していく群像劇として、バードンで開店した高級煙草店「プリミエラ」を中心に繰り広げていく、男たちの再起と絆の物語である。

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ロニー・レイル

バードン警察殺人課所属の新米刑事。リリー誘拐事件の際、ヤッカラ街をうろついていたハートにヴァスコについて聞き込みをして以来顔見知りとなる。新米ながら、ハートに連絡先を渡して使える情報を多方面から仕入れようとする抜け目のない性格。
『ACCA 13区監察課』に同姓で顔のよく似た登場人物がいるが、関係性は不明。

アニー

ハートが「ユーカー」でマルティの世話役を任されていた頃知り合った娼婦の女性。娼婦と客という立場を崩さずお互い深く干渉しないようにしながらも、ハートとは惹かれあっていた。
元締めが「ユーカー」の敵対勢力の下っ端という理由でマルティに目を付けられ、マルティを強く拒絶したことで刺殺される。

『BADON』の用語

地名

ドーワー王国

バードンを首都に置く、地方自治制の王国。鳥のような形をした島国で、13の区に分かれてそれぞれが独自の文化を築いている。
100年ほど前は13の国に分かれていたが、当時の国王によって平定されひとつの国として成立した。しかししばらくしてクーデターが起こり、話し合いの結果各地区に地方自治を認めることを条件に国は平和を取り戻した。

ヤッカラ地区

ドーワー王国内になる地区の一つ。常に夢を追い求めて男たちが集まる区で、観光客を含め人口が多い。
ろくでなしが集まる地区でもあり、ポーカー等の賭け事は日常の一つとして溶け込んでいる。
「ヤッカラでの一番の重罪は約束を違えること」とされ、嘘つきは毛嫌いされる傾向にあるため、詐欺罪で服役していたリコは他の囚人から敬遠されていた。
甘いサクランボパイと食用サボテンが名物。

バードン地区

ドーワー王国の首都。華やかな都会で、セレブが住むマンションから人気パン屋等が軒を連ねている。

ヤッカラ街

夜のヤッカラ街を歩くイルマ(中央の女性)。

バードンの南地区にある、ヤッカラ区からの移住者が集まる地域。南地区には各区の移住者が集まっており、その中でもヤッカラ系が集まるヤッカラ街は治安が悪く犯罪率が高い。
バードンに売春街は存在しないが、ヤッカラ街では現在も客引きをする女性たちが街中に立っている。助け合いの精神が根付いており、子どもの面倒を周囲の大人たちが見ていることが多い。その日のことで精いっぱい暮らしている住人が大多数を占めている。

建物・施設

ツタ・アパート

煙草店を開くにあたりハートたちが薦められた物件の愛称。静かな住宅街に建っており、建物全体を覆う蔦が目印になっている。六階建てで、最上階の部屋にはロビンが入居している。
本編の半世紀近く前、裏カジノとして警察の捜査が入っている。当時の所有者はヤッカラ区でカジノの魅力に取りつかれたバードン区民の男で、ロビンは彼と同居生活を送っていた。闇カジノ摘発後は現在の大家であるガイがアパートを買い取っている。
一階には「ハチクマ」、二階にはデザイン会社が入っており、「プリミエラ」は五階に店を構えている。

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